イデアの花

イデアの花

神々や妖怪が視える能力を持ったアズライトが、自身と同じ能力を持つ少女ルビィの目的を果たすために旅する様子を描いたファンタジー漫画。作者絵夢羅が過去に手掛けた『道端の天使』のリメイク作品でもあり、物語の舞台は中国からインドに変更して描かれている。

正式名称
イデアの花
ふりがな
いであのはな
作者
ジャンル
ファンタジー
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

旅芸人の集団オーロラ一座に拾われた少年・アズライトは、普通の人間には見えない神々や妖怪が視える特別な能力を持っている。ある日、自身と同じ能力を持った少女ルビィとその従者サンドオーロラ一座に入団してくる。2人に感化されたアズライトは、神器と呼ばれる本から独立した神々を探し出す目的の手助けをし、同時に神器を欲するルビィの一族の手から彼女を守る事を誓い各地を旅する事になる。

登場人物・キャラクター

アズライト

オーロラ一座に拾われた、青みがかった短髪の少年。興行では軽業を担当している。年齢は11歳。常に元気で心優しく素直な性格。普通の人間には見えない神々や妖怪が視える特別な能力を持つ。幼い頃、自身と同じ能力を持ったルビィとその従者サンドに出会った事で感化され、彼らと再会した際にはその能力で手助けをしようと決意する。 能力の性質上、周りの人間からは芝居癖があると思われており、それが原因で事件に発展する事が多い。有事の際にはサンドから借り受けた腕輪に込められた四神・朱雀の力を用いて窮地に立ち向かう事もある。

ルビィ・L・アルカディア

アルカディア家一族の21代目当主。紫がかった長髪の見目麗しい少女。年齢は15歳と申告しているが、神器と呼ばれる本の影響により不老不死であるため、実年齢は不詳。気儘な性格。神器が原因で自身の一族に追われており、身を隠すために従者のサンドとオーロラ一座に入団する。 興行では舞いや軽業など様々な芸をこなし、交渉術にも長けている。普通の人間には見えない神々や妖怪が視える特別な能力を持つ。自身と同じ能力を持ったアズライトの事を気に入っており、能力の享受をするとともに可愛がっている。また、神器と契約している様々な神や神獣を招喚する能力も持ち、そこから独立した黄龍と不死鳥を探す事が当面の目的となっている。

砂土 (さんど)

アルカディア家一族が持つ神器と呼ばれる本の守り手。頭に巻物をした金髪の青年。巻物で隠された額には印があったり、アルカディア家一族の初代当主シルバと見た目が瓜二つであるなど、謎が多い。神器と呼ばれる本の影響により不老不死であるため、実年齢は不詳。冷静で時に冷酷な性格をうかがわせ、ルビィに関する事以外はほぼ興味が無い。 神器が原因で自身の一族に追われているルビィに付き従い、身を隠すためにオーロラ一座に入団する。アズライトやルビィが持つ、普通の人間には見えない神々や妖怪を視る特別な能力は無いが、招喚・杯の業という術を扱う力や戦闘能力に長けている。

カーネリアン

オーロラ一座の一員である、茶色い髪をポニーテールに纏めた女性。興行では舞いを担当している。年齢は17歳。男勝りな性格。同じくオーロラ一座の一員であるブラウンを祖父に持つ。母親のタンジェリンもオーロラ一座の一員だったが、彼女が駆け落ちしたきり会っていない。アズライトの能力に関して少しでも理解しようとする余り災難に巻き込まれやすく、クラウディのようなゴロツキに攫われてしまう事もある。 幼い頃、足に酷い怪我を負った際にルビィとサンドと出会い治療してもらっているが、覚えていない。

ブラウン

オーロラ一座の一員である、眼鏡を掛けた中年男性。年齢は54歳。穏やかな性格。同じくオーロラ一座の一員であるカーネリアンを孫に持つ。オーロラ一座の一員だったタンジェリンという娘を持つが、彼女が駆け落ちしたきり会っていない。アズライトの保護者を務めており、アズライトの能力に関しては理解出来ている訳ではないが、温かく見守っている。 有事の際にはサンドから借り受けた腕輪に込められた四神・玄武の力を用いて窮地に立ち向かう事もある。

ナイル

オーロラ一座の一員である、短髪の青年。衣装制作を担当しており、腕前はなかなかの物。年齢は16歳。さっぱりとした性格。同じくオーロラ一座の一員である弟のミントを溺愛している。アズライトも弟のように可愛がっている。幼い頃、盗みで生計を立てていた暗い過去を持ち、時折その手癖の悪さを発揮する事がある。 有事の際にはサンドから借り受けた腕輪に込められた四神・青龍の力を用いて窮地に立ち向かう事もある。

ミント

オーロラ一座の一員である、おかっぱ髪の可愛らしい少年。興行では舞いや軽業を担当している。年齢は9歳。純粋な性格だが、女性の胸に対して並々ならぬ関心を持っていたり、オーロラ一座の興行で得た自身への貢物を全て換金するなど、小悪魔的な一面も持つ。同じくオーロラ一座の一員である兄のナイルを持つ。 アズライトとは年が近い事もあり仲が良い。有事の際にはサンドから借り受けた腕輪に込められた四神・白虎の力を用いて窮地に立ち向かう事もある。

タンジェリン

オーロラ一座の一員であった、頭巾を被った女性。年齢は32歳。オーロラ一座の一員であるブラウンの娘で、カーネリアンの母親。遊び人気質で軽い言動と、オーロラ一座の興行を見に来ていた客と駆け落ちした過去から、家族には良く思われていない。だが、娘の事を心配する気持ちは持ち合わせており、母親らしい行動を取る事もある。

クラウディ

オーロラ一座の興行を見に来ていた青年。カーネリアンの事を気に入り親しくなる。職業は美粧師だが、裏ではアルカディア家一族からルビィ捜索の仕事を受けているゴロツキでもある。しかしその仕事ぶりは、神々や妖怪が視える特別な能力を持っているか確認もせず、女性であれば片っ端から攫うという雑さを呈している。 カーネリアンを攫い、彼女を助けに来たアズライト達と招喚・杯の業という術で応戦するも追い詰められ、危険を伴う喚起・剣の業の術を発動する。

アルマンディン

アルカディア家一族の一員である、見目麗しい男性。年齢は33歳。目的のためには手段を選ばない性格。神器と呼ばれる本を追っている。ルビィやジェイドはいとこにあたり、双子であるアゲートとカルセドニーを兄弟に持ち、パールという妹もいる。招喚・杯の業という術を始めとして、危険を伴う喚起・剣の業の術も使いこなす。 アズライトやルビィと同様に、普通の人間には見えない神々や妖怪が視える特別な能力を持つ。

ジェイド

アルカディア家一族の一員である、短髪の男性。年齢は30歳。武人然とした性格だが、子どもに対しては優しい。神器と呼ばれる本を追うアルマンディンに付き従っているが、本心ではそのやり方に反感を持っている。ルビィやアルマンディン、アゲート、カルセドニーはいとこにあたる。

アゲート

アルカディア家一族の一員である、男性のような見た目をした短髪の女性。年齢は15歳。性格は男勝りで一人称は俺。神器と呼ばれる本を追う、兄であるアルマンディンに付き従っているが、本心ではそのやり方に反感を持っている。カルセドニーの双子の姉で、ルビィやジェイドはいとこにあたる。 術を使う力はあまり強くないが、幻獣と意思疎通をする能力に長ける。

カルセドニー

アルカディア家一族の一員である、頭巾を被った男性。兄であるアルマンディンの趣味でアルカディア家20代目当主・オブシディアンに似せた格好をさせられている。年齢は15歳。次期当主として育てられた環境に退屈しており、精神的に危うい一面を持つ。神器と呼ばれる本を追うアルマンディンに付き従っている。 アゲートの双子の弟で、ルビィやジェイドはいとこにあたる。術を使う力はあまり強くないが、念力により物体を動かす能力に長ける。

コバルト

オーロラ一座とはまた違う旅芸人の一座の一員である、短髪の青年。アズライト達とは旅の途中で出会う。遊び人気質で、カーネリアンに事あるごとに言い寄るがその度にナイルに邪魔されている。プラムとリリィという双子の妹を持つ。

四神 (しじん)

ルビィと黄龍に仕える4柱の神々。額に神器という本と契約している証である印を持ち、普段はルビィの周りに結界を張り彼女の補助をしている。小さく可愛らしい見た目だが、主から渡される力の量に比例して人間の成人と同じ大きさにまで成長し力も増す。それぞれの特徴は、木の力を使い、龍の角と尻尾を持ち敬語で喋る腹黒い性格の青龍。 火の力を使い、角髪と羽が特徴的な熱血の朱雀。金の力を使い、虎の耳と尾を持つ天然で空気の読めない白虎。水の力を使い、結んだ髪の先が蛇になっているツンデレの玄武となっている。

黄龍 (こうりゅう)

ルビィ達が探している神の1柱で、四神の主。アルカディア家一族の19代目当主・タルクにより、神器という本の契約から独立した神の1柱。だが、額に神器と契約している証である印が残っており、完全に離れられている訳ではない。普通の人間には男性の姿に見えるが、神々や妖怪が視える特別な能力を持つ人間には女性の姿に見える。 アルカディア家初代当主・シルバが存命の頃から神器と契約しており、サンドの過去について知っている素振りを見せる。

不死鳥 (ふしちょう)

ルビィ達が探している神の1柱。アルカディア家一族の19代目当主・タルクにより、神器という本の契約から独立した神の1柱。その詳細に関しては、探しているルビィとサンドですら明確に把握出来ておらず、火の力を使う、姿形は成人男性である、という事しか情報が無い。

シルバ

アルカディア家一族の初代当主。神器という本の最初の所有者。双子の兄・ハーライトと、ルビィに良く似た外見のセレナイトを血縁に持っていた。神器の影響により不老不死になり一族を繁栄させたが、神器の力を引き出すために行った邪悪な儀式の影響で、最終的には体が朽ち果てて絶命した。

集団・組織

オーロラ一座 (おーろらいちざ)

『イデアの花』に登場する旅芸人の集団。アズライト、カーネリアン、ブラウン、ナイル、ミントらが所属し、ルビィとその従者サンドが身を寄せる事になる。団員の人数は30人程。各地を転々と渡り歩き、興行として曲芸や舞いを披露している。興行が無い時は、嗜好品、雑貨、生き物、着物などを手作りして生活資金を得ている。 その中でも着物の出来は特に良く、高貴な身分の出身であるルビィをも感心させる出来栄えを誇る。

アルカディア家 (あるかでぃあけ)

『イデアの花』に登場する一族。高貴な家柄。神器と呼ばれる、様々な神々や神獣を招喚する能力を持った本を代々の当主が引き継いでいる。神器が原因となり21代目当主であるルビィとその従者サンドは、同じ一族のアルマンディン、ジェイド、アゲート、カルセドニーに追われている。作中登場する当主は、神器の最初の所有者である、初代当主シルバ。 黄龍と不死鳥を神器の契約から独立させた19代目当主・タルク。ルビィの祖父であった20代目当主・オブシディアンがいる。

その他キーワード

神器 (じんぎ)

『イデアの花』の登場する、アルカディア家一族の当主のみが使用出来る、強大な力を秘めた本。作中ではルビィが所有している。アルカディア家一族の先祖が東の国の神々や神獣と契約を結び配下としてまとめ上げたもので、百の聖なる神々と、百の邪悪な神々が内包されていると言われている。招喚・杯の業の術や喚起・剣の業の術とは比較にならない程に強大な神々や神獣の力を借りる事が出来る他、所有者は不老不死になる能力も持つ。 だが同時に呪いも内包しており、所有者はいつの日か体が朽ち果てて絶命する運命に囚われている。

招喚・杯の業 (しょうかん・さかずきのごう)

『イデアの花』の登場する術。喚起・剣の業とは正反対の性質を持つ。外側の力を内側に取り込むイメージを持って、聖なる神々に力を貸してもらう。媒体として文字が書かれた紙や腕輪を必要とし、力の強さは術者の資質に比例する。純真な心を持つ者は被害を受けないが、邪悪な心を持つ者は死ぬには至らずとも相当の衝撃を受ける。相手を拘束する、壁を作る、火を生み出すなど、様々な術がある。

喚起・剣の業 (かんき・つるぎのごう)

『イデアの花』の登場する術。招喚・杯の業とは正反対の性質を持つ。内側の力を外側に放出するイメージを持って、邪悪な神々に力を貸してもらう。媒体として文字が書かれた紙や生贄を必要とし、力の強さは術者の資質と生贄の質に比例する。人に直接的な危害を加える事が出来るので、死に至らしめる事も可能。邪悪な獣を招喚したり、毒を撒き散らすなど、様々な術がある。

SHARE
EC
Amazon
logo