概要・あらすじ
26歳の佐藤楓は総務部から華の営業部に異動したばかり。今の不満はIT部の塩谷の姿をなかなか見られなくなってしまったこと。楓は2年ほど前、同僚の女子が自分の悪口を言っているのを給湯室の外で聞いてしまう。話を聞いてしまった塩谷は楓の頭に軽く手を置き「気にしなくていい。仕事ぶりは勝っているから」と楓を励ましてくれた。以来、塩谷に片思い中の楓は彼を眺めることで元気をもらっていた。しかし、今回の異動でフロアが別の階になってしまったのだ。楓は営業部のエース、溝口から冷たくされていた。噂(うわさ)では彼は気さくで明るく人望の厚い人物。嫌われているのは自分の仕事が遅いからだろうかと、溝口に頼まれた仕事を終電近くまで残業して終わらせる楓。トイレに行く時、社員カードを持って出るのを忘れてしまった楓は、スマホもお金も上着も持っていないのに部屋から閉め出されてしまった。誰か会社に残っている人はいないかと、下の階に降りてみると、塩谷が声をかけてくれた。塩谷は社員カードを家に置いてきてしまったという。会社から5分だからと二人で塩谷の家に向かった。途中で大雨に降られ、ビショ濡れになる二人。楓は塩谷の家でお風呂と着替えを貸してもらった。服が乾くまで時間がかかるから、会社に戻るのは朝にしようと言う塩谷。そして「君を襲わない保証がないから、両手を縛ってくれ」と楓に頼む。楓は仕方なく塩谷の手をりぼん結びで縛るが、そこにルームメイトの溝口が帰ってきた。この状況を溝口に知られたら大変だと、楓は塩谷を連れてとっさにクローゼットに隠れてしまう。狭いクローゼットで、密着したまま、塩谷の手首の紐(ひも)をほどこうとする楓。塩谷は「紐がほどけたら俺、何をするかわかんないよ」と言い、楓を引き寄せ、キスをした。塩谷は「声を出すと溝口に聞こえる」と言いながら、楓の敏感な部分にふれ続ける。溝口が塩谷を探して部屋に入ってきた。楓は声を押し殺し、溝口にバレないかとヒヤヒヤするのだった。
登場人物・キャラクター
佐藤 楓 (さとう かえで)
26歳の女性。営業部に所属する。一途で真面目な性格で、いつも一生懸命だが、女子社員から嫌われ、ぶりっ子と言われてしまう。また男好きという噂も流されている。背中までの長さの髪で毛先を軽く巻いている。2年間も塩谷に片思いしていながら、見ているだけで思いを伝えることはできていない。
塩谷 (しおや)
佐藤楓の同僚の男性。IT部に所属する、黒髪で背の高いイケメン。寡黙で周囲と少し距離をとるが、人を見る目は確か。会社から徒歩5分のところに住んでおり、同期の溝口とルームシェアをしている。陰口をたたかれていた楓をさりげなく励ます優しい人物。理系男子だが、エッチは肉食。
溝口 (みぞぐち)
佐藤楓の同僚の男性。営業部のエースで、塩谷とは同期で仲が良い。彼の家に転がり込むカタチで、ルームシェアをしている。明るく気さくで人望も厚く、恋にかまけて、仕事をおろそかにする人が嫌い。
書誌情報
キスでふさいで、バレないで。 3巻 ハーパーコリンズ・ジャパン〈プティルハニーコミックス〉
第2巻
(2022-08-16発行、 978-4596746610)
第3巻
(2023-07-18発行、 978-4596775580)