カグラバチ

カグラバチ

外薗健の初連載作品。架空の日本を舞台に、「妖刀」と呼ばれる特殊な刀剣を巡る闘争を描く。主人公のチヒロは、刀匠の父、国重と平穏な日々を過ごしていたが、妖術師組織「毘灼」により、父が殺され6本の妖刀が盗まれてしまう。チヒロは父が遺した7本目の妖刀「淵天」を手に復讐を誓う。妖刀の回収と父の復讐を目的とするチヒロは、父を殺した「毘灼」の手がかりを得るため、妖刀「刳雲」の所有者で武器商人の双城に戦いを挑む。本作は、妖刀や妖術によるバトルを描いた剣戟アクションである。妖刀ごとにユニークな異能力が設定されており、残酷な描写も多い点も特徴。本作の世界は、レトロな雰囲気を遺した架空の日本。刀の所持が認められた刀社会であり、人間に宿る生命エネルギー「玄力」を操る妖術師が存在する。集英社「週刊少年ジャンプ」2023年42号より連載。2024年、「次にくるマンガ大賞2024」コミックス部門で第1位、「このマンガがすごい!2025」オトコ編で第6位にランクインした。

正式名称
カグラバチ
ふりがな
かぐらばち
作者
ジャンル
バトル
 
和風ファンタジー
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊9巻
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作品の概要

基本情報

外薗健の初連載作品。

要旨と舞台設定

架空の日本を舞台に、「妖刀」と呼ばれる特殊な刀剣を巡る闘争を描く。主人公の六平千鉱(チヒロ)は、刀匠の父、国重と平穏な日々を過ごしていたが、妖術師組織「毘灼」により、父が殺され6本の妖刀が盗まれてしまう。チヒロは父が遺した7本目の妖刀「淵天」を手に復讐を誓う。

ストーリー展開

妖刀の回収と父の復讐を目的とするチヒロは、闇オークション「楽座市」で妖刀の一つ「真打」が出品されるという情報を得る。出品者は、妖刀「刳雲」の所有者で武器商人の双城厳一だった。父を殺した「毘灼」の手がかりを得るため、チヒロは妖術師を擁する国家組織「神奈備」と共闘し、双城に戦いを挑む。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、妖刀や妖術によるバトルを描いた剣戟(けんげき)アクションである。復讐劇を軸にした主人公の成長が特徴で、妖刀ごとにユニークな異能力が設定されており、残酷な描写も多い。

世界観の構築と設定

本作の世界は、レトロな雰囲気を遺した架空の日本。ある強大な敵との戦い「斉廷戦争」で、名匠、国重が生み出した6本の妖刀「妖刀六工」により、日本が救われた後の世界である。刀の所持が認められた刀社会であり、人間に宿る生命エネルギー「玄力」を操る妖術師が存在する。

連載状況

集英社「週刊少年ジャンプ」2023年42号より連載。

受賞歴

2024年「次にくるマンガ大賞2024」コミックス部門第1位。 

2024年「このマンガがすごい!2025」オトコ編第6位。 

刀社会の日本を舞台にした、妖刀をめぐる復讐譚

本作の舞台となるのは、少しレトロな雰囲気が漂う架空の日本。自衛の手段として刀の所持が認められているが、そのことが治安悪化の要因にもなっている。そこで、ヤクザや企業は「妖術師」を雇い、その身を守っているのが実情である。18年前、ある強力な「敵」との間で起こった「斉廷戦争」で日本は危機に陥るが、名匠・六平国重が生み出した6本の妖刀により救われたという。戦後、妖刀は国重の工房に保管されていたが、3年前に「毘灼(ひしゃく)」という妖術師組織によって、すべてが盗まれてしまう。父・国重を殺された六平千鉱(チヒロ)は、国重が最期に遺した7本目の妖刀・淵天(えんてん)を携え、6本の妖刀の奪還と復讐を目的に敵に立ち向かう。

妖刀、妖術によるユニークな異能力バトル

本作の主なバトルは、妖刀あるいは妖術によって行われる。妖術を構築する「玄力(げんりょく)」は、すべての人間に宿る生命エネルギーであり、妖術師は玄力を操ることで術を使う。また、妖刀は玄力を増幅させ、人体では生成・保持ができないほど超高密度な力の塊にする。妖術や妖刀の効果は、瞬間移動や結界を作るといったものや、雷や氷による攻撃などさまざまで、ユニークな異能力バトルが本作の見どころである。なお、妖刀の原料は「零天石(だてんせき)」という特殊な鉱石で、玄力を増幅させる一方、所有者の命を奪うほどの毒でもある。零天石の力を安定させることに成功したのは、歴史上で国重ただ一人だった。また、妖刀には「命滅契約」という制限機構がある。それは、命が絶えるまでは、妖刀の所有者のみが妖刀の力を扱えるというものである。

謎に満ちた妖術師集団「毘灼」や国家組織「神奈備」

チヒロが追っているのは、父を殺して6本の妖刀を持ち去った「毘灼」と呼ばれる組織。少数精鋭の妖術師集団といわれているが、詳細は不明である。そこでチヒロは、妖刀・刳雲(くれぐも)を手に入れた武器商人・双城厳一や、妖刀・真打(しんうち)が出品される闇競売・楽座市を仕切る漣家と戦い、手がかりを得ようとする。そんなチヒロの敵でもあり味方でもあるのが、優れた妖術師を擁する国家組織「神奈備(かむなび)」である。神奈備は、野放しになった妖刀を国で管理しようとしており、妖刀の所有者を保護している。そんな訳で、対双城戦ではチヒロと共闘していた神奈備だったが、妖刀・淵天の存在を知った後は、チヒロから妖刀を回収しようとする。

登場人物・キャラクター

六平 千鉱 (ろくひら ちひろ)

18歳の妖術師。通称は「チヒロ」。顔の左側に大きな傷を持つ。父・六平国重に憧れ、刀匠を目指していたが、15歳の時に妖術師集団「毘灼(ひしゃく)」に父を殺され、6本の妖刀を奪われてしまう。それ以来、修練を積み、父が最期に遺した妖刀・淵天(えんてん)を武器に、毘灼を追う。淵天により金魚の妖術を繰り出す。その種類は、黒い金魚による斬撃「涅(くろ)」、敵の妖術を吸収してモノにする「猩(あか)」、能力を増幅する「錦(にしき)」などである。

六平 国重 (ろくひら くにしげ)

六平千鉱(チヒロ)の父。妖刀を作ることができる唯一の刀匠。「斉廷戦争」を、6本の妖刀で終わらせたことで国民的な英雄とされている。仕事以外では天然な性格で、世話が焼ける人物。ある日、妖術師集団「毘灼」に襲われ、命と6本の妖刀を奪われた。

柴 登吾 (しば とうご)

六平親子と古くから交流がある妖術師。金髪で体格がいい。かつて国家組織「神奈備(かむなび)」に所属していた。六平国重の死後は、六平千鉱と行動を共にし、力を貸している。「瞬間移動」の妖術を使う。

鏡凪 シャル (きょうなぎ しゃる)

孤児の少女。驚異的な再生能力を持つ、鏡凪一族の生き残り。双城厳一に捕らわれ「零天石(だてんせき)」の安定を目的とした実験に利用されていた。母親の犠牲により、双城のもとを逃げ出し、六平千鉱と出会う。

双城 厳一 (そうじょう げんいち)

国家組織「神奈備(かむなび)」のブラックリストに載っている武器商人。残忍な性格の男性。妖刀・刳雲(くれぐも)の所有者。六平国重の信奉者で、「零天石(だてんせき)」と鏡凪シャルを使って新たな武器を作り出そうとしていた。刳雲により、雷を放つ「鳴(めい)」、相手を凍らせる「結(ゆい)」、水を繰り出す「降(こう)」の妖術を使う。

書誌情報

カグラバチ 9巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2024-02-02発行、978-4088838199)

第2巻

(2024-05-02発行、978-4088838809)

第3巻

(2024-07-04発行、978-4088841168)

第4巻

(2024-10-04発行、978-4088842097)

第5巻

(2024-12-04発行、978-4088843483)

第6巻

(2025-03-04発行、978-4088843995)

第7巻

(2025-05-02発行、978-4088844138)

第8巻

(2025-07-04発行、978-4088845661)

第9巻

(2025-10-03発行、978-4088846538)

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