概要・あらすじ
伝統文化として「戦車道」がある世界。そこでは乙女のたしなみとして学校で戦車を学ぶようになっていた。大洗女子学園に通う戦車が大好きな少女、秋山優花里は、幼いころ戦車が好きすぎるがゆえに、友達がいなくてひとりぼっちだった。ある日、彼女は戦車道の戦術に長けた西住みほと出会い、また多くの戦車仲間ができたことで、胸を躍らせる。
最初は踏んだり蹴ったりだった素人チームも、西住みほの指揮や、それぞれの熱意でめきめきと腕を上げていく。ただし、大洗女子学園の戦車は、あまりにも旧式のⅣ号戦車D型。他校との試合では、戦車の力の差は歴然。だが、これを戦術と連携でカバーしていくのだった。「戦車道全国大会」に出場した大洗女子学園は、順調にコマを進めていく。
決勝に向かって勝ち進んだ先に立ちはだかるのは、西住みほが元通っていた、そして姉の西住まほが通う強豪校の黒森峰女学園。西住みほが過去の自分の行動に後悔し、怯えているのを見て、秋山優花里は彼女を信じ、支えることを決意する。
登場人物・キャラクター
秋山 優花里 (あきやま ゆかり)
くせっ毛の少女。大洗女子学園に通う。戦車を心から愛しすぎたため、今まで友達がいなかった。戦車道の授業が大洗女子学園に復活したことで、中学時代に戦車道で活躍していた西住みほと知り合う。その後、武部沙織、五十鈴華、冷泉麻子らの友人が出来た。初めての友人のため、敬礼をしたり、舞い上がってしまったりすることもあった。 実物の戦車を見ると興奮してしまい、口数が非常に多くなる。戦車に乗り込むと人柄が変わり、ハイテンションになる「パンツァーハイ」。戦車知識が多いため、右も左もわからぬ仲間たちに、戦車経験者の西住みほと共に助言する。臨機応変な対応に長けている西住みほを尊敬している。 かなりのミーハーで、他校のチームに所属する有名人や、所持している戦車に目を輝かせる。普段はIV号戦車D型に搭乗し、装填手を務めているが、2回戦のアンツィオ戦ではルノーB1 bisの戦車長を務め、装填手兼通信手のエルヴィン、75ミリ砲砲手兼操縦手の大野あやとチームを組んでいる。 西住みほが戦術に長けていることに甘えてしまっている自分に気づき、少しでも自分にできること、西住みほを支えることを探し、奮闘する。歴史が好きな歴女チームにはグデーリアンと呼ばれている。
西住 みほ (にしず みみほ)
セミロングの髪型の少女。大洗女子学園に通う。秋山優花里と同じチームで、IV号戦車D型に搭乗する。秋山優花里の最初の友人で、秋山優花里が心から尊敬している人物。戦車道の戦術に長けており、素人集団である大洗女子学園の生徒に的確な指示を出す。本来は恥ずかしがり屋だが、冷静ながらも熱血漢で、どんな限界状態でもチームのために、決して諦めない精神の持ち主。 実家は西住流戦車道の家元だが、元々はあまり戦車道が好きではなかった。大洗女子学園に来てから、みんなで戦車道を楽しむことを知り、戦車道が次第に好きになっていく。過去に黒森峰女学園にいたころ、戦車戦でケガをした生徒を助けたため指揮が乱れて敗北。 この事件がきっかけで彼女にはトラウマが生まれ、黒森峰女学園に対しての苦しみを持ち続けていたところを、秋山優花里に励まされ、救われる。
武部 沙織 (たけべ さおり)
明るい色の長い髪の毛の少女。大洗女子学園に通う。秋山優花里と同じチームで、IV号戦車D型に搭乗する。性格はとても明るく、誰とでも仲良く話せるムードメーカー。通信手としてチームに協力する。戦車に関しては全く知識がなく、西住みほや秋山優花里に教えてもらいながら成長していく。 お気楽な性格で、最初のうちは戦車内部を快適な空間にすることを考えていた。恋多き少女で、恋愛トークが好き。イケメンに弱い。
五十鈴 華 (いすず はな)
長い黒髪で、おしとやかな出で立ちの少女。大洗女子学園に通う。秋山優花里と同じチームで、IV号戦車D型に搭乗する。大和撫子を絵に描いたような上品な物腰で、実家は華道の家元。しゃべり方も常に丁寧。初めて撃った戦車の砲撃に感動して、砲手を務めることになる。的確な砲撃で、一撃で相手の弱点を狙い撃つ腕前の持ち主。
冷泉 麻子 (れいぜい まこ)
長い黒髪で、いつもけだるそうにしている少女。無口で冷静沈着。朝に弱く、常に眠たがっている。大洗女子学園に通う。秋山優花里と同じチームで、IV号戦車D型に搭乗する。学年首席で天才的な頭脳を持ち、一度読んだだけで戦車の操縦を全て覚えてしまった。後に、戦車の操縦手を担当する。 だらしなくマイペースなため友達は少ないものの、風紀委員の園みどり子が彼女にいつも眼をかけ、ケンカ友達になっている。
西住 まほ (にしずみ まほ)
西住流戦車道の家元で育った、西住みほの姉。黒森峰女学園のキャプテン。正々堂々力を合わせて楽しく頑張ろうとする西住みほと真逆で、どんなに冷酷であろうと勝ちを取りに行くためなら手段を選ばない。副隊長の逸見エリカと共に行動している。無敗を誇っていた黒森峰女学園が、西住みほがケガをした生徒を助けたことで敗北し、落ち込んでいた学校の士気を高めようと力を注いでいた。 「戦車道全国大会」の決勝戦で西住みほの大洗女子学園と当たり、西住みほの戦い方を、西住流とは違うがみほらしい戦いだった、と称した。
ダージリン
後ろで髪の毛を編みこみにしている、上品な少女。大洗女子学園がはじめて練習試合で戦った、聖グロリアーナ女学院の戦車道のキャプテン。聖グロリアーナの生徒たちのみならず、大洗女子学園の生徒の間でもカリスマ的な人気がある。そばには常にアッサム、オレンジペコがついており、共に行動している。 冷静な戦略家で、騎士道精神に則った上品な戦い方を好む。紅茶を好み、好敵手と認めた相手にのみ紅茶を贈る。
アンチョビ
巻髪のツインテールに、イタリア軍風の軍服を来た、アンツィオ高校のキャプテン。仲間からは「統帥(ドゥーチェ)」と呼ばれている。常にムチを持って指揮をとる。同じチームのカルパッチョを信頼してそばに置いている。気が強く、西住みほの中学時代のトラウマをほじくり返しながら、煽り立てる言動をとった。 そのため、秋山優花里には強く憎まれていた。
カチューシャ
大きな帽子をかぶり、身長がとても小さな少女。プラウダ校のキャプテン。下に見られることを嫌っており、共にいるノンナに肩車をされながら、罵りの言葉を浴びせかける。中学校時代の西住みほに因縁のある人物。
その他キーワード
IV号戦車D型 (よんごうせんしゃでぃーがた)
『ガールズ&パンツァー』に登場する戦車。1935年ドイツで作られた、火力支援用の戦車。75mm長砲身砲を搭載している。新型戦車が後に登場しても、ドイツの主力戦車として活躍した。大洗女子学園では、西住みほが戦車長、五十鈴華が砲手、冷泉麻子が操縦手、武部沙織が通信手、秋山優花里が装填手として搭乗している。
クレジット
- 原作
-
ガールズ&パンツァー製作委員会
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書誌情報
ガールズ&パンツァー 3巻 KADOKAWA〈MFコミックス フラッパーシリーズ〉
第1巻
(2012-09-21発行、 978-4040675688)
第1巻
(2012-09-21発行、 978-4840147279)
第2巻
(2013-02-23発行、 978-4040675695)
第3巻
(2013-09-21発行、 978-4040682631)