ウイナーズサークルへようこそ

ウイナーズサークルへようこそ

甲斐谷忍の描く競馬漫画。冴えない大学生の山川七雄はひょんなことから競馬予想サークルの「ウイナーズサークル」に出会う。サークルで競馬に関する実践的なノウハウを学びながら、サークルの仲間たち、あるいはライバルと予想に挑んでいく姿を描く。

正式名称
ウイナーズサークルへようこそ
ふりがな
ういなーずさーくるへようこそ
作者
ジャンル
競馬
関連商品
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概要・あらすじ

2011年の初夏、山川七雄(ナナオ)は放心していた。志して2年間、やっとの思いで描き上げた渾身の漫画が編集者によって否定されてしまったからだ。そんななか、ふとした拍子で出会った占い師に、西に5キロ行くと宝があると告げられる。疑いつつも行ってみるとそこには競馬場があり、さらにナナオはそこで光るボールペンを拾う。ボールペンの持ち主は桜紅子ら競馬予想団体「ウイナーズサークル」のメンバーと待ち合わせをしていた桜美登里という女性だった。

この出会いが、ナナオの冴えない負け犬人生を変えていく。

登場人物・キャラクター

山川 七雄 (やまかわ ななお)

それほど偏差値の高くない庄茂内大学に、2浪して入学した20才にして1年生の男性。漫画家を志していたが、絵は上手いもののストーリーを組み立てられず、担当編集者の水野晴央に実力を認められていない。些細な違いを見抜く能力に長け、それを応用して競争馬の体型変化をつまびらからに見抜くことができる。この才能が競馬予想団体「ウイナーズサークル」のメンバーに認められ、入会することになった。 競馬の予想スタンスは、この能力を活かしてパドックで馬の調子を見極める「パドック派」。ただし、自己評価の低さ、単純でお人好しな性格から自身の才能には気づいておらず、周りに利用されることが多い。名前の響きと後ろに結った髪型、華奢な体型から女性に間違えられることがある。

桜 美登里 (さくら みどり)

競馬予想団体「ウイナーズサークル」のメンバーで20歳の女性。普段は水蓮女子大学に通っている。黒髪の美しい女性で、山川七雄が「ウイナーズサークル」に入会したのも彼女が理由。桜紅子の妹で、その関係でサークルに入った。馬券の予想なども含め非常にマイペースな性格だが、温和で人を容姿で判断しない純粋さを持っている。

桜 紅子 (さくら べにこ)

競馬予想団体「ウイナーズサークル」の幹部の一人で、桜美登里の姉。妹とは対照的に容姿は派手め。不遇な生い立ちの持ち主で、それゆえに競馬にのめり込んでいった。自分が免停であることを秘密にして車を借り、免許を持つ宇多田惣吉、風間駿に代わりに運転させるなど現金な性格だが、山川七雄をバカにした相手に対して怒りをあらわにし、勝負を挑むなど熱い面も持ち合わせている。 競馬の予想スタンスは「消去法」で、除外した馬が上位に食い込まない率は9割強と高い的中率を誇る。

風間 駿 (かざま しゅん)

競馬予想団体「ウイナーズサークル」の幹部の一人で、26歳の男性。短髪の元高校球児でお酒は一切飲めないがウーロン茶だけで酔っ払えるという特殊な体質を持つ。やや早とちりな面を持つが、サークル内で起こった問題の本質を瞬間的に見抜くなど直感力に優れている。競馬の予想スタンスは「血統派」で、その馬の祖先から予測していく手法を採る。

宇多田 惣吉 (うただ そうきち)

競馬予想団体「ウイナーズサークル」の幹部の一人で、メガネをかけた小太りの24歳の男性。サークル内ではサブリーダーとして桜紅子たちをサポートすることが多い。人付き合いは苦手だが、競馬に関する講義を行う際はオリジナルのレジュメを作るなどコツコツ真面目な努力家で、サークル結成のきっかけとなった競馬予想ブログも宇多田惣吉が作った。 予想スタンスは「データ派」で、過去のデータから予測するタイプ。このデータはサークルの勉強会でも共有されることが多い。

桃山 (ももやま)

競馬予想団体「ウイナーズサークル」のメンバーの長髪で痩せ型の男性。仕事はプログラマーで、ウイナーズサークルの競馬予測に予想に大きく役立つホースフォース1を作った。普段は非常におとなしいが酒乱の気があり、酒が入ると暴れる。今までの生活苦のせいで長らく知人がいなかったため、友人付き合いをしてくれる「ウイナーズサークル」の面々には深く感謝している。

武井 要一 (たけい よういち)

競馬予想団体「ウイナーズサークル」の元メンバーで、通称「タケイさん」。山川七雄(ナナオ)が旧メンバーから聞いた情報では、就職に失敗してサークルを辞め、九州の地元で農業を継いでいるとのこと。しかし実際はある秘密を抱えており、その後ろめたさからサークルを抜けた。「ウイナーズサークル」のメンバーが持っているペンを競馬場でも持っている、サークル新参者のナナオに知恵を授けるなど、「ウイナーズサークル」に対しては脱退した後も協力的。

磯山 謙一 (いそやま けんいち)

かつて競馬予想団体「ウイナーズサークル」を立ち上げたメンバーの一人で、サークル内では歴代最年長だった男性。職業は競馬雑誌ライター兼エディター。仕事柄、膨大なデータと豊富な人脈を持っているが、それに反して致命的に勝率が悪い。にもかかわらず都合の悪い記録を揉み消して他のメンバーを見下していたため、「ウソヤマ」呼ばわりされた挙句にサークルから追放された。 しかし、双方の利害が一致することから連絡のやり取りは続いており、山川七雄の予測に必要な画像データは彼からもらっている。

佐渡 太郎 (さど たろう)

競馬予想団体「ウイナーズサークル」のメンバーが、データ収集を目的に作った小団体「BIG4」のメンバーの一人。ぽっちゃりとした体形で汗っかき。努力することが好きではなく、要領もあまりよくない。同じ大学に目的もなく8年間通い続けている大学生で、目下就職活動中だが状況は芳しくない。

千島 大助 (ちしま だいすけ)

競馬予想団体「ウイナーズサークル」のメンバーが、データ収集を目的に作った小団体「BIG4」のメンバーの一人。痩せ型でおかっぱ。「自分探しの旅の途中」と言っているが、実情はただのニート。親が会社社長なので、食い扶持には困っていない。

間宮 洋平 (まみや ようへい)

競馬予想団体「ウイナーズサークル」のメンバーが、データ収集を目的に作った小団体「BIG4」のメンバーの一人。短髪で無精髭を生やした自称パチプロだが、ほとんど稼げてはいない。サラリーマン時代に買った株でまぐれで儲け、2000万円の貯金がある。そのことをきっかけに会社をやめ、現在までだらだらと職に付かずに過ごしている。

明石 翔 (あかし しょう)

競馬予想団体「ウイナーズサークル」のメンバーが、データ収集を目的に作った小団体「BIG4」のメンバーの一人。長髪をヘアバンドでまとめた元ホストで、現在は彼女の稼ぎに頼って生活している。ある約束を果たすために、仲間と共に回収率100%を目指す。

渡辺 美智雄 (わたなべ みちお)

初代の馬神。髪型はスキンヘッド。15年前に腰痛の治療で訪れた整体師と共に競馬を見ていたところ、整体師の予測がよく当たることを発見。そこから現在の競馬予測法を確立した。本業は整体師であり、現在は店を2つ持っている。

大森 進一郎 (おおもり しんたろう)

第4代目の馬神。かつて、犬の鳴き声から気持ちを推測する機器を開発していたが、大手会社が先に世に出してしまったために実用化できず、借金だけが残ってしまった。だが、この技術を活かして馬の気持ちを読む「馬意リンガル」を開発。「馬意リンガル」によって競馬で稼ぎ、借金を完済して馬神となった。

神楽坂 文造 (かぐらざか ぶんぞう)

第6代目の馬神。元々山川七雄とも面識があった。中肉中背で冴えない見た目、さらに胡散臭い発言ばかりしているが、その実力は本物で、分析眼に富んだ赤嶺仁など歴代の馬神がブライアン・グラントと並び警戒するほど。また観察眼の鋭さは馬以外にも発揮され、時折示唆に富んだ発言をすることもある。

ブライアン グラント

第9代目の馬神。アイルランドの有名な大牧場の御曹司で、日本には帝都大学の大学院に遺伝子の研究をしに来ている。大学院では競馬サークル「帝都大ホースメンズクラブ」に所属しており、同大学に通う赤嶺仁とも交流がある。幼い頃から馬を見てきているため、馬の素質を見抜く目が非常に優れている。競馬の予想スタンスはパドックで馬の状態を見極める「パドック派」。

出鳥 澄夫 (でとり すみお)

第11代目の馬神。オールバックに無精髭、インナーがタートルネックのジャケットスタイル。職業は漫画原作者であり、水野晴央とは仕事を通じての知り合い。非常に社交的な性格で競馬予想団体「ウイナーズサークル」のメンバーにも気さくに声をかけるが、調子がよく、自分がかつてした発言を忘れては、周りを困惑させる。

赤嶺 仁 (あかみね じん)

第12代目の馬神。帝都大学の大学生で、競馬サークル「帝都大ホースメンズクラブ」の部長でもある。人心掌握に長けた非常に紳士的な人物だが、ブライアン・グラントや神楽坂文造などからは損得で周りの人間関係を築く悪癖があると指摘されている。利用できる人物として山川七雄(ナナオ)に興味を持っているが、一方でナナオを取り巻く競馬予想団体「ウイナーズサークル」を疎ましく思っている。

田中 (たなか)

庄茂内大学に通う男性で、山川七雄(ナナオ)の学友。オールバックに近い髪型で無精髭を蓄えている。ナナオと共に帝都大学のサークルを倒すことを目論み、作戦を立てる。

シゲ

「万馬券を必ず取る方法がある」と山川七雄に近づいた初老の男性。その方法については、何か裏があるのではないかと競馬予想団体「ウイナーズサークル」のメンバーから疑われる。「万馬券は実力馬が失敗をすることで取れるものだ」と信じている。

中村 ゴンゾウ (なかむら ごんぞう)

ホームページ「パドックの達人」の開設者の男性。競馬予想の秘訣を盗むため、競馬予想団体「ウイナーズサークル」のメンバーが接触を試みた。マンツーマンで中村ゴンゾウ自ら指導を行うパドック教室を開催し、ホームページ上で応募者を募っているが、その際には写真審査を行い、好みの女性ばかりを集めるなどしたたかな性格。競馬の実力は本物で、重要情報をゴンゾウノートにつけている。

水野 晴央 (みずの はるお)

山川七雄(ナナオ)が漫画を持ち込んだ際の、集A社の担当編集者の男性。ナナオが2年間かけて完成した漫画を無下に切り捨てるなど、冷淡な性格の持ち主。一方で、競馬予想団体「ウイナーズサークル」のメンバーが馬神トーナメントに出場するきっかけをつくったのも彼である。

丸禅鋤の大将 (まるぜんすきのたいしょう)

競馬の反省会で、競馬予想団体「ウイナーズサークル」のメンバーがよく利用する飲み屋の大将。もじゃもじゃのヒゲを生やした中年の男性。丸禅鋤の大将自身も競馬が好きで数々の情報を持っており、それを自慢がてら「ウイナーズサークル」に披露することが多い。

集団・組織

ウイナーズサークル

桜紅子、風間駿、宇多田惣吉、桜美登里、山川七雄が所属する競馬予想団体。サークル立ち上げメンバーである紅子、駿、惣吉が現在は幹部を務める。団体創立のきっかけは惣吉の作ったホームページから。団員の証として、馬の飾りのついたペンが贈られる。

その他キーワード

ゴンゾウノート

馬券で高い的中率を誇る中村ゴンゾウが、馬券を当てるための情報をつけているノート。このノートを見るために競馬予想団体「ウイナーズサークル」のメンバーがあらゆる罠をゴンゾウに仕掛けるが、このことがきっかけで「ウイナーズサークル」とゴンゾウは険悪な状態になってしまう。

馬神 (ばしん)

日本最大のスポーツ雑誌「スポルディーバ」が年に1回行っている、馬券チャンピオン決定戦の名称で、その優勝者に与えられる称号でもある。「スポルディーバ」を発行している出版社の集A社が主催している。10年以上の歴史があり、草創期の5代目以前は、圧倒的な予想率を誇る6代目、およびそれ以降のメンバーに比べ、競馬予想能力は劣ると評されている。

スーパー・ターフ・メソッド (すーぱーたーふめそっど)

宇多田惣吉が70式のための下手予想データを集めるために開発した架空のメソッド。ホームページで参加者を募ったところ、3日で53人の申し込みがあった。その中で明らかに競馬の予想が下手くそな4名が選ばれ、「BIG4」と呼ばれるようになる。

70式 (ななおしき)

山川七雄(ナナオ)が生み出した馬券術。由来は発案者であるナナオの名前から。方法は馬券の的中率が高い馬券上手と馬券の的中率が低い馬券下手で分け、それぞれの予測データを基に予想をする方法。この方法には、馬券上手と馬券下手の2種のデータが必要となる。そして、馬券下手の情報を効率良く吸収するために「BIG4」が結成された。

馬神決勝ルール (ばしんけっしょうるーる)

競馬勝負方法のひとつ。双方が自信のある3レースを選び、計6レースで競う。この時、メインレースは必ず選ぶ必要がある。1レースにつき1000円を賭け、計6000円を投入して払戻額の多い方が勝ちとなる。ただし、最終戦はリードしている方が相手に買い目を見せなければならない。

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