イレギュラーハンターロックマンX

イレギュラーハンターロックマンX

自我を備えるロボット「レプリロイド」と人類が共存する未来の地球を舞台に、電子頭脳に支障をきたしたイレギュラーと呼ばれる危険なロボットたちと、彼らの抹殺を任務とするレプリロイド・ロックマンXとの壮絶なバトルを描いた物語。家庭用ゲームとして発売された「ロックマンX」の前日譚となるオリジナルストーリーが展開される。「デラックスボンボン」1994年7月号から1995年4月号にかけて掲載された。

正式名称
イレギュラーハンターロックマンX
ふりがな
いれぎゅらーはんたーろっくまんえっくす
作者
ジャンル
バトル
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概要・あらすじ

人間的思考を備えたレプリロイドと呼ばれるロボットと人間が平和に共存する21××年の地球。しかし、時とともに電子頭脳に支障をきたし、人間やほかのレプリロイドに危害を加えるイレギュラーと呼ばれるレプリロイドが現れ、それらは治安を脅かす危険な存在となっていた。イレギュラー抹殺の任務を課せられ、街で暴れるイレギュラーを退治していた正義のレプリロイド・ロックマンXZEROは、任務を遂行しているうちに、イレギュラーたちの破壊活動の裏に隠されていた恐ろしい陰謀の渦へと巻き込まれていく。

登場人物・キャラクター

ロックマンX (ろっくまんえっくす)

イレギュラーの抹殺を任務とするイレギュラーハンターと呼ばれる正義のレプリロイド。青を基調にしたボディが特徴。Σが隊長を務める第17部隊に所属している。スピードとジャンプ力に優れており、右腕に組み込まれた強力な射撃武器「Xバスター」で正確にイレギュラーを撃ち抜いていく。正義感と使命感が強く任務中は勇猛果敢な戦い振りを見せ、任務遂行のためなら自己犠牲もいとわない。 本来は優しく温厚な性格をしており、それが原因でイレギュラーを取り逃してしまったこともある。そのため上官であるΣからの評価は低く、イレギュラーハンターとしてはまだ半人前であるB級に甘んじている。自身がいつ誰によって作られたのか、本人にも記憶がなく、ピンチになると脚部が別のパーツに切り替って高速ダッシュが可能になったり、ヘルメットが装着されて防御力がアップするといった、謎のプログラムも組み込まれている。 また、基地内のコンピュータのシステムをA-1が調整している最中の事故で意識を失った際、電子頭脳にアクセスしてきた謎の人物トーマス・ライトから、「おまえには無限の可能性がある」という指摘もされていた。 その言葉通り、イレギュラーとの死闘に次ぐ死闘を経て、誰よりも強く成長していく。

ZERO (ぜろ)

第17部隊に所属しているイレギュラーハンターのレプリロイドで、ロックマンXの親友。赤を基調としたボディと、たなびく金髪が特徴。その戦闘力はロックマンXを上回っており、特A級という称号を持つ部隊でも一目置かれる猛者でもある。自分に対しても他人に対しても厳しい性格で、非情になり切れないロックマンXに対しては「悪をほろぼそうと思ったら強い意志がないとな」と説いていた。 それでもロックマンXのことは大いに信頼しており、タッグを組んだ際のチームワークは抜群。のちにイレギュラーに対する追跡調査を独断で行っていたことが原因となって、上官のΣからイレギュラーではないかと疑われ、部隊から追われる身となった。以降はロックマンXとも対峙する。 主な武器は左腕に仕込まれた射撃武器の「ZEROバスター」。

Σ (しぐま)

第17部隊の隊長を務めるイレギュラーハンターのレプリロイド。ロックマンXをはじめとするイレギュラーハンターを率いて、人類の平和を守るための活動に従事している。イレギュラーに対しては一切の容赦をしないという姿勢を貫いており、ロックマンXが生来の優しさゆえにイレギュラーを取り逃してしまった時は厳しく叱責していた。 実力的にも優れており、ロックマンXが苦戦した第7空挺部隊隊長のストーム・イーグリードとの戦いでは、一度も体に触れられることなくあっさりと叩きのめしている。猜疑心が強く、当初は特A級であるイレギュラーハンターのZERO、そしてVAVAの戦闘力を高く買っていたが、勝手な行動を取るZEROにイレギュラーではないかとの疑念を抱き、以後は彼を敵として攻撃するようになる。 ZERO、そしてVAVAの離脱後も精力的にイレギュラーの撲滅に力を注ぐが、その裏で内に秘めたとある計画の実行を狙っていた。

VAVA (ばば)

第17部隊に所属するイレギュラーハンターである特A級のレプリロイド。右肩に取り付けられた大きなキャノン砲が特徴。実力は確かだが、ZEROいわく「イレギュラーと紙一重」という危険なタイプで、言動は荒っぽく、すべてにおいて容赦のない性格。その非情さはイレギュラーのみならず味方に対しても発揮され、ロックマンXがイレギュラーのライギャンβを取り押さえた際には、ロックマンXもろともキャノン砲で攻撃し、ZEROを激怒させた。 この一件を隊長のΣから咎められ、A級への降格と独房入りの処分を受けた後に第17部隊を脱走。レプリロイドの人間からの独立を掲げ、ロックマンXたちと対立するようになる。

A-1 (えーわん)

第17部隊に所属するレプリロイド。頭部からウサギの耳のようなパーツが出ているのが特徴で、基地内のコンピュータを管理する要職に就いている。穏やかな性格をしており、戦闘力はほとんどない。ロックマンXに乞われてボディを検査した際に彼の中に組み込まれた、戦いのなかでパーツが切り替わるという謎のプログラムを発見。ロックマンXの成長を「楽しみでもあり、不安でもあり…」と語る。 正義感はとても強く、特A級のイレギュラーハンターとの衝突によってロックマンXが出撃を渋っていた際には、人類を守るというイレギュラーハンター本来の目的を淡々と説き、ロックマンXのやる気を取り戻させた。

トーマス・ライト (とーますらいと)

事故で意識を失ったロックマンXの電子頭脳にアクセスしてきた謎の人物。その際、ロックマンXには無限の可能性があること、そしてロックマンXの成長を楽しみにしていることを彼に告げる。のちにA-1が基地内のコンピュータから探し当てた未知のファイルには、トーマス・ライトが「X」と呼ばれる謎のレプリロイドの可能性、そして危険性に言及した手記が残されていた。

ストーム・イーグリード (すとーむいーぐりーど)

第7空挺部隊の隊長を務めるイレギュラーハンター。2つの大きな翼を持っており、空中を自在に移動できる能力を備えている。非常に誇り高い性格で、空港に現れたイレギュラーを鎮圧する際、Σが助っ人として差し向けたロックマンXに対し、下っぱの力を借りるほど落ちぶれてはいないと激怒。ロックマンXを叩きのめし、自身の力を誇示するために勝負を挑む。 素早い動きでロックマンXを大いに苦戦させるが、現場に乱入したΣの強さに圧倒され完敗。最終的に彼の配下になることを強いられる。

ブーメル・クワンガー (ぶーめるくわんがー)

VAVAの反乱後に第17部隊に加わったイレギュラーハンター。昆虫のクワガタに似た容姿をしており、頭部のハサミを飛ばして攻撃する「ブーメランカッター」を得意技としている。自身の手柄を横取りされることを極端に嫌っており、ΣからロックマンXとの共闘を命じられた際は、敵の基地内でわざとロックマンXと分かれて行動したほど。 スパーク・マンドリラーたちに完敗した際、ロックマンXの手で助けられるが、手柄を横取りされたとしてロックマンXを逆恨みすることになる。

バーニン・ナウマンダー (ばーにんなうまんだー)

第4部隊に所属するイレギュラーハンターだったが、VAVAの反乱後、第17部隊に入る。マンモスを髣髴させる長い鼻が特徴の巨漢で、B級という立場でありながらすさまじい戦闘力を発揮するロックマンXを警戒していた。使う武器から性格まで、何から何まで正反対というアイシー・ペンギーゴとの戦いに敗れた際には、ロックマンXに自らのチップを託し、自身の武器を使うようにアドバイスする。

アーマー・アルマージ (あーまーあるまーじ)

第8機甲部隊隊長を務めるイレギュラーハンター。背中に分厚い装甲版を背負っており、アルマジロのように体を丸めて高速で突撃し、敵を打ちのめす。Σの命を受け、イレギュラー認定されたZEROを抹殺するために勝負を挑むも、ZEROとロックマンXの双方を相手にすることになり敗退する。命令に忠実かつ融通の利かない性格で、ロックマンXから「ZEROがイレギュラーなわけはない」と説得されても頑として受け付けなかった。

スティング・カメリーオ (すてぃんぐかめりーお)

第9部隊に所属するイレギュラーハンター。人間に酷使されているレプリロイドの境遇に不満を抱き、第17部隊から脱走したVAVAに同調。レプリロイドの独立を掲げてイレギュラーハンターと対立することになった。保護色能力備えており、周囲に自身の体色を同化させ、姿を隠すことができる。その能力を活かしてロックマンXを苦しめるが、水上を移動する際の波紋から位置を見極められて敗北する。

スパーク・マンドリラー (すぱーくまんどりらー)

第17部隊に所属するイレギュラーハンターだったが、レプリロイドの独立を掲げるVAVAに同調して自らの意思でイレギュラーとなる。動物のマンドリルに似た顔を持っており、天井のパイプに掴まって攻撃を避けるなど、トリッキーな動きで敵を翻弄する。アイシー・ペンギーゴとのタッグでΣが差し向けたブーメル・クワンガーを叩きのめすことに成功するも、ロックマンXの巧みな動きの前にアイシー・ペンギーゴとの同士討ちを誘導されて敗北する。 得意技は電撃を放出する「エレクトリックスパーク」。

アイシー・ペンギーゴ (あいしーぺんぎーご)

第13部隊に所属するイレギュラーハンターだったが、VAVAの思想に同調して部隊を脱走し、イレギュラーとなる。ペンギンに似た容姿をしており、氷の像を飛ばす「ショットガンアイス」や地面を滑る「スライディングアタック」を得意技とする。スパーク・マンドリラーとのコンビでイレギュラーハンターのブーメル・クワンガーには圧勝するも、ロックマンXの頭脳的な動きに惑わされ敗北。 撤退後はVAVAのもとで世界征服をするための活動を続けるが、のちにロックマンXと再戦することになる。

ランチャー・オクトパルド (らんちゃーおくとぱるど)

第6部隊に所属するイレギュラーハンターだったが、VAVAに同調してイレギュラーとなり、人類と敵対するようになった。タコのような姿をしており、水中での戦いを得意とする。得意技は長い触手の先端から魚状のミサイルを撃つ「オクトパルドフィッシュ」と肩口から放つ「ランチャーミサイル」。水中での高い運動能力を活かし、ロックマンXを撃破寸前まで追い詰めるも、加勢したZEROのアシストによって敗れ去る。

ライギャンβ (らいぎゃんべーた)

虎のようなたてがみと鋭い爪を備えた凶暴性の高いイレギュラー。街の住人を襲っていたところをロックマンXとZEROに咎められ、戦闘することになった。悪知恵を働かせて一度は逃げ切るも、VAVAを加えたロックマンXたちの追跡によって追い詰められ、VAVAの攻撃で破壊される。

その他キーワード

レプリロイド

人間的な思考を持つ、極めて高度なロボット。自我を持つために通常のロボット(メカニロイド)よりも優れた働きができるが、電子頭脳に支障をきたした場合、人類に対して害をなすイレギュラーとなってしまう危険性をはらんでいる。

イレギュラー

電子頭脳がなんらかの理由で故障したために、人間やほかのレプリロイドに対して危害を加えるようになってしまったレプリロイドのこと。多くの場合、人間の命令には従わず、さらに攻撃性も高いため、人類社会にとって非常に危険な存在となる。

イレギュラーハンター

イレギュラーの排除・抹殺を目的とする専用のレプリロイドのこと。いずれも攻撃性能が高く、任務の状況に合わせてそれぞれの部隊に配属されるなど、高度に組織化されている。また、隊員は実績に応じて強さのランク付けがされており、最上位は「特A級」の称号を与えられ、部隊でも一目置かれる存在となる。

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