概要・あらすじ
ミニマムと呼ばれる特殊能力を持つミニマムホルダーであるムラサキは、駿才学園の任務で、とある男のもとを訪れる。その男はハマトラ探偵事務所を営む、ミニマムホルダーのナイス。ムラサキの目的は、学園始まって以来の天才と謳われるナイスを、駿才学園に連れ戻すことだった。
登場人物・キャラクター
ナイス
助手のはじめと共にハマトラ探偵事務所を営んでいる少年。常に首にヘッドフォンを着用し、両頬と鼻の頭、両腕に白いテープを付けている。駿才学園在学中は総合偏差値91を誇り、学園始まって以来の天才だった。しかし、国家のために力を使えという学園の方針に反発し、1年前に中退している。普段はいい加減で、巨乳美女に弱いスケベな性格。 ところが、探偵としては天才的な才能を持ち、見落としてしまいがちな小さな手がかりも、鋭い洞察力で発見。どんな事件でも解決へと導く。保持するミニマムは「霊長類最速の一歩(キャノンボール)」。5メートル内であれば音速で走れる特殊能力で、発動条件は指を鳴らすこと。相手がどんなミニマムを持っていたとしても、5メートル以内にいれば、発動前にその力を封じられるため、「ミニマムキラー」とも呼ばれている。
ムラサキ
ハマトラにやって来た依頼人の少年。駿才学園の任務で、学園始まって以来の天才・ナイスを、学園に連れ戻すために訪れた。駿才学園の55期主席で、総合偏差値は82。頭脳、身体能力、ミニマムのすべてにおいて、高い成績を誇る優等生。短髪で毛を逆立てたツンツン頭に、メガネをかけている。学園のエリートとしての誇りを持っており、ミニマムは国家のために使うものという信念がある。 そのため、自分より格上だと称されたナイスの、自由奔放で自分勝手な行動に、イラついていた。しかし、ナイスと接触した後は行動を共にし、自分を頼ってくれた相手の願いを、完璧に果たすためにミニマムを使う、というナイスの信念を確かめることになる。保持するミニマムは「俺たちに明日はない(オール・オア・ナッシング)」で、超人的な握力を発揮するというもの。
はじめ
ナイスと共にハマトラで助手を務める小柄な少女。顔の横の毛を伸ばしたショートカットの髪にサンバイザーをかぶり、手にはグローブ、足にはプロテクターを付けたショートパンツスタイル。どんな状況に陥っても、焦ることがない落ち着いた性格で、口数が少ないうえに無表情。かなりの大食漢で、満腹時にはとてつもない怪力を発揮するが、空腹になると力を出せなくなってしまう。 ミニマムホルダーであるかどうかは不明。
ユミ
ハマトラ探偵事務所にやって来た依頼人。巨乳で可愛い女の子。自宅マンションのベランダに幽霊が出て怖い、という依頼が、どこからも相手にされていない。そこで、他では相手にされない変わった事件も扱ってくれる、という噂を聞きつけ、ハマトラにやってきた。
ノビカワ
ユミと同じマンションに住む美容師の男性。ユミの通う美容院の店員で、ユミの真上の部屋に住んでいる。そのため、ユミの部屋に幽霊が出たときには相談にも乗っていた。実はミニマムホルダーであり、幽霊の正体もノビカワ本人だった。
ヒビキ
駿才学園未所属の「野良」となったミニマムホルダーの男性。喉から超高音を発し、人間の脳細胞を破壊する能力を持っている。学園を退学した後、ミニマムを悪用して犯罪を犯していた。ナイスの実力を図ろうとしたムラサキが、確保を依頼することになる。
アカツキ サユリ
ハマトラにやってきた依頼人。大人びたスタイルのいい綺麗な女性。ゲートファミリーという、横浜最大のマフィアのボスの娘であるシズクの救出、という虚偽の依頼をする。しかし、すぐにナイスによって嘘を見破られてしまう。実はシズクの姉であり、ミニマムホルダーであるシズクを、マフィアから助けてほしいと、ナイスに本当の依頼をする。
シズク
アカツキサユリの妹。強力なミニマムを持っているため、裏社会から狙われている。現在はゲートファミリーに監禁されている。ミニマムは「爆弾少女(ファイヤースターター)」。炎を操るミニマムで、右手で掴んだものを爆破させられる。だがその爆破には、自らも巻き込まれてしまうため、体がボロボロになっている。
バースデイ
レシオと組んで便利屋をしている男性。ゲートファミリーに雇われ、ナイスらに助けられたシズクを奪いに来た。ナイスの先輩で、同時期に駿才学園に在籍していたが、すでに中退している。短髪にサングラスをかけて下駄を履き、右のふくらはぎに「苦しくて死にそうな顔」のタトゥーが入っている。学園時代から一緒のレシオには、223万7520円の借金がある。 ミニマムは全身に電気を溜めた後に、放電することができる「死と電撃(ジャンク)」。
レシオ
バースデーと組んで便利屋をしている男性。医者でもある。ゲートファミリーに雇われ、ナイスらに助けられたシズクを奪いに来た。ナイスの先輩で、同時期に駿才学園に在籍していたが、中退している。右目に眼帯、両手にパワーアームを装着し、白衣を着ている。ミニマムは「真実と事実を見抜く目(ユージュアルサスペクツ)」。 普段は隠している右目を、赤外線カメラのように扱うことができ、さらにパワーアームからは、火炎放射を放つこともできる。
タチバナ
駿才学園に所属する男性。ムラサキに、ナイスを学園に連れ戻せという任務を課した人物。右の頬に2本の傷があり、常にスーツを着ている。タチバナもミニマムホルダーで、ミニマムは「倍害報復(エクスタミネーター)」。常人を遥かに超える神経伝達速度を持ち、相手の動きを完全に読み切って、強烈なカウンターを叩き込める。
ミズキ
「ハマトラ」にやって来た依頼人。おかっぱでメガネをかけている女性。駿才学園が運営する研究所の研究員で、ミニマムに関する研究をしている。しかし、研究を握りつぶそうとする上司のオヤマダに、研究データを盗まれてしまった。そこで、ナイスらにデータを取り戻してほしいと依頼する。
オヤマダ
駿才学園が運営する研究所の教授。初老の男性。ミズキの上司でもある。ミズキがしていたミニマムに関する研究を握りつぶそうとしており、彼女が大切にしていた研究データを盗み出す。ナイスらがオヤマダの所にたどり着いたときには、すでに何者かに殺害されていた。
助手 (じょしゅ)
駿才学園が運営する研究所の教授であるオヤマダの新しい助手の女性。周りには隠していたが、実はミニマムホルダーであり、光の屈折率を変えられる肌を持つ「光学迷彩」のミニマム保持者。とある理由でミズキがやっているミニマムに関する研究を憎んでおり、研究データを破壊しようとしていた。
ハニー
駿才学園を卒業したミニマムホルダーの少女。限定的ではあるが、未来を予測できるソフト「マイティスクリプト」を開発した天才。ゆえに常に上から目線で、自分は完璧だと思っている。「マイティスクリプト」を使って、ミズキがナイスを雇うことを予測。オヤマダに雇われ、先回りをしてナイスたちを追い詰めた。ミニマムは「美少女天才研究者の憂鬱(ビューティフルマインド)」で、「マイティスクリプト」が予測した数字の羅列を解読できるもの。
スリー
ハニーのボディーガードの男性。筋骨隆々で体格が良く、額から頬にかけてバツ印のような傷がある。肉弾戦は相当強く、はじめの怪力と遜色ない力を持っているが、少女に暴力は振るわないという信念を持っている。ミニマムホルダーだが、能力の名前や詳細は不明。
アート
横浜警察捜査一課の警部の少年。トップの髪を両耳の下あたりまで伸ばし、襟足を刈り上げており、右目の目元にほくろがある。駿才学園の卒業生でナイスとは同期だったが、ミニマムを取得することはできなかった。現在もナイスとは交流がある。
ヒトミ
横浜パープルリゾートシティの社長秘書をしている女性。自社のプール施設に毒を流す、という脅迫状が届いた。警察に届けたが、イタズラの可能性が高い、と相手にしてもらえなかった。そのため、レシオとバースデーがやっている便利屋に、犯人を捕まえてほしいと依頼してきた。
マダラバト
駿才学園に所属する男性。サチの部下。ミズキの研究データを狙ってナイスたちを襲う。自ら、すべてのミニマムホルダーの中で最強の力を持つ、と言い切っている。学園の歴代NO.1で「ミニマムキラー」であるナイスを一方的に敵視している。ミニマムは「掴んで離すな(スタンド・バイ・ミー)」。人のレベルを超えた繊細かつ強力な指で、硬質で極細なワイヤーを操ることができるもの。
サチ
駿才学園の学長。学園の関係者でも、ほとんど彼の姿を見たものはいない。幼い少年のような容姿にスーツ姿といういで立ちだが、実年齢は117歳。学園の創始者で、ミニマムの能力名は彼が付けている。ミニマムは「不老不死(大人は判ってくれない)」。細胞の修復能力が異常に高いうえに、細胞が劣化しないというもの。
その他キーワード
ハマトラ
ナイスが立ち上げた探偵事務所。国家のためではなく、自分の意志で誰かを笑顔にするためにミニマムを使う、というナイスの信条を実現。他では相手にされない依頼も、ナイスが「本気の依頼」と認めれば引き受ける。ハマトラとは「横浜(ハマ)の(トラ)ブルシューター」の略。
ミニマム
一部の人のみが持つ特殊な能力のこと。名前の由来は「小さな奇跡」。そのほとんどが駿才学園を卒業し、スペシャルキャリアとして国家の中枢を担う人材となっている。学園に通っていた者や卒業者のミニマムには、それぞれ名前が存在している。
ミニマムホルダー
ミニマムの能力を保持する者の総称。駿才学園の卒業生は、国家の安全を守るため重要な職種に就いている。だが、途中で退学したり、才能がなくてクビになった者が、その後能力を開花させ悪事を働くこともある。こうした学園に所属しない者たちは「野良」と呼ばれる。
駿才学園 (ふぁくるたーすがくえん)
ミニマムを持つ人間を養成する機関。学園での過程を終了した者は、高級官僚や警察組織、自衛隊の特殊部隊や公安諜報部などエリートとして活躍している。元々は「個性」と呼ばれていた特殊能力を持つ可能性のある者を育成するため、国家予算を投じ研究する機関だった。
クレジット
- シナリオ
-
北島 行徳