妹に執着するケンジの事情
札月キョーコは可愛い容姿とクールな雰囲気で、学校でも大人気の女の子。当然のように、多くの男子がキョーコに近づこうとするが、それをことごとく排除しているのが、兄の札月ケンジである。妹への異常な執着から、周囲はケンジのことを重度のシスコンだと思っているが、そこには隠された理由があった。じつはキョーコはキョンシーであり、御札の役割をしている大きなリボンがほどけると、本能のままに血を求め、人を襲ってしまう。ケンジはそれを防ぐために、妹につきまとっているのだ。本作は、そんなキョンシーのキョーコと「シスコンヤンキー」の汚名を背負いながら奮闘するケンジを描いた青春コメディである。
ツンデレな妹とシスコンの兄
クールな性格のキョーコは、自分につきまとう兄のケンジを冷たくあしらい、口答えばかりする生意気な少女である。しかし、御札であるリボンが解けると、途端に弱気で素直な少女に豹変し、兄が大好きな本心をさらけ出す。ケンジは、最凶といわれるほどの不良だが、本当は成績優秀な優等生である。妹を守るために体を鍛え抜き、テストではわざと手を抜いてヤンキーを演じているのだ。ツンデレな妹とシスコンの兄、秘密を抱える二人とその周囲の面々が繰り広げるコミカルなドラマが本作の魅力である。
ケンジを巡る恋愛模様
妹の監視に大忙しのケンジだが、じつは、クラスメイトの日々野ハルカに好意を抱いている。日々野は、次期生徒会長候補の優等生でおっとりした少女である。皆が恐れるケンジに対しても「妹に優しいんだから、きっと他の人にも優しい」という理由で普通に接している。そして、何かとケンジのことを気に掛け、世話を焼くうちに、いつの間にか好意を抱くようになっていた。空手部の岩原ヒカリはキョーコの同級生。キョーコをシスコンで変態の兄、ケンジから守ろうとしている。しかしじつは、ヒカリがかつて好きになった人とケンジは同一人物である。髪色など、見た目が変わっているため気づいていないのだ。兄妹愛だけではない、ケンジを巡る恋愛模様も本作の大きな要素である。
登場人物・キャラクター
札月 ケンジ (ふだつき けんじ)
高校2年生の男子。茶髪のツンツン頭が特徴。キョンシーの妹、キョーコから男を遠ざけるため、不良を演じている。日頃から肉体を鍛えているため、実際ケンカに強い。常にキョーコにつきまとっていることから、周囲からシスコンだと思われているのが悩み。キョーコは血以外を接種できないため、自分の血を定期的に吸わせている。クラスメイトの日々野ハルカに好意を寄せている。
札月 キョーコ (ふだつき きょーこ)
高校1年生の女子。兄のケンジと同じ高校に通う。銀色のロングヘアーと大きな赤いリボンが特徴。じつは、人間の数十倍の力があるキョンシー。定期的に血を飲まないと動けなくなるため、ケンジの血をもらっている。力を封じる御札の役割を持つリボンが解けてしまうと、素直で気弱な女の子に豹変。また、本能のままに血を吸おうとする。料理が得意。
日々野 ハルカ (ひびの はるか)
高校2年生の女子。札月ケンジのクラスメイトで、次期生徒会会長候補の優等生。黒髪のセミロング、メガネ、巨乳が特徴。おだやかな性格の天然少女で料理が下手。最凶の不良であるケンジを怖がることなく、何かとケンジのことを気にかけている。じつは、『からかい上手の高木さん』『あしたは土曜日』の登場人物、日々野ミナの従姉妹。
岩原 ヒカリ (いわはら ひかり)
高校1年生の女子。空手部に所属。ショートカットが特徴で男子と間違われることが多い、ボーイッシュな女子。札月キョーコと友だちになりたくて近づき、紆余(うよ)曲折を経て仲良しになる。ケンジのことは、変態シスコンだと勘違いしており、キョーコから遠ざけようとする。
書誌情報
ふだつきのキョーコちゃん 7巻 小学館〈ゲッサン少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2014-01-10発行、 978-4091245977)
第2巻
(2014-06-12発行、 978-4091247605)
第3巻
(2014-11-12発行、 978-4091255266)
第4巻
(2015-04-10発行、 978-4091260369)
第5巻
(2015-09-11発行、 978-4091263568)
第6巻
(2016-02-12発行、 978-4091270184)
第7巻
(2016-07-12発行、 978-4091273536)