あらすじ
第63回戦車道全国高校生大会で、それまで戦車道においてまったくの無名校だった大洗女子学園が、並居る強豪校を軒並み破って優勝した姿に触発された鶴姫しずかと松風鈴が、ふたりで戦車競技チームを立ち上げ、戦車道公式戦とは異なるルールを持った「強襲戦車競技」の荒々しい戦場に乗り込んでいき、さまざまな相手と激しい戦いを繰り広げていく。その戦いぶりは、やがて戦車道大会の強豪校たちを強襲戦車競技に呼び寄せることになり、戦車道全体に影響を及ぼしかねない大きな変化を起こしてゆく。
第3戦 アンツィオ戦(第1話)
時系列上第3戦にあたる、アンツィオ高校との強襲戦車競技戦で物語が始まる。その最中にボンプル高校が乱入してきたところでいったん中断し、過去を振り返った上で第7話以降に続きが描かれている。
チーム結成と初戦 サンダース戦(第2話~第4話)
回想として始まる第2話ではムカデさんチーム結成と強襲戦車競技参加のいきさつが語られ、第3~4話で初戦となるアリサの指揮するサンダース大学付属高校フライング・タンカース戦の模様が描かれる。
第2戦 BC自由学園戦(第5話~第7話)
2戦目の相手となるBC自由学園に自らスパイとして乗り込む鶴姫しずかと松風鈴がアンツィオ高校のアンチョビたちと出会う様子がまず描かれ、その後BC自由学園との試合が描かれる。第7話後半で第1話に繋がる構成になっており、第1話の続きも描かれている。
第4戦 大洗奉納戦車戦(第8話~第10話)
第8話は次の戦いに備えてせんしゃ倶楽部で改装を行ってから相手が決まって大洗町へ向かうところまで。第9話は「ガルパンの聖地」として知られる大洗町めぐりを鶴姫しずからが行った上で、大洗女子学園アヒルさんチームとの戦いが第10話にまたがって描かれる。
ボンプル高校VSプラウダ校(第11話~第12話)
第11話は松風鈴が鶴姫しずかの自宅を訪問するエピソードから始まり、ボンプル高校とプラウダ高校カチューシャ義勇軍の戦いが第12話までかけて描かれる。
第5戦 竪琴高校共同でのアンツィオ戦(第13話~第14話)
竪琴高校の紹介や共同で戦うことになる経緯などが描かれる第13話を経て、実際の戦いは第14話で描かれる。
BC自由学園共同での黒森峰戦(第15話~第21話)
第14話の最後に黒森峰女学園が強襲戦車競技参加することが語られ、第15話は鶴姫しずからが黒森峰に潜入し、チームがアニメ版に描かれた頃とは変わってきていることが描写される。第16話で共同で戦うBC自由学園の第2戦当時からの変化を描いた上で第17話で戦いが始まる。戦いの様子は第20話までの都合4話を使ってじっくり描かれており、ダージリンの提案によって始まるイベント戦「大鍋」前のクライマックスといえる。第21話は試合後の打ち上げでイベント戦のことが明らかとなる。
イベント戦「大鍋」承前(第22話~第24話)
いわば「第2部」とも呼べるイベント戦「大鍋」開始に向けて、鶴姫しずからムカデさんチームの訓練の様子や、聖グロリアーナ女学院の学内公開試合、ボンプル高校や竪琴高校の様子が描かれていく。
関連商品
第7話作中にも紹介されているが、アニメ版の戦車プラモデルを発売した株式会社ファインモールドによって、ムカデさんチーム仕様の「1/35スケール ガールズ&パンツァー リボンの武者 九七式軽装甲車(テケ)」プラモデルが2000個限定で発売されていたが、すでに生産は終了している。
登場人物・キャラクター
鶴姫 しずか (つるき しずか)
楯無高校、ムカデさんチームのリーダーで、車長兼砲手。ショートカットの黒髪に、ハチマキのように巻いて後ろで結んだ大きなリボンが特徴のクールな美人。もの静かでどこか近寄りがたい雰囲気を持ち、古風な言葉遣いを用いるので「しずか姫」と呼ばれていた。弓道部のエースで乗馬クラブで流鏑馬も嗜んでいたが、第63回戦車道全国高校生大会での大洗女子学園の活躍ぶりを見て、戦車に乗ることを決意。 弓道部を辞め、クラスメイトの松風鈴とともにムカデさんチームを結成。強襲戦車競技に参加する。戦いに際しては苛烈で容赦がなく、古風なせりふ回しのせいもあって、戦国武将か剣豪小説の登場人物のような風情がある。一見日本人形のように清楚な印象だが、まげを切った生首の形をした筆箱を網に入れて、カバンと一緒に持って登校したり、護身用に脇差を腰に差したり、強襲戦車競技には騎馬鎧姿で弓を手に参加するなど、得体のしれない性格の持ち主でもある。 ただし、対戦相手についての諜報活動を行う際に、フレンドリーな態度で他校に潜入するなど、普通の女子高生らしく振る舞うこともできる。 戦車道大会ではなく強襲戦車競技への参加を決めたのは鶴姫で、松風から戦車道の誘いを受けた際、「道」がつくものは好かないため戦車道は断る、と言っている。実家が造り酒屋で、先代が入手していた九七式装甲車を競技に使用している。
松風 鈴 (まつかぜ りん)
楯無高校・ムカデさんチームのメンバーで操縦手。帰宅部のごく普通な女子高生だった。第63回戦車道全国高校生大会での大洗女子学園の活躍を目にして、再び戦車道を始めようとするが、学校内に戦車道部がなかったため、鶴姫しずかを誘ってふたりで強襲戦車競技に参加するようになる。ともに行動するようになる以前から、鶴姫に惚れこんでいたので、戦車内でも従属するような立場になりやすい。 操縦手として指示を受ける際も、足先で背中や肩、首などをまさぐり、襟を引っ張ったりするような形で伝えられており、当人もやや背徳的な快感を得ている。チームのメカニックとして、整備の面でも能力を発揮している。知識はマニュアルやネット情報から得た上で、九七式装甲車をいじり倒して身につけたもの。
遠藤 はるか (えんどう はるか)
楯無高校の一般生徒。鶴姫しずかや松風鈴のクラスメイトで、ウェーブのかかったロングヘアが特徴。戦車についてはまったくの素人だが、ムカデさんチーム3人目のメンバーとして、マネージャー的立場となる。資金集めのためにグッズ制作を管理したり、強襲戦車競技の対戦相手交渉なども行う。
アンチョビ
アンツィオ高校・戦車道チームのリーダーの女子。メンバーからは「総帥(ドゥーチェ)」と呼ばれている。長いツインテールの先が縦ロールになった髪型と、負けず嫌いな性格の、いわゆるツンデレ的なキャラクター。アンツィオにはスカウトされて入学した経緯があり、それまで残念な状況にあった戦車道チームを再び立ち上げ、限られた戦力と予算で、全国大会レベルまで引っ張り上げてきた。 敵情視察に資金集めを兼ねたキッチンカー遠征などもマメに行っており、戦車道のみならず強襲戦車競技の周辺で顔が広い。チームのメンバーからも「姐さん」と呼ばれ、慕われているリーダーである。アニメ版と共通するキャラクター。
ペパロニ
アンツィオ高校、戦車道チームの副隊長。ボサボサの黒髪ショートボブを、左のもみあげから短い三つ編みを作った特徴的なヘアスタイルにした、あっけらかんとした性格の女の子。ライバル校の生徒であっても、出会ってすぐに親しくなれるが、チームの機密ですら話してしまう問題がある。料理は上手いようで、チームの資金稼ぎとして、屋台やキッチンカーで調理を担当することも多い。 アニメ版と共通するキャラクター。
カルパッチョ
ペパロニ同様、アンツィオ高校・戦車道チームの副隊長の女子。黄身がかった茶色のロングヘアが特徴。大洗女子学園・カバさんチームのリーダー・カエサルの幼馴染み。強襲戦車競技には、竪琴高校の助っ人として、ボンプル高校チームを急襲する乱入部隊で参加。アニメ版と共通するキャラクターだが、もともとは『ガールズ&パンツァー』コミカライズ作品で誕生し、OVA『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』以降アニメにも登場するようになった。
ヤイカ
ボンプル高校・戦車競技チームのリーダーの女子。「騎士団長」の異名を持つ冷徹な性格の持ち主で、戦車道を腑抜けの競技と呼び、強襲戦車競技にこそ本当の戦車戦であると考える。戦場における裏切り行為や別勢力の乱入などのアクシデントを競技に持ち込み、対応できない者をあざ笑う傾向がある。自身とチームを「ポーランド有翼重騎兵」の末裔と称し、神出鬼没で、敵中枢への突撃を行う不利な状況からの逆転をも成し遂げる力を持つ。 薔薇を好み、自身の長い髪を薔薇の花の形にアレンジしたりもしている。
ウシュカ
ボンプル高校・戦車競技チームのメンバーの女子。ヤイカを補佐する副官的存在。長い前髪をかき上げて左右に分け、後ろは太い一本の三つ編みにまとめたヘアスタイルが特徴。作戦中は釣り目気味のクールな印象の美女という印象だが、戦車を離れると、笑顔がまぶしいアイドルのような輝きを見せる二面性を持つ。強襲戦車競技のギャラリーにファンも多い。
ケイ
サンダース大学付属高校・戦車道チームのリーダーの女子。軽く波打つクセのある薄い茶色のセミロングヘアが特徴で、制服のシャツの第一ボタンを外し、ネクタイをルーズにつけた服装。これに象徴されるように、校風にも通じるアメリカ的で大らかな性格の持ち主。面白いことにはなんでも積極的で、表立っての参加に問題があるにも関わらず、フライング・タンカース名義での強襲戦車競技参加も許可している。 明るく大らかな性格で、大所帯のチームを率いているが、チームメンバーの不正や敗北を厳しく叱る、強い司令官としての側面も持っている。アニメ版と共通するキャラクター。
アリサ
サンダース大学付属高校・戦車道チームの副隊長の女子。チーム内ナンバー3。強襲戦車競技に参加するために用意されたチーム名義、フライング・タンカースではリーダー格。短めの茶髪をツインテール状に結んだ髪型が特徴。チームでは「策士」と呼ばれ、作戦立案等を担当することが多いが、反則すれすれの戦術を用いることがある。 対戦相手に対して煽るような口調で接し、部下に対しては強権を発揮することが多い。みずからも「憎まれ役」を自認しているが、相手を思いやる優しい心根を内に秘めている。自身について「彼氏持ちのリア充」としているが、アニメ版で、必ずしも順風満帆ではない恋愛状況について、みずから吐露している。
ナオミ
サンダース大学付属高校・戦車道チームの副隊長の女子。チーム内ナンバー2。茶髪ショートカットのボーイッシュでクールな性格の持ち主。フーセンガムを膨らませている姿など、ちょっとした短い登場シーンが多く、もともと無口で、セリフも少ないので、顔見せゲスト的扱いが多い。アニメ版と共通するキャラクター。
アスパラガス
BC自由学園・戦車道チームのリーダーの女子。ショートカットにした金髪に、フランス陸軍などに採用されている、頭頂部が平らな円筒状の帽子「ケピ帽」を被った姿が特徴。自身長身だが、誰に対しても相手を見下した傲慢な態度を取るため、敵を作りやすい。自身を「我が輩」と称し、語尾に「~ざます」とつける特徴的なせりふ回しにも、そうした性格が色濃く表れている。 強襲戦車競技の参加者についても、正統派の戦車道大会に出場できない「チンピラ」に過ぎないと言い切り、「楽に狩る」ことができると考えている。学園統合前は自由学園に属していたため、BC高校に在籍していたメンバーとは折り合いが悪く、あまり信用していない。旧BC側メンバーからも嫌われていたが、ムカデさんチームとの対戦を経て、人間関係や競技についての認識を改めた。 ムカデさんチームと共同で、シュバルツバルト戦闘団との競技を行った後引退し、チームの裏方に回る。
ムール
BC自由学園・戦車道チームの副隊長の女子。前髪を横にすっぱり分け、三つ編みにした髪を後頭部で丸めてまとめたヘアスタイルが特徴。旧自由学園メンバーとして、あまり表情を表に出さないアスパラガスに、忠実な部下として補佐に徹していた。後にチームが再編されると、鶴姫しずかが差し入れした「お米のジュース」に笑顔を見せるような、お茶目な面も。
ボルドー
BC自由学園・戦車道チームの副隊長の女子。左側のもみあげ部分のみを伸ばしたボブカットが特徴で、学園統合前にBC高校に属していた生徒たち側のリーダー。全体を率いるアスパラガスと折り合いが悪かったが、後に和解。第五共和制小隊で重要な役割を担うことになる。
アウン
竪琴高校・戦車道部の部長の女子。ボブカットにした黒髪が特徴の、素直で人懐こさが目立つチームリーダー。戦車競技に参加する際は、日焼け止めにもなるミャンマーの伝統的コスメ、「タナカ」を用いたフェイスペイントをしている。みずから名乗る場合以外は、基本的に「さん」付けで呼ばれることが多い。
西住 みほ (にしずみ みほ)
大洗女子学園・戦車道チームのリーダーの女子。あんこうチームの車長。サイドを長く、襟足は逆に短くした独特のボブカットにしたヘアスタイルが特徴。気弱に見えるが芯の強い性格の持ち主で、指揮官としては、戦果よりも仲間との連帯を重視する。戦車道主流のひとつとされる「西住流」家元の娘。流派の思想とは異なる考え方を持ち、独創的な戦術を用いて、第63回戦車道全国高校生大会優勝をチームにもたらした。 なお、大会決勝の対戦相手で、長く戦車道大会で王者の座に君臨していた黒森峰女学園のリーダー・西住まほの妹でもあり、みほ自身も大洗に転校する前は、黒森峰戦車道チームの副隊長だった。アニメ版の主人公。
秋山 優花里 (あきやま ゆかり)
西住みほをリーダーとする大洗女子学園・あんこうチームの装填手の女子。少々パーマ気味の茶髪がふわっと広がったボブカットが特徴で、大のつく戦車マニア。情熱的な性格と並外れた行動力の持ち主で、対戦相手の学校に単身乗り込んでスパイ活動を行うことで知られ、この作品でも同様の活躍を見せている。アニメ版と共通するキャラクター。
ダージリン
聖グロリアーナ女学院・戦車道チームのリーダーの女子。アニメ版と共通するキャラクター。三つ編みにした金髪を後頭部でまるめてまとめた髪型が特徴。イギリス貴族的な優雅な所作や言動を常とする意識の高い女性。特に「ティータイム」文化を重んじ、作戦中の戦車内でも紅茶を飲むことが多い。戦車道でも強襲戦車競技でも、数多くの戦いの現場に赴いて様子を見ていることが多い。 その戦況を、さまざまな格言を開陳しつつ、戦いの裏に隠された意味まで見透かすように語る姿が、よく目撃されている。強襲戦車競技については、大洗町で行われたムカデさんチームとアヒルさんチームの奉納戦車戦を観戦して以来興味を持ち、ムカデとBC自由学園・第五共和制小隊の連合チームと、シュバルツバルト戦闘団の対決を観戦した後、競技参加者の多くを集めて開かれたパーティー上で、学校別に囚われない組み合わせによる「闇鍋」とも表現されるイベント戦「大鍋」を提案する。
オレンジペコ
聖グロリアーナ女学院・戦車道チームのメンバーの女子。ダージリンの右腕的存在。ダージリンが観戦して回る戦車道や強襲戦車競技には常に同行し、ダージリンが開陳する「格言」が誰によるものなのかを、言い当てる役目を担っている。聖グロの次代を担う存在と目されており、強襲戦車競技用チーム「チンディット」の指揮を任される。 アニメ版と共通するキャラクター。
アッサム
聖グロリアーナ女学院・戦車道チームのメンバーの女子。ダージリンと同じ最上級生。前髪をすっかり上げ、大きなリボンで長い金髪をポニーテール状に結わえるが、縦ロールのかかった髪は豊かに波打つように広がっている。「情報処理学部第6課」に所属し、スパイ役として他校へ出向くことも多い。アニメ版と共通するキャラクター。
ローズヒップ
聖グロリアーナ女学院・戦車道チームのメンバーの女子。高貴で優雅なイギリス貴族の格式を重んじる校風の中では、異質に見える「がさつ」ななキャラクター。軽戦車・クルセイダーMK.Ⅲを駆って、より速く走行することに命を懸けるスピード狂。明るくさっぱりした性格の持ち主で、決断も速く、チーム内の軽戦車隊を指揮する立場でもある。 強襲戦車競技用の新チーム「チンディット」にも参加。アニメ版と共通するキャラクター。
ルクリリ
聖グロリアーナ女学院・戦車道チームのメンバーの女子。ロングヘアを太い一本の三つ編みにまとめた髪型が特徴の、いかにも聖グロらしいお嬢様タイプ。学内で公開試合として行われた、「戦車道レギュラーチーム」と強襲戦車競技の選抜チーム「チンディット」の対戦で、戦車道チームの指揮官に抜擢される。
カチューシャ
プラウダ高校・戦車道チームのリーダーの女子。非常に小柄で、小学生くらいにしか見えない外見に、強いコンプレックスを抱いている。性格的にも子供っぽく、ワガママぶりを発揮することも多い。他人を見下すような言動が多いものの、自身が小柄なため、ノンナに肩車してもらい、物理的にも見下ろすようにしている。大洗町の奉納戦車戦を観戦したダージリンからの電話を受け、強襲戦車競技参加を決める。 自身も競技参加を望んでいたが、ノンナの説得により、カチューシャ義勇軍に任せることになる。アニメ版と共通するキャラクター。
ノンナ
プラウダ高校・戦車道チームの副隊長の女子。長身に長い黒髪が特徴のクール美人。カチューシャの補佐役として、公私にわたってかいがいしく世話をする。ワガママを諭したり、助言で望ましい形に行動を導くことも多い。アニメ版と共通するキャラクター。
ニーナ
プラウダ高校・戦車道チームのメンバーの女子。短いふたつ結びのお下げ髪と、大きなロシア帽が特徴。アリーナとともに、強襲戦車競技に参加する「カチューシャ義勇軍」を率いる隊長に選ばれる。田舎育ちのピュアな性格で、言葉遣いはキツい方言が目立つ。アニメ版と共通するキャラクター。
アリーナ
プラウダ高校・戦車道チームのメンバーの女子。ショートカットの黒髪が特徴。ニーナとともに、強襲戦車競技に参加する「カチューシャ義勇軍」を率いる隊長に選ばれる。ともに行動することの多いニーナ同様田舎育ちで、言葉遣いも方言丸出しになっている。アニメ版と共通するキャラクター。
西住 まほ (にしずみ まほ)
黒森峰女学園・戦車道チームのリーダーの女子。大洗女子学園のリーダー・西住みほの姉。日本でもっとも有名な戦車道宗家のひとつ「西住流」家元の、実質的後継者と目される存在。妹と髪型がそっくりなのは、みほが真似たもので、ふたりは幼い頃からとても仲の良い姉妹だった。みほが黒森峰から大洗に転校したことなどで、母親とぎくしゃくした関係になってからも、表情など表に出すことは少ないが、常に妹を想う優しい姉でい続けている。 もともと感情をあまりあらわにせず、口数も少ないクールな印象。これは生来の性格だけでなく、西住流の厳しい教育の影響がある。目的を達成するために、妥協や脇道にそれるような無駄を良しとしないところも、西住流の考え方によるもの。 西住流を体現するような存在であるからこそ、黒森峰を全国大会九連覇に導いたし、それによってMVP選手や戦車道の国際強化選手に選ばれる結果にもつながった。ただし、そうした「勝つための」戦車道は、みほの率いる大洗チームに敗北して以以来、徐々に変化してきている。アニメ版と共通するキャラクター。
逸見 エリカ (いつみ えりか)
黒森峰女学園・戦車道チームの副隊長の女子。紫がかった明るい灰色のセミロングヘアが特徴。上官である西住まほを深く敬愛し、「西住流」戦車道を学んでいることを心から誇りに思う、一途な性格の女の子。それゆえ、黒森峰から転校し、西住流とは異なる戦車道を行う西住みほに対して、キツく責め立てるような態度を取ってしまうことが多い。 黒森峰チームの体勢が、まほ自身によって改革されていく中、強襲戦車競技用のチーム「シュバルツバルト戦闘団」の指揮を任される。頭の固いところを、鶴姫しずかに幾度もからかわれたことから、競技中は鶴姫の前髪を揶揄して「シナモンロール頭」と呼んでいた。アニメ版と共通するキャラクター。
赤星 小梅 (あかぼし こうめ)
黒森峰女学園・戦車道チームのメンバーの女子。強襲戦車競技に参加するシュバルツバルト戦闘団の副隊長。クセの強いショートボブカットの髪型が特徴で、混乱した状況でも冷静にリーダーの逸見エリカを補佐する。かつて戦車道の試合中、事故に巻き込まれ、まだ黒森峰にいた西住みほに窮地を救われた過去がある。 その出来事が、みほが黒森峰チームを離れて転校していった原因ともなっている。赤星はその責任を背負ってチームに残り、西住まほによるチーム変革を助力する立場となった。アニメ版と共通するキャラクター。
徳藏 (とくぞう)
造り酒屋の鶴姫家の使用人の男性。経営で多忙だった当主に代わり、鶴姫しずかの教育係を担ってきた。教養も豊かな老境の粋人で、鶴姫の戦国武将のような性格や趣味の形成にも、大きな影響を与えている。
浅井 (あさい)
専門ショップ「せんしゃ倶楽部」本店の店主。やや額面積の目立つやせ型の中年男性。店ではパーツをはじめ、戦車に関するあらゆるアイテムを扱う。戦車道連盟の規格に適合する商品しか店頭に並べていないが、店の広い地下スペースに、熟練スタッフのいる工廠を備え、強襲戦車競技向けに適合外のカスタムパーツも含めた、多数のアイテムを取り揃えている。 求める客が現れた時のみ地下に案内しており、フレームの細いメガネの下の柔和な目は、時折鋭い輝きを見せる。
集団・組織
楯無高校 (たてなしこうこう)
鶴姫しずかの所属する高校。甲信地方を母体とし、海外に提携校を持たない独立系学校。戦国から江戸時代に至る日本の気風を重んじた校風で知られ、馬術や弓道、忍道といった日本文化の教育に力を入れている。校名の「楯無」は、甲斐武田家の家宝である「楯無鎧」に由来したもの。設立時に「武田信玄ブーム」があったことが影響している。 戦車道については、もともと積極的には導入しておらず、修める生徒も少なかったため、10年前に戦車道部が廃部となっている。もちろん戦車道大会にも参加していなかった。鶴姫と松風鈴が自主的にムカデさんチームを結成し、強襲戦車競技に参加したが、学校公認の活動ではない。競技での使用車両は九七式軽装甲車だが、これも鶴姫家の所有物である。
ムカデさんチーム
楯無高校の鶴姫しずかと松風鈴が結成した戦車競技チーム。鶴姫の実家にあった九七式装甲車を赤く塗装し、ムカデのマークが砲塔にあしらわれている。ムカデマークは、戦国時代の武田軍団の伝令や使者の役割を受け持った「百足衆」の旗印からきており、鶴姫の祖先にあたるとしている。チーム名は大洗女子学園の「カメさんチーム」などのネーミングの影響が表れたもので、松風が名付けている。
大洗女子学園 (おおあらいじょしがくえん)
物語上、もっとも最近に行われた第63回戦車道全国高校生大会で優勝した学校。当該大会以前は、大会でまったく知られていなかった無名校。戦車道チームが数年以上にわたって存在していなかった上、学校自体が存続の危機にあったとされている。前大会優勝校の黒森峰女学園から転校した西住みほを中心に再結成されたチームは、強豪校との圧倒的な戦力差を巧みな戦術で乗り越え、奇跡的な優勝を勝ち取っている。 本来、強襲戦車競技に参加してはいなかったが、本拠地でこれまでも戦車道の試合会場となった茨城県大洗町で町内会主催で行われる「磯前神社奉納戦車戦」で、アヒルさんチームが楯無高校・ムカデさんチームと対戦することになった。
アヒルさんチーム
大洗女子学園・戦車道チームの一車両、八九式中戦車に搭乗する磯部典子を筆頭に、近藤妙子、河西忍、佐々木あけびの4人のチーム名。廃部となった「バレー部」に所属していたメンバーで、バレー部の復活を目指して一緒に行動する中、戦車道チームに参加することになった経緯がある。戦車に乗り込む際も、基本的にはバレーのユニフォームを着用し、競技中はバレーの試合中のように、掛け声をかけあいながら戦車を操っている。 4人の息の合った操車と、メリハリの効いた攻守の使い分け、バレーのフォーメーションを応用するなど、戦車戦のセオリーに囚われない戦いぶりを見せる。強襲戦車競技参加にあたっては、重量12トンの八九式中戦車から「自動車部」ことレオポンさんチームの手で、いくつかパーツを外して10トン以下に抑えていた。
カバさんチーム
大洗女子学園・戦車道チームの一車両、Ⅲ号突撃砲に搭乗する歴史好きないわゆる「歴女」と呼ばれる生徒たちのチーム名。メンバーはリーダーのカエサルをはじめ、エルヴィン、左衛門佐、おりょうの4人で、それぞれローマ史、欧州史、日本の戦国時代、幕末史と、得意な国や時代が分かれる。 競技中や観戦中、なにかにつけて起こったことを、自身の得意な歴史上の事件に例えて討論を行い、もっとも妥当な意見には、4人同時に「それだ!」と唱和する光景がよく見られる。
アンツィオ高校 (あんつぃおこうこう)
戦車道大会にも出場している高校。第63回戦車道全国高校生大会では、優勝した大洗女子学園と2回戦で対戦し敗退した。イタリアを思わせる校風で、戦車道チームのメンバーには、イタリア風のソウルネームを名乗る者が多い。チームで用いる戦車も、戦時中イタリア軍で使用されていたものが中心。強襲戦車競技には、戦車道大会に出るための練習と賞金稼ぎのために参加している。 使用車両はCV33。
ボンプル高校 (ぼんぷるこうこう)
戦車道大会にも出場している高校。第63回戦車道全国高校生大会では、1回戦でプラウダ高校と対戦し敗退している。強襲戦車競技では王者ともなるほどの強豪チームで、提携しているポーランドの単砲塔あるいは復砲塔タイプの7TP軽戦車や、豆戦車、TKSを使用している。
サンダース大学付属高校 (さんだーすだいがくふぞくこうこう)
戦車道大会にも出場し、四強の一角とされている強豪校。第63回戦車道全国高校生大会では、優勝した大洗女子学園と1回戦で対戦して敗退。大きな番狂わせと話題になった。アメリカを思わせる校風で、大学付属ということもあり、学校全体も戦車道チームも規模が大きく、豊富な物量で他校を圧倒する戦法を得意とする。使用する兵器類は、基本的にアメリカ軍のものが多く、戦車の保有台数は日本一。 戦車以外にも、大型輸送機C-5Mスーパーギャラクシーをはじめ、さまざまな特殊車両なども数多く保有している。チームメンバーも総勢500人ほどと多く、2軍だけでなく3軍まで存在する。メンバーの中でソウルネームを名乗っている者は、アメリカでよく見られる人名にしていることが多い。 強襲戦車競技への参加は、戦車道連盟に対する事情により許されないため、アリサを中心とする「義勇タンカスロン隊フライング・タンカース」というチーム名義で参加。BC自由学園に貸し出していた軽戦車、M22ローカストを返却してもらって使用した。
フライング・タンカース (ふらいんぐたんかーす)
サンダース大学付属高校・戦車道チームが、強襲戦車競技に参加するため急造した戦車競技チーム名。「義勇タンカスロン隊」という冠をつけて呼ばれることもある。アリサを中心とするメンバーは、実質戦車道チームの一部と言えるが、「サンダース校」として競技に参加することに問題があったため、名義として使用している。使用戦車はアメリカ軍が使用していたM22ローカスト。 なおネーミング由来は、日中戦争時に蒋介石政権の中華民国を支援したアメリカ義勇軍の愛称「フライング・タイガース」から。
BC自由学園 (びーしーじゆうがくえん)
戦車道大会にも出場した高校。第63回戦車道全国高校生大会では、1回戦で強豪聖グロリアーナ女学院に当たって敗退している。強襲戦車競技では、サンダース大学付属高校からリースしたM22ローカストを運用していたが、ムカデさんチームと対戦する際には、フランスの「オチキスH39」を使用していた。 フランスと提携するマジノ女学院を母体に創立された、BC高校と自由学園というふたつの学校が統合された。そのため、フランス由来のソウルネームを名乗る生徒が多いが、元の学校の生徒間で折り合いがつかないままの状態が長く続いている。戦車道チームにも元の学校ごとの派閥があって、作戦上でも政治的な力関係が働く、ぎくしゃくした関係性が弱点ともなっている。 ムカデさんチームに敗北する結果を招いたが、その後両派閥を強力に結びつける「結婚(マリアージュ)作戦」を実施し、新たに強襲戦車競技用の「第五共和制」小隊を編成している。
第五共和制小隊 (だいごきょうわせいしょうたい)
強襲戦車競技でムカデさんチームに敗北したBC自由学園・戦車道チームが、新たに編成した戦車競技チーム。ふたつの学校が統合されてできた学校ならではの、チーム内の軋轢を解消し、元の学校の違いを超えた混合メンバーで構成される。改めてサンダース大学付属高校からリースしたM22ローカストを使用。新生チームとして最初の競技参加は、シュバルツバルト戦闘団と対戦することになったムカデさんチームとの共同作戦となった。 なおチーム名はフランスの現政府に由来するもので、1958年にシャルル・ド・ゴール将軍が、植民地問題などで不安定な状態にあった「第四共和政」に代わって成立させた、大統領権限を強化した政体のこと。
竪琴高校 (たてごとこうこう)
初心者ばかりの戦車道部を擁する高校。第63回戦車道全国高校生大会には出場していない。その背景には、しばらくの間、廃部となっていた戦車道部が復活したばかりという事情がある。もともとは聖グロリアーナ女学院の系列校として創立され、独立後に戦車道を始めた。使用している戦車も、他校からの「お下がり」ばかりというのが現状。 戦車道部は強襲戦車競技にも参加しているが、使用車両は日本の九五式軽戦車。初参加でのボンプル高校戦では、アンツィオ高校と協力したものの大敗を喫している。実力不足を認識しているメンバーには、どこか「助っ人頼み」な空気があったことも事実だった。その後楯無高校とともにアンツィオ校と対戦した際に、そうした気風にも変化があらわれていた。
プラウダ高校 (ぷらうだこうこう)
本拠地にあたる青森県で創設された学校。青森県では、ウラジオストクをはじめロシアとの交流が盛んだった。そのため、そこに暮らすロシア人増加に伴って開校された。ロシアから数多くの戦車が入ってくる環境もあり、戦車道も活発に行われる。サンダース大学付属高校に次ぐ人員と車両数を誇る大会四強の一角となった。 第63回戦車道全国高校生大会では、準決勝で大洗女子学園と当たり、プラウダ高校が得意とする冬の降雪状況での試合が行われた。そこでは、相手校を大きな廃屋に追い詰め、降伏を迫る状況にまで至ったが、大洗チームの結束と最後まで諦めない姿勢により、逆転劇による敗北を喫した。物量で圧倒的優位にあったが故の油断が、プラウダ校にあったとも言われている。 強襲戦車競技には、戦車道連盟との関係上、「プラウダ高校」として参加することができず、「カチューシャ義勇軍」と名付けた選抜チームを参加させている。
カチューシャ義勇軍 (かちゅーしゃぎゆうぐん)
プラウダ高校が強襲戦車競技に参加するため用意したチーム名義。1年生ながら、学んできた戦術知識とリーダーシップを評価されて抜擢されたニーナとアリーナ両名に率いられる。競技の性格から見ると、並外れた大部隊となっている。使用戦車は軽戦車でありながら、大戦中の「ソ連軍」で主力戦車のひとつと考えられていた「T-70」。 相手方の倍以上の車両を投入した、圧倒的戦力差をもってひねり潰すカチューシャ隊長譲りの戦術がとられたが、ボンプル高校に敗北している。
聖グロリアーナ女学院 (せいぐろりあーなじょがくいん)
戦車道大会でも四強の一角に数えられる学校。数ある戦車道チームを擁する学校の中でも、特に「お嬢様学校」として名高く、「聖グロ」の略称で知られる。第63回戦車道全国高校生大会では、準決勝まで勝ち進んだところで、前年度優勝校である黒森峰女学園に敗退した。校風や使用戦車、メンバーのソウルネーム傾向からもうかがえる通り、イギリス貴族の文化を重んじた学校で、イギリスと提携している。
チンディット
聖グロリアーナ女学院が強襲戦車競技に参加するため編成した特別チーム。リーダーをオレンジペコが務め、新たに導入された軽戦車「テトラーク」に乗るローズヒップを、遊撃隊として運用するスタイル。同じ聖グロの、中戦車以上の正規戦車道チームをも破る戦闘力を持つ。チーム名は第二次世界大戦中に当時ビルマと呼ばれていたミャンマーの戦場で活躍した、イギリス領インド帝国のゲリラ戦術を得意とする特殊部隊名から。
黒森峰女学園 (くろもりみねじょがくえん)
四強の中でも最強と考えられていた戦車道チームを擁する学校。戦車道全国高校生大会を9年間にわたって連覇した。戦車道を伝える有名な流派の中でも、特に知られている「西住流」との関係性が強い。そのお膝元である熊本に創立されていることも、ドイツと提携関係にあることなども、西住流があってこそ成り立ったものといえる。 そんな黒森峰の歴史の中でも、西住流家元の娘ふたりが揃って在学していた年は「最強」と呼ばれ、全国大会9連覇を成し遂げた。翌年の第62回戦車道全国高校生大会では、家元姉妹の妹・西住みほが川に転落した仲間を助けようとして、優勝を逃すことになった。妹みほが大洗女子学園に転校した第63回戦車道全国高校生大会で、みほに敗北した黒森峰戦車道チームリーダーである姉・西住まほは、それまで厳しい規律でがんじがらめになっていた戦車道チームをみずから改革。 その一環として、強襲戦車競技への参加も決めている。現在のチームは、戦車道をまず楽しむ方針に転じており、まほや逸見エリカら上級生が率先して、メンバーにノンアルコールビールを振る舞うなど、明らかな変化があらわれている。
シュバルツバルト戦闘団 (しゅばるつばるとかんぷぐるっぺ)
黒森峰女学園が強襲戦車競技に参加するため用意したチーム名義。指揮官は黒森峰の副隊長である逸見エリカ。最初の競技相手としてムカデさんチームを指名するが、鶴姫しずかのつけた条件により、敗北したら黒森峰リーダーである西住まほの指揮するチームとの再戦が組まれることとなった。チーム名の「シュバルツバルト」は「黒い森」を意味するドイツ語。
その他キーワード
九七式軽装甲車 (きゅうななしきけいそうこうしゃ)
楯無高校・ムカデさんチームが使用する戦車。第二次世界大戦時に大日本帝国陸軍が運用していた、ふたり乗りの軽装甲車。37ミリ砲を搭載し、重量は4.75トン、最高時速は42キロとされている(重量は搭載装備によって変動)。「テケ車」は「TK車」と呼ばれた九四式軽装甲車の改良型であることを意味する開発コードからきた呼称。 ムカデさんチームでは、全体を赤で塗装し、チーム名に合わせたムカデマークがペイントされている。アンツィオ高校戦後、せんしゃ倶楽部本店の工廠でエンジンを換装。平地での最高時速が55キロにも達し、ブレーキ性能なども向上させた。
M22ローカスト
第二次世界大戦時のアメリカ軍で開発された軽戦車。サンダース大学付属高校の強襲戦車競技用チーム名義フライング・タンカースで使用された。対戦車砲を戦車砲として搭載した37ミリ砲と、7.62ミリ重機関銃を副装備しており、重量は7.3トン、最高時速は56.3キロとされている。本来BC自由学園に貸し出されていたが、競技に使用するため、期間終了を待たずに返却させたもの。 競技用に「虎さん仕様」として、車体前面にメルヘンチックな虎の顔図案と、全体にトラジマが描かれている。競技会場へはB-29爆撃機で牽引したイギリスのグライダー「ハミルカー」に積んで運び、着陸後、機首部を開いて降車させるという、実戦さながらのパフォーマンスを行った。 なお、後に改めてBC自由学園に貸し出された際には、元の塗装に戻されていた。
戦車道 (せんしゃどう)
日本女性の精神修養として、学校教育にも取り入れられている戦車を用いた競技スポーツを実践すること。またその精神性そのものを指す。「柔道」や「剣道」、「弓道」のような「武道」あるいは、「茶道」や「華道」、「日本舞踊」のような「芸道」と並ぶもの。「日本戦車道連盟」という法人組織によって、公式ルールのもと「戦車道全国高校生大会」が年次で開催されている。
第63回戦車道全国高校生大会 (だいろくじゅうさんかいせんしゃどうぜんこくこうこうせいたいかい)
日本全国の高等学校単位での戦車道チーム同士の試合によって全国一位を決める大会。テレビアニメ版本編でその一部が描かれた。地区大会を勝ち抜いた学校が出場し、トーナメント形式で争われる。年次で行われている大会。毎年上位まで勝ち抜くことの多かった学校が、大会では無名に等しかった大洗女子学園の優勝により、敗退を喫する大番狂わせが起こった。 そのため、歴史に残る大会になったといわれている。
学園艦 (がくえんかん)
戦車道チームを擁する学校となっている艦船のこと。「学園艦」と呼ばれる巨大な空母に似た形状の艦船そのものが学校としている。小さいものでも数キロ以上の全長に及ぶ甲板上には、校舎等の学校施設以外にも、小さな街ひとつがまるごと載った状態となっている。生徒には、家族とともに船上に引っ越している者も少なくない。学園艦にはそれぞれ母港があって、学校は母港のある県に属する形になっている。 船上はその「飛び地」扱いとなる。多数の車両ごと遠隔地の試合場に移動する必要が生じる戦車道では、特に学園艦という機動力は欠かせないものであり、不可分と考えられている。ただし学園艦の維持には膨大な予算も必要であり、学校の規模や業績によっては、統廃合が行われることも珍しくはない。
強襲戦車競技 (たんかすろん)
いわゆる「戦車道」の公式ルールにはない戦車競技。競技に使用できる車両は第二次世界大戦終結前までに、実戦使用あるいは試作されている戦車や装甲車などの軍用車両である。これは戦車道と同様だが、ここでは車体重量が10トン以下の「軽戦車」あるいは「豆戦車」のみが参加できる、という限定条件が設けられている。もっとも、戦車道大会とは異なり、主催団体や厳密なルールのない「野仕合」として行われ、1台からでも競技にエントリー可能なため、参加のためのハードルは低くなっている。 また、資金や人員面などで戦車道大会への出場が難しいチームでも、参加することができる。近年注目度が高まりつつあり、競技会が開かれる度に、競技者も観戦者も増加傾向にある。なお観戦ルールも戦車道大会と比べて規制が緩く、競技中のフィールド内であっても、自己責任において自由とされている。
ソウルネーム
戦車道を志す者が自ら名乗る別名のこと。名乗るソウルネームに特別な規制はないものと思われる。基本的に好きなものや人物名を選んでいるが、所属する学校の校風に合わせたものが選ばれることも多い。
大鍋 (かるどろん)
強襲戦車競技のイベント戦。ダージリンの提案によって開催されることになった。一般的な競技とは異なり、学校別のチームで対戦するのではなく、さまざまな組み合わせの小チームに分かれて戦技を競い合う、という趣旨の特殊競技。
クレジット
- 原作
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ガールズ&パンツァー制作委員会