概要・あらすじ
高校生の縁(えにし)は、家から逃げるように夜な夜なバイクを乗り回していた。リストラされて酒浸りの父、大輔、徘徊癖のある祖父の勝利、その介護に疲れている母、真由美、援交まがいのことをしている姉の凛、引きこもりの妹、紬。縁の家族は心がバラバラになってしまっており、彼にとって「家」は居心地の良い場所ではなかったのだ。50年に一度、ムレール流星群が観測できる日。縁の家では、珍しく家族全員が揃っていた。そこに、隕石の一つが落下する。凄まじい衝撃で家は吹っ飛び、縁は気絶してしまう。縁が目覚めたとき、彼とその家族は肉体的に合体してしまっていた。混乱する家族を、同じように合体した他の家族が襲ってくる。縁たちはダメージを受けながらもその場を逃げ出すが、やがて力尽きて倒れてしまう。翌日、縁とその家族は、自宅のはなれで目を覚ます。裸だったが全員無事で、肉体も合体していなかった。テレビでは隕石衝突と、それに関連する多数の原因不明の死傷者のことが報じられていた。昨夜のことは夢ではなかったのだ。混乱する縁たちに向かって、祖父の勝利がおかしな動きとともにいきなり話しだした。自分は祖父ではなく、隕石とともにやってきた地球外生命体だという。縁たちの肉体は、隕石落下の衝撃で砕け散っており、地球外生命体と融合することにより修復されたのだ。縁たち家族は、ヒトの形をしているがすでにヒトではなく、地球外生命体と共生を余儀なくされた合体家族なのだ。また、縁たちが生き残るためには、再び一つとなり、同様に合体家族になった人たちを食べるしかないのだという。こうして、合体家族同士のサバイバルバトルが幕を開けるのだった。
登場人物・キャラクター
縁 (えにし)
男子高校生。ツーブロックのロングヘアーを後ろで束ねている。オートバイが趣味。子供の頃、母の真由美が再婚したことにより、父親の大輔、姉の凛、祖父の勝利と家族になる。年月を経てバラバラになってしまった家族のことを悲しみ、もう一度一つになりたいと願う。
大輔 (だいすけ)
縁の父親。縁が小さい頃、その母親の真由美と結婚しているため、縁と血の繋がりはない。メガネと髭面、筋骨隆々の肉体が特徴。格闘が得意。縁が小さいときはよくできた父親だったが、リストラされて以降、酒浸りで暴力を振るう人間になった。
真由美 (まゆみ)
縁の母親。縁が小さい頃、大輔と再婚する。年老いて物忘れがひどく、徘徊癖がある義父の勝利の介護と家事に追われる生活を送る。リストラの後、人が変わってしまった大輔に離婚を切り出した直後、隕石落下に見舞われ、合体家族になってしまう。
勝利 (しょうり)
縁の祖父。大輔の父親であり、縁と血の繋がりはない。物忘れが酷く徘徊癖があり、家族のことも分からないことが多い。格闘が得意で、真由美をプロレス技で固めることもある。
凛 (りん)
女子高生。子供の頃、父の大輔が再婚したことにより、母の真由美、弟の縁と家族になる。茶髪のショートヘアと右目の下にあるホクロが特徴。以前は陸上競技に情熱を燃やしていたが、大輔のリストラ後は、援助交際のようなことをするようになった。
紬 (つむぎ)
縁の妹(末っ子)。大輔と真由美の再婚後に生まれた少女。部屋に引きこもってゲームばかりしている。自分が生まれたせいで、家族のバランスが崩れたと思いこんでいる。自分のことを「ボク」と呼ぶ。
書誌情報
カクカゾク 4巻 小学館〈サンデーうぇぶりコミックス〉
第1巻
(2020-08-12発行、 978-4098501908)
第2巻
(2020-11-12発行、 978-4098503070)
第3巻
(2021-02-12発行、 978-4098504046)
第4巻
(2021-05-12発行、 978-4098505487)