概要・あらすじ
西暦2015年、私立日の出学園。第9小学校時代、エイリアン対策係を一緒に務めた大谷ゆり、川村くみ、遠峰かすみの3人は中学校に進級する。中学生になったらエイリアン対策係を辞められると思っていたゆりだったが、入学早々、中学校に宇宙船が落ちてきたため、経験者の3人は再び対策係に任命されることとなる。3年生の駒井萌菜美の指導のもと、ゆりたちは再びエイリアン撃退に追われるようになるが、戦闘中に役に立たなかったり、エイリアンに拉致されてしまったりとドジなゆりには成長の跡が見られない。
そんななか、共生の段階が進むくみは、ゆりと共生したい欲求を抑えられず、精神が不安定になっていく。見かねたかすみは自身の共生相手であるイエローナイフを校舎に召喚し、無理矢理ゆりとくみの共生を後押ししようとする。
登場人物・キャラクター
大谷 ゆり (おおたに ゆり)
日の出学園中等部の1年生。第9小学校時代は川村くみ、遠峰かすみと共にエイリアン対策係だったが、一人だけエイリアンと共生していない。ドジで気弱な性格ゆえにまったく仕事に向いておらず、進学後もなし崩し的に対策係をやらされる羽目になった現状を嘆いている。共生型エイリアンであるボウグの旧世代に拉致されるなど、くみとかすみの足手まといとなっている。 共生願望が日に日に強まっていくくみを見かねたかすみの策略により、イエローナイフに取り込まれ、くみと強制的に共生させられそうになる。
川村 くみ (かわむら くみ)
日の出学園中等部の1年生。第9小学校時代は大谷ゆり、遠峰かすみと共にエイリアン対策係だったが、期間中にボウグ化する。それゆえ、ボウグと同じく人間と共生したいという欲求に駆られ、命の危険にまで晒される。かすみの策略によってゆりと強制的に共生しそうになるが、自らの意志によってこれを拒否。その後、理性を失って暴走する。 丘田知紗らの会話によると、新世代ボウグの可能性があるらしい。
遠峰 かすみ (とおみね かすみ)
日の出学園中等部の1年生。第9小学校時代は大谷ゆり、川村くみと共にエイリアン対策係だったが、期間中にイエローナイフと共生に至る。ゆりとの共生を望むくみを見かねて、イエローナイフを校舎に召喚。ゆりとくみをイエローナイフ内部に取り込んだうえで2人を共生させようとするが、「それは共生ではなく強制だ」と駒井萌菜美に批判されてしまう。
駒井 萌菜美 (こまい もなみ)
日の出学園中等部の3年生。エイリアン対策係。大谷ゆりたちを指導しながら、エイリアン対策に精を出している。既にドリル族との共生が済んでいる。リーダーシップはあるものの、戦闘のたびに気絶しており、あまり戦力になっていない。うごめく長髪が特徴。
久川 めぐみ (ひさかわ めぐみ)
第9小学校教員。ドリル族との共生を済ませている。旧世代ボウグが目撃されたため、調査対策を丘田知紗から命じられるが、面倒臭がって大谷ゆりたちに任せようとする。能天気な性格だったが、遠峰かすみによってボウグを殺されたことで激昂し、知紗のボウグを使って復讐をしようとする。
丘田知紗 (おかだ ちさ)
第9小学校校長。ドリル族との共生を済ませている。旧世代ボウグの目撃情報を気にかけ、久川めぐみに調査を命じる。冷静沈着な常識人だが、番外編「特別計画1」では怪談を話すなど、プライベートでは若い女性らしさを垣間見せる。
ドリル族 (どりるぞく)
ボウグたちと共生しているエイリアン。前作ではヘルメット状のボウグが登場していたが、共生段階が進むとボウグは頭髪が生えた、まるでカツラのような形状になり、宿主との一体感が増す。めぐみや丘田知紗たちのボウグによって確認できる。
イエローナイフ
遠峰かすみと共生しているエイリアン。本体は非常に巨大だが、外敵に対しては精神攻撃を主体に行い、物理的な攻撃を仕掛けることはない。体内に取り込んだ生物と共生することができ、かすみはその特質を利用し大谷ゆりと川村くみの共生を実現させようとした。
松本 秀明 (まつもと ひであき)
日の出学園中等部の男子生徒。大谷ゆりが旧世代ボウグに拉致されたとき、先に監禁場所で拘束されていた。それがきっかけで、救出後にはゆりと親しくなるが、そのことで川村くみの嫉妬心を煽り、事件の引き金を引くこととなる。
仙道 小百合 (せんどう さゆり)
日の出学園中等部の女子生徒。イエローナイフの能力を使った遠峰かすみに引き寄せられ、他の女子生徒たちと共にかすみを慕うようになる。かすみが大谷ゆりと川村くみを共生させようとした時には、片棒をかついでいた。事件収束後、エイリアン対策係に任命される。
町子 (まちこ)
番外編「特別計画1」に登場。久川めぐみと丘田知紗の共通の友人らしき若い女性。待ち合わせの間、知紗から怪談を聞かされる羽目になる。ボウグやエイリアンについても理解しており、共生が済んでいる人間の可能性が示唆されている。
竹田 秀樹 (たけだ ひでき)
番外編「特別計画2」に登場。第9小学校6年藤組の男子生徒。気弱な性格ゆえにいつも学級委員長を押しつけられていたが、委員長の常連である川村くみを慕ってもいた。しかし、くみにかまわれる大谷ゆりに嫉妬し、エイリアン「アグレッサー」と共生し、ゆりに攻撃を仕掛ける。
その他キーワード
エイリアン
地球外生命体のこと。地球人の施設に入りこんで害をもたらすものから、地球人との共生を求めてやってきたものまで、その目的はさまざまである。性格も種別によって異なっており、久川めぐみによれば、ドリル族は、穏やかな種類であるらしい。
ボウグ
ヘルメット型になっている共生型エイリアンの通称。宿主に装着し、長期間、行動を共にすることで肉体的にも精神的にも一体化し、共生へと至る。ボウグは共生相手となった生命体により世代が分かれている。最新のドリル族が第9世代であり、それ以前に別の生命体と共生していた世代は「旧世代」と呼ばれる。第10世代として復権を目指す旧世代ボウグたちが共謀し、大谷ゆりを拉致した。 川村くみを殺し、再生処置を施されたくみがボウグ化する原因となったのも旧世代ボウグの仕業であった。