あらすじ
第1巻
2018年6月25日。神条恒彦は、ヘルトピア事件の始まりとなるバスジャック事件に巻き込まれ、意識を奪われたまま1週間にわたって謎の病院に監禁される。目を覚ました恒彦は、バスジャックによって拉致された被害者たちの変わり果てた姿を発見し、さらに蜘蛛男の襲撃を受けるが、酒井公章率いる警官隊に助けられる。保護された恒彦は警察病院に入院し、神条達治をはじめとした家族と再会するが、その夜、ヘルトピアからの新たな刺客である「深淵の闇の番人」こと蝙蝠男が現れ、病院の中にいる警察官や患者を無差別に襲い始める。改造の影響で恐怖心が薄れたうえに、優れた記憶力を得た恒彦は、病院の地形を利用して蝙蝠男を追い込み、酒井と協力してこれを撃破する。ほどなくして警察病院を退院した恒彦は学校に復帰するが、ヘルトピアは恒彦の抹殺をあきらめず、彼を確実に仕留めるために小林明を学校に差し向ける。小林はサソリ男に変身すると、南咲桜里を人質に取って恒彦を呼び寄せる。さらに、爪に仕込まれた毒で南を仮死状態に追い込んで逃走するが、毒の特性を素早く把握した恒彦が的確な処置を施したことで、南は一命を取り留める。恒彦はそのままサソリ男を追い、共に落下して下敷きにすることでサソリ男を行動不能に追い込む。サソリ男は小林の姿に戻り、駆け付けてきた警察に逮捕されるが、突如苦しみ出して命を落とす。さらに、国家公安委員長が何者かの狙撃を受けて即死するという事件が発生。いずれも、犯人はおろか痕跡すら見つからず、この異常な事態に国はまた騒然となる。
第2巻
ヘルトピアのメンバーによる神条恒彦の暗殺は、失敗を繰り返していた。これを受けた大幹部ネロは、しばらく彼の様子を見ることを提案し、構成員の一人である「虚無の羽音」こと麻丘雪路に監視を命じる。麻丘は指令通りに監視のそぶりを見せるが、その一方で恒彦と秘密裏に接触し、目立たないようにすれば自由を奪うつもりはないと忠告する。そして麻丘は、人間らしさが残っている恒彦に興味があると告げ、恒彦もまた、敵対するつもりがないならしばらく様子を見ることを決める。それから数日後、恒彦のもとに自らを占い師と名乗る鶴田が接触してくる。突然「君に死相が見える」と言い出す鶴田に胡散(うさん)臭いものを感じた恒彦は、彼との接触を最低限に留めつつも、共にバスに乗り込むことになる。そして、バスが走り出すと、数名の乗客が不審な様子を見せ、さらに客に紛れていた五木がカマキリ男に変身する。鶴田は、乗客に扮していた公安が雇った情報屋で、カマキリ男はヘルトピアとつながりのあるセミナーを調べる鶴田を始末するために派遣された殺し屋だったのである。恒彦はバスの屋根の上にカマキリ男をおびき寄せ、道路に突き落とすことに成功する。こうして恒彦は鶴田と共に命拾いするが、今度は神条達治や神条雪子の家族と連絡が取れなくなる。家族の失踪にヘルトピアが絡んでいる可能性を疑う恒彦は焦りを募らせるが、麻丘は自分は何も知らされておらず、改造を受けたとはいえ警察などとつながりのない恒彦の家族をヘルトピアが拉致するのはおかしいと結論付ける。家族の行方を捜す恒彦は情報収集のため鶴田と共に、ヘルトピアとつながっている可能性があるというハッピー&ジョイハウスを訪れる。
第3巻
ハッピー&ジョイハウスで有益な情報を得られなかった神条恒彦と鶴田は、二人を狙って襲って来た五人組のコブラ男を退ける。このことからハッピー&ジョイハウスへの疑惑を深めた二人は、ハウスの被害者対策弁護団の一人である加藤と接触するが、そこに首都圏を停電に追い込んだカメレオン男が現れる。カメレオン男は加藤の肩をナイフで刺しながら、自らコブラ男との関係を語り、姿を隠して三人を同時に暗殺しようと迫る。さらに、鶴田に化けて恒彦を始末しようと目論むが、恒彦には最初から行動を見抜かれており、返り討ちに遭う。カメレオン男の正体が、ハッピー&ジョイハウスの責任者である森であることを突き止めた恒彦たちは、警察の助力を得て再度ハッピージョイ&ハウスに向かうが、施設はコブラ男たちの手によって壊滅状態に陥っていた。コブラ男たちは、今度こそ確実に仕留めようと恒彦を襲うが、ぬかるみに足を取られて杭打機で攻撃され、行動不能になった挙句に大幹部ネロの手により自爆させられる。カメレオン男とコブラ男の引き起こした事件は、世間にヘルトピアの存在を大々的に知らしめる契機となり、警察はハッピージョイ&ハウスの強制捜査へと乗り出す。一方、麻丘雪路は、親しくしていた姉貴分の仇である久喜正純を殺害するため、恒彦に護衛を依頼する。二人は久喜の乗る選挙カーへと近づき、恒彦は麻丘が蜂を使って久喜を殺害するところを見届けようとするが、久喜と手を組んでいたヘルトピアの野口に阻止される。野口はコンドル男に変身して恒彦に襲いかかるが、極限状態に追いやられた恒彦の身体に異変が起き、ヤゴ男への変身を果たす。コンドル男はオーバークロックを使ってヤゴ男に対抗するが、彼と麻丘のガソリンを使った作戦の前に敗れ、撤退を余儀なくされるのだった。
第4巻
神条恒彦と南咲桜里は、鶴田の依頼によって銘文大学へと同行するが、そこでヤモリ男が仕掛けた爆弾テロに巻き込まれる。その中で、南が人の思考を読み取る能力を修得し、人質に紛れて自爆しようとしていた吉田を阻止したうえに、ヤモリ男が落としたパソコンのパスワードを読み取る。恒彦と読心能力を持つ南の連携を警戒したヤモリ男は、作戦を放棄してヘリコプターで逃げようとするが、恒彦の追撃によって墜落する。そして、恒彦からヤモリ男の情報を提供された警察は、大手製薬会社のベルクが、ヘルトピアとつなががっていることを突き止める。一方、大幹部ネロは、ヘルトピアの古株だった神条達治と共謀して、奪取した核ミサイルで日本全土を人質に取り、日本政府を脅す作戦を実行に移す。すると日本は大パニックに陥り、さらにネロの宣言に乗じて、ヘルトピアの改造人間たちが陽動のために、大規模な犯罪行為をいたる所で繰り広げ始めた。実行犯の中には恒彦への復讐を目論むコンドル男も含まれており、北原美礼が乗っているバスを乗っ取り、恒彦をおびき出す。恒彦はヤゴ男に変身し、決着をつけるべくコンドル男に向かっていくが、オーバークロックを発動したコンドル男に追い込まれ、複眼を破壊されるほどの大ダメージを負う。しかし、それがさらなる強化の引き金となり、ヤゴ男はトンボ男へ羽化を果たした。強化された脚力によるキックでコンドル男を倒したトンボ男は、警察の情報から大幹部ネロの所有する核ミサイルの在り処を突き止め、麻丘雪路と共に核ミサイルの発射を阻止すべく動き出す。
登場人物・キャラクター
神条 恒彦
高校2年生の少年。ヘルトピア事件の発端となるバスジャックに巻き込まれて改造を施された。父親の神条達治の勧めで、理数系を学んでいるが、神条恒彦自らは理系に向いていないと思っている。ヘルトピアによる人体改造を受け、投与されたアンタゴニストが脳の中でネオテニーに達していたため、ヘルトピアへの共感や忠誠心などを植え付けられないまま、人間を超えた身体能力と優れた五感を得るに至り、さらに恐怖をまったく感じなくなる。当初はバスジャック事件での唯一の生き残りということで、ヘルトピアの改造人間に身柄を狙われていたが、警察官の酒井公章たちと協力してことごとくを返り討ちにする。また、ヘルトピアに所属しながらネオテニーに達している麻丘雪路と共闘したり、情報屋の鶴田と情報交換をし合うなど、独自の協力関係を築いていくが、ある時、家族全員がこつぜんと姿を消したため、彼らの情報を得るために、より深くヘルトピアとかかわるようになる。のちに、宿敵の一人となるコンドル男と戦いの中で、ヤゴ男への変身能力に目覚める。さらに、達治がヘルトピアの協力者であることを知り、彼と大幹部ネロのテロを阻止するべく、仲間たちと共に立ち向かっていく。同じ高校に通う北原美礼とは幼なじみの間柄で、彼女からは「恒ちゃん」と呼ばれている。
ヤゴ男
ヘルトピアの技術によって生み出された改造人間。神条恒彦が変身する。巨大な複眼と、複数の牙を持つ強靭な顎が特徴で、変身前の状態を遥かに上回る格闘能力と反射神経を発揮する。また、腕に複数備わっているトゲは自由自在に伸縮させることが可能で、戦闘においてはカッターの役割も担う。コンドル男との戦いで初変身を果たし、初戦であるにもかかわらず互角の戦いを繰り広げた。再戦時は、高速道路での戦いを強いられ、向かってくる車を避けたスキを突かれて強烈なパンチを喰らうが、その衝撃によってさらなる進化を遂げ、トンボ男に変身する能力に目覚める。
トンボ男
ヘルトピアの技術によって生み出された改造人間。ヤゴ男の完全体といえる姿で、神条恒彦が変身する。ヤゴ男に備わっていた複数の牙は消失したが、複眼のほかに新たな眼を備えるようになり、この影響から敵の動きをより正確にとらえることができるようになった。また、敵の動きを予測する能力が備わっており、相手の攻撃を先読みしてカウンターを仕掛けることも可能。コンドル男との2度目の戦いで、ヤゴ男から脱皮する形で再変身を果たし、この姿となる。そして、オーバークロックを使ったコンドル男の攻撃を完全に回避し、逆に強烈な一撃を食らわせるなど、改造人間の中でも特に優れた力を発揮した。
酒井 公章
警察官の男性。SATの部隊長を務めている。妻と娘がいるが、彼女たちには自分がSATであることを知られていない。勇敢で正義感が強く、ヘルトピアの戦闘員や改造人間に対しても果敢に立ち向かう。また頭脳も優れており、ヤモリ男が銘文大学に爆弾を仕掛けて立てこもった際は、落ちていたトイレットペーパーの芯から、人質解放のための妙案を思いついた。バスジャック事件の唯一の生き残りである神条恒彦を救助するも、当初は彼が人間の状態を保っているか疑ったこともあった。しかし、蝙蝠男が警察病院を襲撃した際に共闘し、次第に恒彦を全面的に信頼するようになる。
神条 達治
神条恒彦と神条雪子の父親。城南大学で教授を務めているほか、付属の大学病院で医者としても活動している。息子の恒彦にも理数系の大学に進学して欲しいと願っている。バスジャック事件から生還した恒彦の前に妻と共に現れ、彼の無事を喜んだ。しかし、その正体はヘルトピアの協力者で、アンタゴニストを投与されたことで変身能力も持つ。大幹部ネロこと布施の主治医でもあり、彼と共にヘルトピアへと加入した。現在の社会では医療に限界があり、病から復帰した患者が安心して生きるためには、自然環境や政治、文化、経済など、一度現代の社会を破壊しなければならないと考えており、その目的を果たすためにヘルトピアの計画に加担している。大幹部ネロが核ミサイルを用いた日本政府への脅迫を実行に移すと、自衛隊などに潜り込ませた部下を使って計画のあと押しを行う。
神条 雪子
神条恒彦の妹で、神条達治の娘。兄と比較すると明るく奔放な性格で、若干わがままなところがある。北原美礼と仲がよく、いっしょに登校することもある。恒彦がバスジャック事件から生還した際は、合宿の先から喜んでいる様子を見せたが、のちに達治や母親と共に消息不明になってしまう。しばらくのあいだ連絡もつかず、情報すらいっさい入ってこなかったが、のちに達治によってスイスのチューリッヒホテルに保護されていることが判明する。
北原 美礼
神条恒彦の幼なじみで、同じ高校に通っている1年生の少女。恒彦とは家族ぐるみの付き合いで、神条雪子とも仲がいい。恒彦から振られる理数系の話題に興味を抱いている。同学年の彼氏がいるが、互いに恋愛感情はない。恒彦がヘルトピアに改造されたことなどはいっさい知らず、恒彦の家族が姿を消した時も、親戚の家に行ったと説明を受けていた。大幹部ネロと神条達治が核ミサイルによるテロを企てた際に、恒彦と同じ高校に通っているという理由で、バスに乗っていたところをコンドル男に襲われてしまう。
蜘蛛男
ヘルトピアの技術によって生み出された改造人間。変身前の姿は不明で、ヘルトピア事件の皮切りとなるバスジャック事件の実行犯を任じられた。さらにバスジャックで拉致された人間たちが病院から逃走しようとした際に、これを処分する命令を受ける。目覚めた神条恒彦を追跡し、彼を殺害しようと襲い掛かる。
蝙蝠男
ヘルトピアの技術によって生み出された改造人間。変身前の姿は不明だが、組織内では「深淵の闇の番人」のコードネームで呼ばれている。翼をはためかせることで飛行が可能で、超音波を発射して敵の平衡感覚を狂わせたり、腕に備わっているカギ爪で切断するなど、多種多様な能力を持つ。また、聴覚が極めて優れており、暗闇の中や視界を遮られた場所でも、音を頼りに相手の居場所を見通すことができるため、奇襲や暗殺などの任務に長けている。バスジャック事件の唯一の生き残りである神条恒彦を暗殺するよう命じられ、彼が入院している警察病院を襲撃する。
小林 明
「山瀬産業」という会社に勤めていた男性。かつてはうだつの上がらないサラリーマンで、会社ではミスをしては上司に怒られ、家では妻や娘から邪険に扱われていた。そのため自らの居場所がないことに悩み続けており、それを解決しようとセミナーを受け、その縁によってヘルトピアに加入する。さらに改造を受けることでアンタゴニストを投与されたほか、サソリ男に変身する力を獲得する。その後は、かつての同僚や上司、さらには小林明自身の家族を殺害し、ヘルトピアの忠実な戦士となる。蜘蛛男と蝙蝠男が倒されたことをきっかけに、神条恒彦を暗殺する指令を受け、彼が通う高校を襲撃。すでに正気を保っておらず、南咲桜里を襲って人質に取り、恒彦が現れると彼の前でサソリ男に変身し、戦いを挑む。
サソリ男
ヘルトピアの技術によって生み出された改造人間。小林明が変身する。組織内では「忍び寄る灼熱」のコードネームで呼ばれている。ヘルトピアの指示で神条恒彦を抹殺する役割を担っており、南咲桜里を拘束した状態で彼を発見すると、南に対して毒を注入し、さらに神条に襲い掛かる。
南 咲桜里
高校2年生の少女。神条恒彦と同じ高校に通っている。恒彦に興味を抱いており、バスジャック事件から生還した彼に付きまとうなど、幾度となく接触を繰り返す。ヘルトピアの指令によって恒彦を始末しようと乗り込んできた小林明に捕まり、人質として利用される。さらに、小林が変身したサソリ男から毒を注入されて昏睡状態に陥るが、恒彦の人工呼吸を受けることで息を吹き返し、これをきっかけに彼に好意を抱くようになる。もともと物怖じしない性格で、言いたいことをはっきりというタイプだったが、人工呼吸の際に唾液を通じて微量のアンタゴニストを投与されたため、恐怖に対して鈍感になっていく。恒彦と鶴田が銘文大学に赴いた際に彼と同行するが、共にヤモリ男の仕掛けた爆弾テロに巻き込まれる。しかし、アンタゴニストの影響で相手の思考を読み取る能力を獲得し、事態の打開に貢献する。
大幹部ネロ
ヘルトピアの幹部を務めている男性。表向きはベルクの日本支社長である「布施」として知られている。物事を性急に推し進めようとする傾向があり、ほかの幹部からはあまり快く思われていない。ヘルトピアの目論む一連の事件を主導し、都市を幾度となく危機に陥れてきた。ヘルトピアに所属する前からベルク社で活動していたが、ある日ガンを患っていることが明らかになり、城南大学の附属病院に入院することになる。そこで神条達治と知り合い、共にヘルトピアに加入する。計画を急ぐ理由は、残りの命がわずかであることに起因しており、ベルク社に警察の捜査の手が入ったことを皮切りに、核ミサイルを使った最終作戦に着手する。
蜥蜴男
ヘルトピアの技術によって生み出された改造人間で、大幹部ネロが変身する。恐竜のような外見をしており、その体軀に見合った、高い戦闘力を誇る。長らくその姿を明かさずにいたが、ベルクに警察の捜査が入った際に変身し、神条達治が自衛隊に潜ませた工作員を使って奪わせた核ミサイルを利用して、日本政府を脅迫しようと目論む。核ミサイルの在り処が判明しないまま、計画を完遂目前まで追い込む。しかし、神条恒彦と酒井公章の活躍によって計画を焦っていることを見抜かれた結果、自ら乗り込んでいたタンカーに核ミサイルが積まれていることが暴露されたあげく、麻丘雪路と恒彦によって、乗っていたタンカーにミサイルを撃ち込まれる。
麻丘 雪路
ヘルトピアに所属している少女。「虚無の羽音」のコードネームを持つ。高知県出身で、方言の混じったしゃべり方をする。「蜂女」とも呼ばれているが、変身したことはなく、身体から生成される小型の蜂をあやつり、敵にけしかける戦法を得意とする。ほかの改造人間と同様にアンタゴニストを投与されているが、神条恒彦と同じくネオテニーに達しているため、ヘルトピアへの忠誠心は薄い。そのため、金さえ積まれれば別の組織に協力することもある。ヘルトピアから、恒彦を監視するよう指令を受けるが、先んじて彼に接触して監視をごまかす代わりに大規模な行動に出ないよう求め、秘密裏に協力関係を結ぶ。元は孤児で、施設で懇意にしていた少女が久喜正純に弄ばれた挙句、自殺に追い込まれていた。そのため、久喜を抹殺する機会をうかがっており、恒彦に協力を仰ぐことで計画を実行に移そうとする。しかし、久喜を利用しようとする野口に阻止され、彼と戦ったことでヘルトピアとの対立が決定的になる。その後は公安に雇われ、大幹部ネロの計画した核ミサイルによるテロ作戦を恒彦と共に阻止しようと動く。
米兵
アメリカ人の男性。サラセニア教団の頭目を務めている。ヘルトピアとは別のルーツを持つ改造人間で、屈強な体格を誇るほか、生物を瞬時に溶解させるほどの強酸を吐く能力を持つ。手下と共に日本に侵入し、害となる可能性を持つ国家公安委員長を銃撃して暗殺する。このことがきっかけで、先を越された麻丘雪路に敵視されることになる。公安委員長を殺害したあと、部下を率いてショッピングモールでテロを起こすが、ショッピングモールの中には麻丘が潜んでおり、彼女の差し向けた蜂によって次々と部下を殺害される。その様子を見て蜂の特性を見抜き、逆に溶解液で次々に蜂を撃墜しながら麻丘を追い詰めようとする。
五木
ヘルトピアに所属している青年。組織から、ハッピー&ジョイハウスを調査している鶴田を暗殺する指令を受け、それを遂行するために彼の乗っているバスを発見し、乗り込んで殺害するスキをうかがう。鶴田を護衛するために公安の人間たちが同乗していることに気づいていたが、アンタゴニストの影響で冷静さを欠いていたため、まとめて始末しようと思い立ち、その場で蟷螂男に変身した。なお、神条恒彦の詳細については知らされておらず、彼が鶴田と接触したことも知らない。
蟷螂男
ヘルトピアの技術によって生み出された改造人間。五木が変身する。両腕に巨大な鎌を備えており、振りかぶることで遠くにいる人間を切断することができる。蟷螂男自身はこれを真空波と称しているが、実際は鎌の先に生えている刃を発射しているに過ぎない。ヘルトピアからの指令で鶴田を狙っており、彼の乗っているバスに乗り込み、護衛の公安ごと抹殺しようと襲い掛かる。また、鶴田と同行していた神条恒彦のことも、ことのついでというだけで抹殺しようとするが、バスの上におびき寄せられると慣性を利用した罠にかかり、二人を取り逃す。その後は麻丘と取引をして、再度恒彦たちを追い詰めようとする。
鶴田
公安に雇われている情報屋の青年。好奇心旺盛だが臆病な性格で、自分が危機に瀕した時のために、前もって備えをしておくことが多い。ヘルトピアとつながりのあるセミナーを調査しており、加藤とはセミナーを調査する者同士として面識がある。しかし、調査を目障りに思ったヘルトピアから命を狙われるようになったため、公安が神条恒彦を張っていることを知り、占い師に扮して彼に接触する。そして、恒彦が自分を付け狙っていた蟷螂男を倒すと、ヘルトピアに関する情報交換を行う関係となる。その後、家族が行方不明になった恒彦と接触し、ハッピー&ジョイハウスの調査を共に行い、その際にカメレオン男やコブラ男の襲撃を受けながらも、恒彦の活躍によって切り抜ける。大幹部ネロが核ミサイルを利用したテロを企てた時は、銘文大学で知り合った南咲桜里や公安に雇われた麻丘雪路と行動を共にして、恒彦がコンドル男を撃破するためのサポートを行った。
森
ヘルトピアに所属している青年。表向きはハッピー&ジョイハウスの代表を務めている。もとは勉学に励む努力家で、東京大学を卒業後に一流企業に就職し、さらに若くして管理職にまで出世した。しかし、見た目や背格好ばかりを気にする人たちから陰口を叩かれ続けて、やがて自分の歩んできた道が正しいのか疑問を抱くようになる。そこを付け込まれてヘルトピアへと加入し、改造手術を受けてカメレオン男に変身する能力を得た。アンタゴニストの影響で自信過剰な性格へと変貌しており、森自身をたびたび「有能」と称し、逆に敵対する相手をしばしば「無能」と言って見下すようになる。組織に対する忠誠心は高いが、身体能力ばかりに頼る五木やコブラ男のことを快く思っていない。大幹部ネロの命令を受け、首都圏を停電に追い込む計画を実行し、これを成功させる。さらに、これに乗じてハッピー&ジョイハウスを調査していた加藤や鶴田、そして彼らに同行していた神条恒彦を抹殺しようと目論み、カメレオン男に変身して恒彦たちの前に現れた。しかし、恒彦の作戦の前に敗れ、警察に逮捕された。敗北後は長きにわたって警察の取り調べを受けることになるが、森自身の正しさを疑わないまま、ただ自らの有用性を訴え続ける。そしてそれが仇となり、取り調べを見ていた酒井公章にヘルトピアに関する情報を感づかせてしまうことになる。
カメレオン男
ヘルトピアの技術によって生み出された改造人間。森が変身する。「実体なき死の姿」のコードネームを持つ。自らの体色を自在に変化させる能力を持っており、暗い場所などで姿を完全に隠すことができる。変身しているあいだはアンタゴニストの影響が強まり、自らの手で獲物を仕留めることに執心するようになる。首都圏を停電に追い込むと、目障りに思っていた加藤や鶴田を襲撃するために姿を消して近づき、加藤を刃物で刺すことに成功。さらに、鶴田に化けて神条恒彦を仕留めようと目論む。
コブラ男
ヘルトピアの技術によって生み出された五人組の改造人間。銃弾でも貫通できないほどの硬さを誇る鱗に覆われており、力も非常に強い。一方で動きが鈍重という弱点があり、足場が悪いところでは移動すらままならなくなることもある。改造される前は力士として活動していた兄弟だが、もともと傲慢かつ卑劣な性格で、稽古中にリンチ行為で死亡者を出したことをきっかけに全員が追い出され、ヘルトピアに加入したという過去を持つ。改造後はアンタゴニストの影響でさらに性格が悪化し、自分たちにとって迷惑なものはすべて消去するという思考に駆られる。五木が神条恒彦に倒されたあと、彼の任務を引き継ぎ、ハッピー&ジョイハウスの調査を行っている恒彦や鶴田、加藤の抹殺を目論む。さらに森が逮捕されると、証拠隠滅のためにハッピー&ジョイハウスの関係者を皆殺しにしようとするが、恒彦を見つけると我先に殺害しようと五人で殺到する。
加藤
弁護士の男性。ハッピー&ジョイハウスをはじめ、複数の新興セミナーの被害者対策弁護団に所属しており、鶴田とも面識がある。鶴田が神条恒彦と共にハッピー&ジョイハウスの調査をしていることを知り、彼らと接触する。しかし、情報交換の最中にカメレオン男に襲われ、重傷を負う。その後はしばらく入院していたが、吉田の両親から依頼を受け、鶴田に対して高額の報酬を条件に、銘文大学に吉田の様子を見に行くように依頼する。
野口
ヘルトピアに所属している青年。表向きは銘文大学に通う優等生で、ボクシングの日本チャンピオンにまで勝ち上がった文武両道の好青年として通っている。しかしその本性は、かわいらしいと思ったものを衝動的に破壊および殺害する本能を持ち、そのことを悪びれもしないという極めて下劣なもの。ヘルトピアに加入したのも半ば興味本位で、改造手術を受けた際に投与されたアンタゴニストがネオテニーに達しているにもかかわらず、遊び半分で殺戮を繰り返す。ヘルトピアに対しては、冷めた印象を持っており、中でも大幹部ネロの性急なやり方には、ロマンチックと揶揄しながらも、傍観者を気取ることが多い。また搦め手を好んでおり、久喜正純と裏で手を結び、彼がヘルトピアに都合のいい政治を行うことを期待している。弱者をいたぶるほかに、強者と戦うことも好んでおり、久喜を殺そうとする麻丘雪路と、彼女をサポートする神条恒彦と戦い、恒彦がヤゴ男に変身するきっかけを作る。大幹部ネロが核ミサイルを利用したテロを企てた時は、恒彦と戦うために陽動を引き受け、北原美礼の乗ったバスを襲撃する。そして高速道路に恒彦をおびき出し、決着を付けるためにコンドル男に変身した。
コンドル男
ヘルトピアの技術によって生み出された改造人間。野口が変身する。「死を運ぶ黒い翼」のコードネームを持つ。翼を広げることで高い跳躍力を発揮し、高低差を活かした攻撃を得意とする。またボクシングの技を応用することで、ほかの改造人間とは桁違いの戦闘力を発揮するほか、オーバークロックを使うことで相手の動きを先読みすることすら可能。ただし、コンドル男自身の能力を過大評価する悪癖を持ち、アンタゴニストの影響でそれが悪化している。神条恒彦とは2度にわたって対決しており、2度目の戦いでは格闘技とオーバークロックを併用した攻撃で彼を大いに苦戦させる。しかしその結果、ヤゴ男がトンボ男に進化するきっかけを作ってしまい、その戦闘力の前に逆に苦戦を強いられる。
久喜 正純
かつて高知県で市会議員を務めていた男性。内縁の妻とその娘を弄び自殺へと追い込んだ卑劣漢で、娘と懇意だった麻丘雪路に強い恨みを向けられている。さらに、秘密裏に野口と結託しており、ヘルトピアともつながりがある。選挙活動中に、麻丘が差し向けた蜂に襲われるが、野口によって守られて事なきを得る。そして、その後も順調に活動を続けており、ヘルトピアとのつながりを知られないまま、千葉県の知事に当選する。
ヤモリ男
ヘルトピアの技術によって生み出された改造人間。変身前の姿は不明で、発言の際に奇妙な例えを引用する癖を持つ。自らの得意不得意を理解しており、明らかに有利だと認識した場所でしか戦いたがらない。銘文大学に多数の爆弾をはじめとしたトラップを仕掛け、中の生徒や関係者たちを人質に立てこもり、警察に対して10億円の身代金を要求する。それからしばらくは、天井裏に潜んで様子をうかがっていたが、人質に紛れて潜り込ませていた吉田の自爆が南咲桜里に阻止されたことで、彼女に興味を持ち動き出す。用心深い性格ながらも、アンタゴニストの影響で楽観的に物事を考える悪癖が備わっており、神条恒彦や南と遭遇した際に持っていたノートパソコンを取り落とすも、自分以外には見られないから問題はないと高を括る。しかし、南の読心能力でパソコンのパスワードを知られてしまう。これをきっかけに深追いは危険と判断し、作戦を放棄して逃走に徹することを決める。
渚 (なぎさ)
科学者の女性。警視庁に勤めている。アンタゴニストの研究を続け、その特性を把握するために心血を注いでいる。酒井公章とも仕事上で付き合いがあり、彼に対してアンタゴニストが宿主の種を守るために機能している可能性があることを告げる。さらに、宿主の脅威となる存在となって、ほかを団結させる役割があるのではないかと仮説を立てるが、酒井からはそれを疑問視されてしまう。
吉田 (よしだ)
銘文大学に通っている青年。かつて新感覚研究会のセミナーを受けており、長いあいだ家にも帰っていなかった。そのために両親から心配されており、彼らの依頼を受けた鶴田や神条恒彦から安否を尋ねられるも、吉田本人はいたって平然としており、単純に必要がないから連絡を取ってないことを明かす。しかし実際はヘルトピアに洗脳されており、ヤモリ男が爆弾テロを引き起こした際に、人質に紛れて自爆テロを行う手はずを組んでいた。救助隊が駆け付けると、脱出するふりをして自爆しようと試みるが、南咲桜里に心を読まれたことで失敗し、警察たちに取り押さえられる。
白戦闘員13号
科学者の青年。ヘルトピアの協力者として活動している。神条達治の指示を受けて、大幹部ネロによるテロの下準備に従事していた。しかし、移動中に麻丘雪路によって拉致され、情報を洗いざらい吐くよう命じられる。改造をされていないためアンタゴニストも投与されておらず、組織への忠誠心は高くない。そのため、最終的には流されるままに麻丘たちに協力し、核ミサイルを止めるための作戦に参加することを決める。アンタゴニストに関する知識が豊富で、作戦中にネオテニーに関する詳細や達治が大幹部ネロに助力していることなどを明かした。
集団・組織
ヘルトピア
2018年に表舞台に姿を現し、数々の事件を引き起こしたテロ組織。「首領」と呼ばれる存在を頂点に大幹部ネロなど、複数の幹部の意向によって動いている。現代科学をはるかに凌駕するテクノロジーを保持し、それを利用してさまざまな種類の改造人間を生み出している。また、複数のセミナーに手を回しており、それらを利用して、協力者の確保やテロ行為などを繰り返していた。構成員たちは、アンタゴニストの影響で組織自体に強い忠誠心を抱いている。しかし横のつながりは薄く、手柄を争うことなども珍しくない。森やコブラ男などの作戦失敗によってヘルトピアとハッピー&ジョイハウスや、新感覚研究会などのセミナーとのつながりが警察に知られ、銘文大学のテロ事件でヤモリ男が落としたパソコンから、ベルクがヘルトピアの隠れ蓑になっていることまで暴露される。大幹部ネロと神条達治が核ミサイルテロを企て、その陽動のために多くの改造人間が事件を起こすが、ことごとくが鎮圧され、最終作戦も失敗したことにより組織としては大きく弱体化した。
サラセニア教団
アメリカのデトロイトを拠点としているカルト宗教団体。自分たちを悪魔であると吹聴しており、生贄と称して多数の民間人を殺害し続けていた。ヘルトピアとは異なる体系の技術を保持しており、頭目である米兵をサラセニアの特質を備えた改造人間に作り替えた。2018年の1月に、特殊部隊の介入によって大きな被害を被るが、その数か月後に米兵によって率いられて日本に侵入し、日本の米軍基地に潜入していた人員と合流して、ショッピングモールでテロを引き起こした。しかし、ショッピングモールの中にいた麻丘雪路の差し向けた蜂によって多数の構成員が殺害される。
ハッピー&ジョイハウス
原始共産主義者たちによる共同生活団体。2015年に設立され、八王子に本部を構える。会員たちは財産の所有を禁止されており、栽培した野菜などを販売するなど、自給自足の生活を営んでいる。共同生活者の中には未成年者もおり、さらに脱会時に財産返還されないなどのトラブルがあとを絶たず、加藤などの被害者弁護団にマークされている。また、ヘルトピアとつながりがあると噂されており、真偽を確かめるために公安から鶴田が派遣されていた。代表の森はヘルトピアの改造人間で、調査を続ける鶴田や加藤、神条恒彦を疎ましく思い、彼らを襲撃するが、返り討ちに遭う。そのことからヘルトピアに切り捨ての対象とされ、コブラ男に多数の会員を惨殺される。事件後はヘルトピアとのつながりが明るみとなり、警察によって強制捜査の対象となった。
新感覚研究会
ヘルトピアとのつながりを持つとされるセミナーの一つ。東京の六大学を中心に会員を集めていることから、若いメンバーが多い。一方で、会員が家族と連絡が取れなくなることもあるなど黒い噂も絶えず、のちに、研究会に入ったまま長らく連絡を取れずにいる吉田の様子を確認するよう、鶴田が彼の両親から依頼されることになる。
ベルク
世界第4位の製薬会社。アメリカのニュージャージー州に本部を構える。日本にも進出しており、千代田区の九段下に支社があり、4000人もの従業員が従事している。しかしその実態は、ヘルトピアが隠れ蓑として利用している企業で、支社長を務めている布施こそが、大幹部ネロの仮の姿である。社内では、ヘルトピアの会議が定期的に行われており、改造人間はここで決定した作戦などを主に実行する役割を持つ。ハッピー&ジョイハウスなどと異なり、長らくヘルトピアとの関係を疑われることはなかった。しかし、ヤモリ男が銘文大学でテロを行った際に落としたパソコンから、そのつながりが警察に発覚する。このことは、ヘルトピアが大きく弱体化するきっかけの一つとなった。
場所
銘文大学
南咲桜里が進学を希望している大学の一つ。中野区にキャンパスが存在する。敷地が広く、学内の設備も充実している。生徒の一人である吉田の様子を見るように依頼された鶴田と、彼の誘いを受けた神条恒彦、そして彼といっしょにオープンキャンパスに行くことを望む南の三人が訪れるが、その際にヤモリ男の仕掛けた爆弾テロに巻き込まれる。しかし、恒彦の機転と酒井公章の立てた作戦によって人質は無事に解放され、死者も出なかった。
その他キーワード
改造人間
ヘルトピアの改造手術を受けることで、身体能力や反射神経が飛躍的に増幅された人間たちの総称。感情が昂ぶると異形の姿に変貌し、その姿から「怪人」と呼ばれることもある。一般人はおろか、訓練された警察官をも容易に殺害する力を持つほか、飛行や透明化など、固有の能力を持つ改造人間もいる。改造の際にはアンタゴニストを投与され、それが脳に寄生することで超人的な力を発揮するというメカニズムが組み込まれている。またアンタゴニストの影響で、大抵の改造人間はヘルトピアに対して高い忠誠心を抱く傾向にある。ただし、アンタゴニストがネオテニーに達した場合はその限りでなく、実際にネオテニーに達していた神条恒彦や麻丘雪路は、のちにヘルトピアと対決する決意を固める。なお、ヤゴ男がトンボ男に変化するように、進化を重ねることでより強力な改造人間になる事例も存在する。
戦闘員
ヘルトピアの構成員の一種。主に戦闘訓練を積み、作戦を実行する際に従事する「黒戦闘員」と、計画のための下準備を行う「白戦闘員」に分けられる。黒戦闘員は全身にスーツを身につけ、定期的に「イヒーッ」という奇妙な叫び声をあげる。その戦闘能力は、改造人間に及ばないものの十分に高く、武装した警官隊すら容易には抑えられないほど。さらに、死を恐れずに向かってくるため、制圧を目的とする警察とは相性が悪く、後手に回されることも少なくない。白戦闘員は顔に白いマスクをかぶっているが、精神構造はふつうの人間とほぼ変わらず、戦闘員によっては簡単に別の組織に鞍替えすることもある。
アンタゴニスト
ヘルトピアが改造手術を施す際に、脳内に寄生させる原虫。宿主の肉体と精神の両方を変質させる効果があり、身体能力や反射神経などを著しく強化したり、感情の昂ぶりによって肉体を変質させる。また恐怖心を喪失したり、反社会的な行動を好むなど好戦的な性格となり、悪をイメージした同調を好むようになる。さらに脳に宿ることで成長し、成虫となったアンタゴニストは数年かけてゆっくりと脳を荒らしていくため、最終的には死を迎えるか廃人になり果ててしまう。また、唾液や汗などを通して他者に伝染するという特性も持ち合わせている。ヘルトピアが改造の際にアンタゴニストを投与する理由は、単に肉体を強化させるためだけではなく、忠誠心を植え付けたり、悪事に抵抗のない性格を育て上げるなど、悪の組織の構成員として都合のいい存在を作り出すためでもある。
ネオテニー
人間の脳に寄生したアンタゴニストが変異し、成虫にならないまま宿主の脳内で共存し続けている状態。成虫にならないという特性から「幼体成熟」とも呼称される。この状態に至った場合、身体能力や反射神経の向上、恐怖心の喪失などは通常の状態と変わらないが、同調を好む機能が働かないため、ヘルトピアに対して忠誠心を抱くことがない。神条恒彦や麻丘雪路、野口が感染したアンタゴニストはネオテニーに達しており、いずれも団体行動より個人行動を好むようになっている。
オーバークロック
コンドル男に備わっている特殊能力。脳の処理速度を跳ね上げることで、約3秒のあいだ体感時間を100倍に増幅でき、周りがゆっくり動いているように見える。コンドル男自らが超スピードで動けるということはないが、効果中に冷静な観察や思考ができるため、敵の攻撃の先読みなどに役立つ。ただし、オーバークロックの効果中に攻撃を受けた場合、鋭い痛みがゆっくり襲ってくるため、感覚に大きなダメージを負うことになりやすい。
ヘルトピア事件
2018年にヘルトピアが引き起こした一連の事件の総称。神条恒彦が改造人間になるきっかけとなったバスジャック事件から始まり、カメレオン男が引き起こした首都圏大停電計画、コブラ男によるハッピー&ジョイハウス襲撃事件、ヤモリ男による銘文大学の爆弾テロ、そして大幹部ネロと神条達治が企てた核ミサイルテロなどが主な事件として挙げられる。核ミサイルテロの失敗と、隠れ蓑であったベルクの存在が明るみに出たことで幹部や構成員のほとんどが逮捕され、事件は終息したと見られている。
クレジット
- 原作