エンドロールは君と

エンドロールは君と

かつて天才子役と知られた向井あまねは、過去のトラウマから二度と演技をしないと決めていた。しかし、若手人気俳優の坂登倖成との再会をきっかけに、あまねは再び演技の世界へと戻ることとなる。あまねとライバル関係にある倖成とのあいだに芽生えた恋心を描いたラブストーリー。「花とゆめ」2021年19号から2022年12号にかけて掲載された作品。

正式名称
エンドロールは君と
ふりがな
えんどろーるはきみと
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
花とゆめコミックス(白泉社)
巻数
既刊2巻
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あらすじ

芸能界への復帰

かつて天才子役としてテレビでも大活躍していた向井あまねは、仕事中に母親が事故に遭ったことをきっかけに、演技ができなくなってしまう。そのまま追われるように芸能界を引退したあまねは、父親が経営する芸能事務所に出入りはしているものの、復帰する気持ちはまったくなかった。そんな中、父親が経営する芸能事務所に、人気若手俳優の坂登倖成が移籍してくる。子役時代から芸能界に籍を置く倖成は、幼い頃に急遽(きゅうきょ)降板したあまねの代役を務めることが多く、彼女と比較され続けたことに悔しい思いを抱いていた。倖成はもう一度あまねを表舞台に立たせて、彼女と正当な勝負をしたいと願う倖成は、強引にあまねを女優業へと復帰させようと画策。最初は難色を示していたあまねだったが、星野みくとのミュージカル出演や倖成との共演を果たし、もっと演技がうまくなりたいと情熱が湧いてくる。そして、自らの可能性を引き出してくれた倖成に対して、あまねは特別な感情を抱くようになる。

あまねと倖成のそれぞれの道

向井あまねは与えられた役柄を完璧にこなす女優として、演劇やドラマと各方面から声がかかるようになる。そんなある日、ドラマの現場であまねは明石と出会う。俳優の仕事はあくまで自分の魅力を引き出す手段としか考えていない明石は、演技に一生懸命に取り組むあまねに否定的な立場を取る。しかし、撮影現場で見せたあまねのプロの技量を目の当たりにした明石は、彼女のことをすっかり気に入り、何かと絡むようになる。そして、明石はあまねを自らが所属している大手芸能事務所に入らないかと誘い、あまねも整えられた環境でゼロから演技の勉強をするため、移籍を決意する。あまねは天才的な演技力を持つ神崎との出会いや、小笠原からの叱咤(しった)激励でますます技術に磨きをかけていく。そんな中、あまねや坂登倖成、神崎はミュージカル『オズの魔法使い』への出演が決まる。そしてあまねは、倖成が海外留学を検討していることを知ることとなる。

登場人物・キャラクター

向井 あまね (むかい あまね)

幼い頃に子役として活躍していた女子高校生。父親は芸能事務所を経営している。母親の事故をきっかけに演技ができなくなり、そのまま引退した。子役として一時は多くのテレビに出演していたこともあり、今でもその活躍を覚えている人もわずかながらいる。ふだんはごく平凡な少女ながら、舞台上では抜群の演技力と華を持つ表現者となる。もう二度と芸能界に戻るつもりはなかったものの、父親の芸能事務所に強引に移籍してきた人気俳優の坂登倖成の後押しもあり、演技の世界へと戻ることとなる。また、倖成と同じ時間を過ごすうちに、彼のことを一人の異性として意識するようになる。

坂登 倖成 (さかと こうせい)

若い女性を中心に人気を集める実力派の男性俳優。芸歴は長く、子役時代から活動している。以前は大手芸能事務所に所属していたが、子役時代に坂登倖成自身がライバル視していた向井あまねの父親が経営している事務所があると知り、強引に移籍したことであまねと再会する。駆け出しの子役として活動していた頃、当時人気を誇っていたあまねが突然引退してしまった。そのあまねの穴埋め役に指名され、彼女の演技と比較され続けた悔しさが忘れられずにいる。そのため、あまねに再び演技の世界に立ってもらい、公平な立場で周囲の評価を受けることを望んでいる。あまねに対して強烈なライバル心を抱いている一方で、彼女の実力を誰よりも認めている。

星野 みく (ほしの みく)

子役として第一線で活躍している女子小学生。向井あまねの芸能界復帰初のミュージカルで共演したことであまねと知り合いになる。幼いためにあまねが子役として活躍していたことを知らない。周囲から子役時代のあまねが突然演技ができなくなり、仕事をすべてキャンセルして引退したと聞かされており、出会った当初はプロ意識のない女性だと軽蔑していた。しかし、あまねの完璧な演技を目の当たりにして考えを改め、以降彼女のことを認めている。見た目は儚(はかな)げな美少女だが、非常にストイックで気が強い。

明石 (あかし)

人気モデルの青年。SNSに投稿した際、神崎と同じ大手芸能事務所にスカウトされた過去を持つ。最近は事務所の後押しを受けて俳優業にも挑戦しており、インターネット配信ドラマで向井あまねと共演したことで、彼女と知り合った。俳優として活躍したいというよりも、芸能界で輝きたい気持ちが強く、自分の魅力を引き出す役しか引き受けない。そのため、芸能関係者からは生意気だと思われているものの、明石自身はまったく気にしていない。

神崎 (かんざき)

明石と同じ大手芸能事務所に所属している若手女優。向井あまねと共にミュージカル『オズの魔法使い』に出演することになり、あまねと知り合った。ふだんは喜怒哀楽を表に出さないミステリアスな女性ながら、演技になると別人のように変貌する。抜群の演技力で台本どおりにこなすのではなく、自分にしか演じられない役柄を憑依(ひょうい)させる能力があり、小笠原からも高く評価されている。その一方で協調性はまったくなく、単独行動を好む。あまねや坂登倖成にサインをもらおうとするなど、ミーハーなところがある。

小笠原 (おがさわら)

ドラマや映画、ミュージカルなど多方面で活躍している男性。向井あまねの芸能界復帰初となるミュージカルの監督を務めたことで、彼女と知り合った。あまねの優れた才能をすぐに見抜き、ミュージカル後もたびたび指名している。ふだんはつかみどころのないマイペースな性格ながら、仕事に対しては妥協をいっさい許さない厳しさを持つ。

書誌情報

エンドロールは君と 2巻 白泉社〈花とゆめコミックス〉

第2巻

(2022-07-20発行、 978-4592224143)

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