概要・あらすじ
エストラキア共和国を実質支配するソレシア連邦のプーシュキン大統領が、日本の四葉高校を表敬訪問するという情報を得た特殊部隊のウラディスラフ＝グレコフは、プーシュキン大統領暗殺計画と親ソレシア連邦の政策を執る現政権を打倒するクーデターの計画を立てる。そして、その暗殺の実行役を暗殺部隊「カラマーゾフ」のアリョーシャ＝スターリナに命じ、アリョーシャを四葉高校へ留学させる。
留学から3か月後、ソレシア連邦からの留学生として、プーシュキン大統領に花束を手渡す大役を任せられたアリョーシャは、この絶好の機会に任務を実行しようとするが、実行直前にグレコフからクーデター失敗の連絡が入る。そしてアリョーシャは「情報をすべて消去したので、今後は普通の女子高生として生きるように」と言われ、その言葉通りに生きていくことを決意。
しかしアリョーシャは、クーデター失敗を発端としたカラマーゾフ分裂の抗争に巻き込まれ、命を狙われることとなった。
登場人物・キャラクター
アリョーシャ＝スターリナ (ありょーしゃすたーりな)
ソレシア連邦から日本の四葉高校に留学して来た少女。容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群で、男子生徒からの人気も高い。しかしアリョーシャ＝スターリナ自身は他人とほとんど交流しないため、1人でいることが多い。その正体は凄腕の暗殺者。エストラキア共和国軍の特殊部隊の1つで、暗殺部隊「カラマーゾフ」に所属する。「コールティク」というコードネームを持つが、アリョーシャがコールティクだということは、ごく一部の人間しか知らない。 留学したのも、クーデターを成功させるために、ソレシア連邦のプーシュキン大統領が四葉高校を表敬訪問した際に、彼を暗殺する任務の一環だった。結局、クーデター失敗により暗殺は実行されず、カラマーゾフに所属していた過去を消された。 そして、上官のウラディスラフ＝グレコフの言う通りに、普通に女子高生と生きることを決める。その後はクラスメイトの名雪未留と仲良くなり、これまでの生活と違うため、戸惑うことも多いながらも毎日を過ごす。しかしクーデター失敗によりカラマーゾフは旧体制派と新体制派に分裂し、新体制派から実績作りのために命を狙われるようになる。 名雪進次郎と百地彦一からは「アロサ」と呼ばれる他、コールティクのコードネームを持つのはアリョーシャが2人目のため、一部の人間からは「No.2」や「コールティクNo.2」、ミーチャ＝カラマーゾヴァからは、訓練を受けていた時と同じく「27号」と呼ばれる。
ウラディスラフ＝グレコフ (うらでぃすらふぐれこふ)
アリョーシャ＝スターリナの上官。エストラキア共和国軍特殊作戦部隊所属の男性軍人で、階級は大佐。暗殺部隊「カラマーゾフ」の司令官も務める。愛国心が強く、エストラキア共和国の現政権がソレシア連邦の傀儡となっていることに憤慨し、ソレシア連邦のプーシュキン大統領暗殺と、クーデターによるエストラキアの現政権の打倒を目指す。 しかしクーデターは失敗し、ミスラエル国に亡命する。
名雪 未留 (なゆき みる)
四葉高校に通う女子生徒。アリョーシャ＝スターリナのクラスメイト。普通の女子高生として生きることを決めたアリョーシャの最初の友達でもある。青沼紅湖や大曲奈真江からいじめを受けているが、大らかで人懐っこい性格のために気にしていない。家電メーカーとして国内シェアNo.1で、ほかにもさまざまな事業を展開している名雪電器の社長令嬢。 メイドが複数いる豪邸に住んでいる。エストラキア共和国から仕送りが途絶えてアパートを追い出されたアリョーシャもメイドとして働いており、常に一緒にいられることに戸惑いつつも嬉しく思っている。しかしコールティクの命を狙う暗殺部隊「カラマーゾフ」から、アリョーシャと一緒にいるために、自分もコールティクだと勘違いされ、命を狙われてしまう。
大曲 奈真江 (おおまがり なまえ)
四葉高校に通う女子生徒。アリョーシャ＝スターリナのクラスメイト。考古学部に所属。浅利龍之介に好意を抱いており、龍之介と仲のいいアリョーシャや名雪未留に対して嫌がらせやいじめを行う。
青沼 紅湖 (あおやま べにこ)
四葉高校に通う女子生徒。アリョーシャ＝スターリナのクラスメイト。考古学部に所属。大曲奈真江と一緒に行動することが多く、奈真江とともにアリョーシャや名雪未留に嫌がらせをする。
名雪 進次郎 (なゆき しんじろう)
公園で出会った男性老人。家賃滞納でアパートを追い出されたアリョーシャ＝スターリナは、この公園で寝泊りしていた。名雪進次郎も同じ公園でテント生活をしており、何か事情があると思い、アリョーシャを自分のテントに招き入れて面倒を見る。テントを襲撃して来た不良どもを撃退したアリョーシャを見て、本宅でメイドとして雇う。 実は家電メーカーとして国内シェアNo.1で、ほかにもさまざまな事業を展開している名雪電器の名誉会長。名雪未留の祖父でもある。公園での生活は、趣味である放浪の1つ。
ケイティ・リンドバーグ (けいてぃりんどばーぐ)
若干16歳でアメリア連邦捜査局(FBI)に所属する女性捜査官。IQ161の天才。6歳の時に1600満点の大学進学適性試験(SAT)で1500点を獲得、12歳の時にマサチューセッツ工科大(MIT)を首席で卒業した。プロファイリングのエキスパートで、正体不明のコールティクを日本に通う高校生と結論づけ、潜入捜査のために四葉高校に留学する。 幼い頃から天才児として大人から特別扱いされてきたため、同年代の子供からひどいイジメに合う。しかし、ある日に偶然見た日本製作のアニメ「マジカルソーイング5」で、自分と同じ境遇のキャラクターと出会う。そのキャラクターを真似て、いじめっ子を正論と話術で言い負かし、自信を持つようになる。以降、理論武装のために勉強に没頭する一方で日本のアニメにハマり、今回の潜入捜査も、日本のアニメやゲームなどオタク文化を体験するといった個人的な目的もある。
六天 真矢 (ろくてん まや)
名雪邸メイド長を務める女性。規律に非常に厳しく、メイドして働き始めたアリョーシャ＝スターリナを教育する。また名雪未留にもしっかりと苦言を呈するほど真面目な性格。メイドとしての給料はすべて学費と生活費に消えてしまい、本来なら手元に残るお金のないアリョーシャのために、高校卒業後のことを考えて、自腹で毎月3万円を積み立て、給料という名目で5千円を支払う、という優しい一面もある。
浅利 龍之介 (あさり りゅうのすけ)
四葉高校に通う男子生徒。アリョーシャ＝スターリナとは同学年。父親は元外務大臣を務めた浅利鳴海で、父親に同行して経団連のパーティによく出席している。パーティでよく顔を合わせる名雪未留とは幼なじみの関係。勉強には自信があったが、転校して来たばかりのアリョーシャやケイティ・リンドバーグ(ケイト)に負けて、彼女たちに興味を持った。 2人の周囲を探っているうちに、いつの間にかアリョーシャ、未留、ケイトが作る新しい部活の部長になってしまう。
百地 彦一 (ももち ひこいち)
妻の百地静と一緒に名雪進次郎の生家を管理している男性。表向きはただの老人だが、名雪家を裏から守ってきた一族の人間。煙玉やマキビシなどを駆使して、アリョーシャ＝スターリナたちを狙ってきた刺客を撃退する。
百地 静 (ももち しずか)
夫の百地彦一と一緒に名雪進次郎の生家を管理している女性。笑顔を絶やさない穏やかな性格。名雪家を裏から守ってきた一族の人間だけあって身体能力も高く、名雪家に敵対する者には容赦しない。
岡田 茂 (おかだ しげる)
名雪未留の家庭教師の男性。正体は百地彦一が未留を守るために送り込んだ忍。見た目はひ弱だが身体能力が高く、さらにありとあらゆる鍵についての知識を持つ。
No.3
暗殺部隊「カラマーゾフ」がアリョーシャ＝スターリナのクローンとして作った少女。同時に5体作られており、それぞれ301、302、303、304、305とナンバリングされていた。ただし304は途中で遺伝子疾患で死亡しており、完成したのは4体。そのうち303はほかのクローンより優れていたため、「No.3」の称号を得て、ほかのクローンを従えて任務にあたる。 暗殺者としてはアリョーシャと同等の成果を上げたが、303が快楽のために味方の研究者まで殺すようになり、脳や精神に問題が見つかったため隔離された。しかし今回のカラマーゾフの分裂により開放され、欲望のままにアリョーシャを狙う。
ミーチャ＝カラマーゾヴァ (みーちゃからまーぞゔぁ)
旧ソレシア連邦の女性兵士。第2次世界大戦を始めさまざまな戦争で多大な戦果を挙げる。エストラキア共和国の建国にも関わった軍事界の重鎮。「コールティク」のコードネームを最初に名乗った人物でもあり、「No.1」と呼ばれることもある。暗殺部隊「カラマーゾフ」の司令官としてアリョーシャ＝スターリナの教育プログラムも作製。 第2次世界大戦の時に20歳、現在は95歳。頭蓋の大半をチタンで覆い、心臓や肝臓といった部位は特殊セラミックでガードするなど、さまざまな改造手術を身体に施して、30代の身体能力を維持し続けている。
浅利 清虎 (あさり きよとら)
浅利龍之介とは10歳離れた兄。父親の浅利鳴海の秘書を務めており、法務局や警察庁などに知り合いがいる。やや弟に甘い面があり、龍之介の無茶な頼みを引き受ける。
セーラ・マクラレン (せーらまくられん)
イグリス情報局秘密情報部(MI6)所属の女性。変装のスペシャリスト。特別な検体が盗まれて日本に送られ、それに暗殺部隊「カラマーゾフ」が関わっていることを知る。さらにカラマーゾフ壊滅の立役者のケイティ・リンドバーグ(ケイト)が四葉高校にいたため、「キャンディス・ホッグ」という名前で四葉高校に英語教師として潜入する。 しかし、ケイトが持つ端末から情報を得ようと、ホテルのコンシェルジュに変装して部屋に入ったところで、アリョーシャ＝スターリナとケイトに拘束され、正体を暴かれてしまう。
集団・組織
カラマーゾフ
エストラキア共和国軍の特殊部隊。主な活動は要人暗殺。ソレシア連邦に立ち向かう人間が立ち上げ、ミーチャ＝カラマーゾヴァが司令官を務める。ミーチャがカラマーゾフを去った後は、ミーチャの部下だったウラディスラフ＝グレコフが引き継ぐ。グレコフが計画したクーデターが失敗した後は、旧体制派と新体制派に分裂。旧体制派は各国に亡命するなどしてバラバラになり、新体制派はエストラキア共和国の現政権に協力しながら、独立組織として自分たちの実績を示すために、正体不明の凄腕の暗殺者「コールティク」の命を狙う。
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