エデンの花

エデンの花

若月みどりと若月時緒の兄妹は、両親を亡くしたあと、それぞれ別のところに引き取られた。そんな二人が再会して共同生活を開始。互いに隠された秘密が明らかになっていく中、それに立ち向かう二人の強い絆を描いた禁断のラブストーリー。「別冊フレンド」2000年8月号から2004年4月号にかけて連載された作品。

正式名称
エデンの花
作者
ジャンル
兄弟・姉妹・双子
レーベル
講談社コミックスフレンドB(講談社)
巻数
全12巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

若月みどりは3歳の時に両親を火事で亡くして以来、母方の祖母の家を経て、遠縁の家に引き取られていた。しかし彼女の居場所はその家になく、義理の兄から性的な虐待を受けており、そこから抜け出したいと思っていた。ある日、みどりの生き別れの兄、若月時緒がサンフランシスコから帰国する。彼は父親の親友である二階堂潔の家に引き取られて、サンフランシスコで育っていたのだが、みどりの事を忘れた事は一度もなく、帰国してみどりを迎えに行くためだけに、これまで努力を重ねてきた。みどりが幸せな環境にない事を知った時緒は、みどりを引き渡そうとしない遠縁の家に乗り込み、彼女を救い出す。

第2巻

誰にも心を開こうとしない若月みどりは、学校で同じクラスの女子達にいじめられ、大切に育てていた薔薇をめちゃくちゃにされてしまう。ショックを受けたみどりのために、羽柴由鷹は雨の中、薔薇をもとに戻し、なおかつ彼女が周囲から受け入れられるようにアドバイスをする。一方、若月時緒は、みどりの義理の兄がみどりの裸の映像をHPで公開し、金儲けしているという事実を突き止める。性的暴行の事実があった事も知り、時緒はみどりとの接し方に迷いを覚えるが、そんな中、義理の兄に脅迫されて呼び出されたみどりを救出する。そしてすべてを受け入れ、生涯かけてみどりを守っていく事を誓う。

第3巻

クラスで孤立する若月みどりに対して、羽柴由鷹はクラスメイト全員の前で、付き合ってほしいと唐突に告白する。クラスメイトの女子達は、ますますみどりの存在が面白くない。由鷹にずっと思いを寄せていた孝子は、みどりの裸の映像がHPで公開されているという秘密を知り、宮田玲子に相談する。球技大会では猛特訓してきたみどりと由鷹は、順調に勝ち上がっていくのだが、プレー中に由鷹の眼鏡が割れてしまい、続行不可能になる。そこで応援に来ていた若月時緒が代わりにプレーし、優勝する事ができた。みどりは由鷹の思いを受け入れて付き合う事を承諾する。ところがある日、みどりの裸の写真が教室に張り出されてしまい、みどりは学校を飛び出してしまう。

第4巻

学校中の人達から奇異な目で見られる若月みどりを、全身全霊で守ろうとする羽柴由鷹を見て、クラスメイト達は素直に自分達の行いを反省する。そして、写真を張り出した首謀者である宮田玲子を無視するようになる。一方、みどりと若月時緒の家に、サンフランシスコからやって来た二階堂紫が押しかけて来る。破天荒な性格の紫は、翌朝みどりに会いに来た由鷹を騙して、勝手に沖縄に連れて行ってしまう。由鷹を助けるために、みどり、時緒、二階堂正宗もまた沖縄へと向かうのだった。あふれる時緒への思いをまっすぐにぶつける紫とは対照的に、由鷹への思いを少しずつ育てていくみどりは、ここで由鷹と初めてのキスをするのだった。

第5巻

沖縄から戻った若月みどり羽柴由鷹は、初めてのキス以来お互いを意識していた。そんな中、若月時緒は誕生日の夜に二階堂紫とのデートから戻って来ず、みどりは複雑な気持ちを覚える。一方の時緒もまた、みどりを最優先し、その幸せを願っていた。そんな二人の結びつきの強さに、紫と由鷹はそれぞれ嫉妬を覚えるのだった。そして後日、時緒はサンフランシスコからやって来た養父の二階堂潔と再会し、アメリカに戻って来るようにと説得される。それを拒否する条件として、時緒は多忙な部署へ配属させられ、新しいプロジェクトを成功させるよう求められる。時緒はみどりとの日本での生活を守るために、必死で課せられた試練に臨むのだった。

第6巻

若月みどりと自分を引き離そうとする二階堂潔を説得するために、課せられた条件を必死にクリアしようと頑張る若月時緒二階堂紫はみどりに対して揺さぶりをかけていた。そして、みどりと時緒は子連れ再婚同士の義理の兄妹で、血のつながりがないという事実を伝える。義理の兄という存在に対して最悪のイメージしか持っていないみどりは、時緒に恐れを抱き、羽柴由鷹に助けを求める。二人は身体を重ねて強いつながりを持つ事となるが、みどりは自分の朝帰りを心配した時緒の姿を見て、彼への信頼を回復する。だが、血のつながりのない時緒にこれ以上甘えるわけにいかないと、時緒と離れる決意をするのだった。

第7巻

若月時緒は、若月みどりを妹として大切に思っており、そばにいたいという気持ちを真っ直ぐに伝える。みどりもまた、時緒と離れたくないという気持ちを無理に止める事はできなかった。そしてみどりは二階堂紫に自分達の気持ちを正直に伝え、なんとか理解してもらう。その頃学校では、かつてクラスの人気者だった宮田玲子が、汚い手でみどりを陥れた事によって、嫌われ者になっていた。みどりは玲子と腹を割って話し、許して仲直りする。羽柴由鷹との仲も順調で問題など何もないと思われたみどりだったが、そんな中、若月時緒が倒れたという知らせを聞き、尋常ではないほど動揺してしまう。そして時緒もまた、みどりへの気持ちが単なる兄妹愛ではない事に気づき始める。

第8巻

羽柴由鷹に、若月時緒への思いは恋心なのではないかと指摘された若月みどりは、とうとう自分の気持ちに気づく。これによりみどりは由鷹に別れを告げられ、ショックのあまり寝込んでしまう。みどりは、時緒を男性として意識しつつも、兄妹としての関係を崩したくないと考えていた。しかし、自分のために身を引いた由鷹の事を考え、思い切って時緒に自分の気持ちを告げようと決意する。ところが、二階堂潔は時緒とみどりを引き離すために、みどり自身も忘れていたような過去の秘密を使って時緒を脅迫。時緒はみどりを守るために、二階堂紫との婚約を決める。

第9巻

若月時緒二階堂紫の婚約話は順調に進んでおり、若月みどりは時緒のために身を引くつもりでいた。しかし自分の思いを抑えきれなくなったみどりは、突発的に時緒に告白してしまう。時緒はそんなみどりの気持ちを拒絶し、自分はアメリカに行き、みどりは遠くの県にある全寮制の高校に転校させる事を決める。血のつながりもなく思いも拒絶されたみどりは、時緒と完全にかかわりを絶とうと決意するが、逆に時緒の方が、とうとうみどりへの思いを抑えきれなくなってしまう。

第10巻

若月みどりへの思いを抑えきれなくなった若月時緒は、みどりになにもかも打ち明ける事を約束し、彼女と共に生きていく決断をする。同時に時緒は二階堂紫に対し、思いを受け入れられない事を告げ、婚約を解消する。だが、全寮制の高校の編入試験を終えて家に戻ったみどりは、五島弘光に誘拐されてしまう。囚われたみどりはスキを見て時緒に連絡をし、それをヒントに時緒はみどりが監禁されている場所に向かう。だがその頃みどりは、弘光が自分の実の父親である事、そして13年前、両親が死ぬ原因となった火事は自分自身が起こしたのだという、封印されていた過去を思い出していた。

第11巻

五島弘光若月時緒の目の前で、若月みどりを殺そうと待ち構えていた。二階堂正宗の協力もあって、みどりは救出されたものの、弘光はスキを見て正宗を刃物でメッタ刺しにし、時緒の右目にもケガを負わせる。その後、自らも怪我を負って逃げられないと悟った弘光は、最後にみどりに謝罪の言葉を残し、自ら命を絶つのだった。心の傷は残ったものの、弘光の死によって危険は去り、時緒も正宗も命に別状はない事を知って、みどりは安堵する。だが、時緒の右目が失明するかもしれないという事実を知らされ、重く責任を感じたみどりは、時緒から離れる決意をする。

第12巻

若月時緒に別れを告げた若月みどりは、二階堂潔に向かって時緒と二度と会わないと誓い、遠くの県にある全寮制の高校に向かう。一方の時緒は、潔や二階堂紫と共にサンフランシスコに行く事を決める。新幹線に乗り込むみどりの前に羽柴由鷹が現れ、時緒から託されたオートマティック時計を渡す。時計に込められた思いを感じ取り、みどりは新幹線を降りて時緒が飛び立とうとしている空港へ向かう。別れる事などできないという自分の気持ちに気づいた二人は、潔と紫に認めてもらうために、一時だけ離れようと約束をする。そして4年後、時緒は約束通りみどりを迎えに現れ、二人は祝福のもとに結ばれるのだった。

登場人物・キャラクター

若月 みどり (ワカツキ ミドリ)

美人ながらどこか影がある、高校2年生の女子。両親を火事で亡くしてから母方の祖母に引き取られ、8歳の時に祖母が亡くなってからは遠縁の家に引き取られた。そこでは、かつてその家で亡くなった娘である「裕子」の名で呼ばれ、義理の兄からは性的な虐待を受けていた。そんな不遇な中でもあきらめずに、早く独立したいと考えてお金を貯めるなど冷静なところがある。 学校ではクラスの誰にも心を許せず、庭師のおじさんと共にいつも中庭の薔薇の手入れをしている。実は心にひどいトラウマを抱えており、そのせいで子供の頃の記憶が抜け落ちている。熱い場所と暗い場所が苦手。

若月 時緒 (ワカツキ トキオ)

若月みどりの兄。みどりより4歳年上の20歳。7歳の時に両親を火事で亡くし、サンフランシスコの二階堂潔の家に引き取られたため、みどりとは離れ離れに育った。一日たりともみどりの事を忘れた事はなく、潔の出す条件を必死でクリアし、みどりを迎えに日本にやって来た。自分にとって残された唯一の家族であるみどりの事を大切に思い、みどりを笑顔にするためならどんな事もいとわない。

羽柴 由鷹 (ハシバ ヨシタカ)

高校2年生の男子。若月みどりのクラスメイト。みどりの事が好きで、心ないクラスメイト達によって荒らされた薔薇を雨の中一人で直したり、クラスメイトの女子達からいじめられないような処世術を教えたりするなど、みどりの役に立ちたいと願っている。やがてみどりと付き合う事になり、みどりにとって初めての恋人になる。頭がいい優等生で、眼鏡をかけていて一見すると地味だが、女子達からは人気がある。 かなりの近眼で、眼鏡がないと何も見えないほど。

二階堂 正宗 (ニカイドウ マサムネ)

若月時緒の親友の男性。会社員として働いている。年齢は22歳。父親である二階堂潔が時緒を引き取って以来、妹の二階堂紫と共にサンフランシスコの家で三人きょうだいのように育った。おちゃめで明るくポジティブな性格で、いつも騒がしい。時緒の事を心から大切に思っており、時緒の望みを叶えてやりたいと願っている。 紫の突飛な行動にいつも手を焼いている。

二階堂 紫 (ニカイドウ ユカリ)

二階堂正宗の妹。19歳の女子大学生。若月時緒とは、正宗と共にサンフランシスコの家で三人きょうだいのように育った。金持ちのお嬢様で、少々わがままなところがあり、自分の気持ちに正直な性格。時緒へのあふれる恋心をストレートに表現する。時緒が日本に戻る少し前に、短い期間だが付き合っていた。

二階堂 潔 (ニカイドウ キヨシ)

二階堂正宗と二階堂紫の父親で、若月時緒の養父。かつて時緒の父親、若月貴緒とは親友同士であり、彼の忘れ形見である時緒を引き取った。時緒の優秀さに期待するあまり強く執着し、時緒を束縛しようとする。貴緒が死んだ元凶は若月蒼子と若月みどりであり、みどりといっしょにいると時緒のためにならないと考えている。

宮田 玲子 (ミヤタ レイコ)

高校2年生の女子。若月みどりのクラスメイト。いつも進んで係活動をしたり、クラスのまとめ役を買って出ている。しっかり者で気配り上手なのだが、実は八方美人なところからストレスをため込みがち。そのため相手からの要求に応えようとするあまり、自分がどうすればいいのか見失ってしまう事がある。やがて、本当の自分を解放する手助けをしてくれたみどりと親友同士になる。

織田 美保 (オダ ミホ)

高校2年生の女子。若月みどりのクラスメイト。クラスではムードメーカー的な存在で、明るくて天真爛漫だが、無神経なところもある。知らないうちに他人を傷つけたりする事があるが、本人はまったく気づいていない。

青柳 (アオヤギ)

若月みどりのクラスの担任を務める女性教師。まだ若く、眼鏡をかけている。みどりが心に闇を抱えている事に気づいており、心配している。しかし、クラスでみどりに対するいじめが行われている事についてはまったく知らない。

義理の兄 (ギリノアニ)

若月みどりが7年間引き取られていた遠縁の家の息子。みどりにとっては義理の兄にあたる。みどりに性的な虐待をしたあげく、その映像をネットにあげて金儲けをしたり、みどりを脅迫して呼び出し、大勢で乱暴しようとしたりする。

孝子 (タカコ)

高校2年生の女子。若月みどりのクラスメイト。羽柴由鷹に片思いしており、みどりの存在を疎ましく思っている。みどりの裸の映像がHPで公開されている事を知り、みどりを陥れようと、相談を装って宮田玲子に話し、情報を拡散する。

庭師のおじさん (ニワシノオジサン)

若月みどりの通う高校で、庭師をしている初老の男性。薔薇の世話の仕方をみどりに教え、悩めるみどりの相談役にもなっている。冴えない風貌をしているが、とても優しく心が豊かな人物。

五島 弘光 (ゴシマ ヒロミツ)

若月みどりの実の父親。かつて若月蒼子とは内縁関係にあった。蒼子に対して暴力を振るい、蒼子とみどりに逃げられてしまう。蒼子とみどりを守ろうとする若月貴緒に対して逆恨みして、ストーカー行為を繰り返しており、最後にみどりに命令して若月家に放火させた。

若月 蒼子 (ワカツキ ソウコ)

若月みどりの母親。五島弘光と内縁関係を結んでみどりを授かるが、彼の暴力に耐えかねて家を出る。その後、幼なじみだった若月貴緒に助けられ、子連れ同士で再婚をするが、弘光の画策した放火によって焼死してしまう。秋の季節が大好きで、虫は嫌いだがこおろぎの鳴き声だけは好き。

若月 貴緒 (ワカツキ タカオ)

若月時緒の父親。妻を亡くしてから3年後に、かつての幼なじみである若月蒼子に再会する。内縁の夫の暴力に苦しんでいた蒼子を救い、再婚して幸せな家庭を築いた。だが、弘光の画策した放火によって焼死してしまう。

その他キーワード

オートマティック時計 (オートマティックトケイ)

若月時緒がロサンゼルスに住んでいた頃に、二階堂時宗と二階堂潔からプレゼントされた時計。振動によって自動的にネジが巻かれるシステムとなっており、長時間身につけていないと止まってしまう。時緒にとっては特別な時計で、お守りとして若月みどりに貸している。

書誌情報

エデンの花 全12巻 講談社〈講談社コミックスフレンドB〉 完結

第1巻

(2000年11月発行、 978-4063412123)

第2巻

(2001年2月発行、 978-4063412239)

第3巻

(2001年7月発行、 978-4063412437)

第4巻

(2001年10月発行、 978-4063412543)

第5巻

(2002年2月13日発行、 978-4063412710)

第6巻

(2002年6月13日発行、 978-4063412864)

第7巻

(2002年10月11日発行、 978-4063413083)

第8巻

(2003年2月13日発行、 978-4063413243)

第9巻

(2003年6月13日発行、 978-4063413410)

第10巻

(2003年10月10日発行、 978-4063413564)

第11巻

(2004年2月13日発行、 978-4063413748)

第12巻

(2004年6月11日発行、 978-4063413861)

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