東京都北区赤羽

漫画家清野とおるが赤羽で出会った実在する、珍妙な人々や出来事、店舗をイラストと写真を合わせてユーモラスに描いたオールカラー実録コミックエッセイ。清野とおるの、変人を見つ出す高感度アンテナにより本当にこんな人がいるのか、と思わせるような人々が続々と登場するこの作品は、牧歌的でほのぼのしたものが多い一般的なコミックエッセイとは一線を画したハードコアな作風である。また、作者清野とおる自身の作品のネタのためとはいえ、体当たりで変人に突撃していくさまも驚くべきもの。

正式名称
東京都北区赤羽
ふりがな
とうきょうときたくあかばね
作者
ジャンル
エッセイ
レーベル
アクション・コミックス(双葉社)
巻数
全4巻完結
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概要・あらすじ

クセのある作風があだとなり、青年誌での連載が打ち切りになってしまった漫画家清野とおるは、執筆活動に専念するため、実家の板橋に近く、幼い頃より馴染みがあるという理由だけで赤羽で一人暮らしを始める。いわゆる昔からの下町風情が残るこの町は、ガード下に安い飲み屋が連なる酔っぱらい天国。住民もひとクセふたクセある変人ばかり。

そこに目を付けた清野とおるは彼らとの交流を通して、普通でない生活や人生を漫画にした連載を始める。想像の斜め上を行く個性的な人物たちとの交流は、自らも変人である清野とおるにとっても刺激的な生活となる。

登場人物・キャラクター

清野 とおる (せいの とおる)

また『東京都北区赤羽』の作者である。見た目はいたって普通の青年だが、赤羽で出会う奇妙な人々を感知する高感度アンテナの持ち主。普通の人なら話しかけるのを躊躇するような相手に対しても、ネタのために積極的に交流を持とうとするが、逆に相手からしつこくされると内心ウザがる。最初はフレンドリーに接し、人懐っこい性格に見えるためか、心をを開き生い立ちなどを語る老人なども多い。 哀れな生い立ちの人に対して同情を見せる事もあるが、基本スタンスはネタ探しと一貫している。

居酒屋「ちから」のマスター (いざかやちからのますたー)

清野とおるが足しげく通う居酒屋ちからの店主。元AV男優であり、6回の離婚歴を持つ。はげ頭を隠すために常にバンダナを巻いている。基本的にやる気がなく、店内の座敷や椅子で寝ていることもしばしば。ビールもセルフサービス。野次馬根性が夫婦揃って強く、火事や事件などが起こると夫婦揃って必ず現場に向かう。 後にアルコールの過剰摂取により肝硬変を患い、ちからを閉店。

悦子ママ (えつこまま)

清野とおるが足しげく通う居酒屋ちからの店主の妻。ふくよかな体系でポニーテールで髪をまとめている事が多い。いつも笑顔だが、マスターと喧嘩する際は人相が変わりよく家出する。喧嘩する事も多いが、マスターとは基本的には仲がよく一緒にいる時は腕を組んだりしている。マスターの前妻であるフィリピーナに嫌がらせを受け、フィリピーナを見ると過呼吸になるなどのトラウマを持っていた。

ペイティさん

清野とおるが赤羽駅前で遭遇したホームレス風の初老の女性だが、「アーティスト」であり、自作の音楽テープを清野とおるにプレゼントする。まるで音楽の体を成してはいないが、なぜか中毒性があり、清野とおるはその芸術性や発する言葉に感銘を受ける。謎の絵画作品、怪文書、皮膚とおぼしき物などをプレゼントされる。 実は英語がペラペラで、メモなどにも英語が使われる時がある。過激な歌詞と見た目に反して清野とおると話す時は常に敬語で、言葉づかいは美しい。大の甘党。

水島さん (みずしまさん)

清野とおるが足しげく通う居酒屋ちからの常連。70歳代と思われる。ドカベンの作者である水島新司と友人である、と言い張り、何かと清野に絡んでくるウザい存在。ちからのマスターからの情報で末期がんというを知った清野は、最初は彼に同情し優しく接していたが、一年経っても元気でまるで死ぬ気配がないため、単刀直入に質問すると嘘である事が発覚。

奈良 丈二 (なら じょうじ)

清野とおるが足しげく通う居酒屋ちからの常連仲間。サングラスをかけており、一見近寄りがたい雰囲気ではあるが、霊感があるという事を清野に告白した事で意気投合。ちからで飲み明かす。自分の事はあまり話したがらないようで、いまだにどういう人物なのかはっきりしていない。こわもての見た目に反し、犬好きでサリーという名のトイプードルを飼っている。

不審な和尚 (ふしんなおしょう)

清野とおるが駅前のコンビニの前で遭遇した和尚。右手にワンカップ、左手にタバコ、腰に2輪のバラを差して歌を歌っていた。布教活動をしていると言うが、お経はめちゃくちゃ。清野の見立てによると、お布施目当てに和尚を装ったホームレスである。

赤羽の母 (あかばねのはは)

駅前の雑居ビルに占い館クリスタルを構える占い師の女性。おかっぱ頭にメガネがトレードマーク。最初は無表情であったが打ち解けると人なつこい笑顔を見せるようになる。耳が遠く、大きな声で話さないと理解してくれない事が多い。清野とおるが仕事の事で相談した際は「そこそこ」という結果に終わった。

赤澤氏 (あかざわし)

清野とおるが通う居酒屋ちからで知合った同年代の若者。メガネをかけている。出会った当初は無職であったが、その後額縁屋の契約社員として就職が決まる。清野同様、変人観察が趣味らしく意気投合。パン屋のおやじさんにボーリング代を出してもらったりプレステを購入してもらったりヒモ生活をしている。 万年金欠で、「おごる」という言葉に弱くどれだけ老人からおごられたかで清野と張り合う。居酒屋ちからが閉店後も清野と共に新たな安息地の地を求め、赤羽を徘徊する。

大塚 文雄 (おおつか ふみお)

清野とおるが赤羽で見かけた全身赤のコーディネートをした老人。最後に会ってから3年後には全身緑のコーディネートで清野の前に現れた。好奇心から話しかけた清野を唐突に自宅に招き入れる。自宅の窓は防弾で、自らも防弾チョッキを着用するなど警戒心が強いにも関わらず何故か清野には縁を感じたため招き入れたという。 女装癖もある。

メルシーさん

清野とおるが立ち寄ったフィリピンパブぱぶ だいあなで働くホステス。愛想が良くハイテンションでかわいらしいフィリピン人女性。清野が住んでいたアパートの同室に直前まで住んでいた人物である事が発覚。アパート話で盛り上がる。

鷹匠の大和田さん (たかじょうのおおわださん)

清野とおるが通う珍肉居酒屋竜飛で知合った常連客。鷹匠を生業としており、「チビ」という名の6歳のメスの鷹を飼っている。元フットボーラーでディーラー会社に就職。道端で偶然出会った鷹匠の老人に憧れ弟子入りする。竜飛ではビールジョッキを鷹に見立てて腕に載せる芸を披露するただの酔っぱらい。

斉藤 竜明 (さいとう たつあき)

清野とおるが板橋の実家に住んでいた頃に通っていたコンビニの店員。落ち武者のような風貌で客に対してもため口。その後赤羽でストリートミュージシャンをしている時に再会。テレビ出演をし、一時期注目を浴びる。少女漫画を読むのが好き。

場所

東京都北区赤羽 (とうきょうときたくあかばね)

東京23区の中でかなり北の方に位置する北区。赤羽は北区の中でもさらに北の方に位置する街。新宿から埼京線で15分、京浜東北線、地下鉄南北線なども通っているので交通は便利。「これだ!」というものは特にない街ではあるが、LaLaガーデンを始めいくつかの小さな商店街があったり、安くて美味い飲み屋が多く、昨今はそれを目当てに立ち寄る人も増えてきた。 清野とおるいわく、不可思議で珍妙な常軌を逸した人々や出来事に遭遇できる街。違法建築だらけ。

居酒屋ちから

主人公清野とおるが通う居酒屋。店の顔である看板は割れている。店内には意味不明のメニューが掲げられており、オーナー自身も把握していない。入店するとオーナーが店内で寝ている事が多い。味も大して美味しくない。飲食店としては最悪レベルではあるが、清野はこの店に関しては適当でダメな部分を求めている。 鍵の代わりに無造作に石を置いているがどかせば簡単に入れてしまうという杜撰さ。マスターが肝硬変となり、2008年にやむなく閉店。看板は清野が自宅に持ち帰る。

ナイトレストラン

主人公清野とおるが偶然見つけた住宅街にある謎のスナック。奥さんが作る料理は美味しく、謎の薬草酒が名物。カラオケを促され歌うと勝手に録画され店内で流されるという陵辱を受ける。地下シェルターがあるらしく、マスター夫婦はここで生活をしているというが、決して他人に見せようとはしない。

赤羽自動車学校

主人公清野とおるが自動車免許を取るために通った教習所。美人だが癇癪持ちの受付がいた。清野が免許を取得後、経営不審から倒産。経営陣は跡地を温泉レジャー施設として活用しようとするが、掘削時、ガスが引火し大火事となる。今では何事もなかったようにマンションが建っている。

24時間の弁当屋

主人公清野とおるが漫画の仕事がまるで入らず生活のためやむなく一年半ほどバイトをした十条界隈にある24時間営業の弁当屋。清野は深夜帯のシフトで入るが、仲の悪いパート2名や、無愛想で自分勝手なベテランパートたちなど一筋縄ではいかない人物達と共に働く。お客も変な人が多かったらしい。 清野が勤務中、ペイティさんとちからのマスター、悦子ママが同時に入店したという奇跡が起きた。

書誌情報

東京都北区赤羽 全4巻 双葉社〈アクション・コミックス〉 完結

第1巻

(2014年12月発行、 978-4575944372)

第2巻

(2014年12月発行、 978-4575944389)

第3巻

(2015年1月発行、 978-4575944396)

第4巻

(2015年1月発行、 978-4575944402)

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