概要・あらすじ
10年前に別れた初恋の少女にほのかな想いを抱き続けている高校生の小林三平太。ある朝、目覚めると目の前で女性型ロボットが家電を模したロボットと戦っていた。事情が呑み込めないでいる三平太に、女性型ロボットはケメコと名乗り、自分が三平太の嫁になると一方的に宣言する。とりあえず学校へと逃げた三平太だったが、その日の午後、再びロボットの襲撃を受ける。
すんでのところで再びケメコが現れてロボットを撃退、その後ケメコのなかから三平太の初恋の少女によく似た姿をしたパイロットのエムエムが意識を失った状態で排出される。この日からエムエムはなかば強引に三平太の部屋に居つき、またケメコの姿で彼の学校に教師として赴任してくる。
同時に地元の大企業であるミシマ電機からの刺客が三平太を狙うようになる。ミシマ電機の目的は、彼の体内に埋め込まれた無限のエネルギーを秘めたナノボールの奪取と、ナノボールの開発者である三志摩宗一郎の娘であるエムエムの抹殺だった。
登場人物・キャラクター
小林 三平太 (こばやし さんぺいた)
いい加減な性格をした漫画家の母小林ふみ子と、きっちりした性格のあまり、時おり兄に暴力的になる妹の小林タマ子と暮らす平凡な男子高校生。トラブルをさける穏やかな性格をしており、10年前に別れた少女のことをいまだに想いつづける優しい性格をしている。ある日、突然に現れたケメコに一方的に嫁宣言をされ、以降そのパイロットであるエムエムと生活を共にするようになる。 実は体内にナノボールと呼ばれるエネルギー体を埋め込まれており、それが発動寸前となっており、彼の感情のたかぶりに応じて超人的なパワーを発揮することがある。そのため、ナノボール奪取をたくらむミシマ電機から狙われる。
エムエム
平穏な生活を送っていた小林三平太の前にある朝、突然現れて嫁宣言をする。女性型ロボットケメコに搭乗し、その超パワーをもって彼を守るためなら何でもする豪快な性格。しかし、ケメコから降りている時は女の子らしく意地を張ったり、恥ずかしがり屋である一面を見せる。ナノボールの開発者である三志摩総一郎の娘であり、三平太および彼に埋め込まれたナノボールを狙うミシマ電機から三平太を守るべく戦っていく。
牧原 イズミ (まきはら いずみ)
小林三平太の幼なじみである少女。三平太のことが好きで、エムエムをはじめ、彼の回りに女性が現れるたびにやきもきした表情を見せる。三平太が部活に所属していないため、彼と一緒に帰りたい彼女も帰宅部だが、実際は毎日10キロの走り込みをしているアスリート気質で運動神経抜群。そのため、学校中の運動部からことあるごとに入部をかけた勝負を挑まれている。
早川 美咲 (はやかわ みさき)
幼児体型な牧原イズミのクラスメイト。感情をあらわさない、物静かな性格をしているが、いわゆる電波を受信する不思議な少女。人間関係のトラブルを眺めるのが好きで、よくイズミをからかっている。実家は地元の名士である早川建設で、従業員からは“三代目”と呼ばれており、高校生ながら商談などにも携わっている。 サイコキネシスのような力を持っておりミシマ電機の横暴を止めるために人知れず戦うこともある。
黒崎 リョーコ (くろさき りょーこ)
小林三平太と同じクラスの女子生徒だったが、入学以来まったく登校していなかった。ケメコの出現からほどなくして登校するようになり、三平太を舎弟のように扱う。女子高生は仮の姿で、実体は連合公安という組織の構成員でありナノボールを宿す三平太やエムエムを監視する役目を持っている。 戦闘能力は非常に高く、日本刀を使いケメコに搭乗したエムエムとも互角に渡り合う。
三志摩 真命 (みしま まい)
ミシマ電機の取締役でエムエムの双子の妹。10年前にエムエムの姿を偽って三平太の心に残っていた人物でもある。三志摩宗一郎によってエムエムともども作り出された人造生命体で、自身の寿命に絶望してナノボールを使って世界の壊滅を目論んでおり、ミシマ電機のスタッフを使ってナノボールの奪取を狙う。
神代 ユキナ (かみしろ ゆきな)
ケメコが現れてからしばらくたって小林三平太のクラスにやってきた転校生の少女。常時巫女服を着用している。ライトノベルを愛読する心優しい少女だが、実際はミシマ電機が進めていたナノボール再生計画の唯一の生き残りであり、ナノボールの力が発現した時の三平太ほどではないが、超常的なパワーを持つ。 当初は三志摩真命の命令でエムエムの抹殺を狙っていたが、エネルギーを使い尽くしたことで普通の女子高生として生活することになる。
ヴァニラ・M・リペアーズ (ゔぁにら・めいく・りぺあーず)
グラマラスな体つきをしたミシマ電機の専務。三志摩真命の指示を受けナノボールの奪取を狙う。部下に戦わせるだけでなく、自分も戦うことがあり、その時はケメコによく似たフォルムの女性型ロボットキリコに搭乗する。企業の利益を第一に考えており、真命の目的が世界の壊滅と知ったことで、最後の最後で彼女に反逆する。
黒崎 レイジ (くろさき れいじ)
ミシマ電機第1開発部部長で黒崎リョーコの兄。彼女の慕っていた十文字なる人物を殺害しており、彼女からは仇として憎まれている。リョーコをしのぐ武力を持っているが、その力を見せることは少なく、普段は“影山”と名乗って小林三平太の通う高校で教師をしながら三平太の動向を探っている。 ナノボールのパワーに純粋な興味を持っており、その力が未来にどういう影響をもたらすかを見たいと思っている。
美宇羅 (みうら)
早川美咲の姉で、結婚相手と駆け落ちした過去がある。出奔した後、その男性とは離婚しており、とある別荘地で生活していた。そこを小林三平太とエムエムたちが訪れたことをきっかけに世間に戻り、それ以降は三平太の通う学校で事務員を務めるようになる。美咲と違って超能力的な才能はないものの、きわめて高い戦闘力を持つ。
小林 ふみ子 (こばやし ふみこ)
小林三平太の母。漫画家で、常に締切と戦っており、編集者の葵によくせっつかれている。漫画の執筆以外のことにはうとく、いい加減な性格をしており、小林家の家事は主に小林タマ子にゆだねられている。高校生時代からいわゆる腐女子であり、漫画を描くことへの情熱は高く、自己で右腕を骨折したことを機に左手で絵が描けるようになったほど。
小林 タマ子 (こばやし たまこ)
小林三平太の妹。だらしない母親に代わって小林家の家事を切り盛りする有能な女の子。真面目な性格をしており、自分が母や兄に代わって小林家を支えるという使命感が強く、そのあまり、兄に対してフライパンで襲いかかることもある。同様にまじめな性格をしていると感じているケメコを慕っており、“お姉さま”と呼ぶ。
集団・組織
ミシマ電機 (みしまでんき)
『ケメコデラックス』に登場する企業。生活に関わる全てのものを手がけている企業。小林三平太の住む町に本社を置いている。ナノボールを最初に発見した三志摩宗一郎によって設立されたが、彼の死後は三志摩真命によって牛耳られており、三平太の体内に眠るナノボールを狙ってさまざまな刺客を放つ。
その他キーワード
ナノボール
『ケメコデラックス』に登場する用語。超常的なエネルギー。かつて三志摩宗一郎によって発見され、10年前に小林三平太に埋め込まれた。無生物を生物化することができるとされ三志摩真命はこのエネルギーをもって、自分を含めた世界を思いのままにしようとした。三平太がナノボールを発現させた際は、彼の額から植物の芽が発芽するような現象が発生する。
アニメ
書誌情報
ケメコデラックス! 9巻 KADOKAWA〈電撃コミックス〉
第1巻
(2006-06-27発行、 978-4840235020)
第2巻
(2007-01-27発行、 978-4840237499)
第3巻
(2007-08-27発行、 978-4840240086)
第4巻
(2008-04-26発行、 978-4048670463)
第5巻
(2008-10-25発行、 978-4048673884)
第6巻
(2009-06-27発行、 978-4048678650)
第7巻
(2010-02-26発行、 978-4048684279)
第8巻
(2010-09-27発行、 978-4048689151)
第9巻
(2011-08-27発行、 978-4048708272)