欲望渦巻く社会の光と影
本作は、「裏社会×週刊誌」をコンセプトに、有力な情報屋と四流記者の凸凹コンビが、社会の闇や人間の欲望が渦巻く世界に足を踏み入れる物語。タイトルの「インフォーマ」は、主人公の一人である木原慶次郎の異名で、彼は政治や裏社会、芸能などあらゆる情報に精通している。拡散力が高まるSNS社会や凶悪犯罪をテーマにしたダークな世界観と、感情の機微を繊細に表現するリアルなタッチが特徴となっている。また、原作にはない本作独自のオリジナルエピソードも登場する。
情報屋とポンコツ記者
現代は誰もが簡単に情報を発信・入手できる一方で、その情報が時には人命を脅かす危険性を秘めている。正義と理想を掲げて週刊誌の記者となった三島寛治は、芸能ゴシップを追う日々に物足りなさを感じていた。そんな中、編集長の長澤から左遷寸前であることを告げられた寛治は、一発逆転のチャンスをつかむべく、伝説的な情報屋・木原慶次郎の取材に挑むことになる。慶次郎のもとに辿り着いた寛治は、謎に包まれた殺人鬼・冴木亮平が起こした「国会議員焼殺事件」の存在を知り、その真相を二人で探ることになる。亮平は凶悪かつ残酷な手段で鮮やかに殺人を繰り返していた。寛治が亮平を追う過程で、かつて慶次郎の相棒だった「ポンコツ1号」こと河村愛之介の存在や、亮平と深い因縁を持つ慶次郎の過去が明らかになっていく。
巨大な陰謀に巻き込まれる
寛治と慶次郎は、国会議員焼殺事件の主犯である亮平を逮捕する。その過程で寛治は、亮平と慶次郎がかつて同じ人物に拾われ、幼少期を同じ施設で過ごした兄弟であるという衝撃の事実を知る。さらに、亮平の歪んだ陰謀は彼の信者たちをあやつり、山手線での集団テロ事件を引き起こす。そして、SNSやインターネット掲示板を通じて、一般市民までもが危険にさらされていく。一方、知らずのうちに事件に巻き込まれていた慶次郎の娘で、有名インフルエンサーであるイツキもまた、この狂気に翻弄されていた。事件を追う中で、意外な人間関係や、慶次郎をはじめとする謎多き人物たちの過去と因縁が明らかになる。政界や裏社会を巻き込む大事件を舞台に、寛治たちは複雑に絡み合った陰謀と狂気に命懸けで立ち向かう。
登場人物・キャラクター
木原 慶次郎 (きはら けいじろう)
情報屋を生業とする男性。乱暴な関西弁を話す。年齢は42歳。政治から裏社会、芸能に至るまで幅広い情報に精通したカリスマ的存在「インフォーマ」として知られており、半ば都市伝説化している。堅気とは思えない風貌で、背中や腕には刺青が彫られている。かつては西宮会の若頭補佐を務めていたため、その立場を利用して警察や裏社会とつながりを持ち、ひそかに情報を操作することもある。国会議員焼殺事件の主犯である冴木亮平とは、同じ児童養護施設で育った兄弟の関係。しかし、亮平との間には深い因縁と確執があり、亮平にかつての相棒だった河村愛之介を殺害された過去を持つ。好きなものは焼き肉、映画、読書、トラブル。
三島 寛治 (みしま かんじ)
中堅出版社に勤務する男性。実話系週刊誌「週刊タイムズ」の記者を務めている。年齢は25歳。正義を伝えたいという信念を胸に出版業界に飛び込んだものの、現在は芸能スキャンダルを追いかける日々が続いており、かつて抱いていた理想を実現できずに虚しさを覚えながら、左遷寸前の危機に直面している。そんな状況の中、政治や芸能、裏社会に精通した「インフォーマ」として知られる木原慶次郎を取材する機会が訪れ、彼の運転手や助手を務めるうちに、凶悪な連続殺人事件に巻き込まれていく。慶次郎からは「ポンコツ2号」と呼ばれている。好きなものはカレーと読書。
クレジット
- 原作
-
沖田 臥竜
- 構成
-
山本 晃司
書誌情報
インフォーマ -INFORMA- 2巻 小学館〈裏少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2024-04-18発行、978-4098532155)
第2巻
(2024-11-12発行、978-4098536993)
インフォーマ -INFORMA- 3巻 小学館〈マンガワンコミックス〉
第3巻
(2025-04-11発行、978-4098540655)







