TIGER & BUNNY THE COMIC

TIGER & BUNNY THE COMIC

サンライズ制作で2011年にTBS系列などで放送されたテレビアニメ『TIGER & BUNNY』のコミカライズ作品。超能力を持つヒーローが街の平和を守っている世界。全盛期をとうに過ぎ去ったロートルのヒーローは、新進気鋭の若手ヒーローとコンビを組まされる。徐々に相棒として成長していく凸凹コンビの姿を描いたヒーロー・アクション。集英社「ミラクルジャンプ」2011年10月号から2016年10月号にかけて連載された。漫画は上田宏、シリーズ構成・脚本は西田征史、キャラクター原案・ヒーローデザインは桂正和。

正式名称
TIGER & BUNNY THE COMIC
ふりがな
たいがーあんどばにー ざ こみっく
原作者
吉田 恵里香
原作者
サンライズ
漫画
ジャンル
アクション
関連商品
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概要・あらすじ

シュテルンビルトで活躍するヒーローの「ワイルドタイガー」として活動する鏑木・T・虎徹は、ポイントランキングでビリ争い常連のロートルヒーローだった。そんななか、虎徹はスポンサーの意向で新人ヒーローのバーナビー・ブルックスJr.とコンビで活動することになる。人助けを何より優先する虎徹と、ヒーローはスポンサーのためにポイントを稼ぐ仕事だと割り切っているバーナビーはことあるごとに衝突。

しかし、数々の困難を乗り越えていくうちに、2人の間には相棒としての信頼感が育っていく。

登場人物・キャラクター

鏑木・T・虎徹 (かぶらぎてぃーこてつ)

シュテルンビルトで活躍するヒーロー。ヒーロー名は「ワイルドタイガー」。NEXTであり、能力は5分間だけ自身の身体能力を100倍にするハンドレッドパワー。決めゼリフは「ワイルドに吠えるぜ!」。人命救助を重視するあまり後先考えず行動する傾向があり、過剰なパワーも相まって街の設備を破壊しては賠償金を請求されている。 HERO TVにおいても、ポイント獲得よりも人助けを優先するため、ランキングでは万年最下位争いをしている。スポンサーの意向でバーナビー・ブルックスJr.とコンビを組まされ、最初は冷徹なまでにポイント獲得に固執するバーナビーとは対立し続けるも、数々の困難を乗り越えるうちに相棒として信頼を置くようになっていく。 実は妻子持ちで、一人娘の鏑木楓を溺愛している。

バーナビー・ブルックスJr. (ばーなびーぶるっくすじゅにあ)

シュテルンビルトで活躍するヒーロー。他のヒーローが一般市民に本名と正体を隠しているのに対し、すべてを明かして活動している異端の存在。クールで他人を寄せつけない性格の青年。NEXTであり、能力は5分間だけ自身の身体能力を100倍にするハンドレッドパワー。ヒーローアカデミーを主席で卒業した後に、スポンサーの意向で「業界初のコンビヒーロー」として虎徹とコンビを組んで活動することとなる。 初めのうちはポイント獲得を軽視する虎徹とは相容れず「オジさん」と呼び蔑んでいたが、彼のヒーローへの情熱やひたむきさに触れていくうちに、徐々に相棒として打ち解けていくようになる。

カリーナ・ライル (かりーならいる)

シュテルンビルトで活躍するヒーロー。ヒーロー名は「ブルーローズ」。NEXTであり、氷を自在に操る能力を持っている。スポンサーの意向でアイドルのような売り出し方をしており、歌手やラジオパーソナリティとしても活動している。決めゼリフは「私の氷はちょっぴりCOLD あなたの悪事を完全HOLD!」。ヒーローとして活動していない時は街の高校に通う女子高生であり、本名での歌手デビューの約束のもと、ヒーローとしての活動を行っている。 当初はヒーローとしての活動を歌手デビューのための踏み台としか考えていなかったが、その意識の低さが仇となってピンチに陥った際に鏑木・T・虎徹に助けられ、考えを改めヒーローとしての自覚を持つ。同時に虎徹に対して恋心を抱くようになるが、のちに妻子が居ることを知りショックを受ける。

キース・グッドマン (きーすぐっどまん)

シュテルンビルトで活躍するヒーロー。ヒーロー名は「スカイハイ」。NEXTであり、風を自在に操る能力を持っている。非常にお人好しな青年で、人を疑うことを知らない。口癖は「ありがとう そしてありがとう」。HERO TVのポイントランキングにおいては常にトップを維持し続けており、「キングオブヒーロー」の称号をほしいままにしている。 ヒーロー活動に対しては非常に真面目であり、事件が起こっていない時にも街のパトロールを欠かさない。

ホァン・パオリン (ほぁんぱおりん)

シュテルンビルトで活躍するヒーロー。ヒーロー名は「ドラゴンキッド」。NEXTであり、電撃を自在に操る能力を持つ。短髪のボーイッシュな少女で、一人称は「ボク」。女の子扱いされることを極度に嫌っており、ちょっとしたアクセサリーを付けることすら拒否している。性格は非常に真面目で、カリーナ・ライルよりも若い最年少ヒーローでありながらトレーニングを欠かさず、ランキングも上位をキープしている。 子供の扱いが非常にうまい。

アントニオ・ロペス (あんとにおろぺす)

シュテルンビルトで活躍するヒーロー。ヒーロー名は「ロックバイソン」。NEXTであり、自分の肉体を硬化させる能力を持つ。HERO TVの実況では「西海岸の猛牛戦車」と紹介されている。パワーはあるものの機動力に欠け、ポイントランキングでは鏑木・T・虎徹とビリ争いをしていることが多い。鏑木・T・虎徹とはライバルであると同時に親友で、よく酒を飲みに出かけている。 アニエス・ジュベールに対して好意を抱いており、それとなくアピールを続けているが、歯牙にもかけられていない。

ネイサン・シーモア (ねいさんしーもあ)

シュテルンビルトで活躍するヒーロー。ヒーロー名は「ファイヤーエンブレム」。NEXTであり、炎を自在に操る能力を持つ。見た目は長身の黒人男性だがいわゆる「オネエ」で、メイクやネイルの手入れを欠かさず、女性口調でしゃべる。ヒーローの中では鏑木・T・虎徹やアントニオ・ロペスと並ぶ年長者であり、世話焼きな性格もあって相談役に回ることが多い。 少年時代に性同一性障害のことで差別を受けた経験があり、ヒーローになった今でもトラウマを抱えている。激昂すると乱暴な男性口調になる。

イワン・カレリン (いわんかれりん)

シュテルンビルトで活躍するヒーロー。ヒーロー名は「折紙サイクロン」。NEXTであり、自分の姿を他の人間に変えられる「擬態」の能力を持つ。HERO TVにおいては、他のヒーローが映った画面の端にスポンサーロゴとともに見切れて映ることを得意としており、「見切れ職人」といわれている。ヒーローアカデミーを優秀な成績で卒業した少年だが、他のヒーローと違い自らの能力が直接戦闘の役に立つものではなかったため、自分にヒーローとしての資質があるのかどうか悩んでいた。 だが鏑木・T・虎徹に活を入れられ、徐々にヒーローとしての自信を培っていく。

ユーリ・ペトロフ (ゆーりぺとろふ)

シュテルンビルトの司法局に勤める裁判官。賠償金の裁判で鏑木・T・虎徹と関わることが多い。裏の顔はマスクをかぶった謎のNEXT「ルナティック」であり、「悪を葬る」という自らの正義のもと、犯罪者を容赦なく殺しまわっている。能力は炎を操るものだが、同じく炎を操るネイサン・シーモアのそれよりも大幅に威力が高い。

アニエス・ジュベール (あにえすじゅべーる)

HERO TVのプロデューサーを務める女性。番組の開始時には必ず「ボンジュール ヒーロー」と挨拶をする。派手で気が強い女性で、番組の視聴率のためなら手段を選ばない。だが鏑木・T・虎徹から、番組に固執するあまり事件の解決を軽視するやり方の是非を問われ、徐々に改善しつつある。

斎藤さん (さいとうさん)

鏑木・T・虎徹とバーナビー・ブルックスJr.のメカニックを務める男性。常に白衣を着ている。虎徹とバーナビーが使用するヒーロースーツやメカの数々はすべて彼の手による発明である。普段しゃべる声は非常に小さく至近距離まで近づかないと聞き取れないほどだが、マイクを通すと途端にハウリングが起こるほどの大きな声になる。 自分の発明品が褒められることを何より喜ぶ。

アレキサンダー・ロイズ (あれきさんだーろいず)

鏑木・T・虎徹とバーナビー・ブルックスJr.のスポンサー企業の重役を務める男性。ヒーローたちの活動を完全にビジネスだと捉えており、活躍が少なく賠償金の多い虎徹に対して、ことあるごとに「嫌なら辞めてもらっていいんだよ」と嫌味を言っている。虎徹がバーナビーとコンビを組んだことで成功し始めると、一転態度を変えて下手に出るようになる。

鏑木 楓 (かぶらぎ かえで)

鏑木・T・虎徹の9歳になる一人娘。自分と離れて暮らす虎徹に対していつも寂しい思いを抱いているが、年頃のためか素直になれないでいる。虎徹が実はヒーロー「ワイルドタイガー」として活動していることを知った後は、父親を尊敬し、誇りに思うようになる。

カルテ・ダ・ジョーコ (かるてだじょーこ)

窃盗団「ラミッジョ」のリーダーで、物を発火させる能力を持ったNEXT。裕福な者から金を盗み貧しい者に分け与える義賊のような存在だったが、10年前に鏑木・T・虎徹によって捕らえられた。逮捕された日は娘のラーニョの誕生日であったため、逮捕の前に娘と会う時間を作ってくれた虎徹に対して感謝の念を抱いている。

ラーニョ

カルテ・ダ・ジョーコの一人娘。糸を自在に操る能力を持ったNEXT。父親を逮捕した鏑木・T・虎徹を恨んでおり、カルテが出所した際、虎徹への復讐を計画した。自身の能力でカルテの身体と能力を操作し、虎徹を追い詰める。

ジェイク・マルチネス (じぇいくまるちねす)

シュテルンビルトの刑務所に収監されていた男性で、バリアを作り出す能力と他人の心の声を聴く能力を持つNEXT。能力を持つせいで迫害された過去を持ち、脱獄した後に「NEXTによるNEXTのための世界」を作り出すことと、そのためにヒーロー全員を倒すことを宣言した。圧倒的な戦闘力を持ち、ヒーローたちを次々と倒していったが、虎徹とバーナビーのコンビの前に敗北。 しかしその後も、ジェイクの意思に共感した犯罪者NEXTを生み出すなど、世の中に計り知れない影響を与えた。

エディ・メイデン (えでぃめいでん)

他人の声をコピーする能力を持ったNEXTの男性。ジェイク・マルチネスに憧れ、彼と同じように街の人々の記憶に恐怖の象徴として残ることを目的に誘拐事件を起こした。そのトリッキーな能力で同士討ちを誘い、ヒーローたちを苦しめた。

バルーンマン

常人離れした超肺活量を持つNEXTの男性。自作の風船爆弾を用いて、電車やバスなどの交通機関を破壊してまわる事件を起こした。仕事に追われて生き急ぐ現代人に警鐘を鳴らすことを目的に事件を起こしたと語り、人助けを生業とするヒーローたちを「仕事の奴隷」と揶揄した。

レディ・ヘンカー (れでぃへんかー)

ヒーローたちと同じようなスーツとマスクで正体を隠した女性。ルナティックことユーリ・ペトロフを表舞台に引きずり出すため、彼と同じように犯罪者を殺してまわっていた。環境適正能力を持つNEXTで、炎を浴びたり氷漬けにされたりしてもダメージを受けない。実は人殺しはしておらず、憧れのルナティックに会いたいがために、殺人事件の現場を見つけては自分が殺したかのように仕立て上げていた。

カルロス・ラファロ (かるろすらふぁろ)

バーナビー・ブルックスJr.とヒーローアカデミーで同期だった男性。通称「おしゃべりカルロス」。その名の通り非常に口数が多く、彼を1分黙らせることは何よりも難しいといわれている。卒業後はヒーローにはならず普通の仕事に就いている。自分の身体を軟体化させる能力を持つNEXTで、能力がヒーロー向きではないことを自嘲していたが、バーナビーから能力を蔑むことは自分を蔑むことと同じであると言い放たれ、考えを改めた。

場所

シュテルンビルト

多種多様な人種や民族、NEXTが共存している大都市。3層に分かれた造りになっており、最上層は主に富裕層が暮らすゴールドステージ、2番目は中流層が住むシルバーステージ、最下層は貧しい人たちが住むブロンズステージをなっている。層の間では差別が見られ、例えばゴールドステージに住む人間とブロンズステージに住む人間の恋愛などは認められない傾向にある。

ジャスティスタワー

シュテルンビルトの中央にそびえ立つ全長600メートルの巨大なタワー。ゴールドステージ、シルバーステージ、ブロンズステージの3層をぶち抜いている。ヒーローたちは事件が起こっていない時はここに常駐しており、トレーニング施設なども設備されている。

ヒーローアカデミー

ヒーローを養成する学校。NEXT能力を持っていることが入学条件だが、どのような能力かは問わないため、ヒーローに向く能力を持つ者もそうでない者も、さまざまな能力者が在籍している。

その他キーワード

NEXT (ねくすと)

45年前に突如確認され始めた、超能力を持つ人間の総称。能力はさまざまで、炎や氷を操る超自然的なものから、身体の一部分を巨大化させたり、大量に汗を分泌したりと多岐に渡る。基本的に1人1つずつ持っているものだが、例外もある。普通の人間からは差別されることも多く、中には酷い迫害を受けているケースもある。だが、ヒーローたちの活躍によって、段々とそういった差別や偏見はなくなってきている。

ハンドレッドパワー

鏑木・T・虎徹とバーナビー・ブルックスJr.が持つ能力。発動すると、5分間だけ身体能力が通常時の100倍になる。能力が発動している間は身体が青く光り、一度能力が切れると再使用できるのは1時間後。虎徹にこの能力が備わったのは少年時代で、当時は強大なパワーを扱いきれずに周囲から迫害を受けていた。

ヒーロー

シュテルンビルトの平和を守るNEXT能力者たち。主に軽い人助けから人命救助まで、市民の役に立つことなら何でも引き受けている。ヒーローたちにはそれぞれスポンサーがついており、身に着けているスーツやアクセサリーにはスポンサー企業のロゴが入っている。テレビコマーシャルに出ることも多い。なお、バーナビー・ブルックスJr.のような例外を除けば、ヒーローは自分の正体を隠して活動しており、プライベートでは一般市民と同じ生活をしている。

HERO TV (ひーろーてぃーゔぃー)

アニエス・ジュベールがプロデューサーを務めるテレビ番組。ヒーローが事件を解決する様子を生中継している。番組内ではポイントランキングを実施しており、人命救助や犯人逮捕に貢献したヒーローにはポイントが加算される。年末にはその年に最もポイントを稼いだヒーローに「キングオブヒーロー」の称号が与えられる。ヒーローたちの活躍は大きな宣伝効果を発揮するため、スポンサー企業はHERO TVでの活躍を最重要視している。

クレジット

原作

吉田 恵里香

企画

サンライズ

シリーズ構成

西田 征史

キャラクター原案

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