概要・あらすじ
国に捨てられた老婆、親に捨てられた赤児、飼い主に捨てられた老猫、老猫の死によって食糧に見捨てられたシラミ夫婦。この四生物の臨終の時が奇しくも一致し、彼らの生きたいという気持ちからコケカキイキイという異次元の生物が生まれた。やがてコケカキイキイは、東京へ行き、金持ちを家から追い出し貧乏人に与えるなど、弱気を助け強きをくじく新生物として、現代の地獄・東京から人々を解放していく。
登場人物・キャラクター
コケカキイキイ
『コケカキイキイ』の主人公の異次元生物。「コケカキイキイ」と鳴く。臨終を間際に迎えながら生きたいという強い願いを持った四生物(老婆、赤児、老猫、シラミ夫婦)が合体して生まれた。庶民の不満が好物。金持ちから金を取り上げて貧乏人に分け与えたり、家に困っている人に強欲地主のマンションを解放するなど、弱者を救済する。 貧乏人には、コケカ神・コケカさまと崇められる。
太吉 (たきち)
『コケカキイキイ』の登場人物の少年。コケカキイキイを森で見つけ、直感的に神だと思い村に連れ帰る。村人の疑惑と反対に屈することなく、コケカキイキイを大切に扱い、神社に住まわせる。コケカキイキイの言うことがある程度分かる。
老婆 (ろうば)
戦争で2人の息子を失った老婆。廃坑の穴に住んでいたが、臨終間際にせめて医者にかかろうと豪雨の中を出歩いてボロ屋にたどり着く。赤児、老猫、シラミ夫婦と合体してコケカキイキイとなる。
赤児 (あかご)
母親が薬を飲みすぎたために体が不自由な状態で生まれた赤ん坊。ボロ屋で死にかけていたところ、老婆、老猫、シラミ夫婦と合体してコケカキイキイとなる。
老猫 (ろうびょう)
都会の排気ガスにやられて弱ったため、飼い主に捨てられた老猫。大雨でいたたまれず、ボロ屋に転がり込み臨終を迎えようとしたところ、老婆、赤児、シラミ夫婦と合体してコケカキイキイとなる。
シラミ夫婦 (しらみふうふ)
ボロ屋に転がり込み臨終を迎えようとしている老猫に寄生するシラミの夫婦。宿主とともに死ぬ運命にあったが、老婆、赤児、老猫と合体してコケカキイキイとなる。
家主 (やぬし)
コケカキイキイが生まれたボロ屋の大家。コケカキイキイの鳴き声を聞きつけ、家賃を取り立てにくる。強欲なため、コケカキイキイの最初の犠牲者となる。
場所
東京 (とうきょう)
高度成長期の東京。まじめに働く人間が報われず、物価や医療費は上がる一方。幼児ですら受験地獄の犠牲者となり、サラリーマンは鉄筋の容器に押し込められ欲求不満に苛まれる。人口だけが増えどんどん息苦しくなるマンモス地獄と化している都会。