概要・あらすじ
平凡な少年イッキは、「やつらがやってくる」と何者かに呼びかけられる恐ろしい夢に悩まされていた。その夢は、イッキの額に星型のアザが現れ、超能力に目覚めて以来見るようになっていた。ある日、イッキは塾に向かう途中、母親から祖父が事故に遭ったと告げられ、ともに病院に向かうが、着いたのは廃墟だった。母親の正体は変身したガイ魔という怪物であり、自分たちを脅かす存在である超能力者たち「サイファー」を滅ぼすため、イッキを罠にかけたのだった。
絶体絶命の危機に陥ったイッキだが、そこに一匹の犬が助けに現れる。その犬・ウォンは、サイファーたちと心を通わせることができる竜犬族の生き残りで、夢の中でイッキに警告を発していたのも彼だったのだ。
イッキは、念動力でガイ魔と戦うものの、力が足りず追い詰められてしまう。しかし、ガイ魔が自分の母親を食い殺したことを知ると激昂し、一時的に真の力を発揮、ガイ魔を撃退した。ウォンからガイ魔の目的を聞いたイッキは、ともに戦う仲間たちを探すため、旅に出るのであった。
登場人物・キャラクター
諸星 一輝 (もろぼし いっき)
サイファーの少年。手を使わず、物体を動かしたり宙に浮かばせることができる、念動力(テレキネシス)の使い手。ある日、額に星型のアザが現れ、超能力に目覚めた。自分の力をまだ上手くコントロールできていないため、真の力は未知数。その未熟さゆえに、窮地に陥ることも多い。
ウォン
竜犬族(ドラゴンドッグ)の生き残り。二つの尾が特徴。竜犬族は人間がまだ原始人だったころに繁栄していたが、人間に味方したためガイ魔に滅ぼされてしまった。サイファーたちとはテレパシーで会話できるほか、幻覚投射能力を持つ。イッキの夢を通じて、ガイ魔が現れると警告を発していた。
姫野 ミカ (ひめの みか)
サイファーの少女。15歳。イッキが自分以外にはじめて出会ったサイファー。怪我や病気を治療することができる、治癒能力者(ヒーラー)。だが、死んだものを蘇らせることはできない。仲間を探していたイッキと出会い、行動をともにすることになる。星型のアザは、両手の手のひらにある。
炎 修太 (ほむら しゅうた)
サイファーの少年。幼稚園児。愛称は「チビ」。炎を操る、発火能力者(ファイヤースターター)。炎一族には代々この能力が受け継がれており、その中でも最も強いな力を持つとされる。シンの予知に従い、イッキたちをシンのもとに集めることを目的としていた。星型のアザは右腕に三つある。
イワン
巨漢のサイファー。テレパシー能力を持ち、人間の心を読むことができるほか、相手の心に直接語りかけることができる。しかし、望まずとも周囲の人間の心の声が聞こえてしまうため、心無い声に悩まされることもある。
シン
サイファーの老人。未来を予知することができる、予知能力者。だが、確定していない未来は予知することができない。ガイ魔王の復活を予知し、赤霧にイッキたちを呼び集めた。
尼蛭 (にひる)
サイファーの少年。瞬間移動することが出来る、テレポーター。ガイ魔に味方し、イッキたちと敵対する。捨て子で母の愛を知らず、育てられた施設でも超能力を疎んじられ虐められていたため、人間に対して強い恨みを抱いている。
バンディ
サイファーハンターのガイ魔。変身能力と怪力を持つ。変身するには細胞が必要となるため、相手を丸ごと捕食する。イッキの母親を食らって成りすまし、イッキを抹殺しようとした。
ヴォルク
サイファーハンターのガイ魔。精神操作(マインドコントロール)能力を持ち、人間を意のままに操ることができる。イッキの住む団地の住人を操り、イッキたちを襲撃させた。
ズゥ
サイファーハンターのガイ魔。無数のミミズのような姿をしている。生物や物質の中に潜りこみ、操ることができる。姫野ミカを狙って襲い掛かった。
フェイススパイダー
巨大なクモのようなガイ魔。人間を捕食し、自分の分身を育てる。食べた人間の顔は腹に浮かび上がり、うめき声をあげている。やがて顔は足が生え分離し、成長するとガイ魔となる。弱点は炎。心霊番組のロケに同行したイッキたちに襲い掛かり、番組クルーたちを惨殺した。
ガイ魔 (がいま)
地球に人類が現れる以前から存在していた生命体。人間の「恐怖」を糧としており、繁栄した人間を収穫するために、眠りから目覚め始めた。ガイ魔王を頂点にランクがあり、一番下のものはサイファーハンターと呼ばれ、脅威となりうるサイファーたちを抹殺してまわっている。
集団・組織
サイファー
サイコパワーを持つ超能力者の総称。英語表記は「PSYFER」。サイコパワーファイターの略称。能力に目覚めた者たちは、体のどこかに星型のアザがある。世界中に存在しており、ガイ魔たちに対抗する力を持つ。
場所
赤霧 (あかむ)
地下にガイ魔王が眠る町。シンはこの地にイッキたちを呼び集めた。「一万年に一度赤い霧が立ち込める時、地の底の魔物が目を覚ます」という伝説が伝わっている。前後の駅の名前が「羅武(らぶ)」と「蔵不戸(くらふど)」(H・P・ラヴクラフトのもじり)のため、クトゥルフ神話作品に登場する町「アーカム」が名前の由来と思われる。