未来予測量子コンピュータと繫がるフリーター
主人公の神矢迅は先が読めずにいつも損をしてしまうフリーターの青年。ある夜の合コンの帰り、何者かに追われる女性に関わったことから、銃で頭を撃ち抜かれてしまう。前頭葉を破壊された迅は、警察病院に収容され、「オメガブレイン」を移植される。それは、人類初の未来予測量子コンピュータ「ノストラ」に繫がるためのモバイル通信端末だった。ノストラとの会話に成功し、未来を予見する力を得た迅は、警視庁の地下にある未発生事件対策課(U.C.C.S.)に招かれ、捜査官に任命される。これまで三人がオメガブレインを移植されたが、ノストラとコミュニケーションが取れたのは、迅が初めてだという。こうして迅は、未発生事件対策課のさまざまな分野のエキスパートたちのサポートを受けながら、事件に挑んでいくことになった。
迅に超人的な力を与えるノストラの能力
ノストラの能力は、大きく分けて二つある。一つは、「未来予測」で、予測される事件の内容と確率、バッドエンドまでの残り時間とビジュアルを迅に通知する能力である。事件を回避するために、ノストラは迅に阻止行動を起こすよう促すが、それが残酷な選択の場合もある。例えば、誰かを見殺しにすれば大勢が助かるといったケースである。迅が人間ならではの思考と選択で、これらのケースを回避しようとする姿も見どころである。もう一つは、「P・P(プロテクトプログラム)」と呼ばれる、迅を守るために発動する能力。「0.3秒後の未来を見せる」「筋力を解放する」「学習能力の700パーセント増幅」「全感覚25倍速による加速装置」などがある。なお、物語途中から、ノストラは迅にしか見えない豆柴犬の姿で登場するようになる。
ノストラとファティマ
ある日、ノストラは20日後の東京壊滅を予測する。阻止行動を起こすなか、迅は自分の眉間を撃ち抜いた男と遭遇する。男はある組織の人間で、その背後にはノストラと同じように未来予測をする量子コンピュータ「ファティマ」の存在があった。男は「ポセイドン計画」という謎のプロジェクトを遂行していると言い、迅と同等の力で襲いかかってくる。ノストラの作戦勝ちで迅はかろうじて男を制するが、その後、額にチップを埋め込まれ、ファティマに操られた大量の人間が行動を起こし始める。
登場人物・キャラクター
神矢 迅 (かみや じん)
警視庁の極秘プロジェクトで活躍する男性。人生逆転を狙う冴(さ)えないフリーターだったが、未来予測量子コンピュータ「ノストラ」と繫がるモバイル端末を埋め込まれ、頭脳・肉体ともに人並み外れた行動力を発揮できるようになる。いつの間にか警視庁の未発生事件対策課(U.C.C.S.)の捜査官にされ、大事故や凶悪犯罪を未然に防ぐ任に就く。ノストラとはモバイル通信で繫がっているので、電波が圏外になると、迅の活動も停止してしまう。正義感が強く友人からの信頼も厚いが、お人好しな性格が裏目に出ることがあり、大学受験もそのせいで失敗している。母子家庭育ちで女子高生の妹がいる。童貞。
ノストラ
人類初の未来予測量子コンピュータ。神矢迅とは、前頭葉に埋め込まれたモバイル端末「オメガブレイン」で繫がっており、迅にだけ見える豆柴犬の姿で話しかけてくる。類まれなるデータ処理能力および分析力を持ち、事故や犯罪の発生を予測し、それらを未然に防ぐための行動提案をしてくれる。天才物理学者、楠神武偉博士が設計し、今世紀最高のプログラマーといわれる大嶽影之がシステムを構築した。これまで三人に移植を試したが、全員機能せずに死亡。迅が初の成功例となる。ノストラの存在は、警察のトップ以外は誰も知らない。
クレジット
- 原作
書誌情報
code:ノストラ 4巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉
第1巻
(2022-04-06発行、 978-4065275054)
第2巻
(2022-07-06発行、 978-4065284773)
第3巻
(2022-11-18発行、 978-4065298015)
第4巻
(2023-03-20発行、 978-4065310809)