あらすじ
ペルセポネの痘(第1話〜第5話)
本業は寄生虫学者ながら、細菌やウィルスに関わる事件を解決してきた紐倉哲と、その助手・高家春馬。ある日、二人のもとに内閣情報調査室の官僚・牧野巴から緊急の依頼が舞い込んでくる。それは、地球上から根絶したはずの伝染病・天然痘に感染したらしきが患者が、東京都内に多発したというものであった。感染経路を探る紐倉たちは、これがアウトブレイクではなく、バイオテロである証拠をつかむのであった。
キマイラの血(第6話〜第12話)
大学の陸上部の選手が練習中に死亡する事件が発生した。その原因はドーピングだと判明したため、選手が通っていた深谷スポーツクリニックに家宅捜索が入る。深谷の顧客の中にはマラソンの金メダリスト野桐俊のコーチがいたため、野桐にもドーピング疑惑が出てしまう。紐倉と高家は牧野の依頼を受け、野桐を調査することになる。
登場人物・キャラクター
紐倉 哲 (ひもくら てつ)
寄生虫学者。右腕は精巧な義手となっている。専門は寄生虫だが、バイオセキュリティ関連の依頼ばかり来ることに辟易している。医療関係、特に細菌やウィルスについて精通している。その反面、一般的な知識が抜け落ちているところもある。性格は極めて偏屈で自己中心的。
高家 春馬 (たかいえ はるま)
紐倉哲の助手。かつては医者だった。紐倉の傍若無人な態度にあきれつつも、彼をサポートしている。
牧野 巴 (まきの ともえ)
内閣情報調査室健康危機管理部門に所属する女性。紐倉哲をアドバイザーとして信頼しており、なにかと調査を依頼している。
雪村 潤月 (ゆきむら うづき)
紐倉哲の研究所で住み込みのコックとして働く少女。父親とはうまくいっていない様子。
永井 清知 (ながい きよかず)
日本山林総合研究所主任研究員。シカによる森林被害を案じて「オルフウイルスを用いたシカ不妊ワクチン」の論文を発表した。しかし、二階練介にオルフウイルスを奪われて悪用されたうえ、自身もウイルスに感染させられてしまう。
二階 練介 (にかい れんすけ)
関東医科大学感染症内科臨床助教。永井清知からオルフウイルスを盗み出し、バイオテロを引き起こした。
野桐 俊 (のぎり しゅん)
オリンピックの男子マラソン金メダリスト。父子家庭で育った苦労人で、国民栄誉賞候補となっている。
関連
インハンド プロローグ
厚労省・患者安全委員会の阿里玲と天才科学者・紐倉哲が、日本で発生した奇病「シャーガス病」にまつわる事件に挑むさまを描いた医療ミステリー作品。『インハンド』シリーズ第一作。旧タイトルは『ネメシスの杖』。 関連ページ:インハンド プロローグ
インハンド 紐倉博士とまじめな右腕 (いんはんど ひもくらはかせとまじめなみぎうで)
天才科学者・紐倉哲が、助手の高家春馬とともに、医療にまつわる難事件に挑むさまを描いた医療ミステリー作品。『インハンド』シリーズ第二作。 関連ページ:インハンド 紐倉博士とまじめな右腕
書誌情報
インハンド 5巻 講談社〈イブニングKC〉
第1巻
(2019-03-22発行、 978-4065150559)
第2巻
(2019-09-19発行、 978-4065168332)
第3巻
(2020-03-23発行、 978-4065189146)
第4巻
(2020-07-20発行、 978-4065202852)
第5巻
(2021-02-22発行、 978-4065217313)