作品の概要
基本情報
菅野文の代表作。
要旨と舞台設定
銀百合学園高校を舞台に、眉目秀麗で剣道・柔道・空手の達人でありながら、内面では料理や裁縫、少女漫画を愛好する「オトメン(乙男)」の男子高校生、飛鳥の学園生活を描いた物語。
ストーリー展開
飛鳥は学内で「男の中の男」としてあこがれられる存在だったが、実は乙女チックな趣味を持つという秘密を抱えていた。そんなある日、飛鳥は同じ高校に通う男気あふれる女子、りょうに一目惚(ぼ)れしてしまう。りょうとの関係を深めていく中で、飛鳥は自身の乙女的な側面がより強くなっていくことを自覚する。さらに、彼の周囲には同じオトメンである仲間たちが集まり、彼らは互いの秘密を共有しながら友情を育んでいく。
ジャンル的特徴と位置づけ
本作は、学園もの、青春もの、ラブコメディの要素を併せ持つ少女漫画。男性キャラクターの内面描写に重点を置き、ジェンダーの逆転を軸とした展開が特徴となっている。従来の男性像と女性像の境界を曖昧にすることで、男らしさや女らしさといった性別に関する固定観念を問い直している。
作品固有の表現技法と特徴
作中では、飛鳥の二面性を視覚的に表現するため、男らしい外見と乙女的な行動を対比させる手法が用いられている。特に、料理や手芸のシーンを詳細に描くことで、彼の乙女的な側面が強調されている。また、各話完結を基本としながら作品全体が飛鳥の成長物語として構成されており、キャラクターたちの心理変化が段階的に描写されている。
世界観の構築と設定
作品世界は、現代日本の高校を舞台としつつ、オトメンという存在が受け入れられる可能性を持つ社会として設定されている。学園内では、伝統的な性別役割を重視する価値観と、多様性を認める価値観が対立しており、この対立が物語の推進力となっている。また、家庭環境や社会的期待といった外的要因も、キャラクターたちの行動に影響を与えている。
社会的影響
本作のタイトルでもある「オトメン(乙男)」という言葉は、2009年に「新語・流行語大賞」の候補に選ばれた。
連載状況
白泉社「別冊花とゆめ」2006年5月号から2013年1月号まで連載。
メディアミックス情報
テレビドラマ
2009年8月から11月までフジテレビ系列にて放送。
あらすじ
登場人物・キャラクター
正宗 飛鳥 (まさむね あすか)
銀百合学園高校に通う高校2年生。高校では剣道部に所属し、主将を務める。母親、正宗浄美の影響で、武道にたけ、弱いものを助けるなど男らしく育つものの、実は料理や裁縫が得意で、少女漫画を愛読する乙女のような性格の持ち主。怖いものが苦手。都塚りょうとつきあっている。橘充太が幸花ジュエルの名義で描いている少女漫画『らぶちっく』の愛読者。
都塚 りょう (とづか りょう)
銀百合学園高校に通う高校2年生。見た目はかわいいが「本物の益荒男」と称されるほど男っぽい性格。警察官の父親の影響で正義感も強く、父親からあらゆる格闘技を教えられている。だが、裁縫や料理など女の子らしいことは苦手。『オトメン(乙男)』の主人公、正宗飛鳥を「守りたい」「かわいい」といい、つきあうことになる。
橘 充太 (たちばな じゅうた)
銀百合学園高校に通う高校2年生で、正宗飛鳥や都塚りょうの同級生。正宗飛鳥と対称的に、女性との付き合いも多い、軟派なタイプ。正宗飛鳥が愛読する少女マンガ『らぶちっく』の作者幸花ジュエルと言う顔も持つ。『らぶちっく』の展開を進めるため、正宗飛鳥と、都塚りょうの仲がうまくいくように手助けしようとする。
多武峰 一 (とうのみ はじめ)
金原高校に通う2年生。学校では生徒会長を務める。正宗飛鳥とは剣道のライバル。実は、メークが得意でプロ顔向けの腕前。政治家の父親にメークを捨てるように言われるが、『オトメン(乙男)』の主人公、正宗飛鳥の影響で、メークの道に進むことを決める。
黒川 樹虎 (くろかわ きとら)
実家は園芸農家で、現在生花店を営む叔母夫婦の家に住む。花が大好きな「オトメン」で、自称「花の伝道師」。ことあるごとに場所や人を花で飾ろうとする。
正宗 浄美 (まさむね きよみ)
『オトメン(乙男)』の主人公、正宗飛鳥の母親。マサムネインターナショナルの社長と銀百合学園高校の理事長を兼務する。夫の正宗広海が「女性になりたい」といって家を出た反動で、息子の正宗飛鳥を「男らしく」育てようとする。
集団・組織
銀百合学園高校 (ぎんゆりがくえんこうこう)
『オトメン(乙男)』の主人公、正宗飛鳥らが通う高校。正宗飛鳥の母親、正宗浄美が理事長を務める。
場所
パティスリヴィオレ
『オトメン(乙男)』の主人公、正宗飛鳥らが通う高校の近くにあるケーキショップ。訪れた人の気持ちにあったケーキを作ってくれる。イートインスペースが個室になっている。店長は正宗飛鳥の父親、正宗広海。
書誌情報
オトメン : 乙男 13巻 白泉社〈花とゆめcomics〉
ダイ14カン
(2012-01-01発行、978-4592192244)
ダイ15カン
(2012-04-01発行、978-4592194316)
ダイ16カン
(2012-09-01発行、978-4592194323)
ダイ18カン
(2013-01-01発行、978-4592194347)
ダイ17カン
(2013-01-01発行、978-4592194330)
第1巻
(2007-01-01発行、978-4592184140)
第2巻
(2007-05-01発行、978-4592184157)
第3巻
(2007-09-01発行、978-4592184164)
第4巻
(2007-12-01発行、978-4592184171)
第5巻
(2008-04-01発行、978-4592184188)
第6巻
(2008-08-01発行、978-4592184195)
第7巻
(2009-03-01発行、978-4592187370)
第8巻
(2009-07-01発行、978-4592187387)
第9巻
(2009-09-01発行、978-4592187394)
第10巻
(2010-02-01発行、978-4592192008)
第11巻
(2010-09-01発行、978-4592192213)
第12巻
(2011-02-01発行、978-4592192220)
第13巻
(2011-08-01発行、978-4592192237)







