あらすじ
第1巻
初めての対外試合を戦車道全国大会の優勝候補と言われる聖グロリアーナ女学院と行い、善戦するが負けてしまった大洗女子学園の戦車道チーム。全国大会で優勝を目指す彼女達は、大会本番までにせめてもう1回は練習試合を行って、実戦経験を積みたいと考えていた。しかし、大会が近い事もあって、練習試合を受けてくれる学校は見つからなかった。一方、戦車道の名門校と呼ばれているものの、ここ1年は連敗続きのマジノ女学院も、一新した戦術の精度を上げるために練習試合の相手を探していた。こうして思惑が合致した2校による練習試合が、マジノ女学院の演習場で始まる。
第2巻
マジノ女学院の演習場で始まった、大洗女子学園とマジノ女学院による戦車道の練習試合。大洗女子学園の隊長である西住みほは、マジノ女学院の過去のデータから、今までと同じ重戦車を軸にした防御陣地を構築していると予想し、セオリー通りに包囲作戦を指示する。対するマジノ女学院は5輌中4輌で防御陣地を構築し、残った1輌で狙撃する作戦を取る。序盤はマジノ女学院の隊長であるエクレールの思惑通りに進み、狙撃役のルノーR35の攻撃を合図に、マジノ女学院側は新戦術の機動戦に移行して大洗女子学園を翻弄する。大洗女子学園メンバーはパニックになりかけるものの、生徒会長の角谷の一喝で落ち着きを取り戻し、みほの指示に従って動いてマジノ女学院の戦車を2輌行動不能にするのだった。
登場人物・キャラクター
西住 みほ (にしずみ みほ)
大洗女子学園に通う2年生の少女。去年までは黒森峰女学園に通っていたが、大洗女子学園に転校して来た。戦車道の流派の一つである西住派現当主である西住しほの娘。大洗女子学園の戦車道チームの中では戦車道に一番詳しく、チームの隊長を務めている。試合ではAチームのⅣ号戦車D型に車長として乗り込み、チーム全体に指示を送る。武部沙織からは「みぽりん」、一部のチームメンバーからは「隊長」と呼ばれている。
秋山 優花里 (あきやま ゆかり)
大洗女子学園に通う少女。大洗女子学園戦車道チームの一人。ほかのメンバーを名字のあとに「殿」を付けて呼ぶ事が多く、武部沙織からは「ゆかりん」と呼ばれている。戦車が好きで、勝ち負けより戦車道の試合ができること自体に喜びを感じている。試合では西住みほと同じく、AチームのⅣ号戦車D型に乗り込んで装填手を務める。 1発7キロ弱ある砲弾を長時間すばやく装填し続けるために、日々トレーニングを行っている。戦車の知識も豊富で、マジノ女学院との練習試合では、試合開始前に独断で偵察に出て、マジノ女学院の戦車の変化を見抜く。
武部 沙織 (たけべ さおり)
大洗女子学園に通う少女。大洗女子学園戦車道チームの一人。西住みほの事を「みぽりん」、秋山優花里を「ゆかりん」と呼ぶなどフレンドリーな性格。試合ではみほと同じく、AチームのⅣ号戦車D型に乗り込んで通信手を務める。通信手としては優秀だが、不在のみほの代わりに車長を務めた時は、まともに指示が出せなかった。
五十鈴 華 (いすず はな)
大洗女子学園に通う少女。大洗女子学園戦車道チームの一人。試合では西住みほと同じく、AチームのⅣ号戦車D型に乗り込んで砲手を務める。経験を積むたびに射撃の腕を上げていき、マジノ女学院の練習試合では、走行しながら敵戦車に砲弾を当てている。
冷泉 麻子 (れいぜい まこ)
大洗女子学園に通う少女。大洗女子学園戦車道チームの一人。試合では西住みほと同じく、AチームのⅣ号戦車D型に乗り込んで操縦手を務める。戦車の操縦技術は高く、マジノ女学院の練習試合では、みほの指示通りにⅣ号戦車D型を巧みに動かす。
角谷 (かどたに)
大洗女子学園に通う3年生の少女。大洗女子学園戦車道チームの一人。大洗女子学園の生徒会長を務めており、周囲からは「会長」と呼ばれている。試合では生徒会のメンバーである河嶋桃、小山柚子と共にEチームの38(t)戦車に乗り込む。マジノ女学院の練習試合では、マジノ女学院の作戦でパニックになりかけたチームメンバーを一喝して落ち着かせたり、勝負所で1年生のチームのやる気を引き出すなど、チームを精神的に支える存在。
エクレール
マジノ女学院に通う2年生の少女。マジノ女学院戦車道チームの現隊長。周囲からは「隊長」や「エクレール様」と呼ばれている。勝ち負けより伝統を守った戦い方に固執するマドレーヌに反発し、違う戦術を提案する。その後、マドレーヌとの直接対決を制して隊長となり、戦術を今までの重戦車を軸にした防御一辺倒から、機動力を重視した「サン・シール流」にシフトさせる。 前隊長のマドレーヌを慕う人間からの嫌味や、なかなかあがらぬ成果などからストレスを感じて、つねに胃痛に苦しんでいる。それでも胃腸薬を飲み続けながら、自分の信念を変えない芯の強い人物。西住みほの母親である西住しほの学生時代の戦車道の試合を幼い頃から見ており、しほにあこがれている。
フォンデュ
マジノ女学院に通う少女。マジノ女学院戦車道チームの一人。副隊長として隊長のエクレールをサポートし続ける。
ガレット
マジノ女学院に通う少女。マジノ女学院戦車道チームの一人。前隊長であるマドレーヌを慕っており、マドレーヌの方針に反発して彼女がチームを辞める要因となった現隊長のエクレールの事を快く思っていない。そのためエクレールにはトゲのある態度で接している。マドレーヌがチームを辞める時にいっしょに辞めるつもりだったが、マドレーヌに諭され、チームに残って戦車道を続けている。 しかし、戦車道への情熱は冷めている。
マドレーヌ
マジノ女学院に通う3年生の少女。マジノ女学院戦車道チームの前隊長。マジノ女学院の伝統を守って防御陣形で戦うものの、連敗が続いている。勝ち負けより伝統を守った戦いを重視していたが、エクレールから戦術変更を提案される。それを「隊長を譲れ」という意味と受け取り、エクレールとの一騎打ちを申し込む。しかし、その戦いで敗れてチームを去る。 実は防御陣形で戦っていたのは、マジノ女学院保有の戦車のほとんどが防御主眼の思想で作られていて、機動戦に適していない性能なためだった。自分が去ってエクレールが指揮する事でチームがいい方向に変革すると期待して、チームをエクレールに託す。チームにいた時は「隊長」や「マドレーヌ様」と呼ばれ、チームを去ったあとも、自分を慕ってくれる人物からは「マドレーヌ様」と呼ばれている。
集団・組織
大洗女子学園
茨城の県立学校。マジノ女学院との戦車道の練習試合をした段階での所有戦車はⅣ号戦車D型、八九式中戦車甲型、Ⅲ号突撃砲、M3リー中戦車、38(t)戦車の5輌。戦車道チームの隊長は西住みほが務める。みほ以外は戦車道の経験が皆無なため、実戦経験を積むためにマジノ女学院と練習試合を行う。
マジノ女学院
戦車道の名門校として知られる学校。校舎は宮殿のような装飾があり、通う生徒達は「ごきげんよう」や語尾に「ですわ」などを付けて会話するお嬢様学校。所有戦車はルノーR35、ルノーFT-17、ソミュアS35、ルノー シャールB1bisなど。重戦車を軸にした防御陣形での戦いを伝統をしているが、ここ1年の公式戦での勝敗は0勝4敗1分けと、勝ちから遠ざかっている。 伝統を重んじるマドレーヌと勝ちにこだわるエクレールのあいだで一騎打ちが行われ、その結果、隊長がマドレーヌからエクレールに交代する。エクレールの指揮のもとで戦術が変更され、より練度を高めるために、大洗女子学園からの練習試合の要請を受け入れる。
クレジット
- 原作
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ガールズ&パンツァー製作委員会
書誌情報
ガールズ&パンツァー 激闘!マジノ戦ですっ!! 2巻 KADOKAWA〈MFコミックス フラッパーシリーズ〉
第1巻
(2015-03-23発行、 978-4040675015)
第2巻
(2015-09-19発行、 978-4040678191)