ウィッチウォッチ

ウィッチウォッチ

鬼の力を持つ高校生・乙木守仁が、古い盟約に従って幼なじみの魔女・若月ニコと同居したことで、さまざまなトラブルに巻き込まれていく姿を描く、奇想天外なマジカルラブコメディ。集英社「週刊少年ジャンプ」2021年10号から掲載の作品。「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門第2位。

正式名称
ウィッチウォッチ
ふりがな
うぃっちうぉっち
作者
ジャンル
魔法使い・魔法少女
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊19巻
関連商品
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あらすじ

鬼の末裔だが、ごくふつうの人間として平穏に暮らしていた高校生・乙木守仁は、ある日父親から幼なじみの魔女・若月ニコが魔女の聖地「悠仙郷」での修行を終えて6年ぶりに帰ってくることを知らされる。帰郷にあたり、ニコが守仁を魔女の使い魔に指名したため、両家の古い盟約に従い、守仁はニコと同居することになってしまう。長きにわたる修行で魔法が上達したニコは、守仁に対してその成長ぶりを見せようとして、自らに対してペラペラに薄くなる魔法をかける。しかし、昔と変わらずおっちょこちょいだったニコは、体が紙のように薄くなったことで気分が悪くなり、自分を制御できなくなる。風に飛ばされたニコは街中を漂い、知人である桃田の家のコンクリート壁の隙間に挟まってしまう。それを見た守仁は桃田に掃除機を借りてニコを吸いだそうとするものの、守仁と因縁のある桃田はこれを拒否。そうこうしているうちに魔法の効果が切れかかり、この状態でニコが元の姿に戻れば命の危機に陥ってしまう。ただならぬ窮地に守仁は隠していた鬼本来の力を解放。コンクリートの壁を拳の一撃で粉砕して、ニコを救出する。桃田の頭髪と引き換えに魔力を使い、壁を元通りにしたニコは、心身ともにたくましく成長した守仁のことをすっかり好きになってしまう。しかし、そんなニコをよそに、父親から今後一年以内にニコの身に回避不能な災いが起きるという予言を聞かされていた守仁は、守護者としてニコを守るという決意を新たにするのだった。(エピソード1「魔女の帰還」)

ニコの買い物に付き合って街に出かけた守仁は、謎の少年・風祭監志と出会う。その正体は、ニコが魔女の聖地で修行中になかよくなった天狗だった。若月息吹からニコの護衛を頼まれたという監志は、ニコに降りかかるであろう災いを自分の力だけで解決し、天狗の地位を鬼よりも向上させることをもくろんでいた。さらに監志は、ニコに訪れる災いは事故や病気などではなく、学校に潜んでいる謎の敵であることを守仁に告げる。その直後、謎の魔法使いによって拘束され、連れ去られたニコを追った守仁と監志は、協力して魔法使いを撃退。無事にニコを救出することに成功する。この出来事から、ニコを襲う災いが魔法使いからの襲撃であると悟った監志はニコを守るため、ニコと守仁が暮らしている家にいっしょに住むことを決めるのだった。(エピソード9「天狗-風祭監志」)

登場人物・キャラクター

乙木 守仁 (おとぎ もりひと)

鬼の血を継承する男子高校生。爽やかな風貌をしたイケメンで、優しく面倒見のいい生真面目な性格をしている。一見ふつうの人間にしか見えないが、鬼の末裔であるために人間を遙かに凌ぐ怪力を秘めている。小さい頃にいじめっ子の桃田を殴ってケガをさせてしまったことがトラウマとなり、無駄な争い事を嫌っている。平穏に暮らすことを心掛けており、桃田とその友人に理不尽に絡まれたり殴られたりしても、決して手を出さず、鬼の力を行使しないようにしている。幼なじみの魔女・若月ニコが魔女の聖地「悠仙郷」での修行を終え、6年ぶりに帰郷した際、魔女の使い魔に指名され、両家のあいだに交わされた古い盟約に従ってニコといっしょに暮らすことになった。父親から今後一年以内にニコの身に災いが降りかかるという予言を聞かされており、守護者として何があってもニコを守ることを決意している。父親から乙木家に代々伝わる鬼良術と呼ばれる闘技を受け継いでおり、いざというときはコンクリートの壁をバラバラにするほどの凄まじい力を発揮する。ニコからは優しく頼れる幼なじみとして好意を寄せられているが、乙木守仁自身はニコのことを異性として意識していない。ヨーロッパの古着が大好きなヴィンテージマニアという、意外な一面を持っている。ニコからは「モイちゃん」と呼ばれている。

若月 ニコ (わかつき にこ)

魔女の女子高校生で、明るい髪色をしたロングヘアの美少女。天真爛漫かつおっちょこちょいな性格をしている。乙木守仁の幼なじみで、小さい頃から魔法を使って守仁と遊んでいた。小学4年生の頃に魔女として本格的な修行をするため、魔女の聖地「悠仙郷」へと引っ越した。6年にわたる修行を終えて帰郷した際、若月ニコ自身の使い魔として守仁を指名した。古くから主従関係にある若月家と乙木家の盟約に従い、守仁といっしょに暮らすようになる。昔から守仁のことを異性として意識しており、たくましいイケメンに成長した守仁をひと目見て好きになった。そのため、自分と守仁の仲が進展する妄想に度々浸ってしまう。長い修行の末、多彩な魔法を扱えるようになっているが、生来のおっちょこちょいな性格から、使用する度にさまざまなトラブルを巻き起こしている。予言の魔法を扱う母親・若月息吹から、一年以内になんらかの災いが降りかかることを予言されているが、ニコ自身はそのことを詳しく知らされていない。帰郷後に守仁と同じ学校に通い始めたが、自らの失敗ですぐに魔女であることがバレてしまう。守仁のことは「モイちゃん」、友人の風祭監志のことは「カンちゃん」と呼んでいる。

風祭 監志 (かざまつり かんし)

金髪にチャラい容姿をしている天狗の少年。明るくて元気なお調子者で、関西弁でしゃべる。魔女の聖地「悠仙郷」の山を守っている天狗一族の出身で、もともとは魔女の使い魔の家系。若月ニコが魔女の修行を始めた頃からなかよくしていた親友であり、ニコからは「カンちゃん」と呼ばれている。若月息吹に頼まれ、帰郷したニコを予言の災いから護衛するために彼女のもとを訪れた。その際に乙木守仁と出会ったが、正体を隠すために犬の被り物をしていた。世間的に天狗よりも存在感のある鬼に対して強いライバル心を抱いており、守仁に対しても対抗心を持っている。ニコに降りかかる災いを鬼の手を借りず独力で払い、天狗の名を上げようと画策していた。学校にニコの敵がいるということを予言で知っており、そのことを守仁にも伝えていた。スマホゲームの課金や賭け事が大好きで、お金があればあるだけ使ってしまうなど、自堕落な生活を送っていたが、ニコを守るためにニコと守仁が暮らす家に同居するようになる。見た目と性格が軽薄なために弱そうに見えるが戦闘力は非常に高く、守仁とも互角に渡り合えるほど。ただし、天狗ではあるものの空を飛ぶことはできない。カラスの友達が大勢いるため、有事には彼らの力を借りることができる。

若月 息吹 (わかつき いぶき)

若月ニコの母親。魔女の聖地である「悠仙郷」で暮らしている。魔力を使って予言することができ、一年以内にニコの身に災いが起こることを察知していた。魔力を高め、予言の成功率を上げるために聖地である「悠仙郷」に留まっている。一人で郷里に帰ったニコのことを乙木守仁と風祭監志に託した。

乙木守仁の父親

乙木守仁の実父。眼鏡をかけた渋い風貌をしており、生真面目な性格ながら、お茶目なジョークを連発する食えないところがある。乙木家に代々伝わる闘技「鬼良術」を学んでいる。乙木守仁の父親自身が持つ鬼の並外れた力を恐れ、悩んでいた守仁に対し、心を強くするために鬼良術を学ばせた。

南 伽羅 (みなみ から)

ショートボブの髪型をしたギャルで女子高校生。不条理なことには屈せず、思ったことをはっきりと口にする気っ風のいい性格をしている。嬉野久々美と共に、転校してきた若月ニコの最初の友だちとなった。ニコや久々美といっしょにファミレスに行った際に、上級生から強引なナンパをされた時には、辛辣な言葉を投げつけて上級生を追い払っていた。

嬉野 久々美 (うれしの くくみ)

おかっぱの髪型をしている女子高校生。おとなしい性格で、口数も少ない。南伽羅と共に、転校してきた若月ニコの最初の友だちとなった。絵が非常にうまく、SNS上で漫画作品の二次創作イラストを発表して人気を博している。SNS上のハンドルネームは「ハイミ」。友人である伽羅たちからは「クック」と呼ばれている。

真桑 悠里 (まくわ ゆうり)

眼鏡がよく似合うクールビューティーな高校教師の女性。面倒見がよく、落ち着いた性格をしており、生徒からも非常に慕われている。乙木守仁たちが在籍する1年3組の担任を務めている。対外的にはクールな女性を装っているが、実は漫画を読むのが大好きで、同人誌を買いあさるほどのガチオタ。自分が好きな作品のイラストをSNSで閲覧するのを趣味としている。推し絵師は「ハイミ」だが、のちにその正体がクラスの生徒・嬉野久々美であることを偶然知ってしまい、驚愕していた。

宮尾 音夢 (みやお ねむ)

美しい黒髪をしている魔女の女子高校生。やや内向的な性格で男性を苦手としているが、自分が魔女であることにプライドを抱いている。強大な力を持つ鬼でありながら若月ニコの使い魔となった乙木守仁の存在に注目しており、なんとかして守仁を自分の使い魔にしたいと考えている。そのため、わざわざ守仁の通う高校を訪れ、彼を仲間にするチャンスをうかがっていた。魔力を使って猫に変身できる。

桃田 (ももた)

金髪リーゼントの男子高校生。粗暴な性格をしており、不良少年を従えて遊び歩いている。乙木守仁とは幼なじみで、小さい頃から彼のことをいじめていた。しかし、鬼の力を発揮した守仁に殴られてからは、彼の良心に付け込んで彼を無抵抗にさせたうえで、因縁をつけては仲間といっしょに守仁に乱暴行為を繰り返していた。

その他キーワード

使い魔 (つかいま)

魔女に仕える下僕のこと。魔女とは主従関係にあり、魔女を守るために付き従っている。乙木守仁や風祭監志の先祖も、もともとは使い魔で、世代を重ねることでその子孫は人の姿をした鬼や天狗となった。長い年月を経て魔女の関係性と役割は半ば形骸化しており、現代では希望者は小動物やペットを使い魔にできるなど、魔女にとって家族や友人のような存在となっている。それでも、使い魔が魔女との盟約を破った場合、使い魔は先祖返りして動物同士が入り混じった化け物のような姿に変わってしまう。

書誌情報

ウィッチウォッチ 19巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2021-06-04発行、 978-4088826967)

第2巻

(2021-09-03発行、 978-4088827643)

第3巻

(2021-11-04発行、 978-4088828428)

第4巻

(2022-02-04発行、 978-4088830117)

第5巻

(2022-04-04発行、 978-4088830674)

第6巻

(2022-06-03発行、 978-4088831541)

第7巻

(2022-08-04発行、 978-4088832210)

第8巻

(2022-11-04発行、 978-4088833880)

第9巻

(2023-01-04発行、 978-4088834221)

第10巻

(2023-04-04発行、 978-4088834542)

第11巻

(2023-06-02発行、 978-4088835594)

第12巻

(2023-08-04発行、 978-4088835938)

第13巻

(2023-10-04発行、 978-4088836669)

第14巻

(2023-12-04発行、 978-4088837871)

第15巻

(2024-03-04発行、 978-4088838182)

第16巻

(2024-04-04発行、 978-4088838779)

第17巻

(2024-07-04発行、 978-4088841120)

第18巻

(2024-09-04発行、 978-4088841700)

第19巻

(2024-11-01発行、 978-4088842516)

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