作品誕生のいきさつ
本作『ふしぎな少年』は、もともとTVドラマの企画から生まれた作品である。当時NHKの演出部に所属しており、のちにアニメや特撮の脚本家として活躍する辻真先は、かつて手塚治虫が描いた『新世界ルルー』の、「時間を止める能力を持つ少年」という設定を使った子供向けドラマの制作を思い立った。そして、辻真先の提案を受けた手塚治虫が新たに考えた設定をもとに、同名のTVドラマ版が制作される事が決定。同時に漫画版である本作の連載が開始される事となった。
あらすじ
第1巻
町の腕白少年グループ、アンパカ組の一人であるサブタンは、ある、時地下道の壁から四次元世界に迷いこんでしまう。元の世界に戻った時、サブタンは時間の流れを止める能力を身に付けていた。サブタンは兄で科学者の大西一郎に事情を打ち明けるが、一郎は弟の言う事が信じられず、彼を精神病院に連れて行こうとする。その途中、二人は列車の脱線転覆事故に遭遇。サブタンは時間を止める能力を使って、落下する列車の中から乗客達を救い出したのであった。(第1章、第2章)
サブタンの能力を知った外国のスパイは一郎を誘拐し、兄を助けたかったら人工衛星、クサイ四号の発射を阻止しろとサブタンに要求するが、怒ったサブタンは時間を止める力を使い、スパイ達を撃退する。しかし、スパイ達はあきらめず、今度はクサイ四号を開発した吉川博士を拉致。博士が持つロケット開発の重要書類を奪おうとする。同じ頃、サブタンの父親、大西和夫が炭鉱の落盤事故に巻き込まれていた。事態を知ったサブタンは父親や鉱員達を救出するが、そこで自分を襲ったスパイの一人を発見。あとを付けて彼らのアジトに乗り込み、スパイ達を一網打尽にする。大手柄のサブタンだったが、間違って打ち上げ直前のクサイ四号の中に閉じ込められてしまったため、時間を止める能力を使ってロケットを壊してしまう。そんな彼の前に四次元人達が出現。今度時間を止める能力を悪用したら、元の世界に戻れないようにすると警告する。(第3章)
サブタンが通う学校で火事が発生した。火が自宅の裏まで迫って来たため、サブタンは時間を止めて、どうにか延焼を食い止めるが、消火作業の際に指紋をあちこちに残してしまい、放火の容疑で刑事の池上に逮捕されてしまう。サブタンは真犯人を探し出すべく、時間を止めて脱走。時間が停止した世界の中で、約10年もの年月をかけて、ついに放火犯を見つけ出す。犯人を連れて裁判所に戻ったサブタンは、止まっていた時間を動かし、自らの無罪を証明したのであった。(第4章)
アンパカ組は、人気レスラーであるオラン・ウータンのサインをもらおうと宿泊先のホテルを訪ねるが、そこには胸を刺されて倒れているオラン・ウータンの姿があった。驚いたサブタン達はホテルの人に知らせるが、なぜかオラン・ウータンはピンピンしていた。自分の頭がおかしくなったのかと疑うサブタン。そこに医者を名乗る男、チャンが現れ、治療と称してサブタンに催眠術をかける。それは、チャンに命令された時以外は、時間を止める能力の事を忘れてしまうというものだった。チャンに言われるまま飛行機にトランクを乗せるサブタン。そこにFBIの少年捜査官であるロック・ホームが現れ、サブタンは麻薬の密売人に利用されたのだと話す。真相を知ったサブタンはロックと共に密輸団のアジトに乗り込み、彼らを一網打尽にする。(第5章)
第2巻
人工的に四次元世界を作り出す四次元振動機の実験に協力した事から、幅や奥行きのない二次元人の姿になってしまったサブタン。そんな中、建物が崩れて赤ん坊が地下室に閉じ込められるという事件が起きる。サブタンはペラペラの体を利用して建物の中に侵入。赤ん坊を助け出すが、救出の過程で古田抜太郎という男が赤ん坊の命を狙っている事を知る。この赤ん坊は江美原健二という名で、23年後にタイム・マシンを発明する事になる男であった。未来の世界で江美原と対立した古田抜は、彼のタイム・マシンを使って江美原を赤ん坊のうちに殺せと、過去の自分に知らせたのである。すべての事実を知ったサブタンは古田抜と対決し、殺人を未然に防ぐが、その途中で誤って谷底に転落してしまう。気が付くと元の三次元の体に戻っていたが、時間を止める能力は失われていた。(第6章)
時間を止める能力をなくしたサブタンのもとにアンパカ組の面々がやって来た。不良中学生達にケンカを売られ、柔道で勝負する羽目にになったという。仲間達を助けたるため、もう一度時間を止める力をくださいと神様に願うサブタンは、再び四次元振動機の事故に巻き込まれる夢を見る。そして、目が覚めるとなぜか時間を止められるようになっていた。急いで柔道場にかけつけたサブタンは、不良達のリーダー、土部泥を徹底的に懲らしめる。さらに、土部泥を叱ってもらおうと彼の家に行くが、そこでは土部泥の父親が外国人の男と悪事の相談をしていた。サブタンは捕えられるが、時間を止める力で脱出。男を土部泥の父親ともども警察に突き出したのであった。(第7章)
アメリカの超強力ミサイル「マンモス」が、間違って日本に向かって発射されてしまった。サブタンは着弾寸前でマンモスを止めるが、ミサイルを破壊する手段がないため、四次元のおねえちゃんに頼んでミサイルをサハラ砂漠に移動してもらう。ところが、彼女のミスで空間に穴が空いてしまい、そこから人や物がサハラ砂漠に飛ばされたり、サハラ砂漠の物が東京に出現したりする事件が続発。穴をふさぐためにアフリカに向かった四次元のおねえちゃんも音信不通になってしまう。ついにサブタンは空間の穴を通って自らアフリカに向かうが、そこはアジェラ共和国という新興国で、内乱の真っ最中であった。サブタンは政府軍に協力して反乱組織「スカラベ」と戦うが、そこに四次元のおねえちゃんが出現。彼女が姿を消していたのは三次元世界への干渉をほかの四次元人達に責められていたためで、サブタンの時間を止める能力を取り上げる事になったと打ち明ける。かくして空間の穴はふさがれ、サブタンも平凡な普通の少年に戻ったのであった。(第8章)
メディアミックス
TVドラマ
1961年4月から、NHKにて本作『ふしぎな少年』のTVドラマ版が放送された。主演は太田博之で、「時間よ、とまれ!」という主人公のサブタンの決めゼリフは当時流行語になった。漫画版はこのTVドラマ版に少し遅れて連載が開始されたが、TVドラマ版をもとにしたコミカライズというわけではなく、どちらも手塚治虫の原作によるものである。
登場人物・キャラクター
サブタン
腕白グループ「アンパカ組」に所属している男の子。年齢は13歳。本名は「大西三郎」だが、家族や友達からは「サブタン」と呼ばれている。ごく普通の少年だったが、四次元世界に迷い込んだ事から、時を止める能力を身に付けた。腕白だが正義感の強い少年で、この能力を駆使してさまざまな難事件に挑み、悪者達を懲らしめる。 だが、三次元の人間が時を止める能力を持っている事が四次元世界で問題となり、超強力ミサイル「マンモス」の飛来に端を発した最後の事件を解決したあと、普通の少年に戻った。能力としては「時を止める」「止まった時間の中を動く」「時を再び動かす」事が可能で「時間よ、とまれ」と言うと、すべての時間が停止。「時間よ、動け」と言うと、時が再び動き出す。 ほかの人達は時が止まっているあいだの事を認識できないので、時が動き出すと物体が突然出現したり、瞬間移動したりしたように感じる。約10年ものあいだ、時間を止め続けた事もあるなど、止めていられる時間もほぼ無限である。ただし、必ず時を止められるわけではなく、なかなか能力が発動せず、悪戦苦闘する事が何度かあった。
大西 一郎
サブタンの兄。空間理論物理研究所で働いている科学者。凡骨博士のもとで四次元について研究している。サブタンから時を止める能力を見せられるが、最初は弟と自分のどちらかがおかしくなったと思い込み、いっしょに精神病院に行こうとした。しかし、サブタンが列車の脱線転覆事故を解決した事から、彼の言う事を信じるようになり、四次元の謎を解き明かしてノーベル賞をもらおうと意欲を燃やす。
大西 和夫
サブタン、大西一郎、サブタンの姉の父親。昔気質の頑固親父だが、息子への愛情は人一倍で、サブタンが四次元世界に迷い込んで行方不明になった時は、血眼になって彼の事を探し回った。当初は時間を止めたというサブタンの話をまったく信じていなかったが、炭鉱の落盤事故に巻き込まれ、生き埋めになりかけていたのをサブタンに助けられてからは、息子が何か不思議な力を持っている事を認識していたもよう。 ただ、平凡な普通の子がいいと思っており、弟の能力を研究したがっている一郎と言い合いになった事もあった。
サブタンの母 (さぶたんのはは)
サブタン、大西一郎、サブタンの姉の母親。よく気がつく優しい女性で、サブタンはいい子だと、彼の事を全面的に信じている。見た目はおっとりしているが、夫の大西和夫が聞き分けのない事を言うと叱り飛ばすなど、しっかりした一面も併せ持つ。
サブタンの姉 (さぶたんのあね)
サブタンの姉で大西一郎の妹。明るく元気なしっかり者の女の子で、毎日の夕飯の支度をするなど、よく家事の手伝いをしている。サブタンとの姉弟仲はいいが、お姉さん風を吹かせる事も多く、少しサブタンに煙たがられている。
四次元のおねえちゃん (よじげんのおねえちゃん)
四次元世界に住む四次元人の女性。サブタンからはこのように呼ばれている。四次元世界では真っ黒のマネキン人形のように見えるが、三次元世界ではポニーテールの若い美女の姿になる。四次元世界に迷い込んだサブタンに時間を止める能力を与えるが、サブタンはこの時の事を覚えていない。超強力ミサイル「マンモス」の発射事件が起きた際、サブタンに頼まれてミサイルをアフリカのサハラ砂漠に瞬間移動させるが、空間に抜け穴を残してしまった事から、東京の人や物が突然消えたり、アフリカの物が出現したりする事件を引き起こしてしまう。 こうした三次元への干渉をほかの四次元人にとがめられたため、穴をふさいだあと、サブタンが時間を止める能力を使えないようにした。
カバ公 (かばこう)
「アンパカ組」のリーダー格の少年。「カバ公」は通称で、本名は樺八木である。リーダーは何かにつけて大人達に怒られる事から、一時やる気を喪失。サブタンを次のリーダーにしようとするが、サブタンが拒否したため、罰として工事場の地下道を一人で通り抜けさせようとした。この地下道の壁が四次元世界に通じていた事から、サブタンは時間を止める能力を持つ事となった。
池上
サブタン達の住む町の警察で刑事をしている男性。四次元世界に迷い込んで行方不明になったサブタンの捜索や、人工衛星「クサイ四号」の打ち上げを阻止しようとしたスパイ集団の捜査などを担当した。時間を止める事ができるというサブタンの言葉をまったく信じておらず、サブタンの通う学校で火事が起きた際には、彼を放火の疑いで逮捕した。
吉川博士
「第3章」に登場する。日本で初めての人工衛星「クサイ四号」を開発した科学者。赤羽市のロケット発射場に向かう途中、スパイ達に尾行されている事に気づき、ロケットの実験に関する重要書類を、列車の中で居合わせた大西和夫のカバンに隠した。その後、スパイ達に拉致されるが、サブタンによって助けられる。お礼に彼をクサイ四号の発射場に招待するが、誤ってロケットから出られなくなったサブタンによって、クサイ四号を壊される羽目になった。
ボス
「第3章」に登場する。日本に潜入している某国のスパイ集団を率いる男性。日本初の人工衛星「クサイ四号」の打ち上げ阻止の密命を帯びている。サブタンが時を止められるのを知り、言う事を聞かせるために大西一郎を誘拐。サブタンを脅して「クサイ四号」の打ち上げを止めさせようとした。さらに「クサイ四号」の開発者である吉川博士を拉致し、実験の書類を奪おうとしたが、部下もろともサブタンに捕まり、警察に突き出された。
松沢 英男
「第4章」に登場する。学校ばかり狙っている連続放火魔。サブタン達の通う学校に火を点け、サブタンに罪をなすりつけようとする。しかし、他の場所で放火しようとしていたところをサブタンに見つかり、証拠の手帳ともども裁判所に突き出された。
ロック・ホーム (ろっくほーむ)
「第5章」に登場する。FBIの少年捜査官。まだ少年ながら、車の運転や拳銃の扱いに長けている有能な捜査官で、人工皮膚を使った麻薬密輸団を追って来日した。サブタンが密輸団に利用されている事を知り、彼と共に捜査にあたる。
オラン・ウータン (おらんうーたん)
「第5章」に登場する。日本に来日した男性プロレスラー。実は麻薬運びの常習犯で、人工皮膚の下に隠した麻薬をナイフで取り出そうとしていたところを、サブタン達に見られそうになったため、刺殺体を装って彼らを欺こうとした。しかし、ロック・ホームとサブタンに正体を感づかれ、組織の殺し屋によって口を封じられた。
チャン
「第5章」に登場する。医者と称しているが、実は麻薬の密輸団に属している男性で、催眠術を使う。刺殺されたと思ったオラン・ウータンがピンピンしていたり、身を投げた男性が目前で姿を消したりした事から、頭がおかしくなったのかと悩むサブタンの前に出現。治療と称して、自分が命令した時だけ時を止める能力を使えるようになるという暗示をサブタンにかけ、麻薬の密輸に利用しようとした。
殺し屋 (ころしや)
「第5章」に登場する。殺し屋を生業としている男性。銃の早撃ちを得意としている。麻薬密輸団のメンバーの一人で、証拠隠滅のためオラン・ウータンを殺害。FBI捜査官のロック・ホームも消そうとするが、ロックとサブタンの連携の前に敗れた。
凡骨 (ぽんこつ)
「第6章」「第8章」に登場する。空間理論物理研究所で大西一郎といっしょに四次元の研究をしている博士。人工的に四次元空間を作り出す四次元振動機を作り出すが、空間を通り抜けた実験機とパイロットが裏返し状態になるという事故が発生。パイロットを元通りにするため、一郎を通してサブタンに実験への協力を依頼した。
古田抜 太郎 (ふるだぬき たろう)
「第6章」に登場する。大会社の社長をしている男性。江美原健二という赤ん坊の命を狙っている。実は江美原とは23年後の1989年に知り合っており、その際に彼のタイム・マシンの研究を、いいかげんだ、いんちきだと散々に面罵。酒の勢いもあって、研究が成功したら会社と全財産をくれてやるという賭けをした。しかし、江美原がタイム・マシンの開発に成功し、約束通り会社と全財産を譲れと迫ってきたため、彼の目を盗んで、事の経緯を書いた日記を、タイム・マシンで23年前の自分に送った。 現代の古田抜が赤ん坊の江美原を殺そうとしているのは、この未来から送られてきた自分の日記を読んだからである。
江美原 健二 (えびはら けんじ)
「第6章」に登場する。サブタンが崩れた建物の中から助け出した赤ん坊。23年後の1989年にタイム・マシンを発明する事になる男性で、研究が成功したら古田抜太郎の会社と全財産をいただくという約束をしていた。そのため、未来での出来事を知った現代の古田抜から命を狙われている。
土部泥 (どぶどろ)
「第7章」に登場する。中学の柔道部の主将をしている少年。不良グループのリーダーで、年下の子供達をいじめまくるなど好き放題にしている。アンパカ組に、柔道の試合で負けたら子分になって毎月100円ずつ寄付するという約束をさせ、試合と称してカバ公達を散々にいたぶるが、サブタンに懲らしめられた。
土部泥の父親 (どぶどろのちちおや)
「第7章」に登場する。外国人の悪党グループと組んで私腹を肥やしている悪徳政治家。息子の土部泥は不良達のリーダーで、中学の柔道部の先生からたびたび注意されている問題児だが、息子の事はほったらかしで、まったく気にしてしない。
外国人の男 (がいこくじんのおとこ)
「第7章」に登場する。外国の悪党グループのボス。政治家である土部泥の父親と組んで、さまざまな悪事をしている。土部泥の家で次の悪事の相談をしていたのをサブタンに聞かれたと思い込み、1日居続けたら頭がおかしくなるという拷問部屋に彼を放り込む。だが、逆にサブタンによってその部屋に閉じ込められ、自分自身が頭がおかしくなってしまう。
六甲
「第8章」に登場する。日本人技師の男性。アフリカの新興国である、アジェル共和国の国立石油会社で働く。砂漠で行き倒れていたサブタンを助けるなど、善良で親切な男性に見えるが、実は反政府組織「スカラベ」のスパイで、大統領の命を狙っている。しかし、スパイ活動に日本製の録音機を使用していた事から、サブタンによって正体を見破られた。
大統領 (だいとうりょう)
「第8章」に登場する。アフリカの新興国であるアジェル共和国の大統領。アジェル共和国はまだ独立して間もないため、外国の優れた技術を積極的に導入しようとしている。そのため、外国人排斥を掲げる反政府組織「スカラベ」に命を狙われている。
集団・組織
アンパカ組 (あんぱかぐみ)
サブタンが所属している少年グループ。カバ公が代表を務めている。町内でも指折りの腕白小僧達で構成されており、工事場の地下道に忍び込んだり、学校で大量の花火を打ち上げたりと、さまざまな悪さをしている。そのため、大人達によく怒られている。
スカラベ
「第8章」に登場する。アフリカの新興国であるアジェル共和国で暗躍する反政府組織。メンバーは手の甲に3本の傷がある。外国人をアジェル共和国から追放すべきと主張しており、外国の技術の導入に積極的な大統領の殺害と政府の転覆を目論んでいたが、サブタンの活躍によって壊滅した。
場所
四次元世界 (よじげんせかい)
三次元の1つ上の次元世界。この世界にいる四次元人達は黒いマネキン人形のような姿をしていて、いずれも時間を止める能力を持つ。サブタン達が住む町の工事場の地下道が、この四次元世界に通じており、地下道の壁のタイルの剥がれたところから四次元に行けるが、サブタン以外は通り抜ける事はできない。
その他キーワード
四次元振動機 (よじげんしんどうき)
「第6章」に登場する。人工的に四次元空間を作り出すマシン。凡骨博士と大西一郎が発明した。富士のすそ野で起動実験を行うが、空間を通り抜けたヘリコプターとパイロットが裏返し状態になってしまうという事故が発生。パイロットを元通りにするため、実験に協力したサブタンも、厚みのないペラペラの二次元人になってしまうという騒動を起こした。
タイム・マシン (たいむましん)
「第6章」に登場する。タイム・マシンの試作機。成長した江美原健二が、23年後の未来世界において発明した。ケースに入れた物を過去や未来に送る事ができる。ただし、送れるのは書籍やパイプのような小さな品物だけで、人間を送る事はできない。
マンモス
「第8章」に登場する。アメリカが開発した超強力なミサイル。アメリカ大統領が居眠りをしていて間違って発射ボタンを押してしまい、日本に向かって飛来する。四次元のおねえちゃんがアフリカのサハラ砂漠に瞬間移動させたため大惨事をまぬがれた。サハラ砂漠で爆発した際に、巨大な原子雲が立ち上った事から核ミサイルの一種と思われる。