アンダーカレント

アンダーカレント

銭湯を経営する関口かなえ、失踪したかなえの夫白石悟、かなえの銭湯で働き始めた流れの男堀。三人の過去と思いから、水面下の人の心の揺れ動きを描いたヒューマンドラマ。講談社「アフタヌーン」2004年10月号から2005年10月号まで掲載。2009年、パリで開催の「Japan Expo」で第3回「ACBDアジア賞」を受賞。2023年10月6日実写映画が公開。

正式名称
アンダーカレント
ふりがな
あんだーかれんと
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
KCデラックス(講談社)
関連商品
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概要・あらすじ

家業である銭湯を経営する関口かなえは、共同経営者の夫が旅行先で失踪してからしばらく休業していたが、常連達の要望を受け営業を再開させた。その際に組合の紹介でやってきた男、を一時的に雇う。その後かなえは旧友藤川と再開し、彼女から教えてもらった探偵山崎に、失踪した夫の調査を依頼する。徐々に明らかになっていく悟の事実、かなえがしばしば見る夢、の思惑が混ざり合っていく。

登場人物・キャラクター

関口 かなえ (せきぐち かなえ)

銭湯屋月の湯を経営する女性。共同経営者の夫、白石悟が失踪してから2ヶ月間月の湯を休業していたが、周囲の声を受けて一時的に開店させた。開店後、組合の紹介でやってきた堀を雇う。気が強く、しっかりもの。明るく、社交的だが、誰かに首を締められて殺される夢をよく見たり、物思いにふけるところがある。

白石 悟 (しらいし さとる)

月の湯の共同経営者であり、関口かなえの婿養子。かなえとは大学のゼミで一緒だった。かなえとはオシドリ夫婦だったが、結婚4年目に組合での旅行先にて失踪した。社交的で面倒見がよく、責任感があると言われているが、上手くパーソナリティがはっきりしない人物。両親を交通事故で無くし、施設で育った。

(ほり)

無表情で、寡黙な男性。危険物取扱資格とボイラー技能士の資格を持つ。組合の紹介を経て、月の湯で働くことになった。自分の過去について語ろうとしない。無愛想だが、人を安心させるところがあり、よく木島やサブ爺の話し相手になっている。

山崎 (やまさき)

探偵。菅野の旦那、西村の紹介でかなえと会い、経費のみの請求で、3ヶ月間白石悟の調査を行うことになった。待ち合わせ中に居眠りをする、名刺を切らしている等だらしがない所が目立つ。クセの強い人物で、自分の哲学を持っている。

菅野

関口かなえの大学時代の友人。調査会社で働いている夫がいて、康平という子供がいる。スーパーマーケットで買い物中にかなえと再開した。白石悟が失踪したと知ると、旦那に頼み、かなえに山崎を紹介してもらった。

田島 三郎 (たじま さぶろう)

変わり者として有名な老人。元テキ屋であり、家賃の未納を溜めていたり、自動販売機の釣り銭口を漁っていたりとロクでもない。噂好きであり、適当な事を言うため、しばしばかなえに怒られている。

木島 (きじま)

月の湯で働いている女性のお手伝いさん。関口かなえが幼いころから、月の湯で働いている。堀が来た当初、無愛想で得体の知れない人物と警戒していたが、2ヶ月経つ頃には馴染んでいた。

場所

月の湯 (つきのゆ)

『アンダーカレント』に登場する施設。関口かなえが経営する銭湯。かなえの共同経営者、白石悟が失踪た後一時閉店していたが、2ヶ月後営業を再開した。毎週日曜には、りんご風呂やジャスミン風呂など、変わり種の湯を入れている。

書誌情報

アンダーカレント 講談社〈KCデラックス〉

(2005-11-20発行、 978-4063720921)

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