概要・あらすじ
漫画家のヤマザキマリは、夫のベッピーノとその両親、義妹、夫の祖母とイタリアは「水の都」と呼ばれるベネツィアから車で1時間くらいの、アルプスにほど近い土地で同居生活を送っていた。セクシーさのカケラもないイタリア人らしからぬ夫、自称発明家のマイペースな舅、いまだ子離れできない息子大好きな姑など、家族は一癖も二癖もある人たちばかり。
そんな、ちょっとおかしな人たちに振り回されながらも、マリは日々たくましく過ごしていた。
登場人物・キャラクター
ヤマザキ マリ
14歳年下のイタリア人男性と結婚した女性漫画家。イタリアで夫の家族と同居生活を送っているが、彼らのマイペースぶりに振り回されてストレスがたまり気味。ストレス発散のために日々の出来事を書き込んでいたブログが話題となり、家族をネタにしたマンガ『モーレツ!イタリア家族』を出版するに至った。マンガのネタにされていることは家族も知っているが、特に問題にはなっていない模様。 なぜか夫の祖母のアンナからは「ナターシャ」と呼ばれている。作者のヤマザキマリ本人がモデル。
ベッピーノ
ヤマザキマリの14歳年下の夫で、職業は学者。几帳面かつ繊細なインテリ気質のジェントルマンで、サッカーにはまったく興味がないなど、イタリア人らしからぬところが多い。大学生の時に両親の知り合いだったマリに惚れ込み、日本に一時帰国した彼女のもとに、文学作品のような分厚いラブレターを送った。恋わずらいのあまり食事ができなくなり、心臓が弱って入院してしまうが、イタリアに戻って来たマリに思いのたけを伝えて、彼女を感動させた。
デルス
ヤマザキマリの息子。マリがフィレンツェで画学生をしていた時、付き合っていた詩人の元彼との間にもうけた子。黒澤明の映画『デルス・ウザーラ』にちなんで「デルス」と命名された。誕生時にイタリア人の助産師に逆さで持たれ、その後、分娩室のステンレス台に捨て置かれたという逸話を持つ。ちなみに、マリが漫画家になったのは、息子が生まれてシングルマザーとなり、「漫画でオムツ代を稼ごう」と考えたから。 漫画家ヤマザキマリ誕生のきっかけとなった人物である。
アントニオ
ベッピーノの父親で、職業はフリーのエンジニア。専門はバイクだが、以前はフェラーリ社の工場で働いていた。発明好きで、自宅内はさまざまな発明品であふれているが、どれも実用性には乏しい。自宅も独力で建てたもので、異様にバカでかいが、30年経ってもまだ完成していない。建築費用ばかりかさむため、妻のマルゲリータによく怒られている。 また、独り者の男女を見ると、誰かれかまわずくっつけたくなる困った性分がある。
マルゲリータ
ベッピーノの母親。鬼のスタミナを持つパワフルな女性で、嫁のヤマザキマリを何かとこき使っており、彼女のストレスの要因になっている。息子を溺愛していて、ベッピーノがマリとの結婚を表明した際、泣きわめいて反対した。しかし、愛する息子に嫌われたくないという思いから、最後は泣く泣く承知した。ただ、結婚後もベッピーノにべったりで、まだまだ息子離れできていない。
アンナ
ベッピーノの祖母で、マルゲリータの母親。年齢は98歳。なぜかヤマザキマリのことを「ナターシャ」と呼んでいる。年齢のせいで耳が遠く、体の自由もきかなくなっているため、普段は車椅子で生活している。食事もマリやマルゲリータに手伝ってもらっているが、実は楽をしたいだけ。マリが手を離せない時には、自力でさっさと食べてしまうなど意外としたたか。 アントニオの母親のエリザベッタとは、何かと敵対するライバル関係にある。
エリザベッタ
アントニオの母親で、年齢は94歳。亡き夫の年金をすべて衣類に換えてしまったほどのおしゃれ好き。特に下着を買うのが好きで、着もしないのに高価なものを買いまくっている。そのため、見た目は年の割にゴージャスだが、やはり寄る年波には勝てず、最近は尻がゆるくなり、オナラがもれ気味。マルゲリータの母親のアンナとは、何かと敵対するライバル関係にある。
ローザ
ベッピーノの妹。ミラノの一流建築事務所に勤務しているセクシーな美女。父親のアントニオや兄のベッピーノとは真逆の、イタリア人らしい野性的な男性が好み。しかし男を見る目はあまりなく、出会う男たちにことごとく浮気され、捨てられている。現在、彼氏募集中。
松田 洋子 (まつだ ようこ)
ヤマザキマリの友人の女性漫画家。マリがポルトガル在住時に夫と一緒に遊びに来たが、マリが締め切り間近だったため、夫婦でアシスタントを買って出た。夫ともども自分の世界にこもるタイプで、漫画の仕事が片付いた後は、マリの家で山岸涼子の『舞姫 テレプシコーラ』を読みふけったり、夫とホームセンターに通ったりと、まったり過ごしていた。 実在の人物、松田洋子がモデル。