お菓子を生み出す特殊能力者
本作には「お菓子使い」と呼ばれる特殊な能力者が登場する。彼らは、限定100個のみ生産された「トイトイキャンディ」を食べることで誕生し、一人につき一種類のお菓子を、力が続く限り具現化することができる。具現化されたお菓子は、能力者の意志によって形状を自由に変えられ、食用としてだけでなく武器としても活用可能。そのため、能力を悪用して犯罪に手を染めるお菓子使いがあとを絶たず、深刻な社会問題となっている。なお、5年前には、たった一人のお菓子使いによって東京が壊滅的な被害を受ける事件が発生。その犯人は、水瀬と同じく「ペロペロキャンディ」を具現化するお菓子使いだと伝えられている。
お菓子使い犯罪対策組織「ルセット」
「ルセット」は、お菓子使いによる犯罪を未然に防ぐために設立された、警察直属の特殊組織。市民からは「お菓子警察」の愛称で呼ばれている。組織内は「一ツ星」から「三ツ星」までの階級制が採用され、星の数に応じて権限が拡大する。入江トウカをはじめとする五人のお菓子使いが所属しており、彼女たちは「五菓子」と呼ばれている。一方、能力を持たない一般隊員は、戦闘時に「カトラリー」と呼ばれる巨大なフォーク型の武器を使用する。また、「金ぺい糖」と呼ばれる身体強化薬を服用して戦うが、お菓子使いの圧倒的な能力には及ばない。なお、特別な試験に合格すれば、未成年であっても入隊が認められている。
ペロペロキャンディ使い、水瀬の覚醒
女子高校生の水瀬は、かつて東京を壊滅状態に陥れた「お菓子使い」と疑われることを避けるため、人前で「ペロペロキャンディ」を具現化する能力を使わないようにしていた。しかしある日、ドーナツを具現化する別のお菓子使いに襲われ、咄嗟(とっさ)に応戦したことで、「ルセット」に所属する三鳥ミサキに目をつけられてしまう。転校生としてクラスに潜入した三鳥の監視を意識し、なんとか能力を隠し通そうとするが、お菓子使いによる暴挙で街の人々が危険にさらされると、迷わず能力を解放して敵を撃退する。その姿を三鳥に目撃され、決定的な証拠をつかまれてしまう。しかし三鳥は、水瀬の行動を目の当たりにし、彼女が東京に被害をもたらすような人物ではないと確信し、水瀬を信じることを選ぶ。こうして水瀬は逃げるだけの生活に終止符を打ち、もう一人のペロペロキャンディ使いを捕らえるため、ルセットへの入隊を決意する。
登場人物・キャラクター
水瀬 ツムギ (みなせ つむぎ)
「ペロペロキャンディ」を具現化する能力を持つお菓子使いの少女。才色兼備の女子高校生で、ふだんから自分の容姿に人一倍気を遣っている。冷静沈着で不用意な行動は避けているが、大好きなお菓子が絡むと我を忘れてしまい、結果的に墓穴を掘ることも少なくない。一方で心優しく、周囲の人が危険にさらされそうになると、自分のことは顧みず助けようとする。かつて東京に壊滅的な被害をもたらした「もう一人のペロペロキャンディ使い」と同一視されるのを恐れ、人前ではできるだけ能力を使わないようにしていた。しかし、三鳥との出会いを経て、いつまでも逃げ続けるわけにはいかないと悟り、もう一人のペロペロキャンディ使いを自らの手で捕まえる決意を固める。
三鳥 ミサキ (みどり みさき)
お菓子警察「ルセット」に所属する少年。年齢は15歳。現在はルセットの権限を活かして水瀬が通う高校に在籍している。正義感が強く、自分が傷ついてもルールを厳守しようとするまじめな性格の持ち主。一方でやや融通が利かない面もあり、かつては水瀬を、東京を崩壊に導いたキャンディ使いではないかと疑ったこともあった。しかし、共に行動するうちに信頼を寄せるようになる。二ツ星の資格を持つものの、金ぺい糖の使用は許可されておらず、目立った戦果はまだ挙げていない。しかし、水瀬の意向により、彼女が秘密裏に倒したお菓子使いを三鳥自身が倒したことにされ、やがて周囲から敬意と畏怖を集める存在となっていく。
書誌情報
アメノフル 全3巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2021-08-04発行、978-4088827780)
第2巻
(2021-10-04発行、978-4088828374)
第3巻
(2021-12-03発行、978-4088828732)







