エリスの聖杯

エリスの聖杯

常磐くじらの小説『エリスの聖杯』のコミカライズ作品。ある日、無実の罪を着せられ窮地に立たされた、誠実なだけが取り柄という平凡な少女のコンスタンス・グレイルは、希代の悪女として知られるスカーレット・カスティエルの亡霊に救われる。だがスカーレットはその見返りとして、コンスタンスに己の復讐を手伝うよう要求する。地味系少女が悪女の亡霊を相棒に、過去の真実を暴き、巨大な陰謀を打倒する姿を描いたミステリー群像劇。コミックス第1巻には本編の前日譚となる、原作者の常磐くじらによる書き下ろし小説「はじまりは春の嵐とともに」も収録されている。「マンガUP!」で2019年11月から配信の作品。

正式名称
エリスの聖杯
ふりがな
えりすのせいはい
原作者
常磐 くじら
作者
ジャンル
お化け・妖怪
 
サスペンス
関連商品
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あらすじ

第1巻

家訓である「誠実」だけが取り柄の地味で平凡な令嬢のコンスタンス・グレイルは、ある日、父親のパーシヴァル=エセル・グレイルが友人の連帯保証人になったばっかりに、実家が多額の借金を背負わされ、借金の肩代わりしてもらう代わりに、自分はブロンソン商会の嫡男であるニール・ブロンソンと婚約することとなった。コンスタンスは並の器量しか持たない自分には仕方ないこととあきらめ、彼と共にドミニク・ハームズワース主催の夜会に赴く。しかしそこでコンスタンスは、ニールの浮気現場を目撃してしまう。ニールの浮気相手であり、男爵令嬢であるパメラ・フランシスはコンスタンスを目障りと感じ、彼女を貶(おとし)めようと、ありもしない罪をでっちあげ、彼女を公衆の面前でつるし上げる。誰も助けてくれない状況の中、コンスタンスは絶望し、声にならない助けを呼ぶ声を上げる。その声に応えたのは、希代の悪女として知られ、10年前に斬首刑にされたはずのスカーレット・カスティエルの亡霊だった。不敵で不遜なスカーレットはコンスタンスの体を乗っ取り、巧みな話術と立ち回りでコンスタンスの身の潔白を証明してみせる。そしてスカーレットはコンスタンスとニールとの婚約を破棄し、パメラを逆につるし上げて夜会をあとにするのだった。

第2巻

一夜明け、目を覚ましたコンスタンス・グレイルが目にしたのは、自分に取り憑いたスカーレット・カスティエルの幽霊だった。傍若無人で、悪名通りの振る舞いを見せるスカーレットだが、処刑の原因となった王太子妃暗殺未遂事件だけは冤罪(えんざい)だったと訴える。スカーレットはコンスタンスを助けた見返りとして、己の冤罪を晴らし、真犯人に復讐するのを手伝うよう要求する。スカーレットがコンスタンスに借金返済の方法を教えると条件に提示したのもあり、コンスタンスは彼女の復讐に協力することを決める。スカーレットはまず情報を集めるため、コンスタンスにエミリア・ゴードウィンリリィ・オーラミュンデに連絡を取るように指示する。コンスタンスはエミリアの主催する舞踏会に参加するのを決めたが、リリィはすでに自殺していることをスカーレットに教え、リリィへの接触は不可能だと伝える。しかし、当人の人となりを知るスカーレットは、リリィの自殺には何かがあると確信。コンスタンスをシスターに変装させ、彼女の自殺現場であるオーラミュンデ家の礼拝堂に忍び込ませる。そして、そこでコンスタンスはリリィの隠した手紙を発見する。手紙には「エリスの聖杯を破壊せよ」という謎のメッセージと謎の鍵が同封されていた。そしてコンスタンスは帰り道、リリィの世話していた孤児院の子供たちから、リリィは生前自分の死を予期しており、「キリク・キリクク」という謎の呪文を遺していたことを伝えられる。

関連作品

小説

本作『エリスの聖杯』は、常磐くじらの小説『エリスの聖杯』を原作としている。内容は本作と同じく誠実なだけが取り柄の平凡な少女のコンスタンス・グレイルが、スカーレット・カスティエルの幽霊に助けられたのをきっかけにして、過去の陰謀に立ち向かい、真実を暴いていくミステリー群像劇となっている。原作小説は常磐くじらが「小説家になろう」に投稿していた作品で、GAノベルより刊行されている。イラストは夕薙が担当した。

登場人物・キャラクター

コンスタンス・グレイル

グレイル子爵家の令嬢。ハシバミ色の髪をボブに整えている。年齢は16歳。若草色の瞳をした少女で、素朴で地味な外見をしている。親しい人からは「コニー」の愛称で呼ばれる。家訓である「汝、誠実たれ」をモットーに平凡な生活を送ってきたが、父親がその家訓に従って生きてきた結果、借金の連帯保証人となり、実家は莫大な借金を背負わされ、借金の肩代わりに商人の息子であるニール・ブロンソンと婚約することとなる。ドミニク・ハームズワース主催の夜会で、パメラ・フランシスとニールの浮気現場を目撃したうえ、パメラに盗人の濡れ衣を着せられ孤立無援の窮地に陥る。絶望して心も屈しかけるが、スカーレット・カスティエルの亡霊の力を借りることで、己の冤罪を晴らしてニールとの婚約も解消した。その後、スカーレットの亡霊に付きまとわれることとなり、借金の返済を報酬に提示されたこともあり、彼女の冤罪を晴らすため奔走することとなる。迂闊(うかつ)で抜けた部分が多く、スカーレットの助けがなければウソも付けず、交渉も拙いものしかできない。自分でもなんの取り柄がないと思っているが、実は意外と精神的にタフで、困っている人を見捨てられないお人好し。スカーレットに無茶振りされることも多いが、必死に食らいつき、土壇場ではスカーレットの制止すら振り切って人に手を差し伸べている。

スカーレット・カスティエル

カスティエル公爵家の令嬢。10年前にセシリア王太子妃暗殺未遂の罪に問われて斬首刑に処され、現在は故人。享年は16歳。夜の帳のような艶やかな黒髪に、紫水晶のような美しい瞳を持つ美少女。スタイルもよく、その類まれな美貌で多くの人を魅了したのと同時に、その苛烈な性格で周囲を引っ搔き回したため、希代の悪女として10年経った今もその名が轟いている。実は暗殺未遂事件は彼女が行ったものではなく冤罪。無実の罪で殺されたのを心残りにして、幽霊として現世に留まっており、小宮殿でコンスタンス・グレイルが自分を見つけたのをきっかけにして、冤罪を晴らして真犯人に復讐を果たそうと目論む。夜会で危機に陥ったコンスタンスを、彼女の体を借り受けることで助け、その見返りとしてコンスタンスを手駒として扱っている。性格は苛烈、鮮烈、傍若無人を地でいく女王様気質で、暗殺未遂事件は冤罪だが、それ以外の世にはびこる悪評はほぼ事実。モットーは「お前のものは俺のもの。俺のものは俺のもの」。それゆえに敵が多かったが、記憶力に優れて処世術に長けていたため、傲岸不遜ながら誰よりも気高い彼女の在り方に魅了された者も多かった。また毒殺などのからめ手を「地味」と嫌い、敵対者は真っ向から叩き潰すのを好む。冤罪事件も当初は父親である公爵の力があればすぐに解放されると思っていたが、結果は処刑の決定。このことから事件の裏側については何一つ把握しておらず、断片的な情報からなんらかの陰謀があったと推測している。

ランドルフ・アルスター

王立憲兵隊に所属する貴族の青年。黒い髪に紺碧の瞳をした偉丈夫で、まじめで誠実な人柄をしている。「死神閣下」の異名を持つ優秀な人物で、まじめな性分から生前のスカーレット・カスティエルとは何かと敵対することが多く、彼女からはその能力の高さも併せて天敵の如く嫌われていた。アルスター家はリュシュリュワ公爵家の従属伯爵位で、公爵家の叙爵前の後継者に便宜上与えられる爵位となっている。本来は公爵家を継ぐ立場だが、現在は現公爵に頼み込み、敢えてアルスター姓を名乗っている。数年前にリリィ・オーラミュンデと結婚し夫婦となるが、わずか1年でリリィは自殺しており、当時は憶測からさまざまな好奇の目にさらされていた。シスターに変装してリリィの遺言を探しに来たコンスタンス・グレイルと偶然、遭遇する。わずかな所作の違和感からコンスタンスの正体を見抜き、彼女の動きに注視している。仕事一筋の堅物で、部下のカイル・ヒューズからは上司として頼りにされているが、根っこの部分は天然な性格をしており、ズレた言動が多いのを心配されている。

リリィ・オーラミュンデ

オーラミュンデ侯爵家の令嬢。プラチナブロンドを長く伸ばした美女。20代半ばで夭折し、現在は故人。慈善事業に尽力し、女性の社会進出を手助けしたため「博愛の白百合」の異名で呼ばれていた。公平公正な人物で、生前のスカーレット・カスティエルを諫め、彼女が気を許した唯一の友人といわれている。スカーレットが処刑されたあとは、その死を悼み、慈善活動に尽力した。しかしスカーレットによれば、「腹黒」「性悪」「陰険」で、恐ろしいほど頭が切れて計算高いと評されている。敵対者を真っ向から叩き潰しにいくスカーレットに対し、周囲の情報と印象を操作して敵対者の評判を下げて社会的に孤立させるのを得意とした。社交界での彼女の評判も、リリィ・オーラミュンデ自身が計算づくで作り出したもので、本性はかなり自分本位であったとされる。慈善事業にまつわる美談も女性の社会進出を目的とし、そのためにスカーレットの死を利用したのが真相だった。スカーレットの処刑から数年後、ランドルフ・アルスターと結婚し、彼の妻となる。その1年後、生家の礼拝堂で毒を仰いで自殺した。博愛の白百合という世間評と違い、本性は合理的で冷淡で神経が図太かかったため、間違っても自殺するような人物ではなかったとされ、その死には謎が多い。事実、己の死後に探りにきた人たちのためメッセージと謎の鍵を同封した手紙を自殺現場の礼拝堂に隠し、「キリク・キリクク」という謎の言葉を孤児院の子供たちに伝え、遺している。結婚したため正確にはアルスター姓だが、結婚して1年で亡くなったため、オーラミュンデ姓で呼ばれることが多い。オーラミュンデ家は信心深い家柄で、実家の礼拝堂も由緒正しいものだが、彼女自身は神というものにあまり傾倒しておらず、必要とあらば他者の信仰心すら利用している。

ケイト・ロレーヌ

ロレーヌ男爵家の令嬢。栗毛色の髪をしている。年齢は16歳。ふくよかな体型で、愛嬌のある顔立ちをした少女。コンスタンス・グレイルの友人で、親身になって彼女の相談に乗っている。実家のロレーヌ家は下士官から成りあがった比較的新興の貴族で、貴族としての位も低く、資金力も乏しい。兄弟姉妹も多い大家族であるため、ケイト・ロレーヌ自身も内職をして家族に貢献している。友人思いで、コンスタンスの様子が、スカーレット・カスティエルが取り憑いて以降おかしくなっているのに気づいているが、彼女が黙っているため深く追求せず、さり気なく彼女のミスをフォローしたりしている。

ニール・ブロンソン

ブロンソン商会の嫡男。コンスタンス・グレイルの婚約者。年齢は17歳。洒落っ気のある金髪の青年で、紳士的な性格をしているために女性からの評判はいい。コンスタンスと婚約したが家の事情という側面が強く、ニール・ブロンソン本人はパメラ・フランシスに熱を上げていた。浮気をしていたうえに、パメラの悪だくみに巻き込まれる形で醜聞をさらしてしまう。これによってコンスタンスからは婚約破棄をされ、教会からも風紀を乱したとされ謹慎処分を言い渡される。またその後、実家のブロンソン商会が貴族から執拗な嫌がらせを受ける羽目となり、それがコンスタンスからの報復だと誤解し、グレイル家に謝罪しにいく。コンスタンスから貴族の内情を聞いたことで誤解は解け、彼女から助言をもらい窮地を脱することに成功。コンスタンスに対してはかなり負い目を感じており、助言をもらった際には真摯に謝罪している。

パーシヴァル=エセル・グレイル

グレイル子爵家の当主を務める中年男性。コンスタンス・グレイルとパーシヴァル=レイリ・グレイルの父親で、アリア・グレイルの夫。家族思いで誠実実直な性格をしている。初代パーシヴァル・グレイルが家訓とした「汝、誠実たれ」という言葉を守り、誠実な生き方をしてきたが、友人に頼み込まれ怪しげな借金の保証人となってしまう。友人はすぐさま雲隠れし、残った借金の返済に追われるが、もともとは誠実な人柄で質素堅実な生活を心がけ、領地経営の利益もすぐさま領民に還元しているため、借金返済の目途は立たず途方に暮れることとなる。懇意にしている商人のダミアン・ブロンソンから、コンスタンスとニール・ブロンソンの婚約を提案される。娘の意思を最大限尊重したが、コンスタンスが父親の力になりたいと考え、婚約を受け入れたのもあり、苦渋の決断として婚約を受け入れる。コンスタンスが婚約破棄した際には怒り狂い、ニールのところに殴り込みに行こうとしたが、妻がなだめたことで事なきを得た。

パーシヴァル=レイリ・グレイル

コンスタンス・グレイルの弟。金色の髪に緑柱石色の瞳をした少年で、子供ならではの無邪気な性格をしている。母親似で容姿端麗。姉に懐いており、コンスタンスとニール・ブロンソンの婚約破棄を聞いた時は、ニールに憤慨していた。子供らしくよくも悪くも素直で、パーシヴァル=レイリ・グレイル自身に悪気はないが正直な感想でさり気なくコンスタンスを傷つけたりする。幼いながらグレイル家の家訓である「誠実」をモットーに、健気にがんばっている。

アリア・グレイル

コンスタンス・グレイルとパーシヴァル=レイリ・グレイルの母親で、パーシヴァル=エセル・グレイルの妻。金髪に翠(みどり)の瞳を持つ中年の女性で、上品な雰囲気を漂わせ、冷静沈着な性格をしている。実直だが直情的な夫を支える良妻で、彼が激高した際には冷静に正論を伝えて、彼を説得する。コンスタンスがニール・ブロンソンとの婚約を破棄した際にも、激高した夫をなだめ、トラブルを未然に防いでいる。

カイル・ヒューズ

王立憲兵隊に所属する青年。金髪に赤い瞳を持つ。軽薄な雰囲気を漂わせているが、仕事に関してはいっさい手を抜かない鉄人っぷりを見せる。その仕事っぷりは仲間たちから「悪魔のよう」と恐れられ、いつしか「顔だけはべらぼうによいけど中身はただの悪魔」と周囲に評価されるようになり、現在はそれが簡略化して「顔だけ悪魔」と呼ばれている。ランドルフ・アルスターの腹心の部下で、仕事に関してはお互いを信頼し合っているが、ランドルフの天然っぷりを心配しており、彼が奇行を起こした際には必死にそのフォローをしている。

エミリア・ゴードウィン

ゴードウィン男爵夫人。黄色に近い金髪の老齢な女性で、絢爛な衣装を身にまとっている。生前のスカーレット・カスティエルと顔見知りで、彼女を「毒婦」と断じつつも、誰よりも特別で気品があったとも評している。派手好きだが、センスが悪く、スカーレットによれば10年前から悪趣味だったとのこと。女性らしく好奇心旺盛でおしゃべり好き。また人の不幸が大好きで、貴族のゴシップネタを漁っているため、貴族でも有数の事情通となっている。スカーレットはエミリア・ゴードウィンならば10年前の事情を知っているだろうと判断し、コンスタンス・グレイルにエミリアの夜会に参加して情報を集めるように指示した。実は小心者で直感が鋭く、好奇心旺盛ながら危険には鼻が利く。

ドミニク・ハームズワース

ハームズワース子爵家の当主を務める中年男性。肥沃な大地を領地に持つため国内でも有数の資産家で、金に物を言わせて放蕩三昧をしており、かなりでっぷりとした体型をしている。貴族の中でもかなり特異な経緯で当主となっており、末っ子だったため教会に入れられていたが、流行り病で先代当主と継承権を持つ兄たちがすべて亡くなる。このため国内でも珍しい、貴族当主と聖職者を兼任するという立場になっている。公然の秘密になるほど自堕落な生活を続けているが、教会に多額の喜捨を行うことで破門を免れている。小宮殿で夜会を主催した。コンスタンス・グレイルのニール・ブロンソンとの婚約破棄の申し出を受け入れ、その手続きを行った。

パメラ・フランシス

フランシス男爵家の令嬢。白金色の髪をエアリーボブにセットした少女。自らの優れた容姿を認識しており、それを活かす術を身につけている自信家。実家のフランシス男爵家は鉱山を所有し、鉱石の取引で財を成しているため、かなり裕福。頭の回転も速く、同年代の少年少女を手玉に取り、取り巻きを侍らせて、その中心的存在として君臨している。男遊びも激しく、舞踏会のたびに連れている男性を変えているほど。今はニール・ブロンソンがお気に入りで、パメラ・フランシス自身とは対極の地味なコンスタンス・グレイルに強い嫉妬心を抱き、彼女からニールを掠(かす)め取ろうと考えている。ブレンダ・ハリスを使ってコンスタンスに窃盗犯の濡れ衣を着せ、彼女をニールと公衆の面前で弾劾する。一時は優位に立つが、スカーレット・カスティエルがコンスタンスに力を貸したことで逆転され、己の罪を暴かれ社交界で完全に孤立する。自分なら社交界の貴族たちも手玉に取れると思っていたが、自分が目にしていた社交界が表面上のものでしかなく、社交界で悪目立ちした者がどのような目に遭うのか身をもって味わう。相当恐ろしい目に遭ったらしく、その後、恐ろしさのあまり髪の毛が老婆のように真っ白になったと噂されている。

ブレンダ・ハリス

パメラ・フランシスの取り巻きの令嬢。栗毛色の髪をした年若い少女で、内気でおとなしそうな雰囲気を漂わせている。良識と常識を持ち合わせているが、気が弱いためパメラに逆らうことができず、彼女の言いなりとなっている。ドミニク・ハームズワースの主催した夜会で、パメラの命令でコンスタンス・グレイルに髪飾りを預けるが、そのせいでコンスタンスが髪飾りを盗んだと濡れ衣を着せられてしまう。コンスタンスに対して強い罪悪感を抱いていたが、気が弱いため言い出せず、パメラの暴虐を見て見ぬフリをした。その後、コンスタンスの逆転劇を目撃。実際にはスカーレット・カスティエルがコンスタンスの口を借りてしゃべっていたが、ブレンダ・ハリスはそれを知らないためにコンスタンスが自分の事情を理解しながら、自分を許してくれたと感じ、彼女に多大な恩義を感じるようになる。

ダミアン・ブロンソン

ブロンソン商会の当主を務める中年男性。ヒゲを生やし、ふくよかな体型をしている。ブロンソン家は貴族を相手に三代商売を続けた老舗商会で、貴族ではないが準男爵位を持つ。商売の新しい伝(つて)を手に入れるのを目的として、借金で困るパーシヴァル=エセル・グレイルに、グレイルの娘であるコンスタンス・グレイルとダミアン・ブロンソン自身の息子であるニール・ブロンソンとの結婚を提案する。ニールの浮気でコンスタンスとの婚約が破棄され、醜聞が貴族間に出回ったため、いくつかの大口取引が破談となる。

場所

小宮殿 (ぐらんめりるあん)

国王夫妻が住むモルダバイド宮殿の庭園内にある娯楽用の施設。費用は高く、制約は多いものの貴族ならば借り受けることが可能で、ドミニク・ハームズワースは有り余る資金力に物を言わせて借り受け、夜会を開いている。10年前、王太子がスカーレット・カスティエルを断罪して婚約破棄し、現王太子妃との婚約成立を宣言した場所で、国内の貴族令嬢たちからは愛の巡礼地として見られている。

アデルバイド

コンスタンス・グレイルたちが住む王国。アデルバイドは大陸東部に位置する国家で、かつて大陸に存在した巨大国家「大ファリス帝国」の一領土だった。それが1000年ほど前、大陸が乱世に突入したのをきっかけにして、大公が自治権をもぎ取り「東ファリス公国」を興す。そして数百年前、帝国の弱体化を機に時の大公、アマデウスが新王を名乗り、独立を宣言して国名を「アデルバイド」と改めた。このため、文化や言語は大ファリス帝国の流れを組んでおり、今もその流れを組む国とは文化面などで共通点が多い。

その他キーワード

エリスの聖杯 (えりすのせいはい)

リリィ・オーラミュンデがメッセージに遺していた謎の言葉。「エリスの聖杯」はアデルバイドの前身となった大ファリス帝国に伝わる「ファリス神話」にその存在を語られており、争いと滅亡をもたらす女神、エリスが持つ聖なる杯で、繁栄と祝福をもたらすとされる。リリィの指す「エリスの聖杯」が何を指すかは不明だが、リリィは「エリスの聖杯を破壊しろ」というメッセージを残し亡くなっている。スカーレット・カスティエルはリリィの性格からエリスの聖杯が単純な物品ではないと推測している。

クレジット

原作

常磐 くじら

キャラクター原案

夕薙

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