クチュリエールと赤い糸

クチュリエールと赤い糸

19世紀のフランスを舞台に、女性仕立て職人(クチュリエール)を目指す少女が、母親のドレスを作るため、パリで一番の人気を誇る仕立屋のもとに弟子入りする。女好きな仕立屋と何事にも一生懸命な少女が、ドレスを通じてさまざまな願いを解決していく姿を描く。「ザ花とゆめ」2016年3月1日から12月1日号にかけて掲載された作品。

正式名称
クチュリエールと赤い糸
ふりがな
くちゅりえーるとあかいいと
作者
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概要・あらすじ

1830年代のフランスはパリ。14歳のシャルロットは、母親とともに、庶民としてつつましい生活を送っていた。そんな折、フロベール子爵との再婚が決まった母親マリアンヌが、舞踏会に着て行くドレスがないことが分かり、シャルロットは、自分の手でドレスを作ってあげたいと考えるようになる。パリで一番の人気を誇る仕立屋だったオリヴィエのもとへ単身乗り込み、彼のもとへ弟子入りを志願する。

仕立屋としての腕は一流のオリヴィエだったが、その実体は、女たらしで偉そうなオレ様気質。シャルロットはそんな彼に翻弄されながらも、ドレスを注文に来る女性の心に寄り添い、オリヴィエとともにドレスを作り上げることで問題を解決していく。

登場人物・キャラクター

シャルロット

14歳の少女。再婚が決まり、舞踏会に行く母親に、新しいドレスを作ってあげたい一心で、オリヴィエのもとに弟子入りしに来た。一人前の女性仕立て職人(クチュリエール)になって「身にまとった人が笑顔になって大切な人と結ばれる」そんなドレスを作りたいと願っている。表情がコロコロ変わり、感情表現が豊かで何事にも一生懸命。いつも一枚上手のオリヴィエに対して、ドレスづくりの腕前以外は魅力を感じなかったが、オリヴィエと毎日をともにするにつれ、次第に彼自身に惹かれ始める。

オリヴィエ

パリの社交界で人気を博す仕立屋であり、貴族の男性。デザインから仕立てまでをすべて自分だけで行い、生み出される繊細で可憐なドレスは、貴婦人たちの間で話題となっており、彼のドレスを手に入れるには3か月待つことも珍しくない。顧客の女性すべてに「運命の女」のつもりで接し、常に気分を高めた状態でドレスを作成しているため、接客中に邪魔されることを嫌う。 母親が庶民の出であり、結婚によって貴族になったため、その子供であるオリヴィエも、母親とともに陰湿な貴族たちからいじめに遭っていた。自信家で偉そうに振る舞い、女たらしの印象があるが、心根は優しい。弟子入りしに来たシャルロットをいつも子ども扱いしているが、心の奥底では彼女の実力を認めており、次第にシャルロットがなくてはならない大切な存在に代わっていく。

テオ

オリヴィエの幼い頃からの友人で、仕立屋の運営を手伝っている男性。オリヴィエやエマとともに公爵家で子供時代を過ごした。いつも笑顔で、人当たりの良い優しい人物だが、オリヴィエとは言いたいことを言える関係であり、自信家で偉そうなオリヴィエもテオにだけはかなわない。

マリアンヌ

シャルロットの母親。夫と死別し、女手一つでシャルロットを育ててきたが、フロベール子爵の屋敷で働いていた際、声をかけられたことがきっかけとなり、フロベール子爵との再婚が決まった。しかし、庶民の出であるがゆえに、再婚して貴婦人になることへの苦労は少なくない。シャルロットが大好きで、彼女がドレスを作ってくれることをとても喜んでいる。 何よりいつも前向きで明るく楽しい人物。

フロベール子爵 (ふろべーるししゃく)

シャルロットの母親マリアンヌと再婚することが決まっている男性。サルディニアの次期大使候補といわれる人物であり、外見もダンディなため、毎日熱心にラブレターを送る貴婦人がいるほどモテると噂されている。庶民の女性を妻にするにあたり、どんなトラブルが起こるかは予想しており、彼女を守ろうと努力している。

ルネ・ド・ショワズール (るねどしょわずーる)

この春社交界デビューしたばかりの14歳の少女。名門貴族の令嬢で、口が悪いが、裏表のないはっきりしたところが魅力の人物。社交界で気付かぬうちにマナー違反をしていたシャルロットに助け舟を出した。これがきっかけとなり、シャルロットにドレスを頼んだ。家庭教師のベルナールからの愛の告白を断るための白いドレスを注文し、自分は公爵様に嫁ぐ身であると豪語しているものの、実はベルナールのことが好き。

ベルナール

ルネ・ド・ショワズールの家庭教師を務める青年。パリ大学の貧乏学生だが、ルネに愛を告白した。オペラ座の上演会の際、その返事がイエスなら赤い椿を、ノーなら白い椿をルネの胸に飾るように伝えた。しかし、オペラ座に出かける服も持っていないような自分がルネと釣り合うはずがないと、自信喪失しており、最初から諦めている。

エマ

オリヴィエのいとこにあたる15歳の少女。修道院の寄宿学校を卒業し、幼い頃オリヴィエやテオとともに暮らしていたシャントプルールの城に帰って来た。1か月後に迫った社交界デビューのためのドレスを、オリヴィエに頼んでいたが、帰宅して以降、自室に閉じこもるようになり、誰にも会おうとせず、侍女の世話すら受け付けなくなってしまった。 オリヴィエを本当の兄の様に慕っており、彼の作るドレスを美しく着こなすことで、オリヴィエをいじめた貴族たちを見返してやりたいと思っている。

女官長 (にょかんちょう)

マリアンヌがフロベール子爵の屋敷でメイドを務めていた頃からお世話になっている女性。マリアンヌがフロベール子爵と再婚することが決まり、結婚式を取り仕切ることになったため、はりきっている。フロベール子爵家の伝統に乗っ取り、代々続く花嫁衣装を用意するために、豪華絢爛なものを準備しようとしている。

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