国宝

国宝

吉田修一の小説『国宝』のコミカライズ作品で、作画を担当する三国史明は本作が初連載。昭和の日本を舞台に、任侠の家に生まれた立花喜久雄が、芸の道にすべてを捧げる壮絶な人生を描いた青春歌舞伎一代記。小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」2024年23号から連載。2025年6月6日に実写映画版『国宝』が公開。喜久雄を吉沢亮、大垣俊介を横浜流星が演じる。

正式名称
国宝
ふりがな
こくほう
原作者
吉田 修一
作画
ジャンル
歌舞伎・能・狂言
 
裏社会・アングラ
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
巻数
既刊4巻
関連商品
Amazon 楽天 小学館eコミックストア

任侠の血を引く少年が梨園の世界へ

本作は、任侠の家に生まれた喜久雄が、稀有な女形として成長していく姿を描いた芸道エンターテイメント。歌舞伎と、転換期を迎えた昭和の芸能界を舞台に、激動の物語が展開される。長崎の裏社会で育った喜久雄は、やがて自らの才能に導かれ、華やかさと厳しさが交錯する歌舞伎の世界に足を踏み入れ、人々を感動と熱狂に導く輝かしい花道へと進んでいく。原作は吉田修一の小説『国宝』で、「青春篇」と「花道篇」の2部構成からなり、数々の文芸賞を受賞し、実写映画化をはじめとするメディア展開も行われている。

喜久雄が歌舞伎の世界で紡ぐ絆と成長の物語

この世ならざる美貌を持つ喜久雄は、任侠の一門である立花組の跡取りとして生まれた。しかし、抗争の激化によって組長の父親は殺害されてしまう。葬儀のあと、謎の男性、花井半二郎に芸道の才能を見出された喜久雄は、単身大阪へ渡り、半二郎のもとに身を寄せることになる。大阪で待ち受けていたのは、上方歌舞伎を中心とした芸道の奥深さと、その世界に生きる個性豊かな人々との出会いだった。喜久雄は、歌舞伎役者としての将来を約束された半二郎の一人息子、俊介と共に稽古に励むことになる。何かと対照的な性格の俊介と過ごすうちに、二人のあいだには次第に絆が芽生え始める。

正反対の若き歌舞伎俳優たちが女形として才能を開花

当初、喜久雄と俊介は生い立ちや性格が正反対であったため、しばしば衝突を繰り返していた。しかし、次第に互いを高め合うライバルとして、歌舞伎を通じて成長していくことになる。17歳になった二人は、半二郎の勧めで女形として共に舞台に立つことになる。上方歌舞伎が低迷する逆風の中、半二郎が以前から期待していたとおり、女形としての才能を発揮した二人は観客を圧倒する。仕事やメディアの取材に追われる日々が続く中、楽屋で昼休憩を取っていた喜久雄と俊介のもとに、半二郎が交通事故で重傷を負ったという知らせが飛び込んでくる。血筋や才能、信頼と裏切り、出会いと別れ。さまざまな要素が、喜久雄たちの運命に大きな試練をもたらすことになる。

登場人物・キャラクター

立花 喜久雄 (たちばな きくお)

長崎の任侠一門に生まれた美しい少年。背中には大きな刺青(いれずみ)があり、長崎弁を話す。組同士の抗争で父親である組長を殺害されたことがきっかけで、自身の運命は大きく変わる。上方歌舞伎の看板役者、半二郎にその才能を見出された喜久雄は、同時に敵に狙われる立場となり、心配した母親の勧めもあって、大阪の歌舞伎界に身を投じることになる。血縁が重視される梨園の厳しい環境の中、天賦の才能と美貌を武器に、稀代の女形、花井東一郎として注目を集めていく。

大垣 俊介 (おおがき しゅんすけ)

上方歌舞伎の名門「丹波屋」の跡取りで、看板役者、半二郎の一人息子。関西弁を話す。幼い頃から「花井半弥」と名乗り、跡継ぎとして厳しい稽古に明け暮れる日々を送ってきた。父親が引き取った喜久雄とは当初、反発し合い、衝突を繰り返していたが、次第に互いを認め合うよきライバルとなる。しかし、喜久雄の圧倒的な才能を目の当たりにする中で、名門の跡取りとしての自負心と嫉妬心のあいだで、複雑な葛藤を抱えるようになっていく。

クレジット

原作

吉田 修一

書誌情報

国宝 4巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(2024-09-30発行、978-4098630783)

第2巻

(2025-03-28発行、978-4098632213)

第3巻

(2025-05-30発行、978-4098634200)

第4巻

(2025-11-28発行、978-4098636457)

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