忍殺語が飛び交うサイバーな近未来
本作の舞台は、電子ネットワークが世界を覆い、サイバネティックス技術が普遍化した近未来の巨大都市ネオサイタマ。鎖国体制を敷いた日本国の首都である。政府より力を持つ巨大企業メガコーポ群が国家を操り、治安と環境は最悪の状態。重金属を含む雨が降り注ぐ中、密集するネオン看板の上空を、広告目的のマグロ型飛行船が飛んでいるという退廃的な雰囲気。また、日本文化が誇張されたいわゆる「勘違い日本」をベースに「忍殺語」と呼ばれる独特の用語が使用されている。殺し合いの前でも絶対に欠かさない「ドーモ、〇〇=サン」という「アイサツ」をはじめ、「スリケン(手裏剣)」「サラリマン(サラリーマン)」「ナムアミダブツ!(Oh,My God!)」などの言い回しが、作品に奇天烈なイメージを与えている。
妻子の復讐を誓うニンジャスレイヤー
主人公のフジキド・ケンジは、ある日のクリスマス・イブの夜、ニンジャの抗争に起因する爆発に巻き込まれる。そこでフジキドは、生き残った者を殺して回るニンジャたちを目撃する。彼らはネオサイタマの政治経済を牛耳る闇の組織、ソウカイヤの手先で、事件隠蔽のため、目撃者を殺害していたのだ。目の前で妻子をニンジャに殺されたフジキドは、自身も死の淵をさまよう。しかし、謎のニンジャソウル、ナラク・ニンジャに憑依され、ニンジャスレイヤー(ニンジャを殺す者)として復活。妻子を直接手にかけたダークニンジャ、そのボスであるソウカイヤの首魁ラオモト・カンなど、事件に関わったすべてのニンジャを抹殺するために立ち上がる。
ニンジャ同士の過激なバトル
ニンジャとは、平安時代の日本をカラテ(武術全般)によって支配した半神的存在。キンカク・テンプルで謎のハラキリ儀式を行い、歴史から姿を消したが、数千年の時を経て、彼らの魂・ニンジャソウルが世界に解き放たれた。作中のニンジャは、ニンジャソウルに憑依され、超人的な力を得た人間たち。ニンジャ同士のバトルは、アイサツから始まり、カラテやカタナ、スリケンを駆使して行われる。また、ニンジャ特有の「ジツ(術)」を持っており、発火現象で殺す「カトン・ジツ」や体を硬化させて防御する「ムテキ・アティチュード」などがある。また、破れたニンジャの多くは、「サヨナラ」という言葉とともに「爆発四散(爆発して四方に飛び散る)」する。
登場人物・キャラクター
ニンジャスレイヤー
赤黒のニンジャ装束を身にまとったニンジャ。「忍殺」と書かれたメンポ(面頰頬、面具)が特徴。もとは中流の「サラリマン」フジキド・ケンジ。ニンジャの抗争に巻き込まれて妻子を失い、自身は謎のニンジャソウル「ナラク・ニンジャ」を宿すニンジャスレイヤー(ニンジャを殺す者)となった。ニンジャ全員を殺そうとするナラクに対し、フジキドは自身の復讐に無関係なニンジャの殺戮は望んでいない。特殊能力である「ユニーク・ジツ」を持たないが、カラテやジュー・ジツ、スリケンなど、研ぎ澄まされた技を駆使して敵を圧倒する。決め台詞は「ニンジャ殺すべし!」。
ラオモト・カン
表向きはネコソギ・ファンド社主。裏の顔は暗黒経済組織ソウカイヤの首魁。トコロザワ・ピラーという超高層の天守閣に居を構える。堂々たる体格、広いおでこ、黄金のメンポ(面頰、面具)が特徴の男性。悪逆非道な自信家で、製薬会社、工業会社と癒着しており、ネオサイタマの知事の座を狙う。ニンジャスレイヤー(フジキド・ケンジ)の妻子が死ぬことになった、ニンジャ抗争の元凶の一人。
クレジット
続編
ニンジャスレイヤー キョート・ヘル・オン・アース (にんじゃすれいやー きょーと へる おん あーす)
ブラッドレー・ボンドとフィリップ・N・モーゼズの共同名義の小説『ニンジャスレイヤー』の第二部「キョート殺伐都市」のコミカライズ作品。ネオサイタマで巨悪を打ち倒したニンジャスレイヤーが、新たな敵、ザイバ... 関連ページ:ニンジャスレイヤー キョート・ヘル・オン・アース
関連
ニンジャスレイヤー殺 (にんじゃすれいやーきるず)
ブラッドレー・ボンドとフィリップ・N・モーゼズの共同名義の小説『ニンジャスレイヤー』のコミカライズ作品。フジキド・ケンジがなぜニンジャスレイヤーとなり、ソウカイヤとの戦いを始めたのか、『ニンジャスレイ... 関連ページ:ニンジャスレイヤー殺