概要
心優しい少年ハンスは想像力豊かでお話を作ることが大好き。眠りの精のオーレおじさんはハンスに夢見る翼を見出して励ます。ある雪の日、仲良しの少女エリサが意地悪な町長に家を追い出されたことを知ったハンスは憧れのオペラを見るためのお金をエリサに渡してしまう。
諦めきれずに王立劇場の前まで来たハンスは居合わせた子供のために「マッチ売りの少女」のお話を語り始める。
登場人物・キャラクター
ハンス
オーデンセに住む少年。靴屋の息子。優しい心の持ち主。想像力豊かでお話を作ることが大好きで、動物たちや隣に住む仲良しの少女エリサにお話を語り聞かせている。自分の力で王立劇場のオペラを見ることが夢。 眠りの精のオーレおじさんにその才能を見出される。モデルはハンス・クリスチャン・アンデルセンその人。
ケケ
オーデンセの教会の鐘楼に住むネズミ。3匹の子ネズミがいる。空から下りて来たオーレおじさんを最初に見つけ、靴屋を探しているオーレおじさんをハンスの父の靴屋へ案内した。
ブル
町長の家のブルドッグ。ゴロの天敵でいつもケンカをしている。
ハンスの父 (はんすのちち)
オーデンセで小さな靴屋を営む。腕は立つが暮らしぶりは豊かではない。オーレおじさんの靴を修繕したお礼に赤い革をもらい、コンクール用に見事な靴を作るが町長とカレンに取り上げられてしまう。
カレン
町長の一人娘。高慢ちきでわがまま。ハンスの父が赤い靴コンクールに出品した靴を横取りするが、それはオーレおじさんがくれた持ち主の心のままに動く革で作られていたために靴が勝手に踊り出してしまい大騒動になる。 童話『赤い靴』がモチーフ。
監督官 (かんとくかん)
オーデンセを訪れた地方監督官。町長の家に逗留している。礼装用のカツラを着用。威張っているが悪い人間ではなく、ハンスの才能に驚き、それを伸ばすために勉強させようと自分の屋敷のあるコペンハーゲンへ連れて行く。
オーレおじさん
眠りの精。世界中の子供に夢を配って回る。夜空の星を磨いたり人々を眠りにつかせるのが仕事。コウノトリに運ばれコウモリ傘を差して空から下りて来た。ハンスの父に靴の修繕を頼みハンスと知り合う。ハンスの才能を見出し数々の不思議な体験に誘って励ます。
ミミ
エリサの家の雌猫。エリサを思うあまりゴロに無理なおねだりをすることがある。
エリサ
ハンスの隣に住む少女。花屋のおばあさんと二人暮らし。貧しさから家を追い出されてしまう。雪の町でマッチを売って病気のおばあさんを支えるが馬車に撥ねられハンスに助けられる。境遇は『マッチ売りの少女』、名前は『白鳥の王子』ハンスの隣に住みバラを育てる様子は『雪の女王』等、様々なアンデルセン童話が複合したキャラクター。
ゴロ
ハンスの家の黒い雄猫。元気ないたずら者。隣の雌猫ミミに求愛している。ハンスやエリサの力になろうとするが、その行動は裏目に出ることが多い。
町長 (ちょうちょう)
オーデンセの町長。意地悪でがめつくハンスやエリサのような貧乏人につらく当たる。後にハンスの才能に驚き改心してハンスをコペンハーゲンへ送り出し、エリサとおばあさんの後ろ盾になることを誓う。
場所
オーデンセ
デンマークの都市。アンデルセンの生まれ故郷。