概要・あらすじ
サッカーのてっぺんを目指すため、仲間と一緒に、故郷の伊那国島から上京してきた稲森明日人が主人公。明日人らは、伊那国中で楽しくサッカーをやっていたのだが、日本少年サッカー協会の命令で、サッカー部が廃止になってしまう。途方に暮れる明日人は、一校だけ彼らを受け入れてくれる中学があることを知る。それは、東京にある雷門中だった。
故郷を離れる寂しさに悩む明日人だが、死んだ母と交わした「サッカーのてっぺんを目指す」という約束を果たすため、上京を決意。仲間のみんなもそれに同意し、揃って雷門中サッカー部に入部した。そして、東京での第一戦に向かう途中、明日人は寄り道をして、東京スカイツリーのてっぺんに登った。東京を見下ろし、改めて「サッカーのてっぺんを目指す」ことを誓う明日人。
格好をつける明日人だったが、強風に煽られて、持っていたサッカーボールとともに真っ逆さま。猛スピードで落ちるボールは、一人の通行人にぶつかりそうになるが、眼光鋭い長髪の少年は、苦もなくボールをトラップ。川に落ちた明日人は、そのテクニックに驚き、長髪の少年を探すが、すでに影も形もなかった。
やがて、雷門中サッカー部のメンバーと合流した明日人の前に、生徒会長の神門杏奈が現れる。杏奈は、この試合が雷門中最後の試合だと言い放つ。中学サッカーがスポンサー制度になっている現在、雷門中に興味を示すスポンサーはないというのだ。スポンサーを獲得するには、今日の試合に勝つことが必須であったが、相手は全国ランキング一位の星章学園だった。
あきらめムードの雷門中サッカー部だったが、明日人だけは、勝利への執念を燃やしていた。そしていよいよ試合が始まる。星章学園の中心は、「フィールドの悪魔」と呼ばれる灰崎凌兵。スカイツリーからのサッカーボールを見事にさばいた、あの長髪少年だった。灰崎は、明日人からボールを奪っては返すというプレーを繰り返し、ただ明日人を痛め続ける。
気に入った相手におこなうという「悪ふざけ」で、灰崎が「フィールドの悪魔」と呼ばれるゆえんであった。しかし、やられてもやられても、諦めずに猛チャージをかける明日人にチャンスが訪れる。高く上がったボールが、灰崎には逆光になったのだ。そのすきを突いて、明日人はオーバーヘッドキックで味方にパスする。
大きく前線へと運ばれたボールを、FWの小僧丸サスケが捉え、「ファイアトルネード」という必殺シュートを放つ。全国一位の星章学園を相手に、雷門中が先制ゴールを決めたのだ。喜びに沸く雷門中メンバーだったが、「フィールドの悪魔」灰崎を本気にさせたことをすぐに後悔することになるのだった。
登場人物・キャラクター
稲森 明日人 (いなもり あすと)
雷門中サッカー部に所属する少年。母親を亡くしており、「サッカーのてっぺんを目指す」という母との約束を果たすために、故郷の伊那国島から上京する。強敵と出会うとワクワクするタイプで、逆境に負けない根性の持ち主。フィールドの悪魔と呼ばれる灰崎凌兵の、殺人的な必殺技に真っ向から挑み、灰崎に一目置かれる。
灰崎 凌兵 (はいざき りょうへい)
中学サッカーの全国ランキング一位・星章学園のエースストライカー。稲森明日人のライバル。長髪で眼光が鋭い少年で、残忍な性格。圧倒的なサッカー技術で、相手をいたぶり尽くすことから「フィールドの悪魔」の異名を持つ。相手を再起不能にするほどの威力を持つ「オーバヘッドペンギン」という必殺技を持つ。
小僧丸 サスケ (こぞうまる さすけ)
雷門中サッカー部に所属する少年。稲森明日人のチームメイト。ツンツン頭に、つり目が特徴。身長が低く太っている。大会を前に気弱になるチームメイトに、憎まれ口を叩くなど、ふてぶてしい性格。空中で大きく回転して放つ「ファイアトルネード」という必殺シュートを使う。
神門 杏奈 (みかど あんな)
稲森明日人が通う、雷門中の生徒会長。長髪で、きりりとしたお嬢様タイプの少女。伊那国島からやってきた明日人らを「イナカ島出身」と蔑み、無名のチームにはサッカーをやる資格はないとまで言い放つ。
クレジット
- 原作
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レベルファイブ
書誌情報
イナズマイレブン アレスの天秤 4巻 小学館〈コロコロコミックス〉
第1巻
(2018-06-22発行、 978-4091427502)
第2巻
(2018-10-25発行、 978-4091428080)
第3巻
(2019-03-28発行、 978-4091428950)
第4巻
(2019-10-28発行、 978-4091430908)