ココロのプログラム

ココロのプログラム

母親と二人暮らしの少年、宇佐美九と、人間そっくりの少女型ロボット、宇佐美いちこ、そして九の幼なじみである入江愛の三人が織りなす、淡く切ない三角関係を描いた恋物語。集英社「少年ジャンプ+」で2021年47号から配信の作品。

正式名称
ココロのプログラム
ふりがな
こころのぷろぐらむ
作者
ジャンル
ロボット
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊4巻
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あらすじ

父親を早くに亡くし、母親と二人暮らしをしていた小学生の宇佐美九のもとに、とある研究員が開発した少女型ロボットの宇佐美いちこがホームステイをするためにやって来た。九は、いちこの姿が、想像していたロボット像と違い、ふつうの少女にしか見えないことに大いに困惑しつつも、彼女が人の心を完全に学ぶまでの数年間をいっしょに過ごすことになる。思っていた以上に人間的で、なおかつドジないちこのことを当初は煙たく思っていた九だったが、やがて純粋で何事にも一生懸命ないちこに心惹(ひ)かれていく。九の幼なじみで彼のことが好きな少女の入江愛は、九といっしょに暮らすいちこにかすかなジェラシーを抱きつつも、穏やかで優しいいちことの友情を育んでいく。いちこのホームステイ生活が始まってから1年が経過したある日、九の学年は修学旅行へと出発することになった。日常とは異なる雰囲気にあてられ、自分の本当の気持ちを確かめたくなった九と愛は、手をつなぐことで互いの絆(きずな)を再確認する。その後、二人が乘っていた電車の車窓から、落ち込んでいるいちこの姿を見つけた九は、一人で電車を降りていちこのもとへと向かう。いちこは、班長を務める自分の班が、よその班と喧嘩(けんか)したことで自らの力不足を痛感し、すっかり落ち込んでしまっていた。そんないちこを励ました九は、いちこの手をつなぎ、二人で集合場所へと戻るのだった。いちこと手のぬくもりを感じた九は、この時間が永遠に続くことを強く願う。時が経(た)ち、中学校へと進学した九は、再びいちこと同じクラスになる。しかし、別のクラスになった愛は修学旅行以降、いちこのことを露骨に避けるようになっていた。

登場人物・キャラクター

宇佐美 九 (うさみ きゅう)

とある小学校に通う男子。黒髪の細身の少年。人見知りで、自分の思いを素直に伝えられない不器用な性格の持ち主。父親を早くに亡くしており、母親と二人暮らしをしている。幼なじみの入江愛とは仲がよく、今もいっしょに登下校する間柄。愛からは「うさみん」という愛称で呼ばれている。口数は少ないが孤立しているわけではなく、友達も多くてクラスメイトから人気がある。亡くなった父親のことが今も大好きで、生前の父親との楽しかった記憶を反芻(はんすう)しては、物思いにふけっている。とある研究員が開発していた少女型ロボットの宇佐美いちこを、母親がホストファミリーとなって迎え入れたことから、彼女が人の心を完全に学ぶまでの数年間、ひとつ屋根の下で暮らすことになった。当初は想像していたロボットと違ういちこの容姿に驚き、その反面、人の心をうまく理解できないうえ、些細(ささい)なミスを繰り返すいちこにイラつき、辛辣な言葉を浴びせてしまうこともあった。しかし、純粋で懸命ないちこと暮らすうちに、次第に彼女に惹かれていく。その後は、いちこがロボットにすぎないという現実と、自分の思いとの狭間(はざま)で葛藤を続けることになる。不器用だが他者を気遣う優しい一面があり、愛をかばって無実の罪をかぶり、自ら望んで教師から処罰を受けることもあった。愛からは出会った当初からずっと片思いされているが、宇佐美九自身は愛のことを仲のいい友人だと思っている。

宇佐美 いちこ (うさみ いちこ)

人間を模した精巧なロボット。ミディアムショートの髪型をした少女のような姿をしている。とある研究機関で作られ、人の心を学ぶために宇佐美九の家にホストファミリーとして数年間、ホームステイすることになった。朗らかで面倒見がよく、疑うことを知らない純粋な性格ながら、まだ人間の心を完全に理解することはできない。宇佐美九の母親からは「いっちゃん」というあだ名で呼ばれ、実の娘のようにかわいがられている。趣味は漫画やドラマの鑑賞で、恋バナが大好き。特技は暗記と絵画。特に絵画は大の得意で、プロ顔負けの腕前を発揮する。九と同じ小学校に通っているが、見た目や仕草、会話の内容など、そのすべてが人間の少女そのもので、初見で彼女がロボットであることに気づく者はいない。学校では宇佐美いちこがロボットであることは周知の事実だが、誰にでも優しい性格と人目を引く美しい容姿で、多くの生徒から慕われる人気者になっている。家事全般もお手の物だが、経験不足が原因でドジを踏んでしまうことも多く、ホームステイの当初は九にポンコツ扱いされていた。また、人の心の機微なども表面どおりにしか解釈できず、キスは特別な相手にするものということを友人から聞いた際は、仲直りの印として躊躇(ちゅうちょ)なく九にキスをして、彼を大いに戸惑わせていた。その後も、九に邪険にされてもいっさい挫(くじ)けることなく、懸命になって人の心を学ぼうとする。何事にも純粋な姿勢が、頑(かたく)なだった九の心を開き、彼からひそかに思いを寄せられるようになる。

入江 愛 (いりえ あい)

宇佐美九が通っている小学校の女子。黒髪ツインテールの髪型で、小柄な体型をしている。明るく素直な性格で、友達も多い。九の幼なじみで、彼のクラスメイト。かわいらしい顔立ちのため、クラスの男子からは非常に人気がある。九のことは親しみを込めて「うさみん」と呼んでおり、現在もいっしょに登下校するほど仲がいい。出会った当初から九に片思いしており、兄といっしょに二人で九の家で毎日遊んでいた。兄が中学校に進学してから、九の家に行く機会が減ったことをとても残念に思っている。九の家にホームステイすることになった宇佐美いちこに対し、相手がロボットであると理解しつつも、少しジェラシーを感じている。そのため、当初はクラスメイトになったいちこに、少しよそよそしい態度を取っていたが、いちこの純粋さに触れたことでなかよくなる。成長期なため、日中にお腹が減ってしまうことに悩んでおり、登校してからは中休みに持ち込んだお菓子をこっそりと食べていた。九がいちこを好きになることはありえないと自分に言い聞かせていたが、九の心が徐々にいちこに傾いていることを日々実感しており、九といちこの仲が深まった修学旅行以降は、言い知れぬ焦燥感に苛(さいな)まれるようになる。そのため、中学校入学後はいちこのことを避けるようになってしまう。

研究員

人型ロボットの研究・開発をしている研究員の男性。眼鏡をかけ、知的な風貌をしている。物腰が柔らかく、落ち着いた性格をしている。人間にそっくりなロボットの開発に携わっており、少女型ロボットの宇佐美いちこを完成させた。容姿は人間そっくりだが、人間の心を理解できないロボットに、人の心を学ばせる手段を模索していた。成長途中の子供はエネルギーに満ちており、10歳前後の子供がいる家庭はロボットに心を学ばせるのに最適の環境だと考えている。そのため、いちこに人の心を学ばせるという目的で、子供がいる家庭をホストファミリーとして募集し、最終的に宇佐美九の家庭をホームステイ先に選んだ。研究員自身は、いちこの心のプログラムが完成するまでの時間を5~8年と見立てている。いちこがホームステイする前に、ロボットを家に迎え入れることを渋っていた九を優しく諭していた。現在は「ネオ」と呼ばれる新たな少年の姿をしたロボットを開発している。

ネオ

人間を模した精巧なロボット。ミディアムショートヘアで、パーカーを着用した少年のような姿をしている。研究員の手で開発されたロボットで、ようやくフォーマットが完了して目覚めたばかりの状態。そのため、そのすべてが謎のヴェールに包まれている。

宇佐美九の母親

宇佐美九の母親。眼鏡をかけている。優し気な顔立ちで、社交性豊かな明るい性格をしている。早くに父親を亡くしたため、女手一つで九を育てている。人型ロボットである宇佐美いちこの開発元がいちこのホストファミリーを募集していたことを知り、思い切って応募した。研究員によってホストファミリーに選ばれ、送られてきたいちこを暖かく迎え入れた。いちこに対し我が子のように愛情を注ぎ、かわいがっている。

宇佐美九の父親

宇佐美九の父親。短髪で精悍(せいかん)な顔立ちをしている。故人。明るくて面倒見がよい性格で、生前は九のことをとてもかわいがっており、さまざまな場所に九を連れて行っていた。亡くなって数年が経過した今でも、その頃の楽しかった思い出が九の心に深く刻み込まれている。家庭菜園が趣味で、父親がベランダで育てていたガジュマルは、今も九が引き継いで育てている。経験のない宇佐美いちこがこのガジュマルを枯らしてしまったことで九の怒りを買い、いちことの仲が険悪になることもあった。

教師

宇佐美九が通っている小学校の教師を務める女性。九のクラスの担任でもある。眼鏡をかけ、生真面目な雰囲気を漂わせている。ルールを守らない人間に対して非常に厳しい態度を取り、掃除の時間に教室でお菓子の袋を見つけた際は、ルール違反のお菓子を学校に持ち込んだ犯人が名乗り出るまで、クラス全員を帰宅させないというペナルティを課していた。

書誌情報

ココロのプログラム 4巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第2巻

(2023-03-03発行、 978-4088835105)

第3巻

(2023-09-04発行、 978-4088836805)

第4巻

(2023-12-04発行、 978-4088838038)

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