概要・あらすじ
バーテンダー見習い中の石川ミサオは、働いているラウンジで西条にナンパされる。翌朝早くに南国へ旅立つミサオは西条にカギを預け、2人の関係が始まった。友達のユキは同じラウンジでホステスとして働きながら、実家のミカン畑を直すために貯金をしていた。ユキは恋人の川畑雄一にホステスを辞めて欲しいと言われたことで一度は別れたが、お互いに気持ちを残しており、心は揺れていた。 ミサオは西条と一緒に南国を旅したり、秘密を共有したりと、ささやかな楽しみをシェアする日々を積み重ねていく。そのころ、ユキは川畑と復縁していたものの、彼のベトナム転勤が決まったことで再び別れを予感する。時を同じくしてユキは研究員の沢野からプロポーズされていたが、彼もまた派遣期間の終了に伴い、ユキの地元を去ろうとしていた。ミサオと西条はユキがどのような未来を選択するのか暖かく見守る。
登場人物・キャラクター
石川 ミサオ (いしかわ みさお)
お酒の飲めないバーテンダー見習いの女性。貞操観念が薄く、西条とは出会ったその日に自宅に招き入れた。南国をこよなく愛し、隙あらば旅に出るので年中日焼けしている。料理好きで食べものの素材にもこだわる。オーガニックフードを愛し、お酒も煙草もやらないメンテナンスマニア。淡路島出身。
ユキ
石川ミサオの友達で、ホステスのアルバイトをしている。お金を貯めて、和歌山の山奥にある実家のミカン畑を直して住むのが夢。美人でしっかりした性格で、ミサオのツッコミ役。正直者で言動に裏がないために、かえって邪推されて謎めいた存在だと思われている。「ミス酒豪」と呼ばれるほどの酒飲み。
西条 (さいじょう)
石川ミサオの彼氏。バーテンダーをしていたミサオとラウンジで出会いナンパする。建築会社に勤める設計士。のんびり屋で、ざっくりした性格。アンダーグラウンドな雀荘で、2日間こもりっきりで麻雀をするという危ない趣味を持つ。
川畑 雄一 (かわばた ゆういち)
ユキの彼氏。中堅の建築会社に勤めている。とにかく真面目で、やや頭が固い。ユキにホステスのバイトを辞めて欲しいと言ったことが原因で一度別れている。ユキとよりを戻したが、ベトナムへの海外赴任が決定したことで再び不安定な関係に。
松本 (まつもと)
西条の上司。ユキを目当てにラウンジに通うが、軽くあしらわれている。彼女いない歴が永く、貯金もないが動物好きで掃除好きの愛すべき人物。仕事ができて後輩の面倒見がいい。お酒と女の子が好きで、女の子のいる店で飲むのが大好き。
森下 (もりした)
西条の会社の同僚で設計士。かなりのヘビースモーカー。新婚の女子だが、仕事が詰まってくると家に帰らず、会社に置いてあるダンボール箱の中に入って寝泊まりしている。ジャージ姿で化粧っ気もなく、バリバリ仕事を片付けていく。締めるところは締める、デキる女性。
マリア
石川ミサオとユキがアルバイトをしているラウンジの先輩ホステス。なにかと世話を焼いてくれるがゴシップが大好物で、2人の恋愛事情をウォッチするのが趣味。ユキが川畑雄一とよりを戻したのを嗅ぎ付け、どうにかしてことの顛末を聞き出そうと企んでいる。「酒泥棒」と呼ばれるほどの酒豪。ユキとは飲み仲間。
田崎 (たさき)
石川ミサオのバーテンダーの師匠。バーテンダーの技能大会で優勝し、日本一になったことがある。面倒見がよく、小言をいいつつミサオを可愛がっている。パンダ好きなラウンジのママのために、誕生日パーティにパンダの着ぐるみを手配してミサオに被らせるというお茶目な面もある。
沢口 (さわぐち)
石川ミサオの元彼。ミサオとユキの通う大学で植物生理学研究室の助手をしている。ミサオとは別れてからも友人関係が続いており、しばしば彼女が持ち込む頼みごとを引き受けている。まだ少しミサオに未練があり、西条と付き合い始めたミサオを心配している。
沢野 (さわの)
ユキの故郷で農協の嘱託指導員を務めている。本来は古木を調査するため、県の研究所から派遣されている。熱心な柑橘類マニアで、柚子の希少品種を探し当てるために山の中で遭難したことがある。ユキに魅かれていてプロポーズするも、華麗にスルーされる。
ミサオの父 (みさおのちち)
早くに妻を亡くし、男手一つで石川ミサオと石川裕一を育てた。かなりの頑固者。兄の裕一は放任状態だったが、一人娘のミサオには厳しく、外泊も都会へ遊びに行くことも、免許を取るのも禁止していた。裕一の結婚式の打ち合わせのためにミサオの部屋で、西条と鉢合わせする。2人の付き合いを心配しつつ、消極的に黙認している。
石川 裕一 (いしかわ ゆういち)
石川ミサオの兄。父と同様に、突然ミサオの部屋に訪ねてきて西条と鉢合わせる。妹にメールするなど男として恥ずべきことであるという理由で、常に事前の連絡なしに訪ねてくる剛毅な性格。西条とは酒を酌み交わして打ち解けた。