概要・あらすじ
大阪の下町に住む渡辺直美は、腰を痛めた夫・渡辺和彦の分まで、トラックでの運送業に精を出す日々を送っていたが、息子の渡辺健太の様子が、最近ちょっとおかしいことに気づく。和彦は「難しい年ごろだから」と、あまりキツく叱らないよう直美を諫めるが、直美は、たまに財布からお金がなくなることがあると、夫に打ち明ける。
翌日も仕事に精を出す直美だったが、息子の健太は不良グループに金をせびられ、万札を持ってこいと殴られていた。そこに現れた和彦は、息子を助けようと、松葉づえを振りかざして不良グループに立ち向かうが、逆に袋叩きに遭ってしまう。すると轟音とともにトラックが現れ、飛び込んで来たのは布団叩きを手にした直美だった。
登場人物・キャラクター
渡辺 直美 (わたなべ なおみ)
パンチパーマにヒョウ柄ファッションの「大阪のオバハン」。夫の渡辺和彦、息子の渡辺健太と3人で暮らしている。下町の長屋住まいで、運送業「娯楽運送」を夫婦で経営している。顔はいかついが、困った人を放って置けない人情味溢れる人柄で、悪人には布団叩きを手に立ち向かう。「オバハンはお節介やいてナンボ」が信条で、同じ長屋のオバハン仲間との連携プレーを得意とする。
渡辺 和彦 (わたなべ かずひこ)
妻の渡辺直美と運送業「娯楽運送」を経営する中年男性。家族に危険が迫ると、身を挺して家族を守ろうとする男気溢れる性格。直美が悪党に立ち向かう時は、いつも彼女のアシストに徹する。息子の渡辺健太には結構甘い。
渡辺 健太 (わたなべ けんた)
渡辺直美と渡辺和彦の息子。高校生の男の子。たまに生意気な態度をとり悪態をつくが、両親の銀婚式には銀メッキの指輪をプレゼントするなど、家族想いの優しい性格。あかんたれ(弱虫)な性格でよく泣いている。暇さえあれば自慰行為ばかりしているため、直美には「ヘンズリ」と呼ばれている。
今橋 (いまはし)
渡辺直美の近所に住む中年女性。長屋のオバハン仲間の1人。岩田とともに直美と行動をすることが多い。デパートのバーゲンセールに命をかけている。「服なんか買う余裕がない」という直美に、「そんなこと言うとったら女がいっぺんに腐る」と言って、デパートへと連れ出す。ゼブラ柄の服を愛用している。
岩田 (いわた)
渡辺直美の近所に住む中年女性。長屋のオバハン仲間の1人。今橋とともに直美と行動することが多い。自慢の巨乳を持ちネタにしている。メガネをかけ、ライオンの顔がプリントされた服を愛用している。
美咲 (みさき)
渡辺健太が小さい頃に好きだった女の子。今はナイスバディの美少女。渡辺直美と銭湯で久々に出会うが、直美の湯上り姿を目にし、「私も20年後はあんなんになってまうんかな」と密かに涙ぐむ。バレンタインチョコを健太の友達に渡して、と健太に頼む非情な一面もある。
老婆 (ろうば)
第2話、第3話に登場する。ひったくりに遭って骨折した身寄りのない老婆。渡辺直美に説教されて改心し、見舞いに訪れたひったくり犯に、「かわいそうになあ、年金暮らしで、気持ちしかあげられへんけど」と小遣いをあげる心優しい女性。
ひったくり犯 (ひったくりはん)
第2話、第3話に登場する。老婆からバッグをひったくる現場を、渡辺直美に目撃された中学生の男子2人組。直美のトラックに追い詰められ、直美と乱闘になってナイフで応戦しようとする。警察に捕まった後は改心し、ひったくりした時に怪我をさせてしまった老婆を見舞いに訪れる。
川口 翔太 (かわぐち しょうた)
第4話、第5話に登場する。渡辺直美の隣に引っ越して来た少年。ほっぺにアザがあり、直美に虐待を疑われている。直美が長屋のオバハン仲間とともに、川口家に乱入した際には、川口の妻がいじめられていると思い、「ママばいじめんな」と直美たちに立ち向かった。
川口 (かわぐち)
第4話、第5話に登場する。川口翔太の父親で、無職の若い男性。九州出身で大阪にやって来たが、派遣切りに遭って寮から追い出された。仕事が見つからない日々のストレスから、翔太を虐待するようになる。虐待の現場を押さえた渡辺直美と長屋のオバハン仲間にやり込められてしまう。
川口の妻 (かわぐちのつま)
第4話、第5話に登場する。川口翔太の若い母親。九州出身で川口と翔太とともに大阪にやって来た。夫が派遣切りに遭い、誰にも相談できずに、そのストレスのはけ口として翔太を虐待していた。母親として未熟だが根は優しく、最終的には渡辺直美にその事実を打ち明ける。
トラ柄の中年女性 (とらがらのちゅうねんじょせい)
第7話に登場する。トラ柄の派手な服を着た中年女性。駐車禁止の場所に自転車を止めたことを渡辺直美に注意され、「おまえみたいなオバハンがおるから大阪のイメージが悪なるんじゃ」とお互いに罵り合う。根は善人で、直美とともに道で倒れていた佐伯を助けた。
佐伯 (さえき)
第7話に登場する。渡辺直美とトラ柄の中年女性の口喧嘩の最中に、道端で倒れた老齢の男性。直美がトラックで駐禁自転車を跳ね飛ばし、救急車が道を通れるようしたおかげで一命を取り留めた。のちに、弁護士と名乗って直美を訪ねてくる。
大型トラックの男性 (おおがたとらっくのだんせい)
第9話に登場する。大型トラックを運転していた、やや気弱な中年男性。居眠り運転で危険な走行をしていた時に、渡辺直美が布団叩きをフロントガラスに投げつけたため、ようやく目が覚める。会社の経営状態が悪く、無理な労働を強いられているが、家族を養うため頑張っている。
町工場の二代目 (まちこうじょうのにだいめ)
第10話に登場する。町工場の二代目社長を務める中年男性。町工場の経営に行き詰まり、大晦日に川に飛び込もうとしていたところを、渡辺直美に止められる。直美の家で年越しそばをご馳走になり、生き直すことを決心する。
山田 (やまだ)
第11話に登場する。家電量販店の店長を務める青年。「値引きをしなければ売れない奴はリストラの対象」と従業員に発破をかけているが、自身は渡辺直美の値切り術の前に、手も足も出ず完敗してしまう。
高橋 (たかはし)
第12話に登場する。渡辺直美の家の向かいに住む一人暮らしの老女。夫が10年前に亡くなり、いつ死んでもいいと無気力になっていた。何をするのも面倒くさがって家に引きこもりがちになり、竹の子御飯をおすそ分けに来た直美に、横たわっている姿を発見される。
松山 (まつやま)
第13話に登場する。渡辺直美の近所に住む中年女性。あるお産がきっかけで助産師の仕事を辞めていた。破水した女性を何とかしてほしいと直美に頼まれ、無事赤ちゃんを取り上げ、助産師としての自信を取り戻す。
松山 桃子 (まつやま ももこ)
第13話に登場する。松山の娘で、ヤンキー風の若い女性。母親に生意気な態度を取っていたが、意外に素直な性格。渡辺直美が連れて来た女性のお産を手伝い、また母親の助産師としての仕事ぶりに感動して涙する。
ダンプの運転手 (だんぷのうんてんしゅ)
第14話に登場する。飲酒運転をしていたダンプの運転手で、強面の中年男性。渡辺直美に悪質ドライバーと罵られ、「ビールなんか水と一緒じゃ」と開き直る傲慢で暴力的な性格。渡辺和彦を殴り、それにぶち切れた直美と乱闘になる。
バンに乗った夫婦 (ばんにのったふうふ)
第16話に登場する。山中で車からゴミの不法投棄をした現場を渡辺直美に目撃され、トラックで追われる。「おまえらになんの迷惑もかけてへん」と開き直るが、根っからの悪人ではなく、直美に説教されて考えを改める。
詩織 (しおり)
第19話に登場する。洋裁学校に通う若い女性。渡辺直美の近所の長屋に父親と二人で住んでいる。定職に就いていない桜井夏彦との結婚を父親に反対されるが、夏彦との結婚を一途に願っている。中学生の頃母親を亡くしているので、直美が母親代わりとなり、何かと世話を焼いていた。
桜井 夏彦 (さくらい なつひこ)
第19話に登場する。詩織が付き合っている若い男性。2年前、詩織の父親に結婚の許しをもらいに来たが、定職に就いていないため追い返された。一見チャラく見えるが、詩織と結婚するために実家の畜産業を継ぎ、必死で牛を育てている。
おばあちゃん
第22話に登場する。渡辺直美の母親で、渡辺健太の祖母。健太が自転車でケガをして意識を失くしている際に、夢に出てきて「生きてるだけで100点満点や」と励ましてくれた優しいおばあちゃん。健太が小学校1年生の時に亡くなっている。
万引き犯の男性 (まんびきはんのだんせい)
第23話に登場する。万引きしているところを渡辺直美に目撃された初老の男性。昨年に妻が亡くなって以来、情緒不安定で顔色も悪く、弱々しくなっている。万引きの動機は、60歳の誕生日を迎えたが、誰にも祝ってもらえなかったから、というもの。
ボボ
第26話に登場する。ハーバード大学4年生のいかつい黒人男性。日本の文化を学ぶために来日した。ヒッチハイクで渡辺直美のトラックに乗せてもらったことをきっかけに、直美と知り合う。日本語が達者で愛想が良く、ギャグの覚えも早い。直美の家でたこ焼きをご馳走になり、その美味しさに感動していた。
久保田 (くぼた)
第27話に登場する。ホスト風の若い男性。渡辺直美にガラガラ抽選を引かせるために声をかけてきた。温泉旅行を引き当てた直美と連れのオバハン仲間をガイドするが、本当の目的は、旅行中に羽毛布団を売りつけること。実は中年女性をカモにしている詐欺師。
ラーメン屋の店主 (らーめんやのてんしゅ)
第28話に登場する。ラーメン屋の店主の中年男性。しかめっ面でろくに客に挨拶もせず、不味いラーメンを出している。その態度が渡辺直美の逆鱗に触れてしまう。「子供のためにも命がけでラーメンを作れ」と、後日、直美からラーメン作りの特訓を受けることとなる。
ター坊 (たーぼう)
第30話に登場する。母親に女手一つで育てられた男性。母親が渡辺直美と面識があり、直美には「ター坊」と呼ばれている。成人式で暴れていたところを直美に布団叩きで叩かれ、説教される。かつて10歳の頃、「警察官になる」と言って母親を喜ばせたことがあり、直美はそのことをしっかり覚えていた。
良知 昭人
第31話に登場する。芸能プロダクション「スタープロモーション」のスカウトマンを名乗る長髪の若い男性。口が上手く、容姿端麗なそのルックスを武器に、「大阪のオバ様」として大活躍してほしいと、渡辺直美を甘い言葉でスカウトした。
水道局の男 (すいどうきょくのおとこ)
第32話に登場する。渡辺直美の向かいに住む高橋の家を訪れた青年。高橋には水道局の人間だと名乗っていた。水の汚さをおおげさに指摘して、浄水器を売りつける悪徳商売を生業としている。直美に身分証明書を見せろと追求され、タジタジになる。
坂 (ばん)
第34話に登場する。渡辺直美の知り合いの老婆。渡辺家とは、一族の墓地が隣同士の間柄。直美に言われて坂家の墓地周辺の雑草を抜いていた渡辺健太に、お駄賃として100円玉を渡した。実は3年前に亡くなっている。