烏丸響子の事件簿

烏丸響子の事件簿

日本社会に潜み人を食らう鬼の事件に、16歳の少女でありながら超人的な能力を持つ警察官・烏丸響子が挑む、伝奇アクション性の高いサスペンス漫画。不定期刊の『ミステリービィストリート』(幻冬舎)から『コミックバーズ』に移籍して連載された。

正式名称
烏丸響子の事件簿
ふりがな
からすまきょうこのじけんぼ
原作者
広井 王子
作画
ジャンル
怪談・伝奇
 
サスペンス
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概要・あらすじ

近未来の東京、浅草署の保安課に属する烏丸響子は、人間社会に潜むの犯罪を調査し、鬼を抹殺する女性刑事。鬼を強く憎む響子は、その凶悪犯罪が増加しているにも関わらず、鬼の存在を公表しない警察上層部に苛立っていた。鬼とそのシンパによる東北独立事件に関わった響子は、自分が鬼の血を引くこと、信頼する上司の三田村浩三が親の仇であることを知り、苦悩する。

京都で血縁の手がかりを探す響子は、鬼の一族をめぐる陰謀に巻き込まれ、その中で真相にたどり着いていく。

登場人物・キャラクター

烏丸 響子 (からすま きょうこ)

浅草署保安課に勤務する女性刑事。作中の社会では飛び級制度があり、小学生で警察試験を受け合格したため、16歳(のちに誕生日を迎えて17歳になる)にして刑事となっている。超人的な身体能力を持ち、鬼が関わると見られる事件を調査して鬼を倒している。幼い頃に両親を何者かに殺され、三田村浩三に引き取られ、幼少期は石川県で過ごした。 石川で、知り合った少女を鬼に食われた事から、鬼を強く憎んでいる。しかし自分が鬼の血を引くこと、三田村が親の仇であることを知り、苦悩する。武器は獣穴と呼ばれる銃身の長い拳銃だったが、内田桐雄に壊されて以来、獣又鬼という小型拳銃に刃物をつけた物を使っている。

三田村 浩三

烏丸響子やレイモンド熊野らの上司で、白髪と眼鏡が特徴の壮年男性。浅草署保安課の課長から、凶悪犯罪対策本部と武装警察の部長を兼任する。普段は穏やかで飄々とした人物だが、かつては対異端特殊部隊(マルキ)に所属した凄腕の戦士であり、現在も高い戦闘能力と優秀な頭脳を備えている。マルキ時代に響子の家を強襲して家族一同を殺害したが、響子のみ生かし、後にマルキを脱退した。 響子の母親とも因縁があることが後に判明する。

レイモンド 熊野

烏丸響子とコンビを組む、浅草署保安課、のちに凶悪犯罪対策本部所属の刑事。鬼とも互角以上に戦う怪力・巨体の持ち主で、左目を眼帯で覆っている。鬼を強く憎み、倒すためにはモグリの医者から得た筋力強化薬の使用も辞さない。保安課に入る前の上司だった京元に後輩を食い殺されており、京元への復讐が最大の目的。 左目の眼帯の奥には、京元から奪った眼球が収まっている。

伊勢 章一

浅草署保安課に勤める刑事。大学卒でありながら、保安課でお茶汲みやイラスト描きのような仕事ばかりやらされている事に不満を漏らしている。特別な能力を持たない普通の青年であり、烏丸響子らが鬼の事件に関わる時も蚊帳の外に置かれることが多い。

内田 桐雄 (うちだ きりお)

鬼の中でも高い地位にある内田一族の少年。一族の跡取りとされている。他の鬼と異なり小柄で細身だが、俊敏な身のこなしは烏丸響子をも遥かに凌ぐ。現代に鬼の世界を築くことを目的としており、響子とは敵対することもあるが、響子の鬼としての能力を目覚めさせ味方に引き入れようとしている節もある。イザナイという空間を移動する能力を持つ鬼を連れており、様々な場所へ自由に出没する。

水谷 英夫

警視庁警視正。恰幅のいい壮年の男で、三田村浩三とは旧知の仲。過去には両者とも対異端特殊部隊の一員であった。増加する鬼の事件に対し、警察上層部との会議で武装警察の必要を訴え、後に実現させた。

杉浦 美樹

銀座で鬼と戦う烏丸響子とレイモンド熊野に、重火器を持参し加勢した女性。正体はSASに所属する英国軍人であり、日本で結成された武装警察のリーダーとなる。「勇気あるものが勝つ」をモットーとしており、常に強気に振舞っている。27歳。

芝田 國男

三田村浩三、水谷英夫と同じ、対異端特殊部隊の一員だった男。三田村が脱退して部隊が解散した後は、代々木公園でホームレス生活を送っていた。武装警察結成に際して召集され、作戦実行隊長を務める。

加納 辰巳

広域暴力団の組長を務める小柄な男。32歳。脛に傷持つ企業の株買占めで利益を得ている、いわゆる経済ヤクザ。鬼と結託して様々な悪事を働くが、その目的は東京上空に仕掛けた核爆弾で政府を脅迫して、東北地方を鬼の国として独立させることにあった。福島県の山村出身であり、鬼に母を救われた経験から、心より鬼たちを敬愛している。

京元

元刑事で、レイモンド熊野の上司だった男。正体は青白い炎をまとう、キツネのような風貌の鬼であった。熊野を慕う後輩とその妻を喰らい、熊野をも襲ったが左眼を奪われる。十年間タイに潜伏した後、帰国して加納辰巳の計画に加担した。

五鰤 頼光 (ごぶり らいこう)

京都府警の、鬼による事件を担当する刑事。人と鬼を臭いで判別でき、「安綱の鬼斬り包丁」と呼ぶ長刀で鬼を斬る。烏丸響子に関心を抱き、京都での行動を共にした。元は孤児であり、三田村浩三に拾われて武道と生きる術を教わったため、三田村を師と慕う。

黒鉄 (くろがね)

京都で鬼用の刑務所に幽閉されていた兄弟。小柄で俊敏かつ長髪な男と、大柄で怪力かつ覆面の男という二人組で、どちらが兄かは不明だが、小柄な方が兄と思われる。二人まとめて「黒鉄」と呼ばれており、それぞれの名前も明らかではない。烏丸一族出身だが人間を見境なく襲って喰らうため一族を追放され、京都府警が多大な犠牲を払って生け捕りにした。 脱走後、李慶に加担して人間側が烏丸一族と敵対するように仕向ける。

李慶 (りけい)

内田一族の後ろ盾となっていた、京都の高僧。本来の目的は、内田一族を手駒として鬼と人間を争わせて共倒れするよう仕向け、その後、仏法による新たな世界を築くことにあった。

集団・組織

凶悪犯罪対策本部 (きょうあくはんざいたいさくほんぶ)

浅草署保安課を前身とする、警察内の鬼対策組織。名称は変わっても実質的な活動や権限はあまり変わっていない。三田村浩三が、武装警察とで部長を兼任する。

武装警察 (ぶそうけいさつ)

警視庁警視正・水谷英夫の発案で立ち上がった、警察による対異端完全武装組織。「Organization Of Ogrecide」の略で「O・O・O」と呼称される。本部長はO・O・O凶悪犯罪対策本部部長と兼任で三田村浩三が務めるが、現場での実質的なリーダーは杉浦美樹と芝田國男。警察庁の各部署から精鋭中の精鋭を選び、鬼にも通用する強力な武装を有するが、東北での鬼との戦いにおいて30名中25名が死亡する壊滅状態となる。

対異端特殊部隊

かつて三田村浩三や水谷英夫、芝田國男が所属していた、存在さえ極秘の特務部隊。警察と自衛隊の精鋭10名から成る。丸で囲んだ「鬼」の字をシンボルとしたため、「マルキ」という通称で呼ばれることもある。作戦実行隊長を務めていた三田村が脱退した後、解散された。

烏丸一族

鬼の中でも特に力のある一族。特にスピードに優れ、常人には目にも止まらぬ速さで行動し、能力を十分に発揮すれば亜音速に達することも可能とされる。江戸時代よりも前から国と取引をして、遠方への伝達で戦に貢献する代わりに、人間社会の中で生きる権利を持っていた。江戸時代に入ってからは、幕府が京都の力を抑えるべく鬼と人の関係を断ったため、烏丸一族は隠れ里に住まい、その力を衰えさせていた。

内田一族

鬼の中でも特に力のある一族。烏丸一族同様、スピードに優れる。烏丸一族から分かれた家柄であり、当主は多くの鬼を従えるが、江戸時代から衰退が続いており、現代では再興のため李慶を頼り、次期当主の内田桐雄も手駒とされていた。

その他キーワード

(おに)

現代人の常識や科学的見地では「あってはならぬもの」とされる、非合理な存在を称した「異端」が、象徴的に示されたもの。「鬼」とは日本での呼び方で、西洋ではデビルとも呼ばれている。日本における鬼は、人間を喰らい、人間よりも高い身体能力を持つが、強力な兵器や訓練を積んだ人間ならば殺傷することも可能。かつては人間側からの交渉で戦にその力を借りることもあった。 鬼同士の間では子を成すことが少なく、人間との交渉で子作り用の女性を数千名提供することが、時代ごとの為政者との契約として成り立っていた。

獣穴 (ししあな)

烏丸響子が所持していた銃。銃身の長いリボルバー式の拳銃で、44口径としては威力が抑えられているため響子ならば片手での射撃も可能。響子が警察就任時に三田村浩三から貰った愛用の銃だが、内田桐雄の刀で真っ二つに斬られてしまう。

獣又鬼 (ししまたぎ)

烏丸響子が所持する専用武器。38口径拳銃のグリップ底部に、ステンレスの分厚いナイフが溶接されている。それまでの愛銃だった獣穴を失った響子が、急遽発注して作らせたもの。響子のスピードを生かし、相手の懐に飛び込んで急所を刺し、同時に発砲という戦法が可能となる。

クレジット

原作

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