おいしい下町 スカイツリーと海老フライ

おいしい下町 スカイツリーと海老フライ

東京の下町を舞台に、飾らないながらも心のこもった昔ながらの料理の数々と、それにまつわる人々の触れ合いや思い出を、オムニバス形式で描くハートフル人情物語。「ごはん日和」Vol.1からVo.6、Vol.8からVol.15にかけてと、「いただき〼幸せごはん」Vol.3に掲載された作品。

正式名称
おいしい下町 スカイツリーと海老フライ
ふりがな
おいしいしたまち すかいつりーとえびふらい
作者
ジャンル
料理
関連商品
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あらすじ

第1巻

内装業で働く女性の工藤は、クールなイケメン上司である石田チーフと共にセレクトショップの引っ越しの手伝いに訪れていた。半年前にオープンしたばかりながら、もう引っ越しをすることになったそのセレクトショップに対して、悪意ある軽口を叩く工藤に石田は穏やかながらも毅然とした態度で、何事も見かけだけではわからないものだと嗜める。その後、仕事がひと段落したところで、石田は工藤を昼食に誘う。石田ならばおしゃれな店にも詳しいだろうと工藤は期待するが、彼に連れられて訪れたのはソラマチ近くの庶民的なそば屋であった。そこで石田が注文したのは、天高くそびえ立つ海老天が盛られたスカイツリー丼。事ここに至り工藤は、石田に対するおしゃれでクールなイケメンというイメージが、誤ったものであったことにようやく気づく。しかしスカイツリー丼を夢中になって完食し、午後の仕事に戻った工藤は、セレクトショップのオーナーの話を聞いて、午前中に石田が口にした言葉に強く納得することとなる。(MENU4「スカイツリー天丼」。ほか、14エピソード収録)

登場人物・キャラクター

(かえで)

MENU1「ごほうびのおまかせ寿司」、MENU15「ねぎま鍋」に登場する。IT企業に勤める若い女性。苛烈なプロジェクトが終了し、わずか5000円とはいえ慰労金が出たことを機に、かねてよりあこがれていた「おまかせ」を頼むため、寿司辰を訪れた。そこでつい最近ツケ場に立てるようになった木村と知り合い、以来、寿司辰に足しげく通うようになる。もともとは眼鏡をかけた地味な印象の人物だったが、木村と交流を深めていくにつれ、あか抜けて都会的に洗練されていく。寿司辰では寿司をメインに食べるためにあまり飲まないが、実はいける口で、木村と知り合って1年後には寿司辰の大将の計らいにより、木村といっしょに飲みに行くなど、食事をする仲になる。

真紀 (まき)

MENU2「ちゃんこ鍋」に登場する。親元を離れて暮らす若い女性。尚の姉だが、互いに再婚した親の連れ子だったため、血のつながりはない。母親の再婚当時、がんばって新たな家族関係を築こうとしていた母親の努力は認めつつも、どこか割り切れない感情を抱いており、新しい父親はもちろん、突然できた7歳も年下の弟の尚ともほとんどかかわりを持つことはなかった。また当時、母親が「家族団らん」をしようと何かと夕食を鍋にすることが多く、どこか居心地の悪さを感じていたため、家で食べる鍋物が苦手だった。親の再婚から1年半で実家を出て、それから4年間、家族とのかかわりは持たなかった。しかし久々に尚と会うことになり、立派な大学生として成長していた彼の姿に驚くこととなる。尚の勧めで訪れたちゃんこ屋で共に食事しながら昔話に花を咲かせるうちに、かつてのよそよそしさは氷解した。なんとなく家族に対するわだかまりも解消し、次の正月には実家に帰ることを尚と約束する。

みずき

MENU3「そば屋の親子丼」に登場する。浅草で外国人向けのガイドとして働く若い女性。今年でガイドになって5年目になる。日本通の外国人観光客に、日本人が好きな食べ物を食べたいと乞われ、観光専門学校に通っていた頃から常連だったそば屋の並木庵に連れて行き、親子丼を勧めた。かつて学生時代、添乗員として内定をもらい、世界を飛び回る予定だったが、そんな矢先に母親が病に倒れてしまった。その際には母子家庭ということもあり、夢を追うべきか、あきらめて母親の近くにいるべきか悩み、並木のおじちゃんに相談を持ち掛けた。並木庵の親子丼は、実はその時の思い出の食べ物である。ちなみに現在の仕事に就くことになったのは、この一件が大きなきっかけとなっている。

工藤 (くどう)

MENU4「スカイツリー天丼」に登場する。内装業で働く若い女性。新たにチーフの石田(MENU4)のもとにつくことになった。言動が軽く下世話なタイプで、まださほど親しくなっていない石田(MENU4)からも「下衆の勘繰りをするな」と叱責されるほど。また、クライアントであるセレクトショップのオーナーをチャラいと評したり、石田(MENU4)をクールでハイセンスな人物と思い込んでいたりと、人を外見で判断する傾向があり、それについても石田(MENU4)から「なに事も見かけだけではわからない」と諫められている。

杉浦 (すぎうら)

MENU5「本場の四川麻婆豆腐」に登場する。出張会議のために横浜に訪れた会社員の若い女性。実りがなく、つまらない出張会議にうんざりしつつも、その見返りとして横浜中華街での食事を楽しみにしていた。しかし、上司の指示により、出張会議に新人の下田を連れて行くこととなり、一人自由に中華街を楽しもうというもくろみがはずれることとなった。当日、出張会議後に宮城出身と聞いていた下田をいざなって横浜の町を案内して回るが、実際は下田の方が横浜には詳しく、空回りをすることとなる。何もかもがうまくいかず嫌気が差していたところ、下田の提案で麻婆豆腐を食べるため、中華街の京華樓を訪れる。

釣りガール

MENU6「イワシづくし」に登場する。釣りが趣味の若い女性。かつて仕事仲間だった友人たちと久々に再会した際に、タイやワラサ、ヒラメにカツオなどを釣ったことがあること、そして釣った魚を自分で調理して食べていることを語った。この話を聞いて目を輝かす友人らに、自ら釣った魚で料理を振る舞うことを約束。ところがいざ釣りに行ってみると、その日は大漁ながらもなぜかイワシしか釣れないという状況に陥ってしまう。それでも、「イワシは七回洗えば鯛の味」という言葉があると開き直り、釣った真イワシとカタクチイワシを使った、さまざまなおしゃれなメニューで友人たちをもてなす。

横山 歩美 (よこやま あゆみ)

MENU7「スダチそば」に登場する。民宿の浜浦を訪れている若い女性客。滞在して2週間になり、今ではまるでアルバイトのように民宿の手伝いをするようになっている。浜浦に来たのは、東京で働いていた際に激務がたたり、自律神経失調症となって会社に出社できず、クビになったため。実は小学生時代に、浜浦の近くに家族と海水浴に来たことがある。石田(MENU7)とは、彼が浜浦の裏の家になっているスダチの実をもらいに来た際に知り合った。もともとユズとスダチの区別すらつかなかったが、石田(MENU7)に教えてもらったことでスダチのいろいろなことを知り、同時に前向きになっていく。

女性

MENU8「金華サバ」に登場する。勤め人の若い女性で、お母さんと二人暮らしをしている。父親は小学生の頃に亡くしている。ふだんはあまりそんなそぶりは見せないが、父親を亡くして以来、休みなく働いて自分を大学まで出させてくれた母親に深く感謝している。ふとしたはずみに母親が口にした「宮城のなんとかいうサバを食べてみたい」という言葉に反応し、彼女を連れて取る物も取りあえず宮城行きの深夜バスに飛び乗った。出たとこ勝負で後先考えない一面があり、そんなところを母親からは「死んだお父さんにそっくり」と評されている。

みなみ

MENU9「だし巻き玉子」に登場する。昌紀の妻。結婚後、主に自分が食事の準備をしなくてはならないことについて、「結婚ってめんどくさい」「結婚って不公平」とこぼすことが多い。人並みの腕はあるものの料理はあまり得意ではなく、昌紀や大学時代の知人からは、からかい半分に「メシマズ嫁」と陰口を叩かれていた。その事実を知って大いに激高して落ち込むものの、はつねのおばちゃんから玉子焼き用の巻き鍋をゆずり受けて一念発起。「メシマズ嫁」の汚名返上に加えて、はつねのおばちゃんへの感謝の気持ちを表すため、玉子焼き作りの猛特訓を開始する。

宮下 はるな (みやした はるな)

MENU10「エビフライ」に登場する。インテリア関連の仕事を生業としている若い女性。ある日の仕事終わりに、子供の頃に来たことのあるレストラン、グリルササノの前を偶然通りかかり、懐かしくなって入店した。三姉妹の末っ子だが、上の二人とは年が離れていることもあり、いつも明るくきれいにしている姉たちに対してコンプレックスを抱いていた。それゆえに、何かとふてくされがちだった自分に厳しい父親のことも、快く思っていなかった。グリルササノは父親がなじみの店で、宮下はるな自身は一番上の姉が結婚式を挙げる前日に、家族そろって訪れた。当時はテーブルセッティングを見ただけで高級なフランス料理店だとカンちがいし、すっかり緊張してしまい、料理の味などほとんどわからなかったが、唯一メインのエビフライの味だけは強く記憶に残っていた。大人になった今、当時と同じ味を保ち続けるエビフライを食べ、グリルササノで行われた家族そろっての食事会が、姉の結婚を祝うためではなく、子供の自分に披露宴の予行演習をさせようという父親の親心によるものだったことに思い至る。

ふみか

MENU11「沼津港の回転寿司」に登場する。東京の会社で働いている若い女性で、社内のフットサルチームに所属している。チームのコーチを務めていた岸本が転勤で東京を離れることとなり、チームメイトのひな、みや子、よしか、いくみと五人で、彼の新たな転勤先である沼津を訪れた。岸本に思いを寄せており、今回沼津に来た真の目的は彼に告白するためで、チームメイトの四人はその見届け役。岸本には地元の回転寿司屋に招かれており、沼津へ向かう道すがら、チームメイトたちには告白する覚悟を決めたら、その寿司屋で一番高い地魚ネタを注文することを約束させられている。地魚の寿司に舌鼓を打つうちに、チームメイトたちのそれとない誘導もあり、ついに店で最も高いオニカサゴを注文。一気に二貫口に詰め込み、お茶で流し込んだあとに心を落ち着け、岸本に思いを告げる。

パパ

MENU12「アイスキャンデー」に登場する。若い男性で、息子が一人いる。子供会の出し物で模擬店をやることになった際、アイスキャンデー屋を提案し、その中心となって奔走する。これは自分が子供の頃、自転車を押してアイスキャンデーを売っていた行商の老人の、自由で楽しそうな姿にあこがれていたのがきっかけであり、子供会でアイスキャンデー屋が好評を博したことで、当時の夢をかなえることとなった。ちなみに子供だった当時、行商の老人に自分も大人になったらアイスキャンデー屋になりたいと告げたところ、バカなことを言っていないで、まじめに勉強しろとゲンコツをもらっている。

MENU13「オムライス」に登場する。新しもの好きな若い女性。何かとくだらない理由で専業主婦の母に呼び出されては、愚痴を聞かされている。ある日、母に待ち合わせ場所として提示され、喫茶店のマリンを訪れる。あまりにも古いイメージの店であることに抵抗を覚えつつも、店内で母を待つうちに、一杯ずつドリップして淹れるコーヒー、生のレモンをしぼって作るレモンスカッシュをはじめ、古きよき喫茶店の雰囲気に居心地のよさを感じるようになっていく。ドライな性格ながら独自の美意識を持っており、母にはそんなところを「お父さんそっくり」と評されている。

愛子 (あいこ)

MENU14「シュラスコ」に登場する。贈答品のカタログ制作を行う若い女性。今の会社には1か月前に転職してきたばかりだが、入社後すぐに四人チームの一員となり、カタログ制作業務にあたることとなった。以来、満足に食事も取れないほどの激務に追われているが、チーフの村田、先輩の緑、デザイナーの光石と協力しながら熱心に仕事に励んでいる。担当していた仕事が精肉、肉製品製造販売会社の贈答品カタログだったため、食べられないにもかかわらず肉のビジュアル漬けの日々を送っており、とにかく肉に飢えている。無事に仕事がひと段落したところで、光石の提案でチーム四人そろってシュラスコの食べ放題を堪能する。

木村 (きむら)

MENU1「ごほうびのおまかせ寿司」、MENU15「ねぎま鍋」に登場する。寿司辰で働く寿司職人の若い男性。5年の修業を経て、寿司辰で昼間のツケ場に立てるようになったばかりの頃に、一人で客として訪れた楓を担当した。その後も、常連として通うようになった楓を担当し、1年後には夜のツケ場にも立てるようになる。寿司職人として非常にまじめで誠実な人物で、学校を出てから修業一筋だったこともあり、女性の知り合いなどはいない。それを心配した寿司辰の大将の計らいで、常連の楓といっしょに飲みに行くなど、食事をする仲になる。

(なお)

MENU2「ちゃんこ鍋」に登場する。大学生の青年で真紀の弟だが、互いに再婚した親の連れ子だったため、血のつながりはない。父親の再婚当時、新しい母親が「家族団らん」をしようと何かと夕食を鍋にすることが多く、どこか居心地の悪さを感じていたため、家で食べる鍋物が苦手だった。久々に真紀と会うことになったが、いっしょに暮らしていた当時、眼鏡をかけて地味で意地悪そうだった真紀が、あまりにもあか抜けた大人の女性になっていたため、なかなか見つけられず再会に時間を要した。かつては体も小さくひょろっとした体形だったが、現在は大学で夢だった相撲部に所属し、ちゃんこ屋でアルバイトをしている。なお鍋物が苦手なのは、新しい家族に対する気まずさからくるものであり、鍋物の締めは今の母親ゆずりの中華麵と決めてゆずらないなど、鍋自体は好きで、新しい家族のことも大切に思っている。

並木のおじちゃん (なみきのおじちゃん)

MENU3「そば屋の親子丼」に登場する。浅草でそば屋の並木庵を営む中年男性で、学生時代のみずきにそばの食べ方などを教えた。みずきの母親が倒れた際には、海外を飛び回る夢をあきらめて母親のそばにいるべきかどうかと悩むみずきに、親子丼を振る舞った。そして、親と子はいっしょにいた方がいいのではないかと告げ、同時に今後浅草に外国人観光客が増えるだろうことを予見し、そういった客を相手にガイドをしてはどうかと第三の道を提示した。

石田(MENU4) (いしだ)

MENU4「スカイツリー天丼」に登場する。内装業で働く若い男性。明るい色の髪をソフトバックにしたイケメンで、眼鏡をかけている。チーフとして新たに工藤の上司となった。社内では、かつて美人の社長秘書と付き合っていたが、すぐに別の男に乗り換えられたという噂がまことしやかにささやかれている。口調は丁寧で穏やかな性格だが、言いたいことはハッキリと言うタイプで、仕事もできる。その反面、実利主義者で女性に対して鈍感なところがある。よく言えば実直で飾らないということだが、工藤からはそんなところを「結婚できない系の男性」と評されている。契約が決まったときや、節目となる仕事のあとにはソラマチ近くのそば屋でスカイツリー天丼を食べることに決めている。

下田 (しもだ)

MENU5「本場の四川麻婆豆腐」に登場する。杉浦と共に出張会議のために横浜を訪れた会社員の若い男性。新人ながら、会社では前途有望な人物と期待されている。口数が少なく、聞かれたことに対して返事をする程度しか口をきかないので、杉浦には「ゆとり教育のせいか、何を考えているかわからない」と酷評されていた。しかし、それは杉浦がつまらない企画会議のせいで機嫌が悪かったからあえて口を挟まなかっただけで、実際はハキハキとした口調で話すしっかり者。宮城出身だが大学が横浜にあったため、横浜中華街のさまざまな名店にも詳しく、機嫌の悪い杉浦のために京華樓の麻婆豆腐を勧める。

石田(MENU7) (いしだ)

MENU7「スダチそば」に登場する。民宿の浜浦の近くに住む若い男性。がっしりした体格で、漁師を生業としている。浜浦の裏の家になっているスダチの実を分けてもらいに来たところで、横山歩美と知り合った。少々ぶっきらぼうな物言いをするが根は優しい性格で、年をとって体の自由がきかなくなった浜浦の主人のことを心配している。歩美の身の上話に対しても、特に深入りする様子もなく聞いていたが、東京に戻るという彼女に対し、ここに残ってもいいのではないかと提案するなど、優しさを見せる。

お母さん

MENU8「金華サバ」に登場する。女性の母親の中年女性で、食堂の調理場で働いている。娘が小学生の頃に夫を亡くして以来、正月やゴールデンウィークもなく働き通しで娘を育て上げ、大学まで出させた。そのためワーカーホリック気味なところがあり、食堂が改装のために休みになった時も、何をしていいかわからずぼーっとしていた。その日、テレビで見た「宮城のなんとかいうサバを食べてみたい」と娘になんの気なしに告げたところ、そのまま深夜バスで宮城まで連れて行かれることとなった。それまで家の食事でサバを出したことがなく、娘にはサバ嫌いだと思われていたが、実際は夫がじんましんが出るからとサバ嫌いだっただけで、彼女自身は特にサバが嫌いなわけではない。また、夫の死後も食卓にサバが上らなかったのは、娘が夫の体質を受け継いでいたらかわいそうだと考えたためであった。

昌紀 (まさのり)

MENU9「だし巻き玉子」に登場する。みなみの夫。時々自分で台所に立つことはあるが、結婚後は基本的に日々の炊事はみなみに頼っている。それにもかかわらず、大学時代の知人と共に調子に乗って、料理があまり得意ではないみなみのことを「メシマズ嫁」と陰口を叩いていた。その事実を知ったみなみに激高され、一応は反省するものの、その後も何かにつけて冗談交じりに「メシマズ」と口にするなど、みなみの優しさに甘えた子供っぽさを見せる。

はつねのおばちゃん

MENU9「だし巻き玉子」に登場する。学生街で家庭料理の店、はつね食堂を経営していた初老の女性。はつね食堂には、みなみや昌紀も大学時代から通い詰めており、特に昌紀は今でも常連である。しかし客に迷惑をかける前にと、40年間続けてきた店をついに閉めることを決意した。店を閉めたあとは、娘の近くに引っ越して暮らすことが決まっている。かつて、みなみが大学生時代に「ここの玉子焼きが一番おいしい」と口にしたことを覚えており、はつね食堂を閉めるにあたり、常連客を集めて行われたお別れ会で、彼女に自分が使っていた玉子焼き用の巻き鍋をプレゼントする。

岸本 (きしもと)

MENU11「沼津港の回転寿司」に登場する。ふみかたちと同じ東京の会社の社員で、フットサルチームのコーチを務めていた青年。かねてからの念願かなって研究職に舞い戻ることとなり、沼津へ転勤した。明るい好青年でフットサルチームのメンバーに慕われている。中でもふみかには好意を寄せられているが、岸本自身はその事実には気づいていない。しかし、ふみかのストレートな告白を受け、彼女の思いをすんなり受け入れる。

MENU13「オムライス」に登場する。娘の母親の中年女性。夫と二人暮らしの専業主婦で、朝ドラの内容や、ハーブの芽が出ないことなど、ちょっとしたことで娘を呼び出しては愚痴を言っている。ある日、化粧品を買いに行こうとしたところ、夫に「なにをしてももう無駄だろう」と言われたことで腹を立てて家出を決意。それに際し、喫茶店のマリンでオムライスを食べようと、娘を呼び出した。実はマリンはまだ結婚する前、若い頃の夫とのデートコースで、ここでオムライスを食べるのがお決まりとなっていた。

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