あらすじ
第1巻
孤島に佇む「オペラ座館」を訪れた有森裕二は、謎の人物「歌月」として綿密な殺害計画の準備を進める。だが、彼の誤算は同行者の金田一一が名探偵である祖父ゆずりの推理力を持っていたという事だった。(ファイル1「オペラ座館殺人事件」。ほか、3エピソード収録)
第2巻
雪深い山村で綾辻真理奈は、10年前の復讐を果たすべく「雪夜叉」として殺人計画を企てる。周到に立てた真理奈の殺人計画の誤算は、その場に金田一一がいた事だった。(ファイル4「雪夜叉伝説殺人事件」ほか、2エピソード収録)
第3巻
ノンフィクション作家の橘五柳を殺害した容疑で警察に追われる身となった金田一一。しかしその裏には、橘を殺害した真犯人の都筑哲雄の立てたトリックがあった。自身の犯行を隠すために金田一を利用する都筑の計画は、さらにエスカレートしていく。(ファイル6「金田一少年の殺人」。ほか、2エピソード収録)
第4巻
高遠遙一は、自身の母親である近宮玲子を殺害した人達に復讐すべく、殺害計画を企てる。「地獄の傀儡師」として復讐を果たしていく高遠の前に、自身の生涯の宿敵となる金田一一が現れる。(ファイル9「魔術列車殺人事件」。ほか、2エピソード収録)
登場人物・キャラクター
金田一 一 (きんだいち はじめ)
私立不動高校に通う男子高校生。かの名探偵、金田一耕助の孫であり、祖父ゆずりの推理力を駆使して数々の難事件を解決に導いて来た。犯人達はさまざまなトリックを企てるが、そのことごくを金田一一に見抜かれてしまう。強大な敵となって犯人達の前に立ちはだかる。『金田一少年の事件簿』でも主人公を務めている。
有森 裕二 (ありもり ゆうじ)
金田一一と同じく私立不動高校に通う男子高校生。演劇部に小道具係として所属しており、かつて演劇部のマドンナだった月島冬子と交際していた。その冬子が演劇部員達によって殺害された事に対して復讐を誓い、「歌月」を名乗って演劇部員達を次々と殺害していく。文系の高校生ながら、高価なゴムボートを購入したり、3階の窓から誰にも気づかれずにワイヤーを通したりと、体を張ったトリックを実行する。
的場 勇一郎 (まとば ゆういちろう)
私立不動高校で物理の教師を務める男性。定年間近のさえない教師だったが、過去に女子生徒を殺害して校内の壁に埋め込んでいた。その事実を知った生徒を次々と襲い、「放課後の魔術師」の呪いに見せかけていたが、金田一一にそのトリックを見破られる。
多岐川 かほる (たきがわ かほる)
日本ミステリーの女王と呼ばれる小説家の女性。「Mrレッドラム」を名乗り、世界中の名探偵を集めたミステリーナイトを開催するが、その目的は恋人を殺害した犯人達に復讐するというものだった。金田一一をはじめとする世界中の名探偵を象った蠟人形10体を1人だけで作り上げ、ターゲット達を待ち受ける。結果的にその蠟人形が仇となり、金田一に謎をすべて解かれてしまう。
佐伯 航一郎 (さえき こういちろう)
悲報島の秘宝発掘を進めていた男性。父親の復讐のために「悲報島」の宝探しツアーを開催し、ツアー客を次々と殺害していく。悲報島のオーナーの娘に女装して完全犯罪を狙うが、トイレの便座を下げていなかった事から金田一一に自身の女装を見破られ、その後も謎をすべて解かれてしまう。
綾辻 真理奈 (あやつじ まりな)
テレビ局のタイムキーパーとして働く女性。かつて飛行機事故に遭遇し、その時に母親を見殺しにした男達に復讐するために、北海道大雪山麓に伝わる「雪夜叉伝説」をベースにした連続殺人を展開していく。極寒の北海道で一晩で氷の橋を作り上げるなど、女性ながら体力を駆使したトリックを用意するが、金田一一に見破られる。
小城 拓也 (こじょう たくや)
アイドルの速水玲香のマネージャーを務める男性。東大法学部を卒業するほどの天才的頭脳を持ちながら、「ネクタイをしなくてもいい」という理由だけで芸能界に就職した。幼い頃、ある男に誘拐され、偶然その男を芸能界で発見した事から、「陰の脅迫者」を名乗った殺害計画を企てるようになる。
遠野 英治 (とうの えいじ)
金田一一と同じ私立不動高校に通う男子高校生。前期の生徒会長を務めていた。殺害計画に必要なフェイクニュースを実行するために、アナウンサー養成所へ通い、リモコン操作での自動発火装置を作るための研究を行うなど、トリックのための相当な準備を行っていた。計画では架空の殺人犯「ジェイソン」を仕立て上げ、次々とターゲットをその手にかけていく。
都筑 哲雄 (つづき てつお)
テレビディレクターの男性。ミステリー作家の橘五柳の出版権をめぐるトラブルで橘を殺害し、その罪を金田一一に着せようと、さまざまな計画を張り巡らせる。トリックではドアからドアへ腕の力だけで飛び移るといったアクションを見せ、やり遂げた達成感に酔いしれるが、それから程なくして金田一にトリックを見抜かれてしまう。
鳥丸 奈緒子 (とりまる なおこ)
ファッションブランド「キミサワ」でデザイナーを務める女性。モデルの高森ますみを見て、自身の生い立ちと似ている事から、「精神的双子」として彼女の思考に立った殺害計画を企てる。計画ではますみをはじめ、犯行に利用したパソコンの気持ちをも理解しようとするが、さすがに機械の気持ちは理解できず、それが金田一一に敗北した要因だと語る。
高遠 遙一 (たかとお よういち)
マジシャン達のマネージャーを務める男性。マジシャンの近宮玲子を母親に持ち、その玲子を殺害したマジシャン達に復讐するため殺害計画を企てる。「地獄の傀儡師」を名乗って復讐を果たすが、金田一一にその正体を見破られる。その後は警察に逮捕されるものの脱獄し、新たな犯罪計画を練っている。
村西 弥生 (むらにし やよい)
38歳の主婦。表向きは面倒見のいい女性を装いながら、自身の夫を殺害した犯人達に復讐するために「凶鳥の命」を名乗り殺害計画を実行する。遺跡発掘現場を利用した犯行で次々とターゲットの命を奪っていくが、現場に居合わせた金田一一によってそのトリックを暴かれる。
浅野 遥子 (あさの ようこ)
予備校で講師を務める女性。かつて自身の教え子であり、恋人でもあった深町を殺した相手に復讐するために、「地獄の子守唄」の名で暗躍する。金田一一の卓越した推理力を逆に利用してミスリードを誘って、完全犯罪を狙うが、わずかなミスで敗れる。
クレジット
ベース
金田一少年の事件簿 (きんだいちしょうねんのじけんぼ)
後に長期シリーズ化される『金田一少年の事件簿』シリーズ1作目。さとうふみやが作画、case2巻までは金成陽三郎が原作、それ以降は天樹征丸(樹林伸)が原作・原案を務める。高校生の金田一一が遭遇する難事件... 関連ページ:金田一少年の事件簿
関連
金田一少年の事件簿R (きんだいちしょうねんのじけんぼりたーんず)
『金田一少年の事件簿』の続編。名探偵金田一耕助を祖父に持つ高校2年生の少年、金田一一が、大がかりな復讐殺人のトリックを次々と暴いていくミステリー漫画。複数の事件で宿敵、高遠遙一の存在が背後に浮かび上が... 関連ページ:金田一少年の事件簿R
金田一37歳の事件簿 (きんだいちさんじゅうななさいのじけんぼ)
さとうふみやの『金田一少年の事件簿』の続編。前作から20年が経過して社会人となった37歳の金田一一が、再びさまざまな怪事件に巻き込まれ、その謎に挑む姿を描くミステリー。前作の登場人物も、時間の経過によ... 関連ページ:金田一37歳の事件簿
明智警部の事件簿 (あけちけいぶのじけんぼ)
「金田一少年の事件簿」シリーズのスピンオフ作品で、漫画は『トモダチゲーム』などで知られる佐藤友生が担当。舞台となるのは『金田一少年の事件簿』の数年前で、明智健悟の警部時代に焦点を当て、明智が部下の小林... 関連ページ:明智警部の事件簿
金田一少年の事件簿30th (きんだいちしょうねんのじけんぼ さーてぃーす)
ミステリー漫画や推理漫画の金字塔として知られる、さとうふみやの代表作である「金田一少年の事件簿」シリーズの連載30周年を記念した作品。過去の「金田一少年の事件簿」シリーズと同様に、多数のミステリー作品... 関連ページ:金田一少年の事件簿30th
金田一少年の一泊二日小旅行 (きんだいちしょうねんのいっぱくふつかのしょうりょこう)
さとうふみやの『金田一少年の事件簿』のスピンオフ作品。原作で事件を解決したあと、一泊二日旅行に出掛けた先で、金田一一と七瀬美雪が新たな騒動に巻き込まれる姿を一話完結で描いたコメディ作品。「マンガボック... 関連ページ:金田一少年の一泊二日小旅行
書誌情報
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿 11巻 講談社〈講談社コミックス〉
第1巻
(2017-11-17発行、 978-4065104323)
第2巻
(2018-02-16発行、 978-4065112397)
第3巻
(2018-06-15発行、 978-4065119044)
第4巻
(2018-11-16発行、 978-4065137956)
第5巻
(2019-03-15発行、 978-4065153994)
第6巻
(2019-06-17発行、 978-4065162514)
第7巻
(2019-10-17発行、 978-4065172087)
第8巻
(2020-03-17発行、 978-4065191286)
第9巻
(2020-05-15発行、 978-4065191262)
第10巻
(2020-07-17発行、 978-4065192993)
第11巻
(2022-06-16発行、 978-4065284254)