エリカ

エリカ

楠本哲の代表作「エリカ」シリーズの第1作目。現代日本を舞台に、担任教師の青嶋一哉に異常な執着を抱く女子高校生、閉野恵里佳の心の闇と、その歪んだ愛情を描いた戦慄のサイコホラー。少年画報社「ヤングキング」2014年1月6日号から2014年9月1日号まで連載。続編として『エリカふたたび』がある。2025年8月に実写ドラマ化され、FODにて配信。恵里佳を茅島みずき、一哉を渡辺大和が演じている。

正式名称
エリカ
ふりがな
えりか
作者
ジャンル
ホラー
 
サスペンス
レーベル
YKコミックス(少年画報社)
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女子高校生の異常な執着愛が狂気と凶行を招くサイコホラー

本作は、一人の女子高校生が抱く異常な執着愛を描いたサイコホラー。物語は、臨時教師の一哉と、彼が担任する恵里佳との狂気じみた愛情と衝撃的な奇行が日々エスカレートし、一哉の平穏な日常や人生そのものを徐々に蝕んでいく様子を描いている。彼女の歪んだ執着心はやがて周囲の人々を巻き込み、凄惨な犯罪へと発展していくというショッキングな展開が見どころとなっている。

いじめ疑惑からストーカー化へ

県立湘雲高校に臨時教師として赴任した一哉は、2年B組の担任を任される。教頭から問題児、恵里佳の問題を解決できれば、本採用を検討すると持ちかけられた一哉は、彼女が抱える問題の調査に乗り出す。恵里佳は涙ながらに「いじめを受けている」と訴え、一哉はその言葉を信じて「君を守る」と約束する。しかし調査を進めても、いじめの確証は得られなかった。むしろ、クラスメイトたちが距離を置く原因は、恵里佳自身の異臭や感情の激しい起伏にあることが明らかになっていく。だが、一哉の善意は恵里佳に歪んだ形で伝わってしまう。この出来事をきっかけに、彼女は一哉に対して異常な執着を抱き、やがてストーカーとしての恐ろしい本性を現し始める。

エスカレートしていく狂気の行動

問題の原因が2年B組の生徒たちではなく、恵里佳自身にあることに気づき始めた矢先、彼女の異常な行動はさらにエスカレートする。ついに恵里佳は、婚約者と暮らす一哉の自宅にまで押しかけ、その狂気は彼の私生活にまで影響を及ぼし始める。一哉はその悩みを同僚の牛田に相談すると、牛田は暴力で恵里佳を従わせようとする。一哉が制止したことでその場は収まったものの、後日、牛田は頭部を激しく殴られた変死体で発見される。一哉は恵里佳が牛田を恨んで犯行に及んだのではないかと疑い、彼女の過去を探るため幼なじみに話を聞きに行く。そこで彼は、恵里佳に対する疑念と恐怖を決定的なものとする。凶行がエスカレートしていく中、恵里佳の呪縛から逃れようともがく一哉と、巻き込まれていく人々の運命から目が離せない。

登場人物・キャラクター

青嶋 一哉 (あおしま かずや)

県立湘雲高校に赴任してきた臨時教師の男性。2年B組の担任を務める。当初は、周囲から問題視されている恵里佳がいじめに遭っていると信じ込み、彼女を助けようと親身に接していた。しかし、その善意の行動が裏目に出て、恵里佳に歪んだ愛情と執着を抱かせるきっかけとなってしまう。それ以降、恵里佳の常軌を逸した行動に翻弄され、心身共に徐々に追い詰められていく。私生活では、綾という恋人と婚約している。

閉野 恵里佳 (しめの えりか)

県立湘雲高校2年B組に在籍する女子。不潔な長い髪と強い体臭に加え、激しい思い込みや感情の起伏からクラスメイトたちに避けられ、孤立している。両親はすでに他界し、現在はゴミに埋もれた悪臭漂う家で祖母と二人暮らしをしている。幼い頃に両親から受けた執拗な虐待が、彼女の人格形成に大きな歪みをもたらした。新しく担任となった一哉の優しさに触れたことで、彼に対して一方的で歪んだ愛情と執着を抱くようになる。その狂気じみた行動は次第にエスカレートし、やがて彼の婚約者をはじめ、周囲の人々にも危害を及ぼしていく。

書誌情報

エリカ 全1巻 少年画報社〈YKコミックス〉

第1巻

(2014-09-08発行、978-4785953959)

エリカ 新装版 少年画報社〈YKコミックス〉

全1巻

(2025-09-22発行、978-4785980313)

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