概要・あらすじ
登場人物・キャラクター
二階堂 駿 (にかいどう しゅん)
二階堂ファームの社長を務める青年。北海道最大の競走馬生産地である日高で、三代続く家族経営の牧場に生まれた。幼い頃に母親を亡くし、父親と姉、祖母と四人で暮らしていた。しかし、当時アイルランドから日本の競馬界へ進出しようと目論んでいた牧場「ウイニング・スタッド」による牧場買収に巻き込まれ、父親の二階堂勉が経営する牧場を失ってしまう。これにより勉は自殺し、それからは帯広の親類の家で暮らしていた。中学卒業後は騎手を目指して地方競馬教養センターに入学し、北関東競馬でリーディングジョッキーとして活躍するも、北関東競馬廃止に伴って騎手を引退。以後は馬商(作中オリジナルの単語。実際には「馬喰(ばくろう)」などと呼ばれる)として活躍する。相馬の天才として広く知られており、「日高の風雲児」と呼ばれることもある。その才能は単純な馬券予想から仔馬(こうま)の鑑定まで幅広い。父親を罠(わな)にはめたジョン・ランドルフが所属する「ウイニング・スタッド」が、再び日本で活動を始めようとしていることを知り、復讐のために昔から懇意している岩坂牧場を買い取り、新生「二階堂ファーム」の経営を始める。業種としてはオーナーブリーダーだが、売れ残った馬を育ててトレーニングセールに送り出すピンフッカーをはじめ、休養馬を預かってトレーニングを行う業務なども行っている。「ウイニング・スタッド」の代表を務めるエドワード・マクラーレンのことを競馬場で見かけて以来、その相馬眼や牧場経営者としての先見性にただならぬものを感じ取り、単に敵というだけでなくライバル視している。
エドワード・マクラーレン
イギリスを代表する企業グループ「マクラーレン・グループ」の御曹司(おんぞうし)で、卓越した相馬眼を持つ。冷徹な性格ながら馬のみならず日本の芝への理解度も高く、競馬に対する深い知識を持ち合わせている。二階堂駿の父親が経営していた「二階堂ファーム」を売却へと追い込んだアイルランドの牧場「ウイニング・スタッド」の現代表を務めている。17年前は叶(かな)わなかった外国人馬主の認可を獲得し、世界でも飛び抜けて高額な賞金額を誇る、日本の競馬界を席巻(せっけん)する計画「Team Winning Ticket」を成功させるために奔走している。駿とは競馬場でたびたび顔を合わせていたが、自分とまったく同じ予想をする人物だと警戒心を抱いていた。岩坂牧場の買収を巡って「後先」という賭けで争った際には駿に敗れ去り、駿のことを特別視するようになる。
クレジット
- 原作
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河村 清明