概要・あらすじ
小原鉄は焼肉屋の一人息子。隣に住む幼なじみの三島絵里に惚れているのだが、幼い頃に絵里に言われた「くさくてヘン」の一言が忘れられず、家と体に染みつく焼肉の臭いを消すことに心血を注いでいる。一方、絵里の実家は寿司屋で、焼肉の臭いが寿司ネタにつくと焼肉屋に怒鳴り込むのが日課で、両家は犬猿の仲。果たして鉄と絵里は結ばれるのか?
登場人物・キャラクター
小原 鉄 (おばら てつ)
16歳の男子高校生。大衆焼肉屋「焼肉もんじ」の一人息子。家が焼肉屋のため、仲のいい男子からは「エバラ」と呼ばれることもある。母が作ってくれる弁当は、オバラ家特製弁当としてクラスで争奪あみだくじで抽選されるほどの人気だが、店の残り物で作るため肉が入っていないハズレの場合もある。小原鉄はその弁当を売ったお金でパンを買って食べている。 隣に住む幼なじみの三島絵里に惚れているのだが、両家の親同士の仲が悪いことと、絵里が自分より身長が少し高いことが悩みのタネ。家族構成は両親と祖父母の5人家族。
三島 絵里
小原鉄の幼なじみで、小原家の隣にある寿司屋の一人娘。鉄と同じ高校へ通い、テニス部のエースで人気者。明るく元気な性格で、鉄の気持ちにはまったく気づいていない。母を亡くし、父、祖父との3人で暮らしている。
小原 紋治 (おばら もんじ)
小原鉄の父で、大衆焼肉屋「焼肉もんじ」の店主。長い髪を後ろで1~2本でしばっている。焼肉に情熱をかけるオヤジ。ギックリ腰を患ったときは、背中にまな板をロープでくくり付けて仕事に励んでいた。鉄を「カルビの申し子」として焼肉店の跡取りにしたいと考えている。
三島 トラ男
三島絵里の父親で、寿司屋「三島」の親方。妻のゆりを亡くし、大親方の父、見習いのヤスオの3人で店を切り盛りしている。小原紋治とは幼なじみだが、焼肉の煙のせいで寿司ネタに臭いがつくと、毎晩隣家の焼肉屋に怒鳴り込みに行くのが日課となっている。日頃から小原鉄には絵里に手を出さないようにと警告している。
豊松
近所に住む和菓子屋の青年。小原鉄からは、幼い頃から兄貴分として慕われている。以前は実家の和菓子屋「藤花屋」を継ぐことに抵抗があったが、いまは一流の和菓子職人を目指している。
久野
三島絵里が所属するテニス部の3年生の男子。長身でテニス部のエースのさわやか青年。絵里をめぐる小原鉄の恋のライバルとなる。鉄はそのさわやかアピールに嫌味を込めてひそかに「シトラスグリーン」と呼んでいる。
寺尾 えり (てらお えり)
小原鉄と同じ高校に通う女の子で、「寺尾精肉店」の一人娘。鉄の下駄箱にラブレターを入れて校舎の屋上へ呼び出し、告白した。その後も積極的にアプローチしてくる。顔は大仏に似ている。顔がそっくりで娘を溺愛する父がいる。