概要・あらすじ
航空自衛隊のF-15戦闘機が謎の墜落を遂げ、消息を絶った。警察公安部は、パイロットが残した最後の言葉「ODYSSEY」に事件を解く鍵があると考え、極秘裏に捜査を開始。元公安部の新美は、事件の裏にかつて自分が関わった国家プロジェクトODISSEYが関係しているのではと考え、独自に調べ始める。
登場人物・キャラクター
新美 (にいみ)
もとは警察公安部のエースだったが、義兄の神保の死をきっかけに警察を辞め、妻の里子と2人で問題児向けのフリースクールを始めた。かつて関わっていたODYSSEY計画が再び動き出したことを知り、計画をその目で確かめるため、西アフリカのバナンガへ飛ぶ。そしてそれがきっかけで、日米を揺るがす巨大な陰謀に巻き込まれていく。
石津 充明 (いしづ みつあき)
防衛庁の国際担当参事官。新美と共にODYSSEY計画を立案した。日本の将来を憂え、日本を「真の独立国」とするため、ODYSSEYを実行に移す。新美にODYSSEYが動き出したことを教え、その第一歩に立ち会わせるため、西アフリカのバナンガへ送る。
加倉 (かくら)
元商社マンの闇商人。西アフリカのバナンガで、国連からの救援物資をブラックマーケットに流している。恋人は元新聞記者のファウロ。石津の協力者で、ODYSSEY計画に力を貸す。金目的で反政府ゲリラに誘拐されるが、新美によって助け出される。
ファウロ
加倉の恋人。元新聞記者。反政府ゲリラにさらわれた加倉を、新美と共に命がけで助け出した。加倉と共にMIUの動向を探っていたが、グールの手にかかり殺される。
ウォルター・シュミット (うぉるたーしゅみっと)
MIU(全米軍事産業連合会)の会長。政界に強い影響力を持ち、その力はアメリカ大統領にも及ぶ。自分たちの利益のために、ODYSSEY計画を利用しようとする。
グール
MIU会長ウォルター・シュミットの部下。殺しなどの裏仕事が専門で、MIUの陰謀を探ろうとする新美たちの抹殺を図る。冷酷なプロで、任務のためなら自分の顔を切り裂くこともいとわない。
ウイリアム・クランプ (ういりあむくらんぷ)
現役のアメリカ大統領。新美を通してODYSSEY計画の存在、そしてMIUの陰謀を知る。MIU会長ウォルター・シュミットから次期当選をエサに協力を迫られるが、政治家としての信念を貫き、その申し出を断る。
スレンジャー
新美のハーバード大学時代の恩師。アメリカ大統領ウイリアム・クランプも教え子のひとりで、彼の相談役も務めている。MIUの陰謀を阻止するため、新美とウイリアム・クランプを引き合わせた。
神保 (じんぼ)
新美の妻、里子の兄。検察庁のキャリアだったが、大物の逮捕を狙っていた公安外事課に囮にされ、殉職した。この事件が新美は警察を辞めるきっかけとなった。
島松 吾一 (しままつ ごいち)
日本国首相。石津の考えに賛同し、ODYSSEY計画の実現に力を貸す。
倉重 大観 (くらしげ たいかん)
日本の政界を裏から操るフィクサー。MIU会長のウォルター・シュミットと手を組み、ODYSSEY計画を自分たちの利益のために利用としようとする。
有馬 (ありま)
通産省の官僚。新美と共にODYSSEY計画を立案したメンバーのひとり。経済大国として復活することが日本のためだと信じ、同じくメンバーである稲垣と共に石津を裏切り、新たなODYSSEYを実行に移す。
中道 (なかみち)
自衛隊の隊員。階級は三佐。ODYSSEY計画の実行役だったが、石津を裏切り、有馬・稲垣側に付く。
その他キーワード
ODYSSEY (おでっせい)
『オデッセイ』に登場するキーワード。新美を含む5人の若手エリート官僚が考えた日本復活のためのシナリオ。2000年に日米安全保障条約がアメリカ側から破棄された場合に備え、アメリカから自立した日本を目指すことを目的とする。その第一歩として、自衛隊の武力行使を国の内外に認めさせようとした。
クレジット
- 原作