落命魔女と時をかける旦那様の死なない婚約印

第1巻

魔女や魔法使いを育成する学校、クラウズーラ魔法魔術学院に通う13歳のミシェラ・アウグスは、無尽蔵に膨大な規格外の魔力を持ちながら、それを使いこなせるだけの才を持ち合わせていなかった。ミシェラは自分の魔力をコントロールできずに爆発を起こしたことで、クラスメートからは「爆発魔」と揶揄され、すっかり自信を失っていた。そんなある日、ミシェラは魔法の自習中、うっかり巨大な火球を作ってしまう。これが爆発すれば、周囲を巻き込むほどの大惨事になってしまうと、自らの死をも予感した時、ミシェラの前に突如として一人の男性が姿を現す。彼はミシェラの作り出した火球をおさめると、ミシェラの名前を呼んで彼女を抱きしめる。突然のことに頭が混乱したミシェラは、見知らぬ男をロリコン変態野郎と警戒するが、彼から語られた話は驚きの内容だった。ユーシアス・エルウェストと名乗った彼は、未来からやって来た高位魔法使いだと語り、今から5年4か月後、18歳で死んでしまうミシェラを助けるため、時間をさかのぼってやって来たのだという。にわかに信じ難い内容に困惑するミシェラだったが、翌日、ユーシアスはミシェラの正式な後見人として、身元を明かす書類とともに学校に届け出ると、ミシェラの退学を申し出る。一方的な行いに怒り心頭のミシェラは、そんな彼を断固拒否し、受け入れない態度を見せるが、ユーシアスが語ったミシェラの生い立ちについて、自分以外知らないはずのことをすべて正しく語られたことに驚く。そして、未来について語り出したユーシアスは、未来のミシェラであるシェラの骸骨を目の前に出すと、彼女が魔法とかかわることをあきらめなかったせいで亡くなったこと、これから起きる事実について語り始める。自らの死期を知り、死を恐れるミシェラに対して絶対に死なせないから、自分を信じてほしいとユーシアスは彼女に伝えると、ミシェラはこの力を使いこなせる魔女になりたいと決意。自分を助けてくれるつもりなら、退学ではなく、魔法を教えてほしいと協力を要請する。死亡フラグもぶっ壊せるほどのすごい魔女になると言ってのけたミシェラに、少々面食らいながらも笑顔で合意したユーシアスは、どうして自分を助けたいのかというミシェラからの質問に、自分が未来の夫だからだと衝撃の事実を明かすのだった。