概要・あらすじ
中年の主婦小畑絹代は、娘の小畑聖子や息子の小畑ミノルの嘆きもよそに、今日も自らの欲望に正直に生きている。バーゲンに行けば、目の色を変えて商品に殺到し、自動車を運転すれば交通ルールも何のその。
家では横になり、煎餅をかじりながら、TVを鑑賞。そんな妻に、気の弱い夫の小畑良夫は尻に敷かれっぱなし。そして、小畑絹代は友人の広江や小百合と共に噂話や陰口に余念が無い。そんな小畑絹代を、人はオバタリアンと呼んだ。
登場人物・キャラクター
小畑 絹代 (おばた きぬよ)
大仏パーマのヘアスタイルと中年太りな体型が特徴的な女性。会社員の夫小畑良夫、女学生の娘小畑聖子、小学生の息子小畑ミノルと暮らす専業主婦。性格は大雑把で傍若無人、欲深く、嫉妬深く、ゴシップ好き。 バーゲンに目が無く、人混みをなぎ倒しながら目当ての商品に突進する。自宅ではゴロゴロしながら、TV三昧。友人の広江や小百合と共に、人の噂話に花を咲かせている。いわゆる傍若無人な中年女性を指すオバタリアンの代表格と言える存在。
小畑 ミノル (おばた みのる)
小畑絹代の息子の小学生。母の言動には常日頃から頭を痛めており、学校の授業参観に来てほしくない一心で通知文を見せなかった。
道子 (みちこ)
小畑絹代の家の隣に引っ越してきた、若夫婦の妻。新婚ホヤホヤで夫の邦彦をクニちゃんと呼ぶ相思相愛の関係。しかし、小畑絹代の言動のために夫が浮気していると誤解し、家出してしまった。その間、小畑絹代と行動を共にし、オバタリアンへと感化されていく。
小百合 (さゆり)
小畑絹代の友人である中年女性。痩せ型で三角の形にパーマをかけた髪型と三角フレームの眼鏡がトレードマーク。いつも道端で、小畑絹代や友人の広江と共に噂話に興じている。
小畑 聖子 (おばた せいこ)
小畑絹代の娘の女学生。母親の言動に眉をひそめる事もしばしばという常識人の少女。好きな男子学生がいたが、母のせいで幻滅され、その恋は終わった。
広江 (ひろえ)
小畑絹代の友人である中年女性。ぽっちゃりした体型と髪を後ろで団子状に束ねたヘアースタイルが特徴。いつも道端で、小畑絹代や友人の小百合と共に噂話に興じている。
オバタリアン
『オバタリアン』に登場する言葉。傍若無人な中年女性を指す俗語。小畑 絹代やその友人の広江、小百合などが代表格。最も好むものの一つである衣料品のバーゲンには、道路を埋め尽くすほどの大群で押し寄せる。
パワーズ1号 (ぱわーずいちごう)
『オバタリアン』に登場するロボット。自らが開発したタイムマシンで歴史を調査し、過去でも未来でも傍若無人な中年女性オバタリアンが跋扈する状況に衝撃を受けたパワーズ博士が、人類文明を守るために開発した戦闘ロボット。 黄色く、格闘家のようないかついボディを持つ。衣料品店のバーゲンの殺到するオバタリアンの群れの前に立ち塞がるが、その欲望のパワーの前にあえなく粉砕された。
小畑 良夫 (おたば よしお)
小畑絹代の夫。眼鏡をかけ、痩せた中年の会社員であり、気が弱いので押し出しの強い妻に完全に尻に敷かれている。妻の巻き起こす騒動の被害者になる事も多々で、気の休まらない日々が続いている。
邦彦 (くにひこ)
小畑絹代の家の隣に引っ越してきた、若夫婦の夫。新婚ホヤホヤで妻の道子をミッチャンと呼ぶ相思相愛の関係。しかし、小畑絹代の言動に振り回されて、妻からは浮気をしていると誤解され、夫婦の危機に陥った。
パワーズ博士 (ぱわーずはかせ)
東京都練馬区に住み、文明人類研究所という施設を運営している科学者。名前は欧米人風だが、容貌は日本人に見える、白髪交じりの黒髪と髭が生えた、中年の男性。タイムマシンを開発して、未来や過去へ調査に出かけるが行く先々で傍若無人な中年女性オバタリアンが跋扈している事に衝撃を受け、人類の文明を守るために戦闘ロボットパワーズ1号を開発。 打倒オバタリアンを目指す。
エンマ大王 (えんまだいおう)
喉に餅を詰まらせて死んだ小畑絹代が日頃の行いのために堕ちてきた地獄の支配者。罰として苦役を課すが、逆に怒った小畑絹代が亡者達を糾合して労働組合を結成。ストライキを始めたために、対応に苦慮し、現世に送り返した。
その他キーワード
タイムマシン
『オバタリアン』に登場する乗り物。人類の文明を研究している科学者パワーズ博士が開発した、時空を移動する乗り物。ポットのような形状をしており、一人乗り。歴史の調査のためにパワーズ博士が時空を旅するが、100年後の核戦争で崩壊した世界でも、太古のエデンの園でもオバタリアンが跋扈している状況を目の当たりにする。