ウチコミ!!

ウチコミ!!

村岡ユウの代表作の一つ。東京の武蔵原高校柔道部を舞台に、体が小さく気の弱かった光石錬が、祭田春樹をはじめとする柔道部の仲間たちと共に、強豪選手たちに挑みながら成長していく青春柔道劇。秋田書店「週刊少年チャンピオン」2013年39号から2015年1号にかけて掲載の作品。

正式名称
ウチコミ!!
ふりがな
うちこみ
作者
ジャンル
柔道
 
部活動
レーベル
少年チャンピオン・コミックス(秋田書店)
巻数
全7巻完結
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いじめられっ子の成長と仲間たちの絆

本作は部活動としての柔道をテーマにしており、特に錬の成長過程に焦点を当てている。かつていじめられっ子だった錬は、祭田春樹の誘いを受けて柔道部に入部し、懸命な努力を重ねることで優れた選手へと成長する。そして、強豪校、立川学園の主将、紅林宗吾からも一目置かれる存在となっていく。また、物語が進むにつれて、錬以外の選手や関係者にまつわるエピソードも数多く描かれ、団体戦の要素も取り入れられている。

小さな身体に秘めた才能が開花する

主人公の錬は、小柄な身体のため周囲から見下され、日々いじめに苦しんでいた。武蔵原高校に入学しても状況は変わらず、巨漢のいじめっ子、真壁から理不尽な要求や暴力を受け続けていた。そんなある日、柔道部員を探していた祭田と出会う。祭田の助言を受け、錬は勇気を振り絞って真壁に立ち向かい、土壇場でみごとな投げ技を披露する。その才能と勇気に可能性を感じた祭田は、錬を柔道部へ勧誘する。しかし入部早々、部員の一人、結城飛悠馬から因縁をつけられてしまう。祭田が仲裁に入り、「3分以内に一度でも飛悠馬を投げられたら入部を認める」という条件を提示。錬は何度も投げられながらも、残り1秒でついに飛悠馬を投げ飛ばすことに成功。こうして晴れて柔道部員として認められた錬は、練習を重ねるごとに飛躍的な成長を遂げていく。

立川学園柔道部との因縁対決

やがて錬は、かつて自分を未熟者と見なしていた飛悠馬からも、その成長を認められるようになる。さらに、新たに顧問として赴任した八乙女真千華の型破りな指導を受け、ほかの部員たちも着実に実力を伸ばしていった。そんな中、武蔵原高校柔道部は優勝候補の一角である立川学園との練習試合に臨む。先鋒の祭田と次鋒の飛悠馬が勝利を収めたものの、中堅以降の錬を含む三人は敗れてしまう。この試合をきっかけに、武蔵原高校は立川学園を強く意識するようになる。特に祭田は過去に因縁のある主将、紅林宗吾との決着を望むようになり、二人は都大会で本格的に激突することになる。

登場人物・キャラクター

光石 錬 (みついし れん)

武蔵原高校柔道部に所属する1年生の男子。小柄な体格のため、同級生の真壁らから執拗ないじめを受けていたが、「いつか強くなって見返したい」という強い思いを胸に秘めていた。反復練習を苦にせず、人並み外れた根性と集中力の持ち主。その才能を見抜いた祭田に誘われて柔道部に入部し、入部後は瞬く間に実力を開花させていく。いじめを克服すると共に、柔道そのものの楽しさを心から感じるようになる。実力は祭田や飛悠馬には及ばないものの、土壇場での勝負強さに優れており、作中の公式戦では立川学園の紅林以外の全員から一本勝ちを収めている。得意技は背負い投げ。

祭田 春樹 (まつりだ はるき)

武蔵原高校柔道部に所属する2年生の男子。ふだんは軽口を叩くことが多いが、柔道に対する姿勢は非常に真摯で、後輩の錬や飛悠馬から厚く慕われている。錬の才能にいち早く気づき、柔道部へ誘ったあとは熱心に指導するなど面倒見がいい。しかし、一方でデリカシーに欠ける一面もある。錬に柔道のヒントを与えるため、彼の幼なじみである佐倉望に対してセクハラまがいの行動をとったことがあり、彼女からは「変態クソメガネ」と呼ばれ、ひどく嫌われている。また、立川学園の主将、紅林とはかつて親友だったが、ある誤解が原因で現在は疎遠になっている。紅林に関することになると、まるで別人のように攻撃的な性格に変わる。

書誌情報

ウチコミ!! 全7巻 秋田書店〈少年チャンピオン・コミックス〉

第1巻

(2014-01-08発行、978-4253222969)

第7巻

(2015-01-08発行、978-4253223072)

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