概要・あらすじ
父と二人で暮らす少女青山アン子の身の回りで不思議な現象が頻発する。友人の洋二は、超能力ではないかというが、突飛な話に信じられずにいる。そんなある日、アン子の父がトラブルに巻き込まれる。藤子・F・不二雄の後の作品『エスパー魔美』の原型となったSF短編。元は『赤毛のアン子』というタイトルだったが、単行本収録の際に改題された。
登場人物・キャラクター
青山 アン子 (あおやま あんこ)
父と二人暮らしの学生。母は亡くなっており、家計のやりくりや料理などはアン子が担当している。要所要所で固有名詞やカタカナ英語を言い間違うクセがある。最近身の回りで、遠くの音が聞こえる、離れた場所にあったものが手元にある等、不思議な現象が頻繁に起こっており、悩みの種になっている。
アン子の父
青山アン子の父。職業は画家だが、生活のため絵本の原画を描いている。家事をまかせっきりのアン子を不憫に思い、一念発起して宇祖田が連れてきた角紅商事の黒原の投資話に乗る。しかし、その時に用意した現金は、自宅を担保に工面したものだった。
洋二 (ようじ)
青山アン子の隣の家に住む少年。アン子と同じ学校に通っている。聡明な少年で、困っている青山親子に助け船を出したり、アン子の相談に乗ったりする。アン子の身の回りで起こる不思議な現象は、超能力ではないかと予想する。
宇祖田 (うそだ)
アン子の父の友人。気取り屋で山師的な性格の持ち主。アン子の父に角紅商事の黒原と称する男を引き合わせ、ルビーのしたたりという貴重な紅茶への投資話を持ち掛ける。